「試験で覚えるポイント」重要ポイント一覧
| 重要ポイント | 試験で覚えるポイント |
|---|---|
| 重要ポイント①|【民法102条・代理人の行為能力】 | 制限行為能力者でも代理人になることができ、原則として行為能力の制限を理由に代理行為を取り消すことはできない。ただし、他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為は例外。 |
| 重要ポイント②|【民法104条・任意代理人による復代理人の選任】 | 委任による代理人が復代理人を選任できるのは、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるとき。 |
| 重要ポイント③|【民法108条・自己契約・双方代理等】 | 自己契約・双方代理等は原則として無権代理扱い。ただし、債務の履行、本人のあらかじめの許諾などは例外。利益相反行為も原則として無権代理扱い。 |
| 重要ポイント④|【民法111条1項2号・代理権の消滅】 | 代理人の死亡、代理人についての破産手続開始の決定、後見開始の審判により代理権が消滅する。 |
| 重要ポイント⑤|【民法116条・無権代理行為の追認】 | 追認は、別段の意思表示がない限り契約時にさかのぼって効力を生じる。ただし、第三者の権利を害することはできない。 |
重要ポイント①|【民法102条・代理人の行為能力】
条文
民法102条(代理人の行為能力)
制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない。
説明
代理では、代理人自身の行為能力に問題があるかどうかだけで判断するのではなく、その代理人が「誰のために代理をしているのか」を確認することが重要です。原則として、制限行為能力者が代理人として行為しても、それだけを理由に代理行為を取り消すことはできません。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人として行為した場合には、条文上の例外となるため、問題文でこの組合せが出てきたら注意します。
試験で覚えるポイント
・制限行為能力者でも代理人になることができる。
・代理人としてした行為は、原則として「行為能力の制限によっては」取り消すことができない。
・例外は、制限行為能力者が「他の制限行為能力者の法定代理人」としてした行為。
・「制限行為能力者が代理人」というだけで、直ちに取消しとなるわけではない。
本試験でのひっかけ・問われ方
問題文では、まず「代理人が制限行為能力者である」という事実と、「誰の法定代理人として行為したのか」を分けて確認します。次に、単なる代理人なのか、それとも他の制限行為能力者の法定代理人なのかを確認すると、原則か例外かを判断できます。「制限行為能力者だから取り消せる」と一律に判断せず、102条ただし書に当たるかまで確認することが重要です。
この論点を狙う固有の出題パターン
この論点では、「制限行為能力者であること」と「他の制限行為能力者の法定代理人であること」が入れ替えられやすい部分です。また、「行為能力の制限によっては取り消すことができない」という原則を、単純に「どのような理由でも取り消せない」と変更して出題することがあります。さらに、法定代理人としての行為か単なる代理人としての行為かを変更し、原則と例外を逆転させる形にも注意します。
出題パターン①|【制限行為能力者なら代理行為を取り消せるとする変更】
【本来のルール】
制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができません。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
制限行為能力者であることを理由として、代理行為を取り消せる内容に変更してきます。
→ 【具体的な変更内容】
「制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によって取り消すことができる」と変更する。
出題パターン②|【例外を一般原則に変更】
【本来のルール】
他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為は、102条の原則とは異なる扱いになります。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
「他の制限行為能力者の法定代理人」という限定を外し、すべての代理行為に例外が及ぶように変更してきます。
→ 【具体的な変更内容】
「制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によって取り消すことができる」とする。
出題パターン③|【法定代理人としての行為を通常の代理行為に変更】
【本来のルール】
例外となるのは、制限行為能力者が「他の制限行為能力者の法定代理人」としてした行為です。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
法定代理人という要件を削除し、単に制限行為能力者が代理人としてした行為であれば例外になるように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「制限行為能力者が代理人としてした行為については、この限りでない」と変更する。
出題パターン④|【他の制限行為能力者という限定を変更】
【本来のルール】
ただし書は、制限行為能力者が「他の制限行為能力者」の法定代理人としてした行為を対象とします。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
「他の制限行為能力者」という対象を変更し、例外となる範囲を広げたり狭めたりします。
→ 【具体的な変更内容】
「制限行為能力者が成年者の法定代理人としてした行為については、この限りでない」などと変更する。
宅建試験ではここが狙われやすい
102条では、「制限行為能力者=代理人になれない」という理解が誤りである点を押さえます。特にただし書の「他の制限行為能力者の法定代理人」という限定を落とさないことが重要です。原則と例外を問題文の人物関係に当てはめて判断します。
一問一答
問題1
制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。
正解:○
【解説】
102条の原則どおり、制限行為能力者であることを理由として代理行為を取り消すことはできません。
問題2
制限行為能力者が代理人としてした行為は、本人の同意がなければ必ず取り消すことができる。
正解:×
【解説】
制限行為能力者であることだけを理由として、代理行為を取り消すことはできません。
問題3
制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、102条の原則とは異なる扱いとなる。
正解:○
【解説】
他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為は、102条ただし書の例外に該当します。
問題4
制限行為能力者が代理人としてした行為は、どのような場合でも行為能力の制限によって取り消すことができない。
正解:×
【解説】
「他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為」は例外です。
重要ポイント②|【民法104条・任意代理人による復代理人の選任】
条文
民法104条(任意代理人による復代理人の選任)
委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
説明
復代理とは、代理人がさらに別の人を代理人として選ぶ場面です。ここでは「誰でも自由に復代理人を選べるのか」が判断の中心となり、104条では委任による代理人について一定の条件を置いています。問題文では、本人が許諾しているのか、それとも本人の許諾がなくても復代理人を選任できる「やむを得ない事由」があるのかを確認します。
試験で覚えるポイント
・対象は「委任による代理人」。
・復代理人を選任できるのは、原則として「本人の許諾を得たとき」。
・本人の許諾がなくても、「やむを得ない事由」があるときは選任できる。
・「本人の許諾」または「やむを得ない事由」のどちらかが必要。
本試験でのひっかけ・問われ方
問題文では、復代理人を選任したという事実だけで判断せず、104条の2つの要件のどちらかが存在するかを確認します。「本人の許諾」と「やむを得ない事由」は別々の要件なので、どちらか一方があれば足りることに注目します。本人の許諾がない場合でも、やむを得ない事由が記載されていれば結論が変わるため、問題文全体を確認します。
この論点を狙う固有の出題パターン
104条では、「本人の許諾」と「やむを得ない事由」の関係を入れ替える問題が作られやすくなります。また、どちらか一方で足りるところを「両方必要」と変更したり、逆にどちらも不要として自由な選任に変更したりすることがあります。さらに、対象となる「委任による代理人」という部分を変更して、条文の適用対象をずらす出題にも注意します。
出題パターン①|【本人の許諾を両方必要な条件に変更】
【本来のルール】
委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときに復代理人を選任できます。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
「又は」を「かつ」に変更し、本人の許諾とやむを得ない事由の両方が必要であるかのようにします。
→ 【具体的な変更内容】
「本人の許諾を得たとき、かつ、やむを得ない事由があるときでなければ」と変更する。
出題パターン②|【やむを得ない事由を不要に変更】
【本来のルール】
本人の許諾がない場合でも、やむを得ない事由があれば復代理人を選任できます。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
本人の許諾がない限り、やむを得ない事由があっても選任できないように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「本人の許諾を得たときでなければ、復代理人を選任することができない」と変更する。
出題パターン③|【本人の許諾を不要に変更】
【本来のルール】
本人の許諾がある場合は、やむを得ない事由がなくても復代理人を選任できます。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
本人の許諾があっても、さらにやむを得ない事由が必要であるように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「本人の許諾を得たとき、及びやむを得ない事由があるときでなければ」と変更する。
出題パターン④|【委任による代理人という対象を変更】
【本来のルール】
104条は「委任による代理人」について復代理人の選任条件を定めています。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
条文の対象を変更し、法定代理人についても104条と同じ条件が適用されるような文章にします。
→ 【具体的な変更内容】
「法定代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない」と変更する。
宅建試験ではここが狙われやすい
104条は「本人の許諾」と「やむを得ない事由」の2つの選任可能事由を区別します。特に「又は」が「かつ」に変わっていないかを確認することが重要です。問題文で復代理人の選任が出たら、まず104条の「委任による代理人」であることを確認します。
一問一答
問題1
委任による代理人は、本人の許諾を得たときは、復代理人を選任することができる。
正解:○
【解説】
本人の許諾を得た場合は、104条により復代理人を選任できます。
問題2
委任による代理人が復代理人を選任するには、本人の許諾とやむを得ない事由の両方が必要である。
正解:×
【解説】
本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときのいずれかで足ります。
問題3
委任による代理人は、本人の許諾がなくても、やむを得ない事由があるときは復代理人を選任することができる。
正解:○
【解説】
104条は「本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるとき」と定めています。
問題4
委任による代理人は、本人の許諾があっても、やむを得ない事由がなければ復代理人を選任することができない。
正解:×
【解説】
本人の許諾を得た場合は、それだけで104条の要件を満たします。
重要ポイント③|【民法108条・自己契約・双方代理等】
条文
民法108条(自己契約及び双方代理等)
同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
2 前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
説明
108条では、代理人と相手方・本人との関係によって、代理人の立場が偏る可能性がある場面を扱っています。問題を解くときは、まず同一の法律行為について「相手方の代理人」または「当事者双方の代理人」になっていないかを確認し、さらに代理人と本人との利益が相反する行為に該当しないかを確認します。そのうえで、債務の履行や本人のあらかじめの許諾という例外があるかを見るのが基本です。
試験で覚えるポイント
・同一の法律行為について、代理人が相手方の代理人としてした行為は原則として無権代理扱い。
・同一の法律行為について、代理人が当事者双方の代理人としてした行為も原則として無権代理扱い。
・ただし、「債務の履行」「本人があらかじめ許諾した行為」は第1項の例外。
・代理人と本人との利益が相反する行為も原則として無権代理扱い。
・利益相反行為については「本人があらかじめ許諾した行為」が例外。
本試験でのひっかけ・問われ方
問題文では、まず誰が誰の代理人として行為しているのかを整理し、「同一の法律行為」について代理関係が重なっているかを確認します。次に、原則に該当しても「債務の履行」や「本人があらかじめ許諾した行為」という例外がないかを確認します。第2項の利益相反については、本人のあらかじめの許諾が例外となる点まで確認して正誤判断します。
この論点を狙う固有の出題パターン
108条では、「相手方の代理人」「当事者双方の代理人」「利益相反」という対象を入れ替えて出題することが多くなります。また、「本人があらかじめ許諾した行為」という例外に「事後の許諾」を加えるなど、許諾の時期を変更する形にも注意が必要です。さらに、第1項の「債務の履行」という例外を削除したり、利益相反行為にも当然に債務の履行の例外があるように変更したりすることがあります。
出題パターン①|【本人の許諾の時期を変更】
【本来のルール】
本人があらかじめ許諾した行為については、第1項本文の原則の適用を受けません。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
本人の許諾があれば時期を問わず例外になるように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「本人があらかじめ許諾した行為」を「本人が許諾した行為」と変更する。
出題パターン②|【債務の履行という例外を削除】
【本来のルール】
第1項では、債務の履行については自己契約・双方代理の原則の例外とされています。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
債務の履行であっても原則として無権代理扱いとなるように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」から「債務の履行」を削除する。
出題パターン③|【利益相反行為に債務の履行の例外を追加】
【本来のルール】
第2項の利益相反行為についての例外は、本人があらかじめ許諾した行為です。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
第1項の「債務の履行」まで利益相反行為の例外となるように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」を「ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」と変更する。
出題パターン④|【利益相反行為の対象を変更】
【本来のルール】
第2項は「代理人と本人との利益が相反する行為」を対象とします。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
利益相反という関係を、代理人と相手方との利益が相反する場合に変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「代理人と本人との利益が相反する行為」を「代理人と相手方との利益が相反する行為」と変更する。
宅建試験ではここが狙われやすい
108条は原則と例外の組合せを正確に確認することが重要です。特に第1項の「債務の履行」と「本人があらかじめ許諾した行為」、第2項の「本人があらかじめ許諾した行為」を区別します。自己契約・双方代理だけでなく、利益相反行為まで条文上の対象に含まれている点を落とさないようにします。
一問一答
問題1
同一の法律行為について、代理人が当事者双方の代理人としてした行為は、原則として代理権を有しない者がした行為とみなされる。
正解:○
【解説】
108条1項本文により、当事者双方の代理人としてした行為は原則として無権代理扱いとなります。
問題2
本人があらかじめ許諾していた場合でも、同一の法律行為について当事者双方の代理人としてした行為は、必ず無権代理扱いとなる。
正解:×
【解説】
本人があらかじめ許諾した行為は、108条1項の例外です。
問題3
代理人と本人との利益が相反する行為は、原則として代理権を有しない者がした行為とみなされる。
正解:○
【解説】
108条2項本文により、利益相反行為は原則として無権代理扱いとなります。
問題4
利益相反行為については、本人があらかじめ許諾していても、108条2項の例外にはならない。
正解:×
【解説】
108条2項ただし書により、本人があらかじめ許諾した行為は例外となります。
重要ポイント④|【民法111条1項2号・代理権の消滅】
条文
民法111条1項2号(代理権の消滅事由)
代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
説明
111条1項2号では、代理人側に一定の事情が生じた場合に代理権が消滅することを定めています。試験では、単に「代理人に問題が起きた」と覚えるのではなく、条文に列挙されている3つの事由を正確に区別することが重要です。特に「破産手続開始の決定」と「後見開始の審判」という法律上の手続・審判の名称を正確に確認します。
試験で覚えるポイント
・代理人の死亡で代理権が消滅する。
・代理人が「破産手続開始の決定」を受けた場合に代理権が消滅する。
・代理人が「後見開始の審判」を受けた場合に代理権が消滅する。
・111条1項2号は、代理人側の3つの消滅事由を定めている。
本試験でのひっかけ・問われ方
問題文で代理権が消滅したかを問われたら、まず代理人側に条文上の3つの事由のどれかが発生しているかを確認します。「破産した」「後見状態になった」などの一般的な表現だけで判断せず、条文が定める事由と問題文の事実関係を照らし合わせます。特に死亡、破産手続開始の決定、後見開始の審判を一つずつ確認することが正誤判断の基準になります。
この論点を狙う固有の出題パターン
111条1項2号では、3つの消滅事由のうち一つを別の制度や状態に置き換える出題が狙われます。また、「破産手続開始の決定」「後見開始の審判」という法律上の文言を単なる「破産」「後見」に変更して、条文との一致を崩すことがあります。さらに、代理人の事情ではなく本人側の事情に変更して、1項2号の対象を入れ替える出題にも注意します。
出題パターン①|【死亡する者を代理人から本人に変更】
【本来のルール】
111条1項2号では、代理人の死亡によって代理権が消滅します。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
代理人の死亡ではなく本人の死亡が1項2号の事由であるかのように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「代理人の死亡」を「本人の死亡」と変更する。
出題パターン②|【破産手続開始の決定を単なる破産に変更】
【本来のルール】
代理人が「破産手続開始の決定」を受けたことが代理権消滅事由です。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
法律上の手続を経たことを示さず、代理人が単に破産した時点で代理権が消滅するように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「代理人が破産手続開始の決定を受けたこと」を「代理人が破産したこと」と変更する。
出題パターン③|【後見開始の審判を保佐開始の審判に変更】
【本来のルール】
代理人が「後見開始の審判」を受けたことが代理権消滅事由です。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
後見開始ではなく、別の成年後見制度上の審判を受けた場合にも当然に消滅するように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「後見開始の審判」を「保佐開始の審判」と変更する。
出題パターン④|【代理人側の事由を本人側の事由に変更】
【本来のルール】
111条1項2号は、代理人の死亡、代理人の破産手続開始の決定、代理人の後見開始の審判を対象とします。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
代理人に発生した事由ではなく、本人に発生した事由を1項2号の消滅事由として扱います。
→ 【具体的な変更内容】
「代理人が後見開始の審判を受けたこと」を「本人が後見開始の審判を受けたこと」と変更する。
宅建試験ではここが狙われやすい
111条1項2号は、代理人側の消滅事由を3つに整理して覚えることが重要です。特に「破産手続開始の決定」と「後見開始の審判」という文言を正確に確認します。問題文では、誰にその事由が発生したのかを必ず確認します。
一問一答
問題1
代理人が死亡した場合、111条1項2号により代理権は消滅する。
正解:○
【解説】
代理人の死亡は、111条1項2号に定められた代理権の消滅事由です。
問題2
代理人が破産手続開始の決定を受けても、代理権は消滅しない。
正解:×
【解説】
代理人が破産手続開始の決定を受けたことは、111条1項2号の消滅事由です。
問題3
代理人が後見開始の審判を受けた場合、代理権は消滅する。
正解:○
【解説】
代理人が後見開始の審判を受けたことも、111条1項2号の消滅事由です。
問題4
代理人が保佐開始の審判を受けた場合は、111条1項2号に明文で代理権が消滅すると定められている。
正解:×
【解説】
111条1項2号が定めるのは「後見開始の審判」であり、「保佐開始の審判」ではありません。
重要ポイント⑤|【民法116条・無権代理行為の追認】
条文
民法116条(無権代理行為の追認)
追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
説明
無権代理がされた後に本人が追認すると、その契約について本人が認めることになります。116条では、その追認の効力をいつの時点から生じさせるのかが重要で、原則として契約時までさかのぼる仕組みになっています。ただし、その遡及効によって第三者の権利まで害することは認められていないため、「契約時にさかのぼる」という原則だけで判断しないことが重要です。
試験で覚えるポイント
・追認は、別段の意思表示がないとき、契約の時にさかのぼって効力を生ずる。
・基準となる時点は「契約の時」。
・原則は遡及効。
・ただし、第三者の権利を害することはできない。
・「別段の意思表示がないとき」という文言も重要。
本試験でのひっかけ・問われ方
問題文では、追認による効力が「いつから」生じるのかを確認することが最初のポイントです。次に、原則どおり契約時にさかのぼるのか、それとも第三者の権利を害する場面が含まれているのかを確認します。また、「契約の時」を追認をした時や追認を知った時などに置き換えていないかにも注意して読みます。
この論点を狙う固有の出題パターン
116条では、追認の効力が発生する基準時を契約時から別の時点へ変更する出題が典型的です。また、「第三者の権利を害することはできない」という例外を削除して、常に完全な遡及効が生じるように変更することがあります。さらに、「別段の意思表示がないとき」という条件を変更し、別段の意思表示があっても常に契約時に遡るようにする出題にも注意します。
出題パターン①|【効力発生時点を契約時から追認時に変更】
【本来のルール】
追認は、別段の意思表示がないとき、契約の時にさかのぼって効力を生じます。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
契約時まで遡るという部分を、追認をした時点から効力が生じるように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「契約の時にさかのぼってその効力を生ずる」を「追認の時からその効力を生ずる」と変更する。
出題パターン②|【第三者の権利を害することができないという例外を削除】
【本来のルール】
追認には契約時への遡及効がありますが、第三者の権利を害することはできません。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
第三者の権利についての制限をなくし、追認の効力が常に第三者にも及ぶように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「ただし、第三者の権利を害することはできない」という部分を削除する。
出題パターン③|【契約の時を別の基準時に変更】
【本来のルール】
遡及する基準となる時点は「契約の時」です。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
契約の時ではなく、無権代理行為がされたことを本人が知った時など、別の時点を基準に変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「契約の時にさかのぼって」を「本人が無権代理行為を知った時にさかのぼって」と変更する。
出題パターン④|【別段の意思表示がないときという条件を変更】
【本来のルール】
追認は、「別段の意思表示がないとき」に契約の時にさかのぼって効力を生じます。
【試験では、どこをどのように変更してくるか】
本人が別の意思を表示した場合でも、必ず契約時に遡るように変更します。
→ 【具体的な変更内容】
「別段の意思表示がないときは」を「本人が別段の意思表示をした場合でも」と変更する。
宅建試験ではここが狙われやすい
116条では「契約の時にさかのぼる」という遡及効を基本として押さえます。そのうえで「第三者の権利を害することはできない」という制限をセットで確認します。「契約時」「追認時」「第三者の権利」という3つの視点を問題文から拾うことが重要です。
一問一答
問題1
追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。
正解:○
【解説】
116条の原則であり、追認の効力は契約時にさかのぼります。
問題2
追認の効力は、原則として追認をした時から生じ、契約の時にはさかのぼらない。
正解:×
【解説】
116条は、別段の意思表示がないとき、契約の時にさかのぼって効力を生ずると定めています。
問題3
追認による遡及効によっても、第三者の権利を害することはできない。
正解:○
【解説】
116条ただし書により、追認の効力が第三者の権利を害することは認められていません。
問題4
追認は、第三者の権利を害する場合であっても、契約の時にさかのぼって完全に効力を生ずる。
正解:×
【解説】
116条ただし書により、第三者の権利を害することはできません。
まとめ
代理の論点では、102条の制限行為能力者、104条の復代理人、108条の自己契約・双方代理等、111条1項2号の代理権消滅事由、116条の追認の遡及効について、原則・要件・例外を正確に区別して覚えることが重要です。
