【宅建】宅建業法 広告開始時期の制限とは? |頻出ポイント・ひっかけ問題・過去問攻略・一問一答

宅建業法では、工事完了前の宅地や建物について、必要な許可や建築確認などを受ける前に広告を開始することが禁止されています。完成前の物件について確定していない内容を広告すると、買主が実現しない物件を前提に取引判断をする危険があるためです。本記事では平成2年問47を中心に、広告開始時期・契約締結時期・取引態様の明示との違いを整理します。

広告開始時期の問題では、「広告に建築確認前と明記すればよい」「停止条件を付ければよい」など、規制を回避できそうな条件が頻繁に付けられます。しかし、建築確認等が必要な物件では、確認を受けていない段階で広告すること自体が認められません。本試験では、未完成物件→必要な処分→処分済みか→広告したかという順番で判断します。

また、宅建業法には広告開始時期だけでなく、契約締結時期、誇大広告、取引態様の明示など複数の広告・業務規制があります。同じ広告に関する条文でも「いつ広告できるか」「何を表示するか」「どの立場を明示するか」で判断基準が異なります。問題文の動詞と時点を最初に分類することが、似た制度の混同を防ぐ基本になります。

目次

問題文を読んだら最初に何を見るか

広告開始時期の問題では、最初に完成前の宅地・建物かどうかを確認します。工事完了後の物件ではなく、未完成物件について必要な処分前の広告を制限する制度だからです。この章では、物件の状態、必要な処分、広告時点という順番で問題を処理します。

次に、建築確認など法令上必要な許可・確認等が必要な物件かを確認してください。必要な処分があるなら、それを受けた後でなければ広告を開始できません。問題文に「申請中」「取得予定」「後日確認を受ける」などがあっても、まだ処分を受けていないなら広告開始時期を満たしていないと判断します。

最後に、問題文の行為が「広告」なのか「契約締結」なのかを確認します。広告開始時期の制限と契約締結時期の制限は似ていますが、確認すべき動詞が異なります。平成2年問47では各肢に別の業務規制が配置されているため、論点分類を先に行うことが重要です。

問題文では次の語句を優先して確認します。この表を見る目的は、広告開始時期の問題と別制度の問題を早い段階で切り分けることです。特に「建築確認前」「広告」「取引態様」という語句は正誤判断へ直結します。

問題文の語句判断ポイント
工事完了前広告開始時期の制限を確認
建築確認確認を受けた時点を確認
建築確認前原則として広告不可
確認申請中確認済みではない
広告33条の広告開始時期か確認
売買契約36条の契約締結時期か確認
建築確認前と表示広告可能になる理由ではない
取引態様広告時の明示義務を確認
自ら売主取引態様として明示
媒介契約媒介契約書面の別論点
手付金等保全措置の別論点
5%保全措置の免除要件との混同に注意

この表では、「広告」という言葉が出たら広告開始時期だけを見るのではなく、取引態様の明示や誇大広告との違いも確認してください。広告開始時期なら「いつ」、取引態様なら「どの立場」、誇大広告なら「どんな内容」という判断軸になります。選択肢を短い論点名へ変換すると処理しやすくなります。

本試験では次の順番で確認します。細かな条文番号より、物件の状態と広告時点を先に固定する方法が有効です。

・① 工事完了前の物件か確認する
・② 建築確認等の必要な処分があるか確認する
・③ 必要な処分をすでに受けたか確認する
・④ 問題文の行為が広告か契約か確認する
・⑤ 広告なら開始時期を判断する
・⑥ 取引態様の明示など別の広告義務を確認する
・⑦ 「表示すればよい」など架空の例外がないか確認する

この順番を使えば、「建築確認前であることを広告に書けば問題ない」という誤肢を切れます。また、広告開始時期と契約締結時期の規制を同じものとして処理するミスも防げます。広告の内容を見る前に、そもそも広告できる時期に達しているかを確認してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

広告開始時期では、建築確認を受ける前でも一定の条件を付ければ広告できるように見せる誤肢が狙われます。「建築確認前であることを明示」「確認取得を条件とする」「確認申請済み」などの表現が代表例です。しかし、必要な処分をまだ受けていないこと自体が判断の中心なので、注意書きによって規制を回避できるとは考えません。

さらに、広告開始と契約締結という動詞の入れ替えも頻出します。広告できる時点と契約できる時点は似た基準で問われますが、何をしたのかを最後まで確認する必要があります。👉 未完成→必要な処分→処分済みか→広告か契約かの順番を固定すると、似た問題でも判断が安定します。

広告開始時期の基本|建築確認前は広告できない

工事完了前の建物について建築確認が必要な場合は、建築確認を受けた後でなければ広告を開始できません。確認前は、計画された建物が法令上そのまま建築できるか確定していないためです。この章では、平成2年問47第1肢の中心となる基本ルールを整理します。

ここで重要なのは、広告に何を書くかではなく広告した時点です。「この建物は現在建築確認前です」と正確に表示したとしても、建築確認前であるという状態そのものは変わりません。したがって、確認前であることを明記すれば広告できるという例外はありません。

また、建築確認の申請をしただけでも足りません。問題文で「申請中」「近日中に確認予定」「取得が確実」などと書かれていても、まだ確認を受けていなければ広告開始時期には達していません。予定や見込みより、実際に必要な処分を受けたかを確認してください。

基本形を表で整理します。この表を見る目的は、建築確認前・申請中・確認後という三つの時点を明確に区別することです。試験では真ん中の「申請中」を確認済みのように見せる問題が作られます。

状態広告
建築確認前不可
建築確認申請中不可
建築確認取得予定不可
建築確認後可能
建築確認前と広告に明示不可

この表では、広告内容へ注意書きを加えても時期の要件を満たさない点を確認してください。「説明したからよい」「表示したからよい」という考え方は、広告開始時期の規制では使えません。必要な処分を受けたという事実を基準にします。

例題1
工事完了前の建物について建築確認が必要な場合、建築確認を受ける前は広告を開始できない。
解答・判断ポイント
正解:○
広告開始時期の基本ルールです。問題文では工事完了前と建築確認前の二つを確認します。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
広告時点をそのまま確認する基本問題です。

例題2
建築確認前であることを広告中に明示すれば、建築確認を受ける前でも広告できる。
解答・判断ポイント
正解:×
確認前であることを表示しても、広告開始時期の規制は解除されません。
誤肢分析
誤っている語句
「明示すれば、建築確認を受ける前でも広告できる」
正しい修正
「建築確認を受けた後でなければ広告できない」
注意書きを架空の例外として使う誤肢です。

例題3
建築確認を申請済みであれば、確認通知を受ける前でも広告を開始できる。
解答・判断ポイント
正解:×
申請しただけでは建築確認を受けたことになりません。
誤肢分析
誤っている語句
「申請済みであれば」
正しい修正
「建築確認を受けた後であれば」
申請と確認済みを入れ替える誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

基本問題では、「受けた後」を「申請した後」へ変更するひっかけが使われます。どちらも建築確認に関する手続なので、文章を急いで読むと同じように感じます。本試験では「申請」「許可予定」「確認済み」など、手続の進行段階を正確に確認してください。

もう一つの典型は、正確な注意書きをすれば広告可能とする文章です。広告内容を正直に書くことと、広告を開始できる時期は別の規制なので、表示によって時期違反を消すことはできません。👉 何を書いたかではなく、いつ広告したかを見ることがこの論点の最重要ポイントです。

広告開始時期と契約締結時期の違い

未完成物件では、広告開始時期と契約締結時期を別々に確認する必要があります。どちらも建築確認等の処分前に一定の行為を禁止するため、同じ制度として覚えると問題文の動詞を見落とすからです。この章では、広告と契約の二つを比較して判断方法を整理します。

広告開始時期では、必要な許可・確認等を受ける前に広告したかを確認します。契約締結時期では、必要な処分前に売買・交換契約を締結していないかを確認します。したがって、「広告した」と「契約した」は別の行為として読み分ける必要があります。

試験では、「建築確認前でも停止条件付きなら契約できる」など、契約側にもっともらしい条件が付けられることがあります。しかし、条件を付けたことによって当然に契約締結時期の規制を回避できるとは判断しません。広告と同じく、必要な処分を実際に受けたかが入口になります。

比較表で整理します。この表を見る目的は、広告と契約という二つの動詞を短時間で区別することです。条文番号を思い出せなくても、問題文の行為から判断軸を選べます。

比較広告開始時期契約締結時期
問題となる行為広告売買・交換契約
判断する時点広告した時契約締結時
建築確認前原則不可原則不可
注意書き回避理由にならない回避理由にならない
条件付き行為時期要件を別に確認時期要件を別に確認

この表では、建築確認前だから何もできないと一括暗記するのではなく、広告と契約を個別に確認してください。問題文では「募集」「販売広告」「契約締結」など動詞が変えられることがあります。何をしたのかを正確に拾うことが誤肢を切る第一歩です。

例題4
建築確認前の未完成建物について、広告はできないが、建築確認を停止条件として売買契約を締結することは当然にできる。
解答・判断ポイント
正解:×
停止条件を付けたことだけで契約締結時期の規制を回避できるとは判断しません。
誤肢分析
誤っている語句
「停止条件として売買契約を締結することは当然にできる」
正しい修正
「必要な建築確認後でなければ契約を締結できない」
民法上の条件を宅建業法上の規制解除へ利用する誤肢です。

例題5
広告開始時期の問題では「広告したか」、契約締結時期の問題では「契約したか」を確認する。
解答・判断ポイント
正解:○
同じ建築確認が登場しても、規制される行為を分けることが必要です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
本試験での論点分類を確認する問題です。

宅建試験ではここが狙われやすい

比較問題では、広告できない時期と契約できない時期の制度名を入れ替える方法が狙われます。結論が似ているため正解できそうに見えますが、問題文が何の義務を聞いているかを外すと類似問題へ対応できません。必ず広告・申込み・契約という動詞を確認してください。

さらに、「停止条件」「確認予定」「申請中」といった条件を付けて例外を作る方法にも注意します。もっともらしい民法上の制度や将来予定が書かれていても、宅建業法上の時期規制が外れるとは限りません。👉 処分済みか→広告か契約かの二段階で判断する方法が安全です。

取引態様の明示|広告時には立場を示す

宅建業者が宅地・建物の売買等について広告をするときは、自ら売主・代理・媒介など取引態様の別を明示します。広告を見る者が宅建業者の立場を知らなければ、責任関係や取引の仕組みを誤解する可能性があるためです。この章では平成2年問47第2肢を中心に、広告開始時期との違いを整理します。

平成2年問47第2肢では、自ら売主として広告する宅建業者が「自ら売主」であることを表示する点が問題となっています。これは広告開始時期とは別の広告上の義務であり、広告できる時点に達していたとしても取引態様の明示が必要です。広告可能かと広告内容が適法かを一度に判断しないでください。

取引態様は、広告した後だけでなく取引の相手方が誰とどの立場で取引するのかを知るための基本情報です。「宅建業者であることを表示したから十分」とする誤肢や、「自ら売主なら明示不要」とする誤肢に注意します。取引態様そのものを表示しているかを確認してください。

広告規制を比較します。この表を見る目的は、広告開始時期・取引態様・誇大広告の三つを一つの広告問題として混同しないことです。それぞれ見る場所が違います。

広告規制最初に見るポイント
広告開始時期いつ広告したか
取引態様の明示どの立場を表示したか
誇大広告どんな内容を表示したか
未完成物件必要な処分を受けたか

この表では、一つの広告が複数の規制を同時に満たす必要がある点を確認してください。建築確認後であっても取引態様が表示されていなければ別の問題となり、取引態様を正しく表示していても建築確認前なら広告開始時期の問題が残ります。規制を一つずつ独立して判定します。

例題6
宅建業者が自ら売主として宅地の売買広告をする場合、「自ら売主」であることを明示する必要がある。
解答・判断ポイント
正解:○
取引態様の別を広告で示す必要があります。平成2年問47第2肢の中心知識です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
本問の正解肢となる基本形です。

例題7
建築確認後に広告しているなら、自ら売主であることを広告に表示しなくてもよい。
解答・判断ポイント
正解:×
広告開始時期を守っても、取引態様の明示義務は別に残ります。
誤肢分析
誤っている語句
「表示しなくてもよい」
正しい修正
「取引態様の別を明示する必要がある」
一つの広告規制を守れば他の規制も不要になるとする誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

取引態様では、広告開始時期を守ったことを理由に明示義務までなくす誤肢が狙われます。宅建業法の広告規制は一つの条件を満たせば終わりではなく、時期・内容・立場をそれぞれ確認する必要があります。問題文では「建築確認後だから」「宅建業者名を表示したから」という理由に注意してください。

また、自ら売主の場合だけ明示不要とする逆転も作られます。取引態様の別を明らかにする制度なので、自ら売主であること自体が表示すべき情報になります。👉 いつ広告できるか→何を表示するか→立場を示したかの順番で広告全体を点検してください。

媒介契約書面との違い|広告規制と契約後の書面を分ける

媒介契約を締結した宅建業者は、依頼者へ媒介契約の内容を記載した書面を交付する義務があります。これは広告開始時期とは直接異なる制度ですが、平成2年問47第3肢を処理するために必要な比較論点です。この章では広告規制から脱線しない範囲で、媒介契約書面の判断方法を整理します。

平成2年問47第3肢では、媒介契約書面について宅建業者間の取引なら省略できるかが問題になります。提供資料では、一般媒介契約・専任媒介契約の双方に共通し、宅建業者間の取引でも省略できないと整理されています。相手方が宅建業者だから消費者保護規定がすべて消えるとは判断しません。

広告開始時期との違いは、規制が発生する場面です。広告開始時期は未完成物件を広告する時点、媒介契約書面は媒介契約を締結した後の書面交付を確認します。問題文の「広告」と「媒介契約を締結したとき」を読み分けてください。

例題8
宅建業者同士で一般媒介契約を締結した場合は、依頼者が宅建業者なので媒介契約書面を交付しなくてもよい。
解答・判断ポイント
正解:×
提供資料では、宅建業者間でも媒介契約書面を省略できないとされています。
誤肢分析
誤っている語句
「媒介契約書面を交付しなくてもよい」
正しい修正
「媒介契約書面を交付する必要がある」
相手方が宅建業者という事情を例外にする誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

横断問題では、広告規制の問題に媒介契約・35条・手付金など別制度を混ぜることで知識の切り替えを難しくする方法が使われます。すべて宅建業法なので一つの判断基準を使いたくなりますが、広告開始時期と媒介契約書面では確認する時点も行為も異なります。問題文の動詞を拾って論点を切り分けてください。

さらに、「宅建業者間なら省略できる」という一般化にも注意します。宅建業法には相手方が宅建業者なら適用が変わる規定もありますが、すべての義務が消えるわけではありません。👉 誰が→何をした→どの制度かの順番で処理し、別制度の例外を持ち込まないことが重要です。

手付金等の保全措置との違い|5%の数字に注意

手付金等の保全措置では、一定の場合に宅建業者が受領する手付金等について保全措置を講じる必要があります。平成2年問47第4肢では、5%という数字と保全対象となる金額の範囲がひっかけとして使われています。この章では広告開始時期と直接混同しないため、指定過去問に必要な範囲だけ整理します。

提供資料では、保全措置を講じる場合は手付金等の全額について措置する必要があるとされています。「代金の5%を超える部分だけ保全すればよい」という考え方は誤りです。5%という数字が登場しても、その数字が何についての基準なのかまで確認する必要があります。

宅建業法では数字だけ正しく提示し、その数字の対象を変更する誤肢が頻繁に作られます。5%という数字を見た瞬間に○と判断せず、受領できる基準なのか、保全する範囲なのかを確認してください。数字とその意味を一組で覚えることが必要です。

例題9
手付金等の保全措置が必要な場合、代金の5%を超える部分だけを保全すれば足りる。
解答・判断ポイント
正解:×
提供資料では、保全措置は手付金等の全額について講じる必要があります。
誤肢分析
誤っている語句
「5%を超える部分だけ」
正しい修正
「手付金等の全額について」
数字は正しくても対象範囲を変えた誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

手付金等では、5%という正しい数字を提示しながら、その数字が意味する内容を変更する誤肢が狙われます。数字暗記だけでは切れないため、「何の5%か」「何について全額か」を確認する必要があります。広告開始時期でも同じように、建築確認という正しい用語だけで○を付けないことが重要です。

指定過去問全体を見ると、第1肢は時期、第2肢は立場、第3肢は書面、第4肢は金額範囲という異なる変更パターンが配置されています。👉 時期・対象者・書面・数字のどこが変えられているかを確認する読み方は、宅建業法全般で利用できます。

過去問分析

この過去問では、広告開始時期・取引態様の明示・媒介契約書面・手付金等の保全措置という異なる業務規制が一問にまとめられています。各肢の制度が異なるため、最初に論点分類を行わないと一つの知識を別の肢へ誤用しやすくなります。この章では、平成2年問47だけを対象に各肢の誤り方と正解肢の判断方法を分析します。

第1肢は広告開始時期、第2肢は広告時の取引態様、第3肢は媒介契約書面、第4肢は手付金等の保全措置です。資料では第1肢・第3肢・第4肢が誤りで、第2肢が正しい内容とされています。したがって、本問の正解は2です。

本問では架空の制度を作るのではなく、正しい制度へ一つだけ誤った条件を追加しています。第1肢では建築確認前という表示、第3肢では宅建業者間、第4肢では5%超過部分という条件が加えられています。どこを直せば正しい文章になるかを考える方法が非常に有効です。

最初に確認する語句
問題文では、**建築確認前、広告、自ら売主、媒介契約書面、宅建業者間、手付金等、5%**を最初に確認します。

平成2年(1990年)問47

問47

宅地建物取引業者Aが自ら売主となって行う工事完了前の分譲住宅の販売に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. Aは、建築確認を受ける前においては、その旨を表示すれば、この分譲住宅の販売広告をすることができる。
  2. Aがこの分譲住宅の販売広告をする場合、Aは、自己が売主である旨の表示を省略することができない。
  3. Aが宅地建物取引業者Bにこの分譲住宅の売却の媒介を依頼した場合、Bは、Aに対して媒介契約の内容を書面化して交付する必要はない。
  4. Aは、宅地建物取引業者でない買主Cとこの分譲住宅の売買契約を締結する場合、その受領する手付金等の額を代金の5パーセント以下とするか、又は代金の5パーセントを超える部分についてその保全措置を講じた後でなければ、手付金等を受領してはならない。

正解:2

解説
本問は宅建業者の業務上の規制について正しいものを選ぶ問題です。第1肢・第3肢・第4肢が誤りで、第2肢が正しい内容となります。各肢の制度を分類してから、時期・立場・書面・金額という個別条件を確認してください。

各肢の正誤理由
◆1(誤り)
工事完了前の建物の売買については、必要な建築確認を受けない限り広告できません。広告に「建築確認前」であることを表示しても、広告開始時期の制限を回避することはできません。

◆2(正しい)
宅建業者が宅地・建物の売買等について広告するときは、取引態様の別を明示する必要があります。自ら売主として広告する場合は、自ら売主であることを表示しなければなりません。

◆3(誤り)
媒介契約を締結した場合、宅建業者は依頼者へ媒介契約内容を記載した書面を交付します。提供資料では、この義務は一般媒介・専任媒介に共通し、宅建業者間の取引であっても省略できません。

◆4(誤り)
保全措置が必要な手付金等については、その全額について措置する必要があります。代金の5%を超える部分だけを保全すれば足りるという内容が誤りです。

問題作成者のひっかけポイント
第1肢では、「建築確認前」と正確に表示することを条件として広告可能に見せています。情報を正しく開示しているため問題がなさそうに感じますが、広告開始時期は表示内容ではなく広告した時点が問題です。正直な表示と広告可能時期を混同させています。

第2肢では、自ら売主という取引態様を広告で明示するという基本ルールをそのまま問っています。他の三肢に複雑な条件が付いているため、単純な正解肢を疑わせる構成です。難しい事情がある肢ほど正しいとは限りません。

第3肢では、「宅建業者同士なら保護する必要がない」という一般的な感覚を利用しています。宅建業者間で適用が変わる規定があるため、他の制度の例外を媒介契約書面にも広げやすくなります。しかし資料では、宅建業者間でも書面交付を省略できないと整理されています。

第4肢では「5%」という正しい数字を使い、保全措置を行う範囲を誤らせています。数字そのものを完全に変えるのではなく、「5%を超える額だけ」という適用対象を変更している点がひっかけです。宅建業法では数字とその意味をセットで読む必要があります。

受験生が迷う理由
本問が難しく感じる理由は、四肢が同じ広告規制だけで構成されていないことです。業務上の規制という大きなくくりの中で、広告・媒介契約・保全措置へ知識を切り替える必要があります。最初に肢ごとの論点名を書き出すだけでも混同を減らせます。

第1肢は、「建築確認前と書けば購入者も理解できるからよい」と日常感覚で考えやすい問題です。しかし宅建業法では、情報開示の十分性ではなく広告可能な法定時点を確認します。制度目的を推測しすぎず、必要な処分済みかを先に見てください。

第3肢と第4肢では、別の宅建業法知識が干渉します。宅建業者間なら規制が緩和される場合があることや、5%という数字を知っているほど、もっともらしい誤肢を○にしやすくなります。正しい知識がどの制度に属するのかまで固定する必要があります。

正しい判断手順
第1肢では「工事完了前」「建築確認前」「広告」という三語を拾います。必要な建築確認前なので広告不可であり、確認前と表示しても結論は変わらないため×です。表示内容ではなく時期を確認します。

第2肢では「広告」「自ら売主」を確認します。取引態様の別を明示する必要があり、自ら売主と表示する内容は正しいため○です。これが本問の正解肢となります。

第3肢では「媒介契約」「書面」「宅建業者間」を確認します。宅建業者間であることを理由に媒介契約書面を省略することはできないため×です。他制度の例外を持ち込んでいないかを見ます。

第4肢では「手付金等」「保全措置」「5%を超える額」を確認します。保全措置は必要な手付金等の全額について講じるため、5%超過部分だけでよいとする文章は×です。最終的に1×・2○・3×・4×で正解2を確定します。

類似問題で使える知識
広告開始時期では、必要な処分について「申請済み」と「取得済み」を区別する方法が使えます。確認前であることを明示した、確認取得を予定しているなどの事情は、処分済みという事実の代わりにはなりません。類似肢でもまず現在の手続段階を確認してください。

広告全般では、時期・取引態様・広告内容を分ける方法が使えます。広告開始時期はいつ、取引態様は誰の立場、誇大広告は何を表示したかという違いがあります。一つの広告に複数の規制が適用され得ることを前提にします。

媒介契約では、相手方が宅建業者という事情だけで書面義務が当然に消えないという読み方が使えます。宅建業者間取引について例外がある制度と、ない制度を一括して覚えないでください。対象者の変更は宅建業法の典型的な誤肢パターンです。

手付金等では、数字そのものだけでなく数字が何を示しているかを確認する方法が使えます。「5%」「10%」「20%」などを見たら、免除基準なのか上限なのか保全範囲なのかまで確認してください。数字だけ合っている誤肢を切ることができます。

宅建試験ではここが狙われやすい

平成2年問47では、時期・取引態様・対象者・金額範囲という四種類の変更方法が使われています。第1肢は広告時期を表示内容で回避させ、第3肢は宅建業者間という相手方条件を追加し、第4肢は5%の意味を変更しています。正しい知識の一部分だけを変えているため、文章全体を雰囲気で判断しないことが必要です。

第2肢は「自ら売主なら自ら売主と明示する」という比較的素直な正解肢です。👉 建築確認前→広告不可、広告→取引態様明示、媒介契約→書面省略不可、保全→全額まで圧縮すれば、本問を短時間で処理できます。最初に論点分類し、その後に変更された一語を探す方法が有効です。

一問一答|過去問の肢レベルで確認

ここでは広告開始時期を中心に、本試験レベルのひっかけ肢を確認します。建築確認前の表示、申請中、契約締結、取引態様などを組み合わせ、単純な条文暗記だけでは解けない形にしています。誤りの場合は、変更された語句を正しい文章へ直してください。

問題1
工事完了前の建物について建築確認が必要な場合、建築確認を受ける前は広告できない。
正解:○
必要な処分を受けた後でなければ広告を開始できません。

問題2
建築確認前であることを広告中に明記すれば、建築確認前でも販売広告を開始できる。
正解:×
注意書きによって広告開始時期の規制は解除されません。
誤っている語句
「明記すれば、建築確認前でも」
正しい修正
「建築確認を受けた後でなければ」

問題3
建築確認を申請済みで審査中なら、確認前でも広告を開始できる。
正解:×
申請済みと確認済みは異なります。
誤っている語句
「申請済みで審査中なら」
正しい修正
「建築確認を受けた後なら」

問題4
建築確認を受けることが確実であっても、確認前の広告開始を当然に認める理由にはならない。
正解:○
将来予定ではなく、必要な処分を受けたかを確認します。

問題5
広告開始時期では広告内容よりも、必要な許可・確認等を受けた時点を確認する。
正解:○
何を書いたかではなく、いつ広告したかが中心です。

問題6
建築確認後に広告する場合は、取引態様の別を表示しなくてもよい。
正解:×
広告開始時期と取引態様の明示は別の義務です。
誤っている語句
「表示しなくてもよい」
正しい修正
「取引態様の別を明示する必要がある」

問題7
宅建業者が自ら売主として広告するときは、自ら売主であることを明示する。
正解:○
取引態様の別を広告で示します。

問題8
宅建業者であることを広告に表示していれば、自ら売主か媒介かまで表示する必要はない。
正解:×
宅建業者であることと取引態様の明示は別です。
誤っている語句
「自ら売主か媒介かまで表示する必要はない」
正しい修正
「取引態様の別を明示する必要がある」

問題9
未完成建物では、広告開始時期と売買契約締結時期を同じ一つの行為として判断する。
正解:×
広告と契約は別の行為として確認します。
誤っている語句
「同じ一つの行為として」
正しい修正
「広告と契約を別々に」

問題10
建築確認前の建物でも、建築確認取得を停止条件とすれば広告できる。
正解:×
条件付きであることによって広告開始時期を回避できるとは判断しません。
誤っている語句
「停止条件とすれば広告できる」
正しい修正
「建築確認後でなければ広告できない」

問題11
宅建業者同士の媒介契約なら、媒介契約書面の交付を省略できる。
正解:×
提供資料では宅建業者間でも省略できないとされています。
誤っている語句
「省略できる」
正しい修正
「書面を交付する必要がある」

問題12
一般媒介契約では媒介契約書面が必要だが、専任媒介契約では不要である。
正解:×
提供資料では一般媒介・専任媒介の双方に共通します。
誤っている語句
「専任媒介契約では不要」
正しい修正
「一般媒介・専任媒介の双方で必要」

問題13
手付金等の保全措置が必要な場合、5%を超える部分だけを保全すればよい。
正解:×
保全措置は対象となる手付金等の全額について講じます。
誤っている語句
「5%を超える部分だけ」
正しい修正
「手付金等の全額」

問題14
宅建業法の数字問題では、数字そのものだけでなく何についての数字かを確認する。
正解:○
平成2年問47第4肢のような誤肢に対応できます。

問題15
広告開始時期を守っていれば、誇大広告や取引態様の明示について確認する必要はない。
正解:×
広告には別々の規制が適用されます。
誤っている語句
「確認する必要はない」
正しい修正
「各広告規制を別々に確認する」

問題16
広告開始時期では「いつ」、取引態様の明示では「どの立場」、誇大広告では「どんな表示」を確認する。
正解:○
広告規制を短時間で分類する方法です。

一問一答では、建築確認という単語が出ただけで結論を決めないことがポイントです。申請した・受ける予定・受けたという三つは異なる状態なので、必要な処分済みかを正確に確認してください。広告開始時期を判断した後も、取引態様や広告内容など別の義務が残っていないかを見ます。

宅建試験ではここが狙われやすい

一問一答では、確認済みと申請済み、広告と契約、広告可能と明示不要という入れ替えが中心です。一つの条件を満たしたことから別の義務まで免除されるように書く方法は、宅建業法で頻繁に使われます。特に「〜であれば、〜する必要はない」という文章では前後の制度が本当に連動するか確認してください。

数字問題では、5%のような見覚えのある数字を置くだけで正しいように見せる方法も使われます。👉 時期なら何の時期か、数字なら何の数字か、書面なら誰への書面かまで確認してください。知っている語句を見つけることではなく、その語句の適用先を合わせることが得点につながります。

FAQ

FAQでは、広告開始時期について本文の基本ルールを繰り返すのではなく、判断が止まりやすい境界事例を扱います。確認申請中・変更確認・広告内容との関係など、選択肢に条件が追加された場合の読み方を中心に整理します。迷った場合は、必要な処分を現実に受けたかという基準へ戻ってください。

また、広告開始時期は他の広告規制と同時に問題になることがあります。広告できる時期に達したからといって、取引態様や誇大広告に関する規制まで消えるわけではありません。一つの広告について複数のチェックを行うという前提を持ってください。

Q1.建築確認を申請した当日から広告できますか?
申請したことと建築確認を受けたことは別です。必要な確認を実際に受けたかを確認します。

Q2.建築確認が下りることがほぼ確実でも広告できませんか?
将来の見込みだけで広告開始時期を満たしたとは判断しません。現在の手続状態を確認してください。

Q3.「建築確認前のため計画変更の可能性があります」と書けば広告できますか?
注意書きを付けることと広告開始時期は別の問題です。確認前と表示しても、確認前という事実自体は変わりません。

Q4.広告に販売予定価格を書かなければ建築確認前でも広告できますか?
広告にどの情報を載せるかではなく、広告を開始した時点を確認します。情報量を減らすことで時期規制が当然に外れるとは考えません。

Q5.インターネット広告でも同じ考え方ですか?
提供資料の論点では広告開始時期そのものを判断しています。媒体を理由に別の開始時期が示されているわけではないため、広告行為として処理します。

Q6.建築確認後なら自由に広告できますか?
広告開始時期については条件を満たしますが、取引態様の明示や誇大広告など他の規制を別に確認します。一つの要件を満たせば広告全体が適法になるわけではありません。

Q7.「自ら売主」の表示はいつ必要ですか?
宅建業者が売買等の広告をするとき、取引態様の別として自ら売主であることを示します。広告開始時期とは別のチェック項目です。

Q8.媒介業者なら取引態様を表示しなくてもよいですか?
自ら売主だけが取引態様ではありません。媒介・代理などを含め、どの立場で取引するのかを確認します。

Q9.広告開始時期と誇大広告の違いを一言で区別できますか?
広告開始時期は「いつ広告したか」、誇大広告は「何を表示したか」です。問題文の時点と内容を分けてください。

Q10.建築確認前に契約だけして広告しなければ問題ありませんか?
広告をしていないことだけで契約締結時期の規制まで満たすとは限りません。契約については契約締結時点を別に確認します。

Q11.相手が宅建業者なら広告開始時期の制限は考えなくてもよいですか?
提供資料では、相手方が宅建業者であることを広告開始時期の例外として示していません。別制度の宅建業者間特例を持ち込まないでください。

Q12.広告開始時期で最初に探す語句は何ですか?
「工事完了前」「建築確認前」「広告」という三つを優先します。その後に、申請済みではなく実際に確認済みかを確認します。

FAQで共通するポイントは、将来の予定・表示内容・相手方の属性を、確認済みという事実の代わりにしないことです。問題文に条件が多いほど、その条件が法律上の例外として資料に示されているかを確認してください。書かれていない例外を受験生側で作らないことが重要です。

宅建試験ではここが狙われやすい

境界問題では、「申請中」「確認予定」「注意書きあり」「宅建業者間」といった事情が追加され、原則から外れるように見せられます。しかし広告開始時期では、必要な処分を実際に受けたかという基準が中心なので、もっともらしい事情だけで結論を変えないことが必要です。特に予定・見込み・表示という言葉を確認済みと置き換えないでください。

また、広告開始時期と他の広告義務を連動させる誤肢も注意が必要です。👉 確認済みか→広告時期は適法か→取引態様は明示したか→広告内容は適法かという順番で一つずつ確認してください。広告全体を一回の○×で処理しないことが得点につながります。

まとめ

この論点では、建築確認前と建築確認後の時期の入れ替え、申請済みと確認済みの混同が最も狙われます。特に「確認前と表示すれば広告可能」「申請中なら広告可能」という選択肢に注意してください。本試験では、まず必要な建築確認等を実際に受けたかを確認します。

平成2年問47では、第1肢の注意書きによる例外化、第3肢の宅建業者間という対象者変更、第4肢の5%の意味変更がひっかけです。👉 未完成物件→必要な処分→広告時点→取引態様→他の業務規制の順番で確認すれば、類似問題にも対応できます。正解2は、広告時に自ら売主という取引態様を明示する点が判断の決め手です。

 ここが出る突破ポイント  権利関係  宅建業法  法令上の制限  税・その他
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