建築基準法では、道路に関する規定と用途地域による建築制限が宅建試験で問われるため、重要なテーマです。今回は、建築基準法42条2項、43条2項、48条1項、48条9項、48条12項について、条文の意味、適用条件、法律上の効果、ひっかけや本試験での問われ方を確認します。条文番号そのものを暗記することが目的ではなく、「誰が・何を・いつ・どの条件で・どのような効果になるのか」を理解して、それぞれの規定を判断できるようにすることが重要です。
「試験で覚えるポイント」重要ポイント一覧
結論として、このテーマでは5つの条文・論点を区別して覚えることが重要です。理由は、42条2項と43条2項が道路・接道に関する規定である一方、48条1項・9項・12項は用途地域による建築制限を定めているからです。内容として、42条2項は2項道路、43条2項は接道義務の特例、48条1項は第一種低層住居専用地域、48条9項は近隣商業地域、48条12項は工業地域を押さえます。
| 重要ポイント | 試験で覚えるポイント |
|---|---|
| 建築基準法42条2項|2項道路 | 幅員4m未満の一定の道・道路とみなすこと・原則2mセットバック |
| 建築基準法43条2項|接道義務の特例 | 原則2m接道・第1号は認定・第2号は許可 |
| 建築基準法48条1項|第一種低層住居専用地域 | 別表第二(い)項の建築物・住宅だけではない・許可による例外 |
| 建築基準法48条9項|近隣商業地域 | 別表第二(り)項の建築物を原則制限・許可による例外 |
| 建築基準法48条12項|工業地域 | 別表第二(を)項の建築物を原則制限・許可による例外・住宅は建築できる |
重要ポイント①|建築基準法42条2項・2項道路
42条2項では、一定の要件を満たす幅員4m未満の道が建築基準法上の道路とみなされます。これは、古くから建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道まで道路として認めないと、既存の市街地で建築できなくなる場合があるためです。試験では、特定行政庁の指定、道路とみなすこと、原則として中心線から2m後退した線を道路境界線とみなすことを確認します。
条文
42条2項は、建築基準法上の道路について、一定の要件を満たす幅員4m未満の道を道路とみなす規定です。現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道について、特定行政庁が指定した場合には、その道を道路とみなします。その場合、原則として中心線から2m後退した線を道路境界線とみなします。
やさしく解説
建築基準法では、原則として幅員4m以上のものを道路として扱います。しかし、古くから建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道まで、すべて道路として認めないと既存の市街地で建築できなくなる場合があります。そこで、一定の要件を満たす道を道路とみなすのが42条2項であり、いわゆる「2項道路」です。
宅建でのおさえどころ
試験で覚えるポイント
2項道路は、幅員4m未満でも一定の要件を満たして特定行政庁が指定した道を道路とみなす制度です。特に中心線から2mという数字がセットバックとの関係で重要になります。「4m未満」「特定行政庁の指定」「道路とみなす」「原則2m」を一まとまりで覚えます。
ひっかけに注意
「幅員4m未満の道は、すべて建築基準法上の道路ではない」とする選択肢は誤りです。42条2項の要件を満たし、特定行政庁の指定を受けた道は道路とみなされます。また、「道路中心線から1m後退」や「3m後退」とする数字の入れ替えにも注意し、原則として中心線から2m後退した線が道路境界線とみなされることを押さえます。
本試験ではどう問われる?
問題文では、まず道の幅員が4m未満であるか、特定行政庁の指定があるかを確認します。そのうえで、その道が道路とみなされることや、中心線から2mという数字が正しく示されているかを判断します。「4m未満だから道路ではない」という結論だけで判断しないことがポイントです。
ここをおさえる
2項道路は、4m未満でも一定の要件を満たせば道路とみなされます。原則として中心線から2m後退した線が道路境界線とみなされます。2項道路とセットバックを一緒に覚えておきます。
この論点を狙う固有の出題パターン
42条2項では、道路とみなされるための条件と、セットバックに関する数字を組み合わせた出題が中心になります。特に幅員4m未満という条件、特定行政庁の指定、中心線から2mという数字を変更することで正誤を判断させます。問題文では、道そのものが道路とみなされるケースなのか、数字だけが変更されているのかを確認する必要があります。
出題パターン①|幅員4m未満でも道路とみなされる条件
【本来のルール】現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道について、特定行政庁が指定した場合、その道は道路とみなされます。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】「幅員4m未満ならすべて道路ではない」と変更したり、「特定行政庁の指定がなくても道路とみなされる」と変更したりしてきます。
出題パターン②|中心線からの後退距離を変更
【本来のルール】2項道路では、原則として中心線から2m後退した線を道路境界線とみなします。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】中心線から1mまたは3m後退した線を道路境界線とみなすと変更して、2mという数字を入れ替えてきます。
宅建試験ではここが狙われやすい
42条2項では、4m未満の道が道路とみなされることと、原則2mセットバックが特に狙われます。理由は、幅員4m未満という条件だけを見て「道路ではない」と誤判断したり、セットバックの数字を取り違えたりしやすいからです。具体的には「特定行政庁の指定」「道路とみなすこと」「中心線から2m」という条件と数字が狙われます。
一問一答
問題1
建築基準法42条2項の要件を満たして特定行政庁が指定した幅員4m未満の道は、建築基準法上の道路とみなされる。
正解:○
解説:42条2項は、一定の要件を満たす幅員4m未満の道を道路とみなす規定です。
問題2
2項道路では、原則として道路の中心線から1m後退した線を道路境界線とみなす。
正解:×
解説:原則として中心線から2m後退した線を道路境界線とみなします。
問題3
42条2項では、特定行政庁が指定した幅員4m未満の一定の道を道路とみなす。
正解:○
解説:特定行政庁の指定を受けた一定の幅員4m未満の道は、道路とみなされます。
問題4
幅員4m未満の道は、42条2項の要件を満たしていても建築基準法上の道路とはみなされない。
正解:×
解説:一定の要件を満たし、特定行政庁の指定を受けた道は道路とみなされます。
重要ポイント②|建築基準法43条2項・接道義務の特例
43条2項は、原則として道路に2m以上接しなければならない接道義務について、一定の要件を満たす場合に特例を認める規定です。接道義務そのものがなくなるわけではなく、例外として認定または許可を受けることができる点が理由です。試験では、第1号が認定、第2号が許可であることを特に区別して覚えます。
条文
建築基準法43条1項では、建築物の敷地は原則として道路に2m以上接しなければならないとされています。43条2項では、この接道義務について、一定の要件を満たす建築物について適用しない特例を定めています。第1号は認定、第2号は許可による特例であり、第2号では建築審査会の同意を得た許可がポイントです。
やさしく解説
建築物を建てる場合、敷地が建築基準法上の道路に2m以上接していることが原則で、これが接道義務です。ただし、すべてのケースで道路に2m以上接していなければ絶対に建築できないとすると、特殊な敷地などで不都合が生じます。そこで43条2項では、一定の要件を満たす場合に認定または許可によって接道義務の例外を認めています。
宅建でのおさえどころ
試験で覚えるポイント
43条2項では、原則2m以上の接道義務と、その例外である認定・許可を押さえます。第1号は認定、第2号は許可という区別が重要です。第2号では建築審査会の同意を得た許可がポイントになります。
ひっかけに注意
「建築物の敷地は道路に1m以上接していればよい」とする選択肢は誤りです。原則として2m以上の接道が必要であり、43条2項に該当すれば自由に建築できるという意味でもありません。また、「43条2項第2号は認定である」とする選択肢も誤りで、第2号は許可による特例です。
本試験ではどう問われる?
問題文では、まず原則となる接道距離が2m以上かを確認します。そのうえで例外が問題となっている場合には、第1号の認定なのか、第2号の許可なのかを確認します。原則と例外を逆にしていないかを判断することが重要です。
ここをおさえる
43条2項は接道義務の特例です。原則は道路に2m以上接し、第1号は認定、第2号は許可です。第2号では建築審査会の同意を得た許可がポイントになります。
この論点を狙う固有の出題パターン
43条2項では、原則2mという接道義務と、例外となる認定・許可を入れ替える出題が狙われます。特に第1号と第2号の制度を逆にすることで、正誤を判断させます。問題文では、原則の話なのか特例の話なのかを確認したうえで、認定と許可のどちらが示されているかを確認します。
出題パターン①|接道距離を変更
【本来のルール】建築物の敷地は原則として道路に2m以上接しなければなりません。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】「1m以上接すればよい」と変更して、原則となる2mという数字を入れ替えてきます。
出題パターン②|第1号と第2号の制度を入れ替える
【本来のルール】43条2項第1号は認定、第2号は許可による特例です。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】「第1号は許可」「第2号は認定」と変更して、認定と許可を逆にしてきます。
宅建試験ではここが狙われやすい
43条2項では、原則2mの接道義務と特例の関係が狙われやすいポイントです。特に第1号の認定と第2号の許可を混同しやすいため、制度の種類まで正確に確認する必要があります。具体的には「2m以上」「第1号=認定」「第2号=許可」という組合せが出題されやすくなります。
一問一答
問題1
建築物の敷地は、原則として道路に2m以上接しなければならない。
正解:○
解説:これが建築基準法43条1項の接道義務です。
問題2
建築基準法43条2項第2号は、接道義務について認定を受ける制度である。
正解:×
解説:第2号は許可による特例です。第1号の認定と区別します。
問題3
建築基準法43条2項第1号は、接道義務について認定による特例を定めている。
正解:○
解説:第1号は認定による特例です。
問題4
43条2項に該当すれば、一定の要件を満たす必要はなく、自由に建築できる。
正解:×
解説:一定の要件を満たした場合に認定または許可による特例が認められます。
重要ポイント③|建築基準法48条1項・第一種低層住居専用地域
48条1項は、第一種低層住居専用地域における建築物の用途を制限する規定です。第一種低層住居専用地域では低層住宅の良好な住環境を守るため建築できる建物の種類が厳しく制限されていますが、住宅だけに限定されるわけではないことが理由です。試験では、別表第二(い)項に掲げる建築物が基本となることと、特定行政庁の許可による例外を押さえます。
条文
48条1項では、第一種低層住居専用地域内において、別表第二(い)項に掲げる建築物以外の建築を原則として禁止しています。ただし、特定行政庁の許可によって例外が認められる場合があります。したがって、第一種低層住居専用地域では、別表第二(い)項に掲げる建築物が基本となります。
やさしく解説
第一種低層住居専用地域は、低層住宅の良好な住環境を守ることを目的とする用途地域です。そのため、建築できる建物の種類が厳しく制限されています。ただし、「住居専用だから住宅以外は一切建築できない」という意味ではなく、別表第二(い)項に掲げられた一定の建築物が建築できます。
宅建でのおさえどころ
試験で覚えるポイント
第一種低層住居専用地域は低層住宅の良好な住環境を守る地域です。建築できる建物は住宅だけではなく、別表第二(い)項に掲げられた一定の建築物があります。さらに、特定行政庁の許可による例外があることも覚えます。
ひっかけに注意
「第一種低層住居専用地域では住宅以外の建築物は一切建築できない」とする選択肢は誤りです。別表第二(い)項に掲げられた一定の建築物は建築できます。また、「許可による例外はない」とする選択肢にも注意し、一定の場合には特定行政庁の許可による例外があることを押さえます。
本試験ではどう問われる?
問題文では、第一種低層住居専用地域という用途地域を確認したうえで、示された建築物が基本的に建築できる範囲に入るかを判断します。「住宅しか建築できない」という極端な表現がある場合には、別表第二(い)項に掲げられた一定の建築物があることを確認します。
ここをおさえる
一低専は低層住宅の良好な住環境を守る地域です。住宅だけではなく、別表第二(い)項に掲げられた一定の建築物も建築できます。一定の場合には特定行政庁の許可による例外があります。
この論点を狙う固有の出題パターン
48条1項では、第一種低層住居専用地域で建築できる用途を極端に狭く表現する出題が狙われます。特に「住宅だけ」と変更したり、別表第二(い)項に掲げられた建築物が建築できないと変更したりします。問題文では、住宅以外の一定の建築物が示されているか、許可による例外が否定されていないかを確認します。
出題パターン①|住宅だけに限定する
【本来のルール】第一種低層住居専用地域では、別表第二(い)項に掲げられた一定の建築物を建築できます。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】「住宅以外の建築物は一切建築できない」と変更し、学校、図書館、神社・寺院・教会、老人ホーム、保育所、診療所なども含めて禁止されているようにしてきます。
出題パターン②|許可による例外を否定する
【本来のルール】第一種低層住居専用地域では、一定の場合に特定行政庁の許可による例外があります。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】「第一種低層住居専用地域では許可による例外はない」と変更してきます。
宅建試験ではここが狙われやすい
48条1項では、第一種低層住居専用地域の建築制限を住宅だけの制限と誤解させる点が狙われやすいです。理由は、「住居専用」という名称から住宅以外がすべて禁止されると判断しやすいためです。具体的には、別表第二(い)項の一定の建築物が建築できることと、特定行政庁の許可による例外が狙われます。
一問一答
問題1
第一種低層住居専用地域では、住宅以外の建築物は一切建築できない。
正解:×
解説:別表第二(い)項に掲げられた一定の建築物を建築できます。
問題2
第一種低層住居専用地域では、別表第二(い)項に掲げる建築物が基本となる。
正解:○
解説:48条1項では、別表第二(い)項に掲げる建築物以外の建築を原則として禁止しています。
問題3
第一種低層住居専用地域では、一定の場合に特定行政庁の許可による例外が認められる。
正解:○
解説:48条1項には、特定行政庁の許可による例外があります。
問題4
第一種低層住居専用地域は住宅だけを建築することができる地域なので、学校や診療所なども建築できない。
正解:×
解説:一定の学校、図書館、神社・寺院・教会、老人ホーム、保育所、診療所なども建築できます。
重要ポイント④|建築基準法48条9項・近隣商業地域
48条9項は、近隣商業地域において一定の建築物を原則として建築できないとする規定です。近隣商業地域は近隣住民の日常生活を支える商業の利便を重視する地域ですが、商業地域だからといってすべての建築物が自由に建築できるわけではないためです。試験では、別表第二(り)項の建築物が制限されることと、特定行政庁の許可による例外を確認します。
条文
48条9項では、近隣商業地域内において、別表第二(り)項に掲げる建築物を原則として建築してはならないと定めています。ただし、特定行政庁が一定の要件を満たすと認めて許可した場合には例外があります。したがって、近隣商業地域では別表第二(り)項の建築物が制限されることを押さえます。
やさしく解説
近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給など、地域の日常生活を支える商業の利便を増進するための地域です。そのため、商業に適した建物が認められる一方、周辺環境に大きな影響を与える一定の建築物については制限があります。「近隣商業地域だからどのような商業施設でも建築できる」と考えないことが重要です。
宅建でのおさえどころ
試験で覚えるポイント
近隣商業地域は近隣住民の日常生活を支える商業の利便を重視する地域です。48条9項では、別表第二(り)項の建築物が原則として制限されます。特定行政庁の許可による例外があることも覚えておきます。
ひっかけに注意
「近隣商業地域ではすべての建築物を自由に建築できる」とする選択肢は誤りです。一定の建築物について建築制限があります。また、「48条9項の制限には許可による例外がない」とする選択肢も誤りで、一定の要件を満たして特定行政庁の許可を受けた場合には例外があります。
本試験ではどう問われる?
問題文では、まず近隣商業地域であることを確認します。そのうえで、別表第二(り)項の建築物について原則として建築できないという制限が示されているか、許可による例外が正しく扱われているかを判断します。用途地域の名前だけを見て「制限がない」と判断しないことが重要です。
ここをおさえる
近隣商業地域は商業の利便を重視する地域ですが、一定の建築物には制限があります。48条9項では別表第二(り)項の建築物が原則として建築できません。一定の場合には特定行政庁の許可による例外があります。
この論点を狙う固有の出題パターン
48条9項では、近隣商業地域という名称から建築制限がほとんどないと誤認させる出題が狙われます。特に、別表第二(り)項の建築物について原則として建築できないという部分や、許可による例外を変更してきます。問題文では、近隣商業地域であることだけでなく、制限対象と許可の扱いを確認します。
出題パターン①|建築制限をなくす
【本来のルール】近隣商業地域では、別表第二(り)項に掲げる建築物を原則として建築してはなりません。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】「近隣商業地域ではすべての建築物を自由に建築できる」と変更し、48条9項による建築制限が存在しないようにしてきます。
**出題パターン②|許可による例外をなくす】
【本来のルール】一定の要件を満たすと認められて特定行政庁が許可した場合には、原則禁止の例外があります。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】「48条9項の制限には特定行政庁の許可による例外がない」と変更してきます。
宅建試験ではここが狙われやすい
48条9項では、近隣商業地域という名称だけから建築制限がないと判断させる点が狙われます。商業の利便を重視する地域であっても、別表第二(り)項に掲げる建築物には原則として制限があるためです。具体的には、制限対象の存在と、特定行政庁の許可による例外が狙われます。
一問一答
問題1
建築基準法48条9項は、近隣商業地域について定めている。
正解:○
解説:48条9項は近隣商業地域における建築制限を定めています。
問題2
近隣商業地域では、すべての建築物を自由に建築できる。
正解:×
解説:別表第二(り)項に掲げる建築物について原則として建築制限があります。
問題3
48条9項では、別表第二(り)項に掲げる建築物を原則として建築してはならない。
正解:○
解説:近隣商業地域では、別表第二(り)項に掲げる建築物が原則として制限されます。
問題4
近隣商業地域の48条9項による建築制限には、特定行政庁の許可による例外はない。
正解:×
解説:一定の要件を満たすと認められて特定行政庁が許可した場合には例外があります。
重要ポイント⑤|建築基準法48条12項・工業地域
48条12項は、工業地域において一定の建築物を原則として建築できないとする規定です。工業地域は主として工業の利便を増進する地域ですが、工業地域では住宅の建築が認められており、すべての建築物を自由に建築できるわけでもないためです。試験では、別表第二(を)項の制限、特定行政庁の許可による例外、工業地域では住宅を建築できることを押さえます。
条文
48条12項では、工業地域内において、別表第二(を)項に掲げる建築物を原則として建築してはならないと定めています。ただし、特定行政庁が工業の利便上又は公益上必要と認めて許可した場合には例外があります。したがって、工業地域には一定の建築制限がある一方、住宅の建築が認められています。
やさしく解説
工業地域は、主として工業の利便を増進するための地域です。そのため、工場などの建築が認められる一方、一定の建築物については制限されています。また、工業地域と工業専用地域は異なり、工業地域では住宅などの建築が認められる場合があります。
宅建でのおさえどころ
試験で覚えるポイント
工業地域は工業の利便を増進する地域です。48条12項では別表第二(を)項の建築物を原則として制限しますが、住宅の建築は認められています。工業地域と工業専用地域を区別し、許可による例外も押さえます。
ひっかけに注意
「工業地域では住宅を建築できない」とする選択肢は誤りです。工業地域と工業専用地域は異なり、工業地域では住宅の建築が認められています。また、「工業地域では建築制限がない」とする選択肢も誤りで、48条12項により一定の建築物が制限されます。さらに、「48条12項には許可による例外がない」とする選択肢にも注意し、工業の利便上又は公益上必要と認められた場合には特定行政庁の許可による例外があることを確認します。
本試験ではどう問われる?
問題文では、まず工業地域であることを確認し、住宅を建築できるかを判断します。そのうえで、48条12項の制限対象や、工業の利便上又は公益上必要と認められた場合の許可による例外が正しく示されているかを確認します。「工業」という名称だけで住宅が禁止されていると判断しないことが重要です。
ここをおさえる
工業地域では住宅を建築できます。ただし、48条12項により別表第二(を)項に掲げる一定の建築物は原則として制限されます。工業の利便上又は公益上必要と認められた場合には特定行政庁の許可による例外があります。
この論点を狙う固有の出題パターン
48条12項では、工業地域と工業専用地域を混同させる出題が狙われます。特に「工業地域では住宅を建築できない」と変更したり、一定の建築制限そのものをなくしたり、許可による例外を否定したりします。問題文では、工業地域という用途地域、住宅の可否、48条12項の制限と許可の関係を順番に確認します。
出題パターン①|工業地域で住宅を禁止する
【本来のルール】工業地域では住宅を建築することができます。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】「工業地域では住宅を建築できない」と変更し、工業地域と工業専用地域を混同させてきます。
出題パターン②|工業地域の建築制限をなくす
【本来のルール】48条12項では、別表第二(を)項に掲げる建築物を原則として建築してはなりません。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】「工業地域では建築制限がない」と変更し、48条12項による一定の建築物の制限をなくしてきます。
出題パターン③|許可の要件を変更する
【本来のルール】特定行政庁が工業の利便上又は公益上必要と認めて許可した場合には、原則禁止の例外があります。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】「特定行政庁の許可による例外はない」としたり、「工業の利便上又は公益上必要と認める」という条件を外したりしてきます。
宅建試験ではここが狙われやすい
48条12項では、工業地域では住宅を建築できるという点と、同時に一定の建築物には制限があるという点が狙われやすいです。工業地域という名称から住宅まで禁止されていると誤解したり、逆に工業地域ならすべての建築物が自由だと誤解したりしやすいためです。具体的には、住宅の可否、別表第二(を)項の制限、工業の利便上又は公益上必要と認められた場合の許可が問われます。
一問一答
問題1
工業地域では住宅を建築することができる。
正解:○
解説:工業地域では住宅の建築が認められています。
問題2
工業地域では、48条12項による建築制限がない。
正解:×
解説:48条12項により、別表第二(を)項に掲げる一定の建築物が原則として制限されています。
問題3
48条12項では、工業の利便上又は公益上必要と認められて特定行政庁が許可した場合には、原則禁止の例外がある。
正解:○
解説:一定の要件のもと、特定行政庁の許可による例外があります。
問題4
工業地域では住宅を建築できないため、工業専用地域との区別はない。
正解:×
解説:工業地域では住宅を建築できます。「工業」という言葉だけで判断せず、工業地域と工業専用地域を区別します。
まとめ
建築基準法では、42条2項は2項道路・原則2mセットバック、43条2項は接道義務の特例・第1号認定・第2号許可、48条1項は第一種低層住居専用地域、48条9項は近隣商業地域、48条12項は工業地域として整理します。まず「42=道路、43=接道、48=用途地域」で区別し、それぞれについて「誰が・何を・いつ・どの条件で・どのような効果になるのか」を判断できるようにしておきましょう。
