割賦販売契約の解除等の制限では、宅建業者が自ら売主となり、買主が宅建業者ではない場合に30日以上の相当の期間を定め、書面で催告することが重要です。賦払金の支払義務が履行されなくても、直ちに契約解除や期限未到来の賦払金請求ができるわけではありません。この章では平成23年問39を解くために、対象者・30日以上・書面催告・解除可能時期を整理します。
この論点で特に狙われるのは、「30日」を20日へ変更する単純な数字の置き換えだけではありません。催告期間が30日以上でも口頭催告に変えたり、期間経過前に解除できるとしたり、期限未到来分だけを直ちに請求できるようにしたりする誤肢も作れます。数字・方法・時期・効果の四つを一組で確認する必要があります。
平成23年問39では、第2肢がこの割賦販売契約の解除等の制限を直接問う肢です。20日の期間を定めて書面催告しているため、「書面」は正しくても「30日以上」という期間要件を満たしていません。正しい語句が一部含まれていても、残りの条件まで確認することが本問のポイントです。
問題文を読んだら最初に何を見るか
割賦販売契約の解除等の制限では、最初に売主が宅建業者であり、その宅建業者が自ら売主となっているかを確認します。次に買主が宅建業者ではないかを確認し、8種制限を適用する取引かを確定します。この章では、30日という数字を見る前に確認する対象者と取引関係を整理します。
買主も宅建業者であれば業者間取引となり、8種制限は適用されません。反対に、買主が一般人であれば、割賦販売契約の解除等について宅建業法上の制限を確認する必要があります。数字を使う前に相手方を確認することは、8種制限全体で共通する判断方法です。
対象取引だと分かったら、次に賦払金の不払いがあるか、その後どのような催告をしたかを読みます。「30日以上」「相当の期間」「書面」「その期間内に履行されない」という条件がそろっているかを確認してください。条件の一つでも不足していれば、解除や期限未到来の賦払金請求を直ちに行うことはできません。
問題文で注目する語句を整理します。この表を見る目的は、解除という結果より前に必要となる条件を分解することです。平成23年問39第2肢では「20日」が直接の誤りになります。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 宅建業者が自ら売主 | 8種制限の入口 |
| 買主が宅建業者ではない | 割賦販売の解除制限を適用 |
| 賦払金の不払い | 催告手続を確認 |
| 30日以上 | 必要な催告期間 |
| 20日 | 期間不足を疑う |
| 相当の期間 | 30日以上とセット |
| 書面で催告 | 方法を確認 |
| 期間内に支払いなし | 解除等へ進める条件 |
| 契約を解除する | 条件完成後か確認 |
| 期限未到来の賦払金 | 直ちに請求できるか確認 |
この表では「書面で催告」と書かれているだけで○にしないことが重要です。書面という方法が正しくても、20日では30日以上という期間要件を満たしません。問題文では正しい条件が一つあるときほど、残りの条件を探すようにしてください。
本試験では次の順番で選択肢を処理します。この順番なら、対象者を間違えたり、催告しただけで解除可能と判断したりするミスを防げます。平成23年問39第2肢にもそのまま使える処理手順です。
・① 宅建業者が自ら売主か確認する
・② 買主が宅建業者ではないか確認する
・③ 割賦販売契約か確認する
・④ 賦払金の不払いがあるか確認する
・⑤ 30日以上の相当期間を定めたか確認する
・⑥ 書面で催告したか確認する
・⑦ その期間内に支払いがなかったか確認する
・⑧ その後に解除・期限未到来分の請求をしているか確認する
この順番では、解除できるかを最初に判断しません。解除は最終結果であり、その前に対象者・期間・方法・期間経過という条件を確認します。解除の前に何をしなければならないかを読むことが得点につながります。
宅建試験ではここが狙われやすい
この論点では、「30日以上」を「20日」「30日以内」「20日以上」へ変更する数字のひっかけが最も基本です。さらに30日という数字を正しく残して「口頭で催告」とする方法や、書面を残して期間だけ短縮する方法も使われます。本試験では数字だけでなく催告方法まで確認してください。
もう一つは、催告した時点ですぐ解除できるように見せる時期の入れ替えです。30日以上の期間を定めて書面催告し、その期間内に履行されないことまで確認して初めて解除等へ進みます。👉 対象者→30日以上→書面催告→期間経過→解除等の順番で処理してください。
割賦販売契約の解除等の制限|基本ルール
宅建業者が自ら売主となる割賦販売で買主が宅建業者ではない場合、買主が賦払金を支払わなかったからといって直ちに解除することはできません。売主は30日以上の相当の期間を定めて、書面で支払いを催告する必要があります。その期間内にも支払いがなかった場合に、契約解除や期限未到来の賦払金請求へ進むことができます。
この規制は、買主が一回の支払いを遅れただけで契約全体を直ちに失うことを防ぐための制限として整理します。割賦販売では複数回に分けて代金を支払うため、一部の不払いと契約全体の解除を直結させないことがポイントです。試験では「不払いがあれば直ちに解除できる」という文章を疑ってください。
また、解除だけが制限されているわけではありません。資料では、支払時期がまだ到来していない賦払金の支払いを請求することも同じ条件を満たすまでできないとされています。解除と期限未到来分の請求を一組として確認してください。
基本条件を比較します。この表を見る目的は、どこまで条件がそろえば解除等が可能になるのかを確認することです。一つの条件だけで判断しないでください。
| 確認項目 | 必要な内容 |
| 賦払金の不払い | あり |
| 催告期間 | 30日以上 |
| 期間の内容 | 相当の期間 |
| 催告方法 | 書面 |
| 期間内の履行 | なし |
| その後 | 解除等が可能 |
この表では、「30日」「書面」「不払い」の三つだけでもまだ足りません。30日以上の期間を定めて催告した後、その期間内にも履行されなかったことまで確認します。催告条件+期間経過後の不履行まで一続きで判断してください。
例題1
買主が賦払金を支払わなかった場合、売主である宅建業者は30日以上の相当の期間を定め、書面で支払いを催告する必要がある。
解答・判断ポイント
正解:○
期間と方法の両方が正しい基本形です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
割賦販売契約の解除制限の基本ルールです。
例題2
買主が賦払金を一度でも支払わなければ、宅建業者は催告せず直ちに契約を解除できる。
解答・判断ポイント
正解:×
30日以上の相当期間を定めた書面催告が必要です。
誤肢分析
誤っている語句
「催告せず直ちに」
正しい修正
「30日以上の相当期間を定めて書面で催告し、その期間内にも履行されない場合に」
催告手続そのものを削る誤肢です。
例題3
30日以上の期間を定めて催告すれば、その催告書を発送した時点で直ちに契約を解除できる。
解答・判断ポイント
正解:×
定めた期間内に支払いがされないことまで必要です。
誤肢分析
誤っている語句
「発送した時点で直ちに」
正しい修正
「その期間内に履行されないときに」
催告と期間経過の時期を混同させる誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
基本ルールでは、条件を一つだけ削る誤肢が狙われます。「30日以上」を残して書面を削る、「書面」を残して30日を20日にする、「30日以上の書面催告」を残して期間経過前に解除させるという作り方です。正しい語句が多い肢ほど、欠けている条件を探してください。
特に「不払いがある=解除できる」と短縮した文章は危険です。👉 不払い→30日以上→書面→期間内も不履行→解除等という五段階を固定してください。解除という効果だけを覚えるより、その直前の条件を確認する方が本試験では強くなります。
30日以上|20日・30日以内との数字の入れ替え
平成23年問39第2肢で直接問われたのが、30日以上という催告期間です。本肢では20日の期間を定めて書面催告しているため、書面という条件は満たしても期間が足りません。この章では、数字だけを変える典型的な誤肢を整理します。
30日「以上」なので、30日ちょうどは条件を満たします。これを「30日を超える」とすれば30日ちょうどを除外するため、同じ意味ではありません。また「30日以内」とすれば方向が逆になり、宅建試験で非常に作りやすい誤肢となります。
20日という数字は、平成23年問39で受験生を迷わせるために使われています。書面で催告しているため手続が丁寧に見えますが、必要期間は30日以上なので違反です。書面が正しいから全体も正しいと判断しないでください。
数字の入れ替えを比較します。この表を見る目的は、数字だけでなく「以上」「以内」「超える」の違いまで確認することです。期間問題では比較語句も正誤判断に含めます。
| 表現 | 判断 |
| 30日以上 | 正しい |
| 30日ちょうど | 条件を満たす |
| 20日 | 不足 |
| 30日以内 | 誤り |
| 30日を超える | 30日ちょうどを含まない |
この表では、「30」という数字が書いてあるだけで○にしないことが重要です。宅建試験では数字自体を残し、その後の「以上」「以内」だけを変更することがあります。数字と比較語句を一緒に読んでください。
例題4
25日の相当期間を定めて書面で支払いを催告し、その期間内に支払いがなければ解除できる。
解答・判断ポイント
正解:×
催告期間が30日以上ではありません。
誤肢分析
誤っている語句
「25日」
正しい修正
「30日以上」
平成23年問39第2肢と同じ数字変更型です。
例題5
30日ちょうどの相当期間を定めて書面で催告することは、期間要件を満たす。
解答・判断ポイント
正解:○
30日は「30日以上」に含まれます。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
「以上」の境界値を確認する問題です。
例題6
30日以内の相当期間を定めれば、書面催告の期間要件を満たす。
解答・判断ポイント
正解:×
必要なのは30日以上です。
誤肢分析
誤っている語句
「30日以内」
正しい修正
「30日以上」
「以上」と「以内」を入れ替える誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
期間では、30日を20日にするより「30日以上」を「30日以内」に変える誤肢にも注意してください。数字が30のままなので、一瞬見ただけでは正しいように感じます。本試験では数字だけでなく、その直後の比較語句まで確認してください。
さらに、「30日を超える」として30日ちょうどを除外する細かいひっかけも作れます。👉 30日→以上→書面→期間経過という順番で文章を追ってください。平成23年問39では「20日」が決め手ですが、類似問題では数字以外も変更されます。
書面催告|期間だけ正しくても足りない
割賦販売契約の解除等の制限では、30日以上の相当期間を定めるだけでなく、書面で支払いを催告することが必要です。したがって30日以上という期間が正しくても、口頭だけで催告した場合には同じ要件を満たしません。この章では、期間と方法を一つのセットとして整理します。
平成23年問39第2肢では書面催告自体は行われています。このため受験生が「書面で催告しているから適法」と判断しやすくなりますが、20日しか定めていない点で違反です。一つの条件が正しくても、全条件完成とは限りません。
逆方向の問題も考えられます。30日以上という期間を正しく示したうえで、「口頭で催告した」とすれば方法の部分だけが誤りになります。期間が正しければ方法、方法が正しければ期間を確認してください。
期間と方法を比較します。この表を見る目的は、二つの要件を別々に確認することです。どちらか一つだけでは足りません。
| 催告期間 | 催告方法 | 判断 |
| 30日以上 | 書面 | 要件を満たす方向 |
| 20日 | 書面 | 期間不足 |
| 30日以上 | 口頭 | 方法が誤り |
| 20日 | 口頭 | 両方誤り |
この表では、選択肢に正しい語句が一つ含まれるほど注意が必要です。「30日以上」「書面」の両方を確認したうえで、その期間中に履行がなかったかまで読みます。一条件発見型ではなく、条件完成型で判断してください。
例題7
45日の相当期間を定めて口頭で支払いを催告し、その期間内に履行されなければ契約を解除できる。
解答・判断ポイント
正解:×
期間は足りていますが、書面による催告が必要です。
誤肢分析
誤っている語句
「口頭で」
正しい修正
「書面で」
数字を正しく残し、方法だけ変更した誤肢です。
例題8
20日の期間を定めて書面で催告した場合、書面要件を満たしているため解除できる。
解答・判断ポイント
正解:×
書面でも30日以上の期間が必要です。
誤肢分析
誤っている語句
「書面要件を満たしているため解除できる」
正しい修正
「30日以上の期間要件も満たす必要がある」
平成23年問39第2肢型のひっかけです。
宅建試験ではここが狙われやすい
催告方法では、数字を正しく残して書面を口頭へ変更するひっかけが狙われます。反対に、平成23年問39のように書面を正しく残して期間だけ短くする方法もあります。本試験では一つの正解語句を見つけたら、その隣の条件を確認してください。
特に「書面で催告した」という丁寧な手続は、文章全体を適法に見せる効果があります。👉 30日以上か→書面か→期間内にも不履行かの三点を必ずセットで確認してください。どれか一つだけを見る解き方を避けることが重要です。
解除と期限未到来の賦払金請求|二つとも制限される
この規制は、契約解除だけを制限するものではありません。資料では、要件を満たすまでは支払時期の到来していない賦払金の支払いを請求することもできません。この章では、解除と期限未到来分の請求を分けて整理します。
買主が現在支払うべき賦払金を滞納しているからといって、将来支払う予定だった全額を直ちに請求できるわけではありません。30日以上の相当期間を定めて書面催告し、その期間内にも履行されなかったことが必要です。解除と同じ手続要件が問題になります。
試験では、「解除はできないが期限未到来分は請求できる」というように二つの効果を分離する誤肢が考えられます。しかし資料では解除と期限未到来の賦払金請求の双方が制限されています。二つの効果を一組で覚えることが必要です。
比較表で整理します。この表を見る目的は、催告前後で売主ができる行為を確認することです。将来分の請求だけ特別扱いしないでください。
| 売主の行為 | 要件完成前 | 要件完成後 |
| 契約解除 | できない | 可能 |
| 期限未到来分の請求 | できない | 可能 |
| 現在の不払分への催告 | 書面で行う | ― |
| 催告期間 | 30日以上 | 経過後を確認 |
この表では、「期限未到来」という語句が重要です。まだ支払期限が来ていない金額を直ちに請求するのは、買主に大きな負担となるため同じ制限を受けます。問題文に「残代金全額」「将来分」「期限の到来していない」とあれば、この規制を疑ってください。
例題9
賦払金の不払いがあれば、契約解除はできなくても、期限未到来の残額は直ちに請求できる。
解答・判断ポイント
正解:×
期限未到来の賦払金請求も同じ制限を受けます。
誤肢分析
誤っている語句
「期限未到来の残額は直ちに請求できる」
正しい修正
「要件を満たすまで期限未到来の賦払金も請求できない」
解除と将来分請求を分離した誤肢です。
例題10
30日以上の書面催告を行い、その期間内にも賦払金が支払われなかった場合、契約解除だけでなく期限未到来分の請求も可能となる。
解答・判断ポイント
正解:○
資料に示された二つの効果を正しく整理しています。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
解除と期限未到来分請求をセットで確認する問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
効果の問題では、解除だけ制限されるように見せ、期限未到来分の請求を自由にする誤肢が狙われます。「解除等」という制度名を見たら、解除以外に何が制限されるのかを確認してください。ここでは期限未到来の賦払金請求まで含まれます。
逆に、催告要件を満たしているのに将来分の請求だけ永久に禁止されるとする文章にも注意します。👉 30日以上+書面+期間内も不払い→解除・期限未到来分請求と整理してください。手続と効果の対応関係を崩されていないかを見ることが重要です。
業者間取引との違い|8種制限は適用されない
割賦販売契約の解除等の制限は8種制限の一つなので、買主も宅建業者である業者間取引には適用されません。平成23年問39では、第1肢と第4肢が業者間特例を使う別の8種制限として出題されています。この章では、第2肢で30日ルールを使う前に対象者確認が必要な理由を整理します。
買主が宅建業者なら、一般買主を保護するための8種制限を同じようには適用しません。したがって、問題文に割賦販売や30日という語句があっても、まず買主の属性を確認することが必要です。数字を使うかどうかを対象者が決めます。
平成23年問39第1肢では損害賠償額の予定、第4肢では契約不適合責任の特約が業者間取引として扱われています。どちらも8種制限なので業者間では適用されず、第2肢だけは買主が宅建業者ではないため割賦販売の解除制限が適用されます。各肢ごとに買主の属性を読み直すことがポイントです。
対象者を比較します。この表を見る目的は、30日ルールを使う場面と使わない場面を最初に切り分けることです。数字より先に人物を確認してください。
| 売主 | 買主 | 8種制限 |
| 宅建業者 | 一般買主 | 適用 |
| 宅建業者 | 宅建業者 | 適用されない |
| 自ら売主ではない | 一般買主 | 8種制限の入口を再確認 |
この表では、「宅建業者が登場する=8種制限」と考えないことが必要です。宅建業者が自ら売主であり、相手方が一般買主という基本関係を最初に確認します。対象者を誤れば、30日を正確に覚えていても誤答します。
例題11
売主・買主とも宅建業者である割賦販売でも、買主の不払いに対して必ず30日以上の書面催告をしなければならない。
解答・判断ポイント
正解:×
業者間取引には8種制限を適用しません。
誤肢分析
誤っている語句
「売主・買主とも宅建業者である」「必ず」
正しい修正
「買主が宅建業者ではない場合に8種制限を確認する」
正しい30日ルールを対象外の取引へ移した誤肢です。
例題12
8種制限の数字問題では、数字を計算・確認する前に買主が宅建業者かを見る。
解答・判断ポイント
正解:○
業者間取引なら規制そのものを適用しない場合があるためです。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
8種制限共通の判断方法です。
宅建試験ではここが狙われやすい
業者間取引では、30日という正しい数字をそのまま業者間へ適用するひっかけが作れます。数字が正しいほど、対象者確認を忘れやすくなります。本試験では「買主も宅建業者」という一語を見つけたら、8種制限の適用除外を先に検討してください。
平成23年問39では、第1・第4肢が業者間、第2・第3肢が一般買主という形で相手方が変わります。👉 自ら売主→買主の属性→8種制限→具体的数字という順番を固定してください。同じ問題内でも肢ごとに設定が変わることを意識する必要があります。
所有権留保等との違い|30%と混同しない
平成23年問39第3肢では、割賦販売に関連する別の8種制限として所有権留保等の禁止が問われています。資料では、売主である宅建業者は代金の30%を超えて受領するまでに、登記など売主の義務を履行する必要があります。この章では、解除制限の30日と所有権留保の30%を混同しないために比較します。
第2肢では30日以上という「期間」を確認しますが、第3肢では30%という「代金割合」を確認します。同じ「30」という数字が連続して出るため、数字だけを記憶していると制度が混ざりやすくなります。30日=催告期間、30%=所有権留保等と対象を付けて整理してください。
平成23年問39第3肢では、代金3,000万円のうち300万円しか支払われておらず、割合は10%です。30%を超えて受領していないため、所有権移転登記をまだしなかったとしても資料上は違反しません。第2肢と第3肢では数字の種類そのものが異なります。
二つの30を比較します。この表を見る目的は、数字の後ろに単位を付けて制度を区別することです。30だけを独立して暗記しないでください。
| 論点 | 数字 | 数字の意味 |
| 割賦販売契約の解除等 | 30日以上 | 催告期間 |
| 所有権留保等 | 30%超 | 代金受領割合 |
| 平成23年問39第2肢 | 20日 | 不足 |
| 平成23年問39第3肢 | 10%支払い | 30%超ではない |
この表では、30日と30%を同じ「30ルール」としてまとめないことが重要です。問題文で数字が出たら、その数字が期間なのか割合なのかを確認してください。単位まで読むことで多くの数字ひっかけを防げます。
例題13
割賦販売契約の解除等の制限では、30%以上の期間を定めて催告する必要がある。
解答・判断ポイント
正解:×
催告期間は30日以上であり、30%は別論点です。
誤肢分析
誤っている語句
「30%」
正しい修正
「30日以上」
数字の単位を入れ替えた誤肢です。
例題14
所有権留保等の問題では、30日ではなく代金の30%という割合を確認する。
解答・判断ポイント
正解:○
平成23年問39第2肢と第3肢の混同を防ぐ判断方法です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
似た数字を制度名とセットにする問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
平成23年問39では、**第2肢の30日と第3肢の30%**が近い位置に並んでいます。数字だけを記憶している受験生に、日数と割合を混同させることができる構成です。本試験では必ず数字の単位と対象をセットで確認してください。
また、30%を「30%以上」や「30%に達したとき」へ変更するなど、境界の表現を変える誤肢にも注意します。👉 30日=催告、30%=所有権留保と短く分けてください。同じ数字でも何についての数字かを確認することが宅建業法では重要です。
過去問分析
この過去問では、8種制限の業者間特例・割賦販売の解除制限・所有権留保・契約不適合責任を一問で切り替えられるかが問われています。第2肢が割賦販売契約の解除等の制限であり、「20日」という数字を「30日以上」へ直せるかが直接の判断ポイントです。この章では、四肢のどの語句が正誤を分けているかを簡潔に整理します。
平成23年問39では、第1肢と第4肢は業者間取引なので8種制限が適用されません。第2肢と第3肢は買主が宅建業者ではないため8種制限が適用され、第2肢では30日以上、第3肢では30%という別々の数字を使います。正解は2です。
最初に確認する語句
問題文では、業者間取引、20%、20日、書面催告、30日以上、代金10%、30%、引渡しから1年を最初に確認します。
平成23年(2011年)問39
宅地建物取引業者A社が、自ら売主として行う宅地(代金3,000万円)の売買に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはどれか。
- A社は、宅地建物取引業者である買主B社との間で売買契約を締結したが、B社は支払期日までに代金を支払うことができなかった。A社は、B社の債務不履行を理由とする契約解除を行い、契約書の違約金の定めに基づき、B社から1,000万円の違約金を受け取った。
- A社は、宅地建物取引業者でない買主Cとの間で、割賦販売の契約をしたが、Cが賦払金の支払を遅延した。A社は20日の期間を定めて書面にて支払を催告したが、Cがその期間内に賦払金を支払わなかったため、契約を解除した。
- A社は、宅地建物取引業者でない買主Dとの間で、割賦販売の契約を締結し、引渡しを終えたが、Dは300万円しか支払わなかったため、宅地の所有権の登記をA社名義のままにしておいた。
- A社は、宅地建物取引業者である買主E社との間で、売買契約を締結したが、宅地が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任について、「不適合による契約の解除又は損害賠償の請求は、契約対象物件である宅地の引渡しの日から1年を経過したときはできない」とする旨の特約を定めていた。
正解:2
解説
各肢を最初に業者間か一般買主との取引かへ分けます。第2肢は買主Cが宅建業者ではないため割賦販売契約の解除等の制限が適用され、20日の書面催告では期間不足です。したがって第2肢が宅建業法違反となります。
各肢の正誤理由
四肢では8種制限という共通点がありますが、具体的な規制内容はそれぞれ異なります。第1・第4肢では業者間という対象者条件だけで大きく結論が変わり、第2・第3肢では数字の意味が違います。数字を一律に処理せず、制度名を特定してから判断してください。
◆1(違反しない)
A社もB社も宅建業者なので業者間取引です。損害賠償額の予定等に関する20%制限は8種制限なので、業者間には適用されません。代金3,000万円に対して1,000万円の違約金を定めても、この8種制限には違反しません。
◆2(違反する)
買主Cは宅建業者ではないため、割賦販売契約の解除等の制限が適用されます。売主は30日以上の相当期間を定めて書面催告し、その期間内にも支払いがなかった場合でなければ解除等ができません。本肢は20日しか定めていないため違反です。
◆3(違反しない)
買主Dは宅建業者ではないため、所有権留保等の禁止に関する規制を確認します。資料では代金の30%を超えて受領するまでに登記等の義務を履行する必要がありますが、本肢で支払われた300万円は3,000万円の10%です。したがって、この段階で所有権移転登記をしていなくても違反しません。
◆4(違反しない)
A社もE社も宅建業者なので業者間取引です。契約不適合責任に関する特約制限は8種制限なので、この取引には適用されません。引渡しから1年とする特約でも、この8種制限には違反しないと判断します。
問題作成者のひっかけポイント
第1肢では1,000万円という大きな違約金を示して、20%制限へ注意を向けています。しかしA社・B社とも宅建業者なので、20%計算の前に業者間特例で切ることができます。正しい数字を計算させる前に対象者で結論が決まるタイプです。
第2肢では「書面で催告」という正しい手続を残しています。そのため丁寧な手続に見えますが、変更されているのは期間だけで、本来30日以上のところを20日に短縮しています。方法を正しく残し数字だけ変える典型的なひっかけです。
第3肢では、第2肢の30日と似た「30%」を使う所有権留保を配置しています。さらに実際の支払額は10%なので、30%という基準と現在の支払割合を比較する必要があります。同じ30でも単位と制度を変更することで混同を狙っています。
第4肢では「引渡しから1年」という一般買主なら問題になりそうな期間を置いています。しかし買主Eも宅建業者なので、特約制限を適用しません。第1肢と同じく、数字より対象者が先に判断を決める構成です。
受験生が迷う理由
平成23年問39は、8種制限を一つのルールとして暗記していると迷いやすい問題です。損害賠償20%、催告30日、所有権留保30%、契約不適合責任の期間という複数の数字が短い四肢へ集中しています。制度名と数字の対象をセットで整理する必要があります。
さらに第1・第4肢では数字を使わないこと自体が正解への近道です。業者間取引と分かった段階で8種制限を外せば、1,000万円や1年という数字に惑わされません。使う数字だけでなく、使わない数字を判断する力が必要です。
正しい判断手順
第1肢ではA・Bとも宅建業者と確認し、業者間なので8種制限を外します。20%を計算する必要はなく、違反しないと判断します。まず相手方を見る方法が有効です。
第2肢では買主Cが宅建業者ではないため、割賦販売契約の解除制限を適用します。書面という方法は正しいものの20日は不足し、必要なのは30日以上です。その一語で違反すると判断できます。
第3肢では論点を所有権留保へ切り替えます。300万円÷3,000万円=10%なので、資料上の30%超の基準へまだ達していません。第2肢の30日を持ち込まないことがポイントです。
第4肢では再び買主Eが宅建業者であることを確認します。業者間なので契約不適合責任に関する8種制限を外し、1年という数字を検討せず違反しないと判断します。最終的に違反するのは第2肢だけで、正解は2です。
類似問題で使える知識
類似問題では、割賦販売契約の解除等について「30日」「書面」「期間内の不履行」「解除または期限未到来分の請求」を一組で確認してください。どれか一つを削ったり、20日へ変更したりするだけで誤肢を作れます。特に書面が正しい肢ほど期間を確認します。
8種制限全般では、まず業者間かを確認する方法が使えます。買主も宅建業者なら、損害賠償・契約不適合責任・割賦販売などの具体的数字へ進む前に適用除外を確認できます。対象者→制度→数字の順番を固定してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
平成23年問39では、対象者を業者間へ変更するひっかけと、数字だけを変更するひっかけが組み合わされています。第1・第4肢は対象者、第2肢は20日、第3肢は30%という形で、各肢の確認ポイントが異なります。全部を「数字問題」として処理しないでください。
特に第2肢では「書面」が正しいため、そこだけ見て適法と判断するのが危険です。👉 買主は一般人→30日以上か→書面か→期間内も不履行かの順番で確認してください。平成23年問39では「20日」を見つけた時点で第2肢を違反と判断できます。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
ここでは割賦販売契約の解除等の制限について、30日以上、書面催告、期間経過、業者間取引、期限未到来分請求を組み合わせた本試験型の問題を確認します。単純な数字問題だけではなく、正しい数字を残して方法や時期を変更した肢も含めます。誤りの場合は、どこを直せば正しい文章になるかまで確認してください。
問題1
宅建業者が自ら売主となる一般買主との割賦販売で、賦払金が支払われない場合は30日以上の相当期間を定めて書面で催告する。
正解:○
期間と方法の基本条件です。
問題2
賦払金が支払われなければ、宅建業者は直ちに契約を解除できる。
正解:×
催告手続が必要です。
誤っている語句
「直ちに」
正しい修正
「30日以上の相当期間を定めて書面催告し、その期間内にも履行されない場合に」
問題3
20日の相当期間を定めて書面で催告すれば、催告方法が書面なので契約解除できる。
正解:×
期間が不足しています。
誤っている語句
「20日」
正しい修正
「30日以上」
問題4
30日以上の相当期間を定めれば、口頭で催告してもよい。
正解:×
書面による催告が必要です。
誤っている語句
「口頭で」
正しい修正
「書面で」
問題5
30日ちょうどの催告期間は「30日以上」に含まれる。
正解:○
30日ちょうども期間要件を満たします。
問題6
催告期間は30日以内であればよい。
正解:×
必要なのは30日以上です。
誤っている語句
「30日以内」
正しい修正
「30日以上」
問題7
30日以上の期間を定めて書面催告すれば、その日に契約を解除できる。
正解:×
その期間内にも履行されなかったことが必要です。
誤っている語句
「その日に」
正しい修正
「その期間内に履行されない場合に」
問題8
要件を満たすまでは、契約解除だけでなく期限未到来の賦払金請求もできない。
正解:○
二つとも制限の対象です。
問題9
契約解除は禁止されるが、支払期限前の残代金全額は直ちに請求できる。
正解:×
期限未到来分の請求も制限されます。
誤っている語句
「直ちに請求できる」
正しい修正
「要件を満たすまで請求できない」
問題10
売主・買主とも宅建業者である場合も、割賦販売なら必ず30日以上の書面催告が必要である。
正解:×
業者間取引には8種制限を適用しません。
誤っている語句
「売主・買主とも宅建業者である場合も」
正しい修正
「買主が宅建業者ではない場合に」
問題11
8種制限の問題では、30日という数字を見る前に買主が宅建業者かを確認する。
正解:○
業者間なら規制を使わないためです。
問題12
割賦販売契約の解除等では30%という割合を確認する。
正解:×
確認するのは30日以上という期間です。
誤っている語句
「30%」
正しい修正
「30日以上」
問題13
所有権留保等では30日ではなく、資料上は代金の30%という割合を確認する。
正解:○
平成23年問39第2肢との混同を防ぐ知識です。
問題14
平成23年問39第2肢は、書面催告をしていないことが違反理由である。
正解:×
書面催告はしていますが、期間が20日なのが誤りです。
誤っている語句
「書面催告をしていない」
正しい修正
「20日しか定めておらず30日以上ではない」
問題15
平成23年問39第2肢では、「20日」を「30日以上」へ直すことが第一の修正ポイントである。
正解:○
期間の数字が正誤を分けています。
問題16
平成23年問39第1肢では、1,000万円という金額よりA・Bが業者間であることを先に確認する。
正解:○
8種制限の適用除外が先です。
問題17
平成23年問39第3肢では、300万円が代金3,000万円の30%に当たる。
正解:×
300万円は10%です。
誤っている語句
「30%」
正しい修正
「10%」
問題18
平成23年問39第4肢では、引渡しから1年という数字だけを見れば違反と判断できる。
正解:×
買主も宅建業者なので8種制限を適用しません。
誤っている語句
「数字だけを見れば」
正しい修正
「買主が宅建業者かを先に確認する」
問題19
割賦販売の解除制限では、「誰との取引か→30日以上→書面→期間内の不履行」の順で確認する。
正解:○
本試験で安定しやすい判断手順です。
問題20
平成23年問39で宅建業法に違反する肢は第2肢である。
正解:○
20日の書面催告では30日以上の期間要件を満たしません。
一問一答で最も注意したいのは、30日という数字だけを覚えて終わらないことです。30日以上であっても口頭なら誤りで、書面でも20日なら誤りとなり、30日以上の書面催告後も期間内に履行されなかったことまで必要です。複数条件を完成させてから解除等へ進んでください。
宅建試験ではここが狙われやすい
本試験では、数字・方法・時期のうち一つだけを変更する誤肢が作られます。「20日+書面」「30日以上+口頭」「30日以上+書面+即時解除」という形なら、どれも一部は正しいため注意が必要です。選択肢の正しい部分より、不足している条件を探してください。
また、平成23年問39のように同じ「30」が別論点でも登場します。👉 30日=解除前の催告、30%=所有権留保と分け、さらに業者間ならその前に8種制限を外してください。数字には必ず制度名と単位を付けて判断することが重要です。
FAQ
割賦販売契約の解除等では、30日ちょうどでよいのか、催告書を送ればすぐ解除できるのか、将来分だけなら請求できるのかなどの境界で迷いやすくなります。FAQでは本文の単純な繰り返しを避け、試験で判断を迷いやすい条件の組合せを整理します。迷った場合は対象者・期間・方法・時期へ戻ってください。
Q1.30日ちょうどの期間でも条件を満たしますか?
満たします。「30日以上」なので30日ちょうどを含みます。
Q2.29日と定めた場合、1日しか違わなくても違反ですか?
資料の基準では30日以上が必要です。29日は期間要件を満たしません。
Q3.60日の期間を定めれば口頭催告でもよいですか?
よくありません。期間が十分でも書面催告という方法の要件を別に満たす必要があります。
Q4.30日以上の書面を送ったら、その日に解除できますか?
できません。定めた期間内にも支払いがされなかったことを確認した後に解除等へ進みます。
Q5.買主が「もう支払えない」と明言した場合は直ちに解除できますか?
今回の指定資料では、30日以上の相当期間を定めた書面催告を基準として判断します。資料にない例外を追加せず、本試験では与えられた要件へ当てはめてください。
Q6.支払期日を過ぎた賦払金だけ催告して、将来分を直ちに全部請求できますか?
要件完成前に期限未到来の賦払金を請求することも制限されています。解除だけの規制ではありません。
Q7.「解除等」の「等」には何が含まれますか?
指定資料では、契約解除に加えて支払時期の到来していない賦払金の支払い請求が示されています。この二つをセットで確認してください。
Q8.買主も宅建業者なら30日の数字は無視してよいですか?
8種制限としては業者間特例を先に確認します。一般買主と同じ30日ルールを機械的に適用しないでください。
Q9.割賦販売という言葉が出たら必ずこの解除制限ですか?
必ずではありません。平成23年問39第3肢のように所有権留保等の別規制が問われることもあります。
Q10.30日と30%はどう区別すればよいですか?
30日以上は割賦販売契約の解除等における催告期間、30%は指定資料上の所有権留保等で確認する代金割合です。単位を付けて覚えてください。
Q11.平成23年問39第2肢は「書面」と書いてあるので半分正しいのですか?
書面催告という部分は正しいですが、選択肢全体の正誤はすべての要件で判断します。20日しか定めていないため本肢は違反です。
Q12.第2肢の20日を30日へ直せば判断できますか?
期間だけなら30日以上の条件を満たします。ただし実際の選択肢では書面催告や期間内の不履行など他の条件も確認してください。
Q13.買主が一回支払いを遅れたら、契約解除の準備に入れるという理解でよいですか?
直ちに解除ではなく、まず法定の催告手続を確認します。不払いと解除の間に30日以上の書面催告が入ると考えてください。
Q14.この論点で最初に見るべき数字は30日ですか?
数字より先に買主が宅建業者かを確認します。8種制限が適用される取引だと分かってから30日以上を確認してください。
FAQで共通するポイントは、条件を一つだけ満たしても解除等の要件が完成しないことです。60日でも口頭なら不十分で、書面でも20日なら不十分となり、30日以上の書面催告をしても期間経過前には解除できません。条件を横並びではなく順番で確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
境界問題では、29日・30日・31日の違いより、30日以上という数字を残して方法や時期を変更する方が危険です。また業者間取引へ正しい30日ルールを適用したり、30日と30%を混同させたりする肢にも注意してください。本試験では数字の前後にある対象者・単位・手続を確認します。
特に「書面で催告した」という正しい条件があると安心しやすくなります。👉 一般買主か→30日以上か→書面か→その期間内も不払いか→解除等の順番で確認してください。条件の一部だけを見ず、最終効果までつなげることが得点ポイントです。
まとめ
この論点では、「30日以上」を「20日」へ変える数字の置き換えと、書面を口頭へ変える方法の入れ替えが最も狙われます。さらに30日以上の書面催告をしても、期間経過前に解除できるようにした文章や、期限未到来分だけ直ちに請求できる肢にも注意してください。本試験では、まず買主が宅建業者ではないかを確認します。
特に平成23年問39では、「書面」という正しい語句を残しながら催告期間だけ20日に短縮している点がひっかけです。👉 対象者→30日以上→書面→期間内も不払い→解除等の順番で確認すれば、数字・方法・時期を入れ替えた類似問題にも対応できます。本文を覚え直すより、20日・口頭・即時解除・期限未到来分の即時請求という書き換えを疑ってください。
