【宅建】土地区画整理法の保留地とは? |頻出ポイント・ひっかけ問題・過去問攻略・一問一答

保留地とは、土地区画整理事業の費用に充てるなどの目的で、換地として定めずに確保する土地です。通常の換地とは役割が異なり、土地所有者へ当然に割り当てられる土地ではないため、誰が取得するかまで区別する必要があります。この記事では平成24年問21を中心に、保留地、組合施行、施行区域、組合員との違いを整理します。

宅建では、保留地の細かな売却実務より、何のために設定するのか・誰が設定できるのか・誰が取得するのかを判断できることが重要です。平成24年問21では保留地だけでなく、組合施行の範囲や組合員も同時に出題されており、主体の違いが正誤を分けています。問題文では制度名だけでなく、施行者・区域・権利者へ線を引いてください。

目次

問題文を読んだら最初に何を見るか

保留地の問題では、最初に誰が施行する土地区画整理事業か、土地を何の目的で確保するのか、換地なのか保留地なのかを確認します。個人・組合などの民間施行と、地方公共団体などの公的施行では、施行できる場所や保留地設定の判断で確認事項が異なるためです。この章では問題文の決定語句と本試験での処理順を整理します。

次に、保留地が「組合員へ与える土地」と説明されていないかを確認します。保留地は換地として権利者へ割り当てる土地ではなく、事業費に充てるなどの目的で換地から外して確保する土地だからです。現行法96条でも、一定の土地を換地として定めず保留地として設定する仕組みが置かれています。

最後に、問題が保留地そのものではなく、施行区域・施行地区・組合員を使った比較問題になっていないかを確認します。平成24年問21の正解2は保留地の肢ではなく、組合施行の土地範囲を公的施行と同じように限定したことが誤りでした。 一問のテーマと正解肢の論点が一致するとは限らない点に注意してください。

問題文では、次の語句へ先に線を引きます。この表を見る目的は、保留地と換地、施行区域と施行地区、組合員と施行者を混同しないことです。特に「事業費」「換地を定めない」「組合施行」「施行区域」を確認してください。

問題文の語句判断ポイント
保留地換地として定めない土地か
事業費保留地を設ける目的を確認
換地従前地の権利者との対応を確認
土地区画整理組合民間施行として判断
個人施行民間施行として判断
都道府県・市町村公的施行として確認
施行区域都市計画に定められた区域
施行地区実際に事業を施行する土地の区域
組合員所有者・借地権者を確認
総会の議決組合解散なら知事認可も確認
換地処分公告日の翌日保留地取得の時期を確認
施行者保留地の取得者を確認

この表では、保留地について「誰の土地になるか」を土地所有者の感覚だけで判断しないことが重要です。保留地は換地計画の中で通常の換地から外され、最終的には施行者が取得するという別の流れを取ります。事業費の捻出という目的から通常の換地と区別してください。

本試験では次の順番で処理します。保留地が出ても、いきなり取得時期へ進まず、施行者と土地の役割を先に確認する方が安定します。平成24年問21では次の順序で四肢を分類できます。

・①土地区画整理法の問題か確認する
・②誰が施行する事業か確認する
・③民間施行か公的施行か確認する
・④施行区域と施行地区を区別する
・⑤保留地か通常の換地か確認する
・⑥保留地を設ける目的を確認する
・⑦組合員の範囲を確認する
・⑧保留地の取得者を確認する
・⑨換地処分公告日の翌日を確認する
・⑩原則と例外、主体の入れ替えを確認する

この順番なら、平成24年問21の肢1は組合解散、肢2は施行範囲、肢3は保留地、肢4は組合員として処理できます。すべてを保留地の知識で解こうとせず、各肢の決定語句へ対応するルールを当てることが必要です。施行者→区域→土地の種類→権利者という順番を基本にしてください。

宅建試験ではここが狙われやすい

保留地を含む土地区画整理法では、施行者・組合員・保留地取得者を入れ替える誤肢が作られやすくなります。組合施行では組合員も土地区画整理組合も同じ問題文へ登場しますが、組合員は所有者・借地権者であり、保留地を取得する主体は施行者です。関係者をまとめて「組合関係者」と覚えないことが必要です。

また、平成24年問21では、民間施行にも公的施行と同じ施行区域の限定があるように見せるひっかけが使われました。 「都市計画に定められた施行区域内のみ」という文章が出たら、まず施行者が誰かを確認し、民間施行か公的施行かを先に分けることが得点につながります。

保留地とは|換地として定めず事業費などに充てる土地

保留地は、一定の土地を換地として定めず、土地区画整理事業の費用などに充てるため確保する土地です。通常の換地が従前の宅地権利者との対応を前提とするのに対し、保留地は売却などによって事業財源を確保する役割を持っています。この章では保留地の目的と換地との違いを整理します。

保留地は通常の換地ではない

土地区画整理事業では、整理後の土地をすべて従前地の所有者や借地権者へ換地として割り当てるとは限りません。一定の土地を換地として定めず保留地とし、その処分代金を事業費などへ充てることができます。平成24年問21の資料でも、組合施行の場合に保留地を定めることができると整理されています。

したがって「保留地とは、従前地の所有者へ将来交付するため一時的に保留している換地である」という説明は誤りです。名称の「保留」から一時預かりの土地を連想しやすいものの、法律上は通常の換地とは異なる目的で設定されます。換地から外して確保する土地という点を中心に判断してください。

売却によって事業費へ充てる

保留地は施行者によって処分され、その代金を土地区画整理事業の費用へ充てることが代表的な役割です。国税庁も、保留地は事業費等へ充てる目的で換地計画に定められ、本来処分を予定する土地として説明しています。 「売却することが禁止される土地」と考えると逆になります。

実際の自治体の土地区画整理事業でも、保留地を順次売却し、その収入を事業費の一部へ充当する仕組みが確認できます。 宅建では具体的な売却手続まで覚える必要はなく、保留地→処分→事業費という流れを押さえれば十分です。

換地との違いを比較します。この表を見る目的は、「区画整理後に生じる土地」という共通点だけで両者を同一視しないことです。誰のための土地かと目的を確認してください。

比較項目換地保留地
基本的役割従前地の権利を整理事業費などを確保
従前地との対応あり通常の換地として定めない
主な取得関係従前地権利者施行者
処分権利者の土地となる施行者が売却等を行う
判断語句換地処分事業費・換地を定めない

この表では、「保留地は誰かへの換地である」という説明を切れるようにしてください。従前地との対応を問われたら換地、事業費確保のために換地として定めない土地なら保留地という区別が有効です。問題文の目的語を先に確認してください。

例題1

保留地とは、従前の宅地所有者に将来換地として交付するため、一時的に施行者が保管する土地である。

解答・判断ポイント

正解:×

保留地は通常の換地として定めない土地であり、事業費などに充てる目的で設定されます。将来当然に従前地所有者へ交付する土地ではありません。

誤肢分析

誤っている語句

「将来換地として交付するため」

正しい修正

「換地として定めず、事業費などに充てるため」

この誤肢は「保留」という名称から一時的な換地だと誤解させています。名称より法律上の目的で判断してください。

例題2

土地区画整理組合が施行する事業でも、事業費に充てるなどの目的で保留地を定めることができる。

解答・判断ポイント

正解:○

組合施行だから保留地を設定できないという制限はありません。平成24年問21の肢3と同じ判断です。

宅建試験ではここが狙われやすい

保留地の定義では、保留地を通常の換地へ置き換えるひっかけが中心です。「換地処分まで一時的に保留する土地」「組合員に公平に配分する土地」など、保留という言葉の印象に合う説明ほど注意してください。法律上は換地として定めない点が決定的な違いです。

さらに、保留地を設定できる施行者を限定する問題にも注意します。平成24年問21では組合施行でも保留地設定が可能であり、民間施行だから保留地を定められないという結論にはなりません。 誰が施行する場合でも同じか、施行者によって条件が違うかを確認してください。

保留地は誰が取得するか|施行者と組合員を区別する

保留地は、換地処分の公告があった日の翌日に施行者が取得します。組合施行の場合には土地区画整理組合が施行者なので、各組合員が共同で保留地を取得するわけではありません。この章では保留地の取得者と取得時期を整理します。

取得するのは施行者

保留地は事業費等へ充てるため処分する土地なので、個々の従前地所有者へ換地として帰属させる制度ではありません。換地処分公告日の翌日に施行者が取得し、その後の処分へつなげる構造になります。国税庁の現行法に基づく説明でも、保留地予定地は公告日の翌日に施行者が原始取得するとされています。

組合施行なら、施行者は土地区画整理組合です。そのため「組合施行の場合、保留地は各組合員へ持分に応じて帰属する」という肢は、施行者と組合員を入れ替えています。保留地=施行者という対応を先に固定してください。

取得時期は換地処分公告日の翌日

保留地の取得時期も宅建で狙いやすいポイントです。換地計画に保留地として記載した時点ではなく、換地処分公告日の翌日に施行者が取得します。自治体の保留地管理規定でも、公告日の翌日に施行者が取得する保留地という考え方が確認できます。

したがって、「換地計画決定時」「仮換地指定時」「換地処分公告日そのもの」へ時期を移した肢は疑います。誰が取得するかだけでなく、公告日の翌日まで一組で判断してください。時期が一日ずれていても誤りです。

取得関係を比較します。この表を見る目的は、組合員・施行者・保留地購入者を一つにまとめないことです。それぞれの立場を確認してください。

関係者保留地との関係
施行者公告翌日に取得
土地区画整理組合組合施行なら施行者
組合員保留地を当然取得しない
従前地所有者通常の換地との関係を確認
保留地購入者施行者の処分により取得関係が生じる

この表では「組合が取得する」という表現も、その理由を確認してください。組合員だから取得するのではなく、土地区画整理組合が施行者だから取得するという構造です。理由を間違えると別の施行者の問題へ応用できません。

例題3

組合施行の土地区画整理事業では、保留地は換地処分公告日の翌日に各組合員が共同取得する。

解答・判断ポイント

正解:×

保留地を取得するのは各組合員ではなく施行者である土地区画整理組合です。取得時期が正しくても取得主体が誤っています。

誤肢分析

誤っている語句

「各組合員が共同取得する」

正しい修正

「施行者である土地区画整理組合が取得する」

この誤肢は時期を正しくして主体だけを変更しています。宅建で使いやすい誤肢パターンです。

例題4

保留地は換地計画に定められた時点で、直ちに施行者が所有権を取得する。

解答・判断ポイント

正解:×

取得時期は換地計画作成時ではなく換地処分公告日の翌日です。主体が正しくても時期が違えば誤りになります。

誤肢分析

誤っている語句

「換地計画に定められた時点」

正しい修正

「換地処分公告日の翌日」

この誤肢は取得者を残して時期だけを前倒ししています。主体と時期をセットで確認してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

保留地取得では、施行者と組合員の交換、公告日と公告翌日の交換が狙われます。組合施行では「組合」「組合員」という似た主体が同じ問題に現れるため、土地を取得する者を各組合員と誤認しやすくなります。保留地は事業財源として処分する土地なので、まず施行者へ帰属すると考えてください。

また「換地計画に定める」という正しい事実を使い、その時点で所有権まで取得するとする誤肢にも注意します。計画へ記載する時点と権利取得時点は別であり、権利取得は換地処分公告日の翌日です。土地・主体・時期の三点を一組にすると判断が安定します。

組合施行と公的施行|施行区域の限定を混同しない

平成24年問21で正解を選ぶ決定点は、組合施行を公的施行と同じ施行区域内だけに限定しないことです。提供資料では、都市計画に定められた施行区域内に限られるのは公的施行であり、組合などの民間施行には同じ限定がないと整理されています。この章では保留地記事に必要な範囲で施行者の違いを比較します。

組合施行は民間施行

土地区画整理組合は、個人や区画整理会社とともに民間施行側の施行者として整理します。平成24年問21の資料では、民間施行は都市計画区域内で施行でき、公的施行のように都市計画に定められた「施行区域内のみ」という限定を受けないとされています。 施行者を確認してから区域を判断してください。

ここで「施行区域」と「施行地区」を混同しないことも必要です。施行区域は都市計画法上、土地区画整理事業について都市計画に定められた区域を意味し、施行地区は実際に土地区画整理事業を施行する土地の区域を意味します。提供資料も、この二つを区別するよう明示しています。

公的施行では都市計画事業としての区域を確認する

都道府県・市町村などによる公的施行では、都市計画事業として施行するという構造が判断材料になります。したがって「誰が施行しても都市計画に定められた施行区域内でなければならない」と一律に処理すると、組合施行を誤ります。施行者による違いを先に確定してください。

平成24年問21の肢2は、土地区画整理組合について「都市計画に定められた施行区域内の土地についてのみ施行できる」とする方向が誤りでした。 保留地の知識が正しくても、この施行範囲の比較を知らなければ正解2を選べません。

民間施行と公的施行を比較します。この表を見る目的は、施行区域という言葉だけで結論を出さないことです。最初に施行者を分類してください。

比較項目民間施行公的施行
代表例個人・組合・区画整理会社都道府県・市町村等
施行判断都市計画区域内で確認都市計画事業として確認
施行区域内限定同じ限定を一律に置かない施行区域との関係を確認
保留地設定可能要件の下で設定可能
本試験組合=公的としない主体を確認

この表では「土地区画整理事業だから全部同じ区域ルール」と覚えないことが重要です。平成24年問21は制度名称ではなく誰が施行するかによって正誤が変わる問題です。主体を見てから場所を判断してください。

例題5

土地区画整理組合は、都市計画に土地区画整理事業の施行区域として定められた土地以外では、絶対に事業を施行できない。

解答・判断ポイント

正解:×

組合施行を公的施行と同じように施行区域内だけへ限定する点が誤りです。平成24年問21の正解肢2と同じひっかけです。

誤肢分析

誤っている語句

「施行区域として定められた土地以外では絶対に施行できない」

正しい修正

「組合などの民間施行では、公的施行と同じ施行区域内限定では判断しない」

この誤肢は施行者ごとの規制を一律化しています。最初に民間・公的を分けてください。

宅建試験ではここが狙われやすい

施行範囲では、公的施行の正しいルールを組合施行へ移すひっかけが中心です。平成24年問21の肢2は、土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域という正しい用語を使っているため、文章全体が正しく見えます。しかし施行者が土地区画整理組合であることを確認すると、同じ限定を適用する点が誤りだと判断できます。

さらに「施行区域」と「施行地区」の名称交換にも注意します。 施行区域は都市計画に定める区域、施行地区は現実に事業を施行する土地の区域なので、誰が施行するか→どの区域概念かという順番を固定してください。

組合員・組合解散と保留地を混同しない

土地区画整理組合では、組合員となる者、組合を解散するときの手続、保留地を取得する主体を別々に整理します。平成24年問21では三つの論点が同じ一問へ置かれているため、「組合」という共通語だけで判断すると主体を混同しやすくなります。この章では指定過去問に必要な組合関係だけを整理します。

所有者と借地権者は組合員

土地区画整理組合が設立されると、施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は組合員となります。平成24年問21の肢4はこの内容を正しく示しており、提供資料でもそのように整理されています。 「所有者だけ」と限定する肢なら借地権者の欠落を確認してください。

ここで組合員になったからといって、保留地を組合員が取得するわけではありません。組合員資格は土地区画整理組合の構成員となるかという問題で、保留地の帰属は施行者の権利取得という別の問題です。組合員と施行者を分けることが必要です。

組合の解散には知事認可を確認する

土地区画整理組合が総会の議決によって解散する場合には、知事の認可が必要です。平成24年問21の肢1はこの内容を正しく示しており、現在も都道府県の行政手続案内で45条2項に基づく解散認可が確認できます。

また、提供資料では組合に借入金がある場合には債権者の同意も必要と補足されています。 本問を解くだけなら知事認可が決定点ですが、「総会で決めれば自由に解散できる」という肢を切れるようにしてください。

関係者を比較します。この表を見る目的は「組合」という言葉が付く主体を整理することです。資格・許可・土地取得を別々に確認してください。

主体役割・判断
土地区画整理組合組合施行の施行者
組合員所有者・借地権者
都道府県知事組合解散の認可を確認
施行者保留地の取得主体
債権者借入金がある解散で同意を確認

この表では、組合施行なら「組合が何でも決める」と考えないことが重要です。解散では知事認可、組合員資格では所有権・借地権、保留地では施行者というように、それぞれ別の条件が置かれています。問題文の動詞へ注目してください。

例題6

土地区画整理組合は、総会で解散を議決すれば、都道府県知事の認可を受けることなく解散できる。

解答・判断ポイント

正解:×

総会の議決だけで完結せず、知事の認可を確認します。平成24年問21の肢1を逆にした誤肢です。

誤肢分析

誤っている語句

「知事の認可を受けることなく」

正しい修正

「総会の議決による解散には知事の認可を受ける」

この誤肢は組合内部の意思決定と行政上の認可を同一視しています。二段階で判断してください。

例題7

土地区画整理組合が設立された場合、施行地区内の宅地の借地権者は組合員にはならない。

解答・判断ポイント

正解:×

宅地の所有者だけでなく借地権者も組合員となります。対象者を所有者だけへ狭めた点が誤りです。

誤肢分析

誤っている語句

「借地権者は組合員にはならない」

正しい修正

「所有権又は借地権を有する者が組合員となる」

この誤肢は対象者を一部削っています。平成24年問21の肢4と比較してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

組合関係では、組合・組合員・知事・施行者という主体の交換が狙われます。組合員だから保留地を取得する、総会が決めれば知事認可は不要、組合施行だから公的施行と同じ区域制限を受ける、といった文章はそれぞれ別論点の条件を混ぜています。主体ごとの役割を固定してください。

平成24年問21では、肢1・3・4がいずれも正しい基本知識で、肢2だけが施行者と区域の関係を誤っています。 そのため一つの保留地知識だけで正解を決めるのではなく、一肢ごとに「誰が何をするか」を確認することが必要です。

過去問分析

平成24年問21は、組合の解散、組合施行の範囲、保留地、組合員という四つの論点を比較する問題です。正解2は、土地区画整理組合が施行できる土地を都市計画に定められた施行区域内だけへ限定した点が誤っています。保留地については肢3が正しく、組合施行でも設定できることを確認する問題です。

最初に確認する語句

問題文では、総会の議決、知事の認可、土地区画整理組合、施行区域、保留地、所有権又は借地権を最初に確認します。肢1は解散手続、肢2は施行範囲、肢3は保留地、肢4は組合員として分類します。四肢の共通語である「組合」に引っ張られず、各肢の動詞を確認してください。

平成24年(2012年)問21

問21

土地区画整理法における土地区画整理組合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 土地区画整理組合は、総会の議決により解散しようとする場合において、その解散について、認可権者の認可を受けなければならない。
  2. 土地区画整理組合は、土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域外において、土地区画整理事業を施行することはできない。
  3. 土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができる。
  4. 土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、すべてその組合の組合員とする。

正解:2

解説

土地区画整理組合による施行を、公的施行と同じように都市計画に定められた施行区域内だけへ限定することはできません。提供資料では民間施行と公的施行を分け、組合などの民間施行には同じ限定がないと整理されています。

各肢の正誤理由

肢1 正しい
土地区画整理組合が総会の議決により解散する場合には、知事の認可を受ける必要があります。借入金がある場合には、資料上、債権者の同意も必要とされています。

肢2 誤り
土地区画整理組合を、公的施行と同じく都市計画に定められた施行区域内だけへ限定している点が誤りです。民間施行と公的施行を区別して判断します。

肢3 正しい
組合施行の土地区画整理事業でも、事業費などに充てる目的で保留地を定めることができます。保留地を定められるのは公的施行だけという制限はありません。

肢4 正しい
土地区画整理組合が設立されると、施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は組合員となります。所有者だけに限定しない点がポイントです。

問題作成者のひっかけポイント

本問では、土地区画整理組合という同じ主体を使いながら、四つの別制度を並べることで混乱させています。解散なら知事認可、事業範囲なら民間・公的施行、保留地なら96条、組合員なら所有者・借地権者というように判断ルールがすべて異なります。組合について一つの知識だけを当て続けると誤答します。

肢2では「都市計画に定められた施行区域」という法律上正しい用語を使っているため、内容まで正しいように見えます。しかし問題文の施行者は土地区画整理組合なので、公的施行に使う限定をそのまま当てる点が誤りです。正しい用語+誤った適用対象というひっかけを見抜いてください。

受験生が迷う理由

「施行区域」と「施行地区」は名称が非常に似ているため、どちらも事業を行う範囲という程度に覚えると肢2で迷います。提供資料では、施行区域は都市計画に定められた区域、施行地区は実際に事業を施行する土地の区域として区別されています。 用語だけでなく定義まで一段確認してください。

また、保留地は換地計画の中で定める土地なので「公共団体の事業だけにある制度」と誤認しやすくなります。しかし組合施行でも保留地を設定できるため、施行者が民間であることだけを理由に保留地を否定できません。平成24年問21ではこの点を肢3で確認させています。

正しい判断手順

本問では、最初に四肢の論点を分けることが最も有効です。次に主体を確認し、解散・区域・保留地・組合員のそれぞれへ一つずつ基本ルールを当てます。細かな条文を四肢すべてで思い出す必要はありません。

・①「解散」なら知事認可を確認する
・②「施行区域」なら施行者を確認する
・③組合施行なら民間施行として判断する
・④「保留地」なら設定可能か確認する
・⑤保留地の目的が事業費等か確認する
・⑥「組合員」なら所有権・借地権を確認する
・⑦施行区域と施行地区を区別する
・⑧主体の条件を別制度へ移していないか確認する
・⑨「のみ」「限る」など限定語を確認する
・⑩残った肢を正解として確定する

この順番なら、肢1は①、肢2は②・③・⑦、肢3は④・⑤、肢4は⑥で処理できます。特に肢2の「のみ」という限定表現を見つければ、公的施行との混同を疑いやすくなります。論点分類→主体→限定語の順番を使ってください。

類似問題で使える知識

肢2の施行者を土地区画整理組合から都道府県などの公的施行者へ変更すれば、施行区域との関係を改めて確認する必要があります。肢3を「組合施行では保留地を一切定められない」に変更すれば、保留地設定主体を誤らせる典型的な誤肢になります。対象者・主体を一語変えるだけで正誤が反転することを確認してください。

肢4についても「所有者のみ」と変更すれば借地権者を除外した誤肢になります。肢1なら「総会の議決だけで解散できる」と変更すれば知事認可を削った誤肢になるため、本問はどの条件を削除・移動すれば誤りになるかを学ぶ教材として使えます。

宅建試験ではここが狙われやすい

平成24年問21では、別制度の正しい条件を他の主体へ移す方法が正解肢2の作り方です。施行区域という用語自体は正しくても、土地区画整理組合へ公的施行と同じ限定を付けることで誤った文章になっています。宅建では「用語が正しい=文章も正しい」と判断しないことが必要です。

保留地については肢3がそのまま正しいため、組合施行でも保留地設定可能という基本を確認できます。 本試験では保留地だけに集中せず、施行者・区域・組合員など周辺論点と組み合わせて出題されることを前提に、問題文の主語を最初に囲んでください。

一問一答|過去問の肢レベルで確認

ここでは、保留地、換地、施行者、組合員、施行区域を本試験レベルで確認します。単純な定義だけでなく、平成24年問21で使われた主体・区域・原則の入れ替えを中心にしています。誤っている場合は、どこを直せば正しい文章になるかまで確認してください。

問題1
保留地とは、従前地所有者に将来交付する換地を一時的に保管しておく土地である。
正解:×
保留地は通常の換地として定めず、事業費などに充てるため確保する土地です。
誤っている語句
「将来交付する換地」
正しい修正
「換地として定めない土地」

問題2
土地区画整理組合が施行する事業では、保留地を定めることができない。
正解:×
組合施行でも保留地を定めることができます。
誤っている語句
「定めることができない」
正しい修正
「組合施行でも保留地を定めることができる」

問題3
保留地は、土地区画整理事業の費用へ充てるために処分されることがある。
正解:○
保留地の代表的な目的を正しく示しています。

問題4
組合施行の保留地は、換地処分公告日の翌日に各組合員へ帰属する。
正解:×
保留地を取得するのは施行者である土地区画整理組合です。
誤っている語句
「各組合員へ帰属する」
正しい修正
「施行者である土地区画整理組合が取得する」

問題5
保留地は、換地計画に保留地として記載された時点で施行者が取得する。
正解:×
取得時期は換地処分公告日の翌日です。
誤っている語句
「換地計画に記載された時点」
正しい修正
「換地処分公告日の翌日」

問題6
土地区画整理組合は、都市計画に定められた施行区域内でなければ絶対に事業を施行できない。
正解:×
組合などの民間施行を公的施行と同じ施行区域内だけへ限定する考え方が誤りです。
誤っている語句
「施行区域内でなければ絶対に」
正しい修正
「施行者が民間施行か公的施行かを確認する」

問題7
「施行区域」と「施行地区」は、土地区画整理法上まったく同じ意味である。
正解:×
施行区域は都市計画に定められた区域、施行地区は事業を施行する土地の区域です。
誤っている語句
「まったく同じ意味」
正しい修正
「異なる概念として区別する」

問題8
土地区画整理組合が設立されると、施行地区内の宅地の所有者だけが組合員となる。
正解:×
借地権者も組合員となります。
誤っている語句
「所有者だけ」
正しい修正
「所有権又は借地権を有する者」

問題9
土地区画整理組合が総会の議決により解散する場合、知事の認可を確認する。
正解:○
平成24年問21の肢1と同じ基本判断です。

問題10
保留地と換地は、どちらも従前地所有者へ当然に割り当てられる土地である。
正解:×
保留地は通常の換地として定めない土地です。
誤っている語句
「どちらも従前地所有者へ当然に割り当てられる」
正しい修正
「換地と保留地では役割と帰属が異なる」

問題11
組合員が土地区画整理事業の施行者であるため、保留地も各組合員が取得する。
正解:×
施行者は土地区画整理組合であり、個々の組合員とは区別します。
誤っている語句
「組合員が施行者」「各組合員が取得」
正しい修正
「土地区画整理組合が施行者として保留地を取得する」

問題12
保留地の問題で「誰が取得するか」が問われた場合、まず施行者を確認する。
正解:○
施行者を確定すれば、組合員との主体交換を見抜きやすくなります。

宅建試験ではここが狙われやすい

一問一答で確認したように、保留地では換地との交換、施行者と組合員の交換、取得時期の前倒しが中心となります。「換地計画に定める」という正しい知識を使い、その時点で所有権も取得するとしたり、組合施行だから組合員が取得するとしたりする文章は自然に見えるため注意してください。何を定める時点かと何を取得する時点かを分けます。

平成24年問21型では、さらに施行区域という周辺論点を組み合わせてきます。 保留地=目的・施行者・取得時期、組合施行=施行範囲、組合員=所有者・借地権者という三つの箱へ知識を分けると、別制度の条件を移した誤肢を切りやすくなります。

FAQ

保留地では、換地との違い、組合員との関係、売却前の権利、施行者ごとの違いなどで判断に迷いやすくなります。ここでは本文の単純な言い換えではなく、複数の条件が重なる境界事例を整理します。迷った場合は、土地の目的と取得主体へ戻ってください。

Q1.保留地は、誰かの従前地に対応する換地ではないのですか?
通常の換地として定める土地ではありません。事業費に充てるなどの目的で、換地から外して確保する土地として判断します。

Q2.組合施行なら、組合員全員が保留地の共有者になるのですか?
なりません。保留地の取得主体は施行者であり、組合施行の場合は土地区画整理組合と各組合員を区別します。

Q3.換地計画に保留地が記載されたら、すぐ施行者名義の土地になりますか?
取得時期は換地計画作成時ではなく、換地処分公告日の翌日を確認します。計画上の設定と所有権取得の時期を分けてください。

Q4.保留地は売却できない特別な土地ですか?
逆に、事業費等へ充てるため処分することが予定される土地です。国税庁も保留地を処分予定の土地として説明しています。

Q5.土地区画整理組合は都市計画に施行区域が定められていない場所では一切事業をできませんか?
平成24年問21では、そのような一律の限定が誤りとされています。 まず組合が民間施行であることを確認し、公的施行との違いから判断してください。

Q6.「施行区域」と「施行地区」はどちらも事業範囲なので、宅建では同じ意味として扱ってよいですか?
同じ意味として扱えません。施行区域は都市計画に定められた区域、施行地区は現実に土地区画整理事業を施行する土地の区域として区別します。

宅建試験ではここが狙われやすい

境界問題では、保留地を特殊な換地と考えることが誤答の出発点になります。保留地は通常の換地ではないため、従前地所有者との対応、組合員への割当て、換地計画作成時の権利取得などをそのまま当てることはできません。まず保留地の目的から判断してください。

また、「組合が関係する」というだけで組合員・施行者・総会を同一主体として扱わないことも必要です。平成24年問21では組合の解散、施行範囲、保留地、組合員が一問へまとめられており、誰が何をする規定なのかを分けられるかが得点を左右します。

まとめ

保留地とは、土地区画整理事業の費用に充てるなどの目的で、通常の換地として定めずに確保する土地です。組合施行でも保留地を定めることができ、保留地は換地処分公告日の翌日に施行者が取得するため、組合員へ当然に割り当てられる土地ではありません。過去問ではまず「換地なのか保留地なのか」「誰が施行者なのか」を確認してください。

平成24年問21の正解2では、土地区画整理組合による民間施行を、公的施行と同じように都市計画に定められた施行区域内だけへ限定した点がひっかけでした。 保留地の記事でも、施行者→施行区域・施行地区→保留地か換地か→取得者→取得時期という順番で問題文を見ることが、周辺論点を含めた過去問攻略につながります。

宅建試験ではここが狙われやすい

試験直前には、保留地=換地として定めない・事業費等に充てる・施行者が取得・公告翌日という対応を確認します。さらに平成24年問21では、組合施行でも保留地を設定できること、所有者・借地権者が組合員となること、組合施行を公的施行と同じ区域限定にしないことを整理してください。正しい知識を別の主体へ移すひっかけを見抜くには、問題文の主語と土地の目的を最初に固定することが最も有効です。

 ここが出る突破ポイント  権利関係  宅建業法  法令上の制限  税・その他
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