都市計画の決定手続では、公告・2週間の縦覧・意見書・審議会・告示を順番に確認します。宅建では「2週間」を「1週間」に変えるだけでなく、縦覧期間中の意見書を期間満了後の異議申立てへ変更するひっかけが出ます。この記事では平成2年問19を中心に、市町村と都道府県の手続、効力発生日、都市計画図書の縦覧まで整理します。
都市計画の決定手続は、数字だけを覚えるより誰が・いつ・何をするのかを時系列で理解することが必要です。特に審議会の議と議会の議決、国土交通大臣の同意と都市計画の効力発生は、言葉が似ていても役割が異なります。本試験では「案の縦覧→意見書→審議→決定→告示→効力発生」という流れを固定して判断します。
問題文を読んだら最初に何を見るか
都市計画の決定手続では、最初に誰が都市計画を決定する場面なのかを確認します。都道府県と市町村では必要となる意見聴取・審議会・協議の組合せが異なるため、主体を読み落とすと正しい手続を選べません。この章では、問題文の決定語句と、本試験で使う基本的な処理順を整理します。
次に、問題文が都市計画案の縦覧段階なのか、都市計画審議会を経る段階なのか、決定後の告示段階なのかを確認します。同じ都市計画の手続でも、住民が意見書を出せる時点と都市計画が効力を生じる時点は大きく異なります。手続のどの段階かを確定してから期間や行政庁を照合してください。
さらに、「意見書」と「異議申立て」、「審議会の議」と「議会の議決」、「国土交通大臣の同意」と「効力発生」を分けます。平成2年問19では、実在する手続用語を別の時点や別の機関へ置き換えた肢が複数あります。聞き慣れた言葉が含まれているだけで肢全体を正しいと判断しないことが必要です。
問題文で注目する語句を、次の表で整理します。この表を見る目的は、長い選択肢の中から正誤を分ける時点・期間・主体を先に抜き出すことです。数字だけでなく、その数字が何の期間なのかまで確認してください。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 都市計画を決定しようとするとき | 決定前の手続を確認 |
| 公告 | 都市計画案の縦覧開始を確認 |
| 2週間 | 公告日からの縦覧期間 |
| 住民・利害関係人 | 意見書を提出できる者 |
| 縦覧期間満了まで | 意見書の提出時期 |
| 異議申立て | 意見書との入れ替えに注意 |
| 市町村都市計画審議会 | 市町村決定時の手続を確認 |
| 都道府県都市計画審議会 | 都道府県決定時の手続を確認 |
| 議会の議決 | 都市計画審議会と混同しない |
| 関係市町村の意見 | 都道府県決定時に確認 |
| 国土交通大臣の同意 | 一定の都市計画で確認 |
| 告示 | 都市計画の効力発生日を確認 |
| 総括図・計画図・計画書 | 都市計画を表示する図書 |
| 公衆の縦覧 | 決定後の図書も確認 |
この表では、「縦覧」という言葉が決定前と決定後の両方に登場する点にも注意します。決定前は都市計画案を公告の日から2週間縦覧し、決定後は都市計画の図書を公衆の縦覧に供する仕組みがあります。何を縦覧しているのかを確認すると二つを区別できます。
本試験では、次の順番で選択肢を処理します。最初に決定主体を確認し、その後に案の縦覧・審議・決定・告示という時系列へ当てはめます。数字や同意の有無は、その段階を確定した後に判断してください。
・①都道府県か市町村かを確認する
・②都市計画案の段階か決定後か確認する
・③公告と縦覧について確認する
・④縦覧期間が2週間か確認する
・⑤意見書を誰がいつ出せるか確認する
・⑥都市計画審議会の議を確認する
・⑦必要な意見聴取・協議・同意を確認する
・⑧都市計画を決定した後の告示を確認する
・⑨効力が告示の日から生じるか確認する
・⑩都市計画図書の縦覧を確認する
この順番なら、「国土交通大臣の同意を得たからその日に効力発生」といった時系列の混同を防げます。国土交通大臣への協議・同意は一定の場合の決定手続であり、効力発生を直接決める時点とは別です。手続の順番を飛ばさないことが都市計画決定問題の基本になります。
宅建試験ではここが狙われやすい
都市計画の決定手続では、出題者が正しい手続を別の時点へ移すことで誤肢を作れます。意見書を縦覧期間中ではなく期間満了後に提出させたり、国土交通大臣の同意があった日に都市計画が効力を生じるとしたりすれば、用語そのものは正しいため迷いやすくなります。問題文では「誰が何をするか」に加えて「いつするか」を確認してください。
もう一つの典型は、行政上の審議手続を地方議会の議決へ交換する方法です。市町村が都市計画を決定するときは都市計画審議会の議を経ることが中心であり、平成2年問19では「議会の議決」を要求する点が誤りとされています。審議会と議会を文字の似た別機関として区別することが得点につながります。
都市計画案の公告・縦覧・意見書
都市計画を決定しようとするときは、原則としてその旨を公告し、都市計画案を公告の日から2週間公衆の縦覧に供します。関係市町村の住民や利害関係人は、その縦覧期間満了まで都市計画案について意見書を提出できます。この章では、2週間という数字と意見書の提出時期を中心に整理します。
公告の日から2週間縦覧する
都市計画案の縦覧期間は、公告の日から2週間です。「公告後2週間以内に都市計画を決定する」という期間ではなく、都市計画案を公衆に見せる期間である点を確認します。数字は必ず公告+都市計画案+2週間縦覧という形で覚えてください。
平成2年問19では、縦覧期間そのものより意見書の提出時期を変更するひっかけが使われています。しかし類似問題では、2週間を1週間や30日に置き換えるだけでも誤肢を作ることができます。数字を見たら「何についての2週間か」まで確認することが必要です。
縦覧に関する基本事項を表で整理します。この表を見る目的は、公告・期間・対象・意見書を一つの流れとして確認することです。時期を分離して暗記せず、時系列として使ってください。
| 確認項目 | 基本判断 |
| 手続開始 | 都市計画案について公告 |
| 縦覧対象 | 都市計画の案 |
| 縦覧期間 | 公告の日から2週間 |
| 意見書提出者 | 関係市町村の住民・利害関係人 |
| 意見書提出期限 | 縦覧期間満了まで |
この表では、「縦覧期間満了後」という言葉が出たら注意します。意見書は縦覧期間満了までに提出するので、期間終了後に新たな1週間の申立期間が始まるという仕組みではありません。平成2年問19の肢1はこの時点変更だけでも切ることができます。
意見書は縦覧期間満了まで
関係市町村の住民と利害関係人は、縦覧期間満了の日まで都市計画案について意見書を提出できます。この制度は都市計画案について意見を述べる機会であり、決定済みの都市計画について異議申立てをする制度として説明するのは誤りです。意見書と異議申立てを別の手続として区別してください。
また、意見書を提出できる時期は縦覧期間の終了後ではありません。「縦覧期間満了後1週間以内」というように、期間の後へ新たな期限を付ける肢は平成2年問19の誤り方そのものです。提出可能期間と縦覧期間は重なっています。
例題1
都市計画案については、その旨を公告した日から2週間、公衆の縦覧に供しなければならない。
解答・判断ポイント
正解:○
都市計画を決定しようとするときの都市計画案は、公告の日から2週間公衆の縦覧に供します。2週間は意見書提出後の待機期間ではなく、都市計画案そのものの縦覧期間です。数字と対象をセットで判断してください。
例題2
関係市町村の住民は、都市計画案の縦覧期間が満了した後1週間以内であれば異議を申し立てることができる。
解答・判断ポイント
正解:×
住民や利害関係人が行えるのは、縦覧期間満了までの意見書提出です。縦覧期間満了後1週間以内という時期と、異議申立てという手続の両方が誤っています。平成2年問19の典型的な二重ひっかけです。
誤肢分析
誤っている語句
「縦覧期間満了後1週間以内」「異議を申し立てる」
正しい修正
「縦覧期間満了までに意見書を提出できる」
この誤肢は、期間と手続名を同時に変更しています。一つだけ誤りを発見して判断を終えても正解できますが、学習段階では両方を修正できる状態にしておく方が類似問題へ対応できます。縦覧中=意見書という組合せを固定してください。
例題3
都市計画案の縦覧期間は公告の日から30日間であり、その期間中に住民が意見書を提出できる。
解答・判断ポイント
正解:×
意見書を期間中に提出できる方向は正しいですが、縦覧期間は公告の日から2週間です。30日という数字へ変更している部分が誤っています。一部が正しい肢でも数字を個別に確認してください。
誤肢分析
誤っている語句
「30日間」
正しい修正
「公告の日から2週間」
この誤肢は、手続の流れを正しいまま残して数字だけを変更しています。法令上の制限では、正しい文章の一部へ別制度で見覚えのある数字を入れる方法がよく使われます。「2週間」が何の期間なのかまで確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
公告・縦覧では、2週間という数字と意見書の提出時期を別々に変更するひっかけが中心です。「公告の日から1週間」「縦覧終了後2週間」「決定後2週間」など、2週間という数字を残して起算点や対象を変えるだけでも誤肢になります。数字は「公告の日から都市計画案を2週間縦覧」と完全な文章で確認してください。
意見書については、異議申立て・審査請求など別の不服申立制度と混同させる形に注意します。都市計画案の段階では、関係市町村の住民や利害関係人が縦覧期間満了まで意見書を提出するという流れです。誰が・何について・いつまでに・何を提出するかの四点を一組にしてください。
市町村と都道府県の都市計画決定手続
都市計画を決定する主体が市町村か都道府県かによって、審議会や意見聴取の手続が異なります。市町村では都市計画審議会の議が中心となり、都道府県では関係市町村の意見と都道府県都市計画審議会の議を確認します。この章では、議会の議決や国土交通大臣の同意との混同を整理します。
市町村は都市計画審議会の議を経る
市町村が都市計画を決定するときは、市町村都市計画審議会が置かれている場合にはその議を経ます。市町村都市計画審議会が置かれていない場合には、所定の都道府県都市計画審議会の議を経る仕組みです。平成2年問19では、これを「市町村議会の議決」とする点が誤りになります。
都市計画審議会と地方議会は、名称も役割も異なります。「市町村が決めるのだから市町村議会が議決する」と日常的な自治体運営のイメージから判断すると、宅建のひっかけに入ります。問題文では審議会か議会かを文字単位で確認してください。
市町村と都道府県の決定手続を比較します。この表を見る目的は、誰の意見・どの審議会を確認するかを整理することです。細かな行政手続を網羅せず、過去問で正誤を切る差へ絞ります。
| 決定主体 | 主な確認手続 |
| 市町村 | 都市計画審議会の議 |
| 市町村 | 必要な知事との協議 |
| 都道府県 | 関係市町村の意見を聴く |
| 都道府県 | 都道府県都市計画審議会の議 |
| 都道府県 | 一定の場合に国土交通大臣へ協議・同意 |
この表では、地方議会の議決が基本手続として入っていないことを確認します。市町村の決定だから市町村議会、都道府県の決定だから都道府県議会と単純対応させてはいけません。都市計画法で指定されている都市計画審議会を確認してください。
都道府県は関係市町村の意見を聴く
都道府県が都市計画を決定するときは、関係市町村の意見を聴き、都道府県都市計画審議会の議を経ます。さらに国の利害に重大な関係がある一定の都市計画では、国土交通大臣への協議と同意が必要となります。ここでは意見・議・協議・同意という異なる手続を混ぜないことが必要です。
国土交通大臣の同意が必要となる場合でも、その同意の日が都市計画の効力発生日になるわけではありません。同意は都市計画を決定するまでの手続の一つであり、効力発生は決定後の告示と結び付いています。平成2年問19の肢3はこの時系列を交換しています。
例題4
市町村が都市計画を決定するときは、市町村議会の議決を経なければならない。
解答・判断ポイント
正解:×
都市計画法上確認するのは都市計画審議会の議であり、市町村議会の議決を基本手続として要求しているわけではありません。「審議会」と「議会」を交換している点が誤りです。名称の似た機関を区別してください。
誤肢分析
誤っている語句
「市町村議会の議決」
正しい修正
「市町村都市計画審議会等の議を経る」
この誤肢は、自治体が重要事項を決定するときは議会が関与するという一般的なイメージを利用しています。都市計画法の決定手続については、法定の都市計画審議会を確認することが必要です。「議決」という言葉が出たら審議会との交換を疑ってください。
例題5
都道府県は、関係市町村の意見を聴き、都道府県都市計画審議会の議を経て都市計画を決定する。
解答・判断ポイント
正解:○
都道府県決定の基本手続として、関係市町村の意見と都道府県都市計画審議会の議を確認します。国の利害に重大な関係がある一定の場合には国土交通大臣への協議・同意が加わります。通常の基本形と追加手続を分けて整理してください。
例題6
都道府県が都市計画を決定する場合は、関係市町村の議会の議決を経なければならない。
解答・判断ポイント
正解:×
都道府県は関係市町村の意見を聴くのであり、関係市町村議会の議決を基本的な要件としているわけではありません。意見聴取と議決を交換しています。手続の強さまで確認してください。
誤肢分析
誤っている語句
「関係市町村の議会の議決」
正しい修正
「関係市町村の意見を聴く」
この問題は、「関係市町村」という対象だけを正しく残して、その後の法律効果を変更しています。法令問題では対象者が正しくても、意見・同意・議決・協議のどれかが違えば誤りです。動詞まで必ず確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
市町村と都道府県の決定手続では、審議会・議会・意見・同意の交換が狙われます。市町村都市計画審議会を市町村議会へ変更したり、関係市町村の意見聴取を同意取得へ強めたりすれば、行政手続としてもっともらしい誤肢になります。誰の「何」を必要とするのかを正確に確認してください。
さらに、一定の場合に必要な国土交通大臣の同意を、すべての都市計画で必要な手続へ一般化する肢にも注意します。例外的な追加手続を原則へ広げることは、宅建で典型的な誤肢作成方法です。決定主体→基本手続→追加手続という三段階で判断してください。
都市計画の告示と効力発生
都市計画は、決定しただけではなく、その旨が告示された日から効力を生じる点が重要です。国土交通大臣の同意や都市計画審議会の議は決定手続の途中であり、それらの日を効力発生日とするわけではありません。この章では、決定・告示・効力の時系列を平成2年問19の肢3から整理します。
効力が生じるのは告示の日
都道府県または市町村が都市計画を決定したときは、その旨を告示します。都市計画は、この決定の告示があった日から効力を生じるため、「決定した日」と「告示した日」を当然に同じものとして扱ってはいけません。試験では効力発生日の基準となる出来事を確認してください。
平成2年問19では、国の利害に重大な関係がある一定の都市計画について国土交通大臣の同意が必要という前半を正しくしています。しかし後半で、「同意があった日から効力を生じる」としているため誤りです。前半が正しい複合肢ほど後半を丁寧に読むことが必要です。
都市計画決定後の流れを表で整理します。この表を見る目的は、各手続の日付を混同しないことです。何が都市計画の効力発生を直接決めるかを確認してください。
| 手続 | 役割 |
| 都市計画審議会の議 | 決定前の審議手続 |
| 国土交通大臣の同意 | 一定の場合の決定前手続 |
| 都市計画の決定 | 計画内容を決定 |
| 告示 | 決定後に公示 |
| 告示の日 | 都市計画の効力発生日 |
この表では、同意と告示を特に区別します。国土交通大臣が関与する重要な都市計画であっても、同意した瞬間に都市計画として効力を生じるわけではありません。「何のための同意か」と「何が効力発生要件か」を別々に確認してください。
例題7
国土交通大臣の同意が必要な都市計画は、その同意があった日から効力を生じる。
解答・判断ポイント
正解:×
一定の都市計画について国土交通大臣の同意が必要となる場合はありますが、効力を生じるのは都市計画決定の告示の日です。同意の日と告示の日を交換している点が誤りです。平成2年問19の重要なひっかけになります。
誤肢分析
誤っている語句
「国土交通大臣の同意があった日から」
正しい修正
「都市計画決定の告示があった日から」
この誤肢は、必要な行政手続を正しく示した後、その手続へ別の法律効果を付けています。前半が正しいため最後まで読まず○にすると失点します。複数の法律効果が一文にある場合は前半・後半を分割してください。
例題8
都市計画は、都市計画審議会の議を経た日に直ちに効力を生じる。
解答・判断ポイント
正解:×
都市計画審議会の議は決定手続の途中であり、効力発生日ではありません。都市計画は決定後の告示の日から効力を生じます。「議を経る」と「効力発生」を結び付けないでください。
誤肢分析
誤っている語句
「審議会の議を経た日に直ちに効力を生じる」
正しい修正
「都市計画決定の告示の日から効力を生じる」
この問題は、行政上重要な手続ほど効力発生と結び付けたくなる心理を利用しています。審議会・協議・同意は決定前、告示は決定後という時間軸を理解していれば切れます。告示=効力を最終段階として固定してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
効力発生では、決定前の重要手続の日を効力発生日へ変更するひっかけが中心です。都市計画審議会の議、知事との協議、国土交通大臣の同意はいずれも重要ですが、それらの完了日そのものが都市計画の効力発生日になるわけではありません。最後に告示があることを確認してください。
さらに、「決定した日」と「告示した日」を交換する肢にも注意します。実務上は近い時期に行われるとしても、宅建では条文上どの時点から効力が生じるかを正確に問われます。都市計画は告示の日から効力発生という法律効果を単独で固定してください。
都市計画の図書と決定後の縦覧
都市計画は、総括図・計画図・計画書によって表示されます。都市計画を決定した後は、所定の図書またはその写しが公衆の縦覧に供されるため、土地に関する権利を有する者も閲覧できます。この章では、決定前の都市計画案の縦覧との違いを比較します。
都市計画は図書によって表示する
都市計画は総括図、計画図、計画書によって表示するのが基本です。図面だけでも計画書だけでもなく、都市計画の内容を明確に示すための図書として整理されています。平成2年問19の肢4では、この図書を縦覧できるかが問題となっています。
宅建では、都市計画の内容を閲覧できる者を行政機関だけに限定するような肢に注意します。都市計画の図書またはその写しは、公衆が確認できるように縦覧に供される仕組みです。土地に権利を有する者も当然に公衆の一員として確認できます。
決定前と決定後の縦覧を区別する
都市計画では、「縦覧」が二つの場面で登場するため整理が必要です。決定前は都市計画案を公告の日から2週間縦覧し、決定後は決定された都市計画の図書を公衆の縦覧に供します。2週間という数字が直接問題になるのは決定前の都市計画案です。
二つの縦覧を比較します。この表を見る目的は、縦覧という共通語だけで同じ制度と判断しないことです。対象物と時点を確認してください。
| 比較項目 | 決定前 | 決定後 |
| 縦覧するもの | 都市計画の案 | 都市計画の図書・写し |
| 時点 | 都市計画決定前 | 都市計画決定後 |
| 期間 | 公告の日から2週間 | 継続的に公衆へ提供 |
| 主な試験論点 | 意見書提出 | 閲覧できるか |
この表では、決定前の縦覧が住民・利害関係人の意見書提出と結び付いている点を確認します。決定後の図書縦覧は、すでに決定・告示された都市計画の内容を公衆が確認するためのものです。「縦覧」という一語から2週間をすべての場面へ当てはめないでください。
例題9
都市計画が決定された後、その都市計画を表示する図書は行政内部だけで保管され、土地所有者でも閲覧することはできない。
解答・判断ポイント
正解:×
都市計画の図書またはその写しは、公衆の縦覧に供されます。したがって土地に関し権利を有する者も閲覧することができます。公開対象を行政内部だけへ限定している部分が誤りです。
誤肢分析
誤っている語句
「行政内部だけで保管され、閲覧できない」
正しい修正
「都市計画の図書等は公衆の縦覧に供される」
この誤肢は、行政文書だから一般人には見せないというイメージを利用しています。都市計画は土地利用へ直接関係するため、決定後の図書について公衆が確認できる仕組みがあります。平成2年問19の肢4はこの点から正しい肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
都市計画の縦覧では、決定前の案と決定後の図書を交換するひっかけに注意します。「決定後の図書も2週間だけ縦覧する」「決定前から確定した計画書を縦覧する」といった文章では、縦覧という正しい言葉を残しながら対象や期間を変更しています。まず決定前か決定後かを確認してください。
図書については、閲覧できる者を土地所有者だけ、利害関係人だけ、行政職員だけなどへ限定する肢も考えられます。決定後の都市計画図書は公衆の縦覧に供されるため、特定の関係者だけが閲覧できる制度ではありません。案の2週間縦覧と決定後の図書公開を別々に整理することが重要です。
過去問分析
平成2年問19は、都市計画案の縦覧、市町村の決定手続、都道府県の決定手続、都市計画図書の縦覧を一問で比較する総合問題です。誤肢は期間・手続名・審議機関・効力発生日を一部分だけ変更して作られており、条文全文を暗記しなくても決定語句から判断できます。この章では、指定された一問だけを使って各肢の正誤を分析します。
最初に確認する語句
問題文では、縦覧期間、満了後1週間、異議申立て、議会の議決、都市計画審議会、国土交通大臣の同意、効力を生じる日、都市計画図書の縦覧を最初に確認します。肢1は縦覧と意見書、肢2は市町村の決定手続、肢3は都道府県の決定と効力発生、肢4は決定後の図書縦覧として分類します。各肢で異なる手続段階を問われている点を確認してください。
平成2年(1990年)問19
都市計画法に規定する都市計画の策定手続等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 都道府県又は市町村は、都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ当該都市計画の案を公衆の縦覧に供しなければならないが、関係市町村の住民及び利害関係人は、縦覧期間満了後1週間以内の間、都道府県又は市町村に対して異議を申し立てることができる。
- 都市計画は都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために必要なものを定め、都市の将来の動向を左右するものであるので、市町村は、都市計画を決定するとき、議会の議決を経なければならない。
- 都道府県は、関係市町村の意見をきき、かつ、都道府県都市計画審議会の議を経るとともに、一定の場合国土交通大臣に協議し、その同意を受けて、都市計画を定めるが、国土交通大臣の同意を要する都市計画については、その同意があった日から、その効力を生ずる。
- 都市計画は、総括図、計画図及び計画書によって表示され、土地に関し権利を有する者は、当該都市計画が定められている土地の存する都道府県又は市町村の事務所においてこれらの図書又はその写しを縦覧することができる。
正解:4
解説
正しいのは、都市計画を表示する図書等を公衆の縦覧に供し、土地に関する権利を有する者も閲覧できるとする肢4です。肢1は意見書の時期と手続名、肢2は都市計画審議会と議会、肢3は国土交通大臣の同意日と告示日をそれぞれ取り違えています。正誤は各肢の一部を確認するだけで判断できます。
各肢の正誤理由
肢1 誤り
都市計画案は公告の日から2週間、公衆の縦覧に供されます。住民や利害関係人が意見書を提出できるのは縦覧期間満了までであり、満了後1週間以内の異議申立てではありません。**「満了後1週間」と「異議申立て」**の二点が誤りです。
肢2 誤り
市町村が都市計画を決定するときは、都市計画審議会の議を経る手続が必要です。市町村議会の議決を都市計画法上の基本的な決定要件として要求するわけではありません。**「議会の議決」**が誤りを決める語句です。
肢3 誤り
都道府県は、関係市町村の意見を聴き、都道府県都市計画審議会の議を経て都市計画を決定します。一定の場合に国土交通大臣への協議・同意が必要でも、都市計画が効力を生じるのは決定の告示があった日です。**「国土交通大臣の同意があった日」**が誤りです。
肢4 正しい
都市計画は総括図・計画図・計画書によって表示され、その図書または写しは公衆の縦覧に供されます。したがって、土地に関し権利を有する者も都市計画図書を縦覧することができます。指定資料ではこの肢が正解です。
問題作成者のひっかけポイント
この問題では、正しい制度を完全に架空の制度へ変えるのではなく、時期・機関・法律効果を部分的に交換しています。肢1では縦覧と意見書という基本構造を残しながら提出時期と名称を変更し、肢3では国土交通大臣の同意という正しい手続を残しながら効力発生日だけを変更しています。一部が正しい選択肢ほど最後まで確認してください。
肢2も、「市町村が重要な都市計画を決める」という前提から市町村議会が関与しそうに見せています。しかし都市計画法上の判断では都市計画審議会の議を確認するため、一般的な自治体運営の常識から推測してはいけません。条文上の機関と日常的なイメージを分けることが必要です。
受験生が迷う理由
都市計画の決定手続では、公告、縦覧、意見、議、協議、同意、告示という似た行政手続用語が連続します。それぞれを単語だけで覚えていると、誰が行う手続なのか、決定前か決定後かが混ざりやすくなります。時系列へ並べることで関係を整理してください。
また、「2週間」「1週間」といった期間より、実際には前後関係が正誤を分ける場合があります。平成2年問19の肢1では、正しい2週間を知っていても、意見書を出す時期が縦覧期間満了までだと分からなければ判断できません。数字と行為を必ず組み合わせて覚えてください。
正しい判断手順
本試験では、最初に問題文の手続が決定前か決定後かを確認します。次に主体を都道府県と市町村へ分け、縦覧・意見書・審議会・同意・告示という時系列へ当てはめます。最後に期間と効力発生日を確認してください。
・①決定前か決定後か確認する
・②都道府県か市町村か確認する
・③公告・縦覧なら2週間を確認する
・④意見書なら縦覧期間満了までか確認する
・⑤審議会と議会を区別する
・⑥関係市町村の意見を確認する
・⑦国土交通大臣の協議・同意が必要な場合か確認する
・⑧都市計画決定後の告示を確認する
・⑨告示の日から効力が生じるか確認する
・⑩決定後の都市計画図書を確認する
この手順なら、肢1は「縦覧満了後」、肢2は「議会」、肢3は「同意の日」という語句を見た段階で誤りの方向へ進めます。肢4は決定後の都市計画図書が公衆の縦覧対象であることから正しいと判断できます。選択肢ごとの決定語句を先に探すことが効率的です。
類似問題で使える知識
類似問題では、縦覧期間を2週間から30日に変更したり、意見書の提出者を土地所有者だけに限定したりする形に対応できます。市町村の手続では都市計画審議会を議会へ、都道府県では関係市町村の意見を同意へ変更する肢にも同じ判断方法が使えます。対象・時点・法律効果の三つへ分解してください。
効力発生については、都市計画決定の日、国土交通大臣の同意の日、審議会の議の日などを告示日と交換する問題に応用できます。都市計画図書については、一般の閲覧を禁止する肢や、決定後も2週間しか縦覧できないとする肢を切ることができます。平成2年問19から複数の誤肢パターンを取り出してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
平成2年問19では、正しい用語を正しい順番から外すことが誤肢作成の中心です。意見書を縦覧期間後へ移す、議会を都市計画審議会の位置へ置く、国土交通大臣の同意を告示の位置へ置くというように、手続名そのものを知らなくても時系列が分かれば誤りを見抜けます。単語暗記より流れを優先してください。
この問題を解くときは、「2週間」「審議会」「告示」という三つを核にします。そこへ「意見書は縦覧期間満了まで」「都道府県は関係市町村の意見を聴く」「告示の日から効力発生」をつなげると、四肢を短時間で処理できます。案→意見→審議→決定→告示→効力という順序を固定することが最も実戦的です。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
ここでは、都市計画案の縦覧、意見書、市町村・都道府県の決定手続、効力発生を本試験レベルで確認します。単純な定義ではなく、期間・主体・手続・時点を入れ替えたひっかけ肢を中心にしています。誤りの肢では、どこを修正すれば正しい文章になるかまで確認してください。
問題1
都市計画案は、その旨を公告した日から2週間、公衆の縦覧に供しなければならない。
正解:○
公告の日から2週間という期間と、都市計画案の縦覧という対象を組み合わせて判断します。
問題2
関係市町村の住民は、都市計画案の縦覧期間満了後2週間以内に意見書を提出できる。
正解:×
意見書を提出できるのは縦覧期間満了までです。
誤っている語句
「縦覧期間満了後2週間以内」
正しい修正
「縦覧期間満了まで」
問題3
都市計画案について関係市町村の住民が行う手続は、都市計画決定後の異議申立てである。
正解:×
都市計画案の段階では縦覧期間中の意見書提出を確認します。
誤っている語句
「決定後の異議申立て」
正しい修正
「縦覧期間満了までの意見書提出」
問題4
市町村が都市計画を決定するときは、都市計画審議会の議を経る。
正解:○
市町村議会の議決と混同しないことが判断ポイントです。
問題5
市町村が都市計画を決定するときは、市町村議会の議決が都市計画法上必ず必要である。
正解:×
基本的に確認するのは都市計画審議会の議です。
誤っている語句
「市町村議会の議決」
正しい修正
「市町村都市計画審議会等の議」
問題6
都道府県は、関係市町村の意見を聴き、都道府県都市計画審議会の議を経て都市計画を決定する。
正解:○
都道府県決定の基本的な手続として処理します。
問題7
一定の都市計画について国土交通大臣の同意が必要な場合、その同意の日から都市計画の効力が生じる。
正解:×
都市計画が効力を生じるのは決定の告示の日です。
誤っている語句
「国土交通大臣の同意の日から」
正しい修正
「都市計画決定の告示の日から」
問題8
都市計画は、都市計画審議会の議を経た日に効力を生じる。
正解:×
審議会の議は決定前の手続であり、効力発生日ではありません。
誤っている語句
「審議会の議を経た日」
正しい修正
「都市計画決定の告示の日」
問題9
決定された都市計画を表示する図書等は、公衆の縦覧に供される。
正解:○
土地に関し権利を有する者も閲覧することができます。
問題10
決定後の都市計画図書も、都市計画案と同様に公告の日から2週間だけ縦覧される。
正解:×
2週間は決定前の都市計画案の縦覧期間についての数字です。
誤っている語句
「決定後も2週間だけ」
正しい修正
「決定後の都市計画図書等は公衆の縦覧に供される」
宅建試験ではここが狙われやすい
一問一答で確認したように、都市計画の決定手続では同じ行政用語の時点を交換する誤肢が中心です。意見書を決定後へ、審議会を効力発生日へ、国土交通大臣の同意を告示の代わりへ移すと、単語だけ覚えている受験生は誤りを見抜けません。用語は必ず時系列上の位置とセットにしてください。
数字についても、2週間という数だけの暗記では不十分です。「都市計画案を公告の日から2週間縦覧し、その期間満了まで意見書を提出できる」と一つの流れで確認する必要があります。期間・対象・行為の三つをセットにすることが数字のひっかけ対策になります。
FAQ
都市計画の決定手続では、縦覧と意見書、議会と審議会、同意と告示の関係で迷いやすくなります。ここでは本文をそのまま繰り返さず、二つの制度が重なって見える境界事例を整理します。迷ったときは「今は決定前か決定後か」という時間軸へ戻ってください。
Q1.縦覧期間が終わってから都市計画案に反対したくなった場合、1週間以内なら意見書を出せますか?
都市計画法上の意見書提出は縦覧期間満了までです。縦覧期間終了後に別の1週間の意見書提出期間があると判断しないでください。
Q2.市町村が都市計画を決めるなら、市民の代表である市町村議会が決めるのではないですか?
宅建で都市計画法上の決定手続を問われた場合は、都市計画審議会の議を確認します。一般的な自治体運営のイメージから議会の議決を追加しないことが必要です。
Q3.国土交通大臣の同意を得た後に告示するなら、同意の日と告示の日は同じ扱いでよいですか?
同じ扱いにはしません。国土交通大臣の同意は一定の場合の決定前手続であり、都市計画の効力が生じる基準日は告示の日です。
Q4.都市計画案を2週間縦覧した後は、都市計画の図書を一般人が見ることはできなくなりますか?
決定後も都市計画を表示する図書等は公衆の縦覧に供されます。決定前の2週間縦覧と、決定後の図書公開は別の場面として整理してください。
Q5.都道府県が都市計画を決定するとき、関係市町村の同意が必要ですか?
基本手続では関係市町村の意見を聴くことを確認します。「意見を聴く」を「同意を得る」へ強めた選択肢には注意してください。
Q6.都市計画を決定した日に必ず効力も発生すると考えてよいですか?
効力発生の基準として確認するのは都市計画決定の告示の日です。「決定日」とだけ書かれている場合は、告示との関係を確認して判断してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
FAQのような境界問題では、似た手続を同じ意味として扱う誤りが狙われます。意見聴取と同意、審議会の議と議会の議決、決定と告示は、それぞれ日常語では近く感じても都市計画法上の役割が異なります。選択肢では動詞と時点を最後まで確認してください。
また、決定前と決定後の縦覧を同じ制度としてまとめると、2週間という数字を誤った場面へ使用してしまいます。都市計画案は決定前に2週間、都市計画図書は決定後に公衆へ公開されるという時間軸を確認します。同じ「縦覧」でも何をいつ見るのかを区別することが重要です。
まとめ
都市計画の決定手続では、最初に決定前か決定後か、都道府県か市町村かを確認します。決定前なら公告・2週間の縦覧・意見書・都市計画審議会を確認し、決定後なら告示・効力発生・都市計画図書の縦覧を確認します。手続を時系列へ置いてから個別の数字や行政庁を判断してください。
平成2年問19では、縦覧期間満了後の異議申立て、市町村議会の議決、国土交通大臣の同意日からの効力発生が誤りでした。正しい判断は、意見書は縦覧期間満了まで、都市計画審議会の議を確認し、都市計画は告示の日から効力を生じるという流れです。正解4では、決定後の都市計画図書を公衆が縦覧できる点を確認します。
本試験では、公告→2週間縦覧→意見書→審議会→決定→告示→効力発生という順番を固定します。この順番が分かれば、「議会」「異議申立て」「同意の日」など正しいように見える言葉を別の位置へ置いたひっかけを見抜けます。単語を個別暗記するのではなく、問題文のどこを見るかを固定することが得点につながります。
宅建試験ではここが狙われやすい
都市計画の決定手続で最も狙われるのは、2週間という期間、意見書の時期、審議会と議会、同意と告示の入れ替えです。平成2年問19では数字そのものだけでなく、縦覧期間後という時点や国土交通大臣の同意日という別段階を利用して誤肢を作っています。一つの語句が正しくても、時系列上の位置まで必ず確認してください。
試験直前に固定するなら、「案は公告から2週間縦覧」「意見書は縦覧期間満了まで」「市町村は都市計画審議会」「都道府県は関係市町村の意見+都市計画審議会」「効力は告示の日」の五本が中心です。さらに決定後の都市計画図書は公衆の縦覧に供されることを加えれば、平成2年問19の四肢を一連の手続として整理できます。案→意見→審議→決定→告示→効力を最終判断順序として使ってください。
