所有権保存登記は、宅建の権利関係で誰が最初の所有権登記を申請できるかを判断する重要論点です。令和5年問14では保存登記だけでなく、滅失登記、附属書類の閲覧、合同申請まで一問で横断して問われています。本記事では、暗記だけでなく問題文のどこを見るか、どの順番で判断するか、どの誤肢を切るかを整理します。
不動産登記法では、表示に関する登記と権利に関する登記が同じ問題へ混在するため、一つの申請ルールだけで処理すると誤答します。特に「誰でも閲覧できる」「すべての登記名義人」「表題部所有者から取得した者」という対象者の範囲が正誤を左右します。個別制度の細部は専門記事へ譲り、本記事では指定過去問を正解するための判断基準へ重点を置きます。
所有権保存登記とは|問題文を読んだら最初に何を見るか
所有権保存登記の問題では、最初に何の登記・手続が問われているのかを確認することが結論です。所有権保存登記、滅失登記、附属書類の閲覧、合同申請では、主体と条件がそれぞれ違うからです。この章では、登場人物、手続の種類、条件、法律効果という順番で本試験の判断方法を整理します。
問題文を読んだら、①誰が行動しているか、②何の登記または請求か、③申請できる条件を満たすか、④例外や追加条件があるか、の順番で確認します。令和5年問14では、肢1が滅失登記、肢2が附属書類閲覧、肢3が合同申請、肢4が区分建物の所有権保存登記です。最初に四肢を分類しておけば、別論点の知識を誤って当てはめることを防げます。
問題文では、次の語句が判断を切り替える合図になります。「滅失」「1か月」「何人も」「正当な理由」「すべての登記名義人」「区分建物」などは、そのまま正誤判断につながる語句です。まずは問題文の語句と見るべきポイントを対応させます。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 建物が滅失 | 滅失登記の申請義務を確認 |
| 滅失の日から1か月以内 | 期間と起算点を確認 |
| 表題部所有者 | 表示登記・保存登記の主体を確認 |
| 所有権の登記名義人 | 滅失登記の申請主体を確認 |
| 附属書類 | 書類の種類を確認 |
| 何人も | 誰でも閲覧できる書類か確認 |
| 正当な理由 | 一般の附属書類の閲覧条件を確認 |
| 共有物分割禁止 | 合同申請を確認 |
| すべての登記名義人 | 共同して申請する主体を確認 |
| 区分建物 | 保存登記の特則を確認 |
| 表題部所有者から取得 | 保存登記を申請できるか確認 |
| 敷地権付き区分建物 | 承諾の必要性を確認 |
この表では、同じ「申請」という語句でも誰が申請するのかが制度ごとに異なる点を確認します。特に肢4では、通常の所有権保存登記というイメージだけでなく、区分建物について申請できる者が広がっている点を見る必要があります。条文名よりも「対象者の範囲」を先に確認する方法が有効です。
本試験では、次の順番を固定すると処理が安定します。四肢の論点が異なる場合でも、最初に手続を分類すれば各論点の判断基準へ短時間で切り替えられます。最後に限定語や例外条件まで確認して正誤を決めます。
・① 誰が行動しているか確認する
・② 何の登記・請求か確認する
・③ 期間・書類・対象者など条件を確認する
・④ 原則だけでなく特則・例外を確認する
・⑤ 「誰でも」「すべて」「限られる」など範囲表現を確認する
この順番では、対象者の範囲を最後まで読むことが特に重要です。令和5年問14の肢2は、すべての附属書類について誰でも自由に閲覧できるわけではないという区別が正解を決めます。制度名だけではなく、どの書類なら何人でも閲覧できるのかまで確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
不動産登記法では、出題者は法律用語自体を誤らせるよりも、対象者・期間・書類の範囲を少し変更して誤肢を作ります。例えば「一定の図面は何人も閲覧できる」という知識を「すべての附属書類は何人も閲覧できる」と広げれば、前半が正しそうでも肢全体は誤りになります。対象が広がっていないかを確認することが必要です。
また、1か月という数字だけを覚えている場合も注意が必要です。何の登記について、誰が、いつから1か月以内なのかまで一組にしなければ、別の期間問題へ誤って当てはめる可能性があります。👉 手続→主体→条件→範囲という順番を固定することが、令和5年問14を安定して処理する基本です。
所有権保存登記の基本|最初の所有権登記を誰が申請するか
所有権保存登記では、最初に誰の所有権を登記記録へ記録するのかという申請主体の判断が中心になります。令和5年問14では、特に区分建物について表題部所有者以外にも申請できる者が存在する点が問われています。この章では、所有権保存登記の基本的な見方と区分建物へ進む前の判断軸を整理します。
所有権保存登記という名称から、すでに登記されている所有権を別人へ移転する手続と混同してはいけません。本試験で必要なのは、所有権移転登記とは別に、所有権を最初に登記する場面として保存登記を捉えることです。そのうえで、問題文に「表題部所有者」「区分建物」「取得した者」という語句がないかを確認します。
令和5年問14で直接問われているのは、区分建物についての保存登記です。提供資料では、区分建物について表題部所有者に加え、表題部所有者から所有権を取得した者も保存登記を申請できるとされています。したがって、「表題部所有者本人しか申請できない」という限定を見た場合には特則を疑います。
比較すると、保存登記で何を見るべきかが明確になります。ここでは所有権移転登記の詳細へ広げず、指定過去問に必要な範囲で申請主体を整理します。次の表では通常の判断と区分建物の特則を区別します。
| 場面 | 最初に見る者 | 判断ポイント |
| 所有権保存登記 | 表題部所有者等 | 誰が申請できるか |
| 区分建物 | 表題部所有者 | 原則的な申請者 |
| 区分建物の取得者 | 表題部所有者から取得した者 | 特則で申請可能 |
| 敷地権付き区分建物 | 取得者+敷地権関係 | 承諾を確認 |
この表では、区分建物という語句が出たら申請者の範囲が通常より広がる可能性を確認します。保存登記だから本人だけと決めつけず、表題部所有者から所有権を取得した者かどうかまで読みます。さらに敷地権付きなら別の条件が追加されるため、問題文の後半まで確認する必要があります。
例題1
表題部所有者から区分建物の所有権を取得した者は、表題部所有者本人ではないため、所有権保存登記を申請することはできない。
解答・判断ポイント
正解:×。提供資料では、区分建物について表題部所有者から所有権を取得した者も所有権保存登記を申請できます。「本人ではないから申請できない」という処理が誤りです。
誤肢分析
誤っている語句
「所有権保存登記を申請することはできない」
正しい修正
「区分建物では、表題部所有者から所有権を取得した者も申請できる」
通常の保存登記のイメージから申請者を狭くするひっかけです。
例題2
区分建物について、表題部所有者から所有権を取得した者も所有権保存登記を申請できる。
解答・判断ポイント
正解:○。令和5年問14の肢4へ直接つながる知識です。「区分建物」と「表題部所有者から取得した者」の組合せを確認します。
誤肢分析
この文章に誤っている語句はありません。類似問題では「申請できない」と結論を逆転させる形に注意します。
宅建試験ではここが狙われやすい
所有権保存登記では、「最初の所有権登記だから表題部所有者しかできない」と考えさせる誤肢が作られやすくなります。しかし指定資料では、区分建物について表題部所有者から所有権を取得した者も申請できる特則が示されています。問題文の対象が一般建物なのか区分建物なのかを最初に確認する必要があります。
出題者は「区分建物」という一語を入れたうえで、通常のイメージを使わせることができます。👉 保存登記→区分建物か確認→申請者の範囲を見るという順番を固定すると、申請主体を狭くした誤肢を発見しやすくなります。さらに敷地権付きかどうかが書かれていれば、承諾という追加条件へ判断を進めてください。
区分建物の所有権保存登記|申請できる者と敷地権を比較
区分建物の所有権保存登記では、表題部所有者だけでなくその者から所有権を取得した者も申請できます。さらに敷地権付き区分建物では、保存登記の申請に際して敷地権の登記名義人の承諾が問題になるためです。この章では、令和5年問14の肢4を正確に判断するため、申請者と追加条件を比較します。
比較ポイント
区分建物の問題では、最初に「誰が区分建物の所有権を取得したか」を確認します。表題部所有者本人である場合だけでなく、その者から所有権を取得した者も保存登記を申請できるためです。申請主体を一人に限定している文章には注意してください。
次に、その区分建物が敷地権付きかを確認します。提供資料では、敷地権付き区分建物である場合には、敷地権の登記名義人の承諾を得る必要があると整理されています。申請者の資格があることと、追加条件を満たしていることを別段階で判断します。
二つの条件は、次の表で分けると理解しやすくなります。試験では申請できる者だけを正しく書き、承諾要件だけを削除するなど、一部分を変更した誤肢も作れます。申請主体と敷地権の条件を一組にして確認します。
| 区分建物の場面 | 保存登記 | 追加確認 |
| 表題部所有者 | 申請可能 | 建物の条件を見る |
| 表題部所有者から取得した者 | 申請可能 | 特則を確認 |
| 敷地権付き | 申請可能性あり | 敷地権名義人の承諾 |
| 単なる第三者 | 条件を確認 | 取得関係を見る |
この表では、「取得した者なら誰でも」と一般化しないことも必要です。提供資料が示しているのは、表題部所有者から所有権を取得した者という関係です。誰から取得したのかという法律関係まで問題文で確認してください。
例題3
区分建物について所有権保存登記を申請できる者は、表題部所有者本人に限られる。
解答・判断ポイント
正解:×。区分建物では、表題部所有者から所有権を取得した者も保存登記を申請できます。「本人に限られる」という限定が誤りです。
誤肢分析
誤っている語句
「表題部所有者本人に限られる」
正しい修正
「表題部所有者から所有権を取得した者も申請できる」
対象者の範囲を狭くする誤肢です。
例題4
敷地権付き区分建物について、表題部所有者から所有権を取得した者が所有権保存登記を申請する場合でも、敷地権の登記名義人の承諾は一切必要ない。
解答・判断ポイント
正解:×。提供資料では、敷地権付き区分建物である場合には敷地権の登記名義人の承諾が必要です。「一切必要ない」という部分が誤りになります。
誤肢分析
誤っている語句
「承諾は一切必要ない」
正しい修正
「敷地権付き区分建物では、敷地権の登記名義人の承諾が必要」
申請資格と追加条件を混同させる問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
区分建物の保存登記では、出題者は「誰が申請できるか」と「どの承諾が必要か」を別々に変更できます。申請者の範囲を表題部所有者本人だけへ狭める方法と、敷地権付きの場合の承諾条件を削る方法の両方が考えられます。選択肢が二つの条件を含んでいる場合は、前半と後半を分けて判定してください。
👉 区分建物→申請者→敷地権の有無→承諾という判断順序を固定します。令和5年問14の肢4では、表題部所有者から所有権を取得した者も保存登記を申請できるという点が正しいため○になります。正解肢を丸暗記せず、何が一般の保存登記と異なるのかを説明できるようにしてください。
建物滅失登記|1か月以内の申請義務を押さえる
建物が滅失した場合、表題部所有者または所有権の登記名義人は滅失の日から1か月以内に滅失登記を申請します。不動産の物理的状況が変化した場合、その変化を登記記録へ反映する必要があるためです。この章では、令和5年問14の肢1を中心に、誰が・いつまでに申請するのかを整理します。
比較ポイント
滅失登記の問題では、最初に建物が現実に滅失したという事実を確認します。そのうえで、申請主体が表題部所有者または所有権の登記名義人であるかを見ます。最後に、期間が滅失の日から1か月以内となっているかを確認する順番です。
数字問題では「1か月」だけを覚えてはいけません。何の日を起算点とする1か月なのか、誰が申請義務を負うのかまで一組にします。令和5年問14の肢1は、この組合せが正しいため○です。
次の表では、数字と対象をまとめて整理します。試験では期間を2週間や3か月へ変更するだけでなく、起算点を別の日へずらすこともできます。数字を単独ではなく文章で覚えてください。
| 確認項目 | 内容 |
| 対象 | 建物の滅失 |
| 申請者 | 表題部所有者等 |
| 起算点 | 滅失の日 |
| 期間 | 1か月以内 |
この表を見たら、「建物滅失→所有者等→滅失の日→1か月」と順番に再現します。選択肢に1か月と書かれていても、起算点が別の時点ならそのまま○にはできません。期間問題では数字の前後を必ず読みます。
例題5
建物が滅失した場合、表題部所有者または所有権の登記名義人は、滅失の日から1か月以内に滅失登記を申請する必要がある。
解答・判断ポイント
正解:○。令和5年問14の肢1に対応する基本知識です。「誰が」「いつから」「何か月以内」を一組で確認します。
誤肢分析
この文章に誤っている語句はありません。数字を変更する問題だけでなく、起算点や申請者の入替えにも注意します。
例題6
建物の滅失登記は、滅失の日から3か月以内に申請すれば足りる。
解答・判断ポイント
正解:×。提供資料では、滅失の日から1か月以内に申請する必要があります。「3か月」という期間が誤りです。
誤肢分析
誤っている語句
「3か月以内」
正しい修正
「1か月以内」
期間を置き換える典型的な数字問題です。
例題7
建物の滅失登記の1か月という期間は、所有者が滅失の事実を知った日から起算する。
解答・判断ポイント
正解:×。提供資料では起算点は「滅失の日」です。所有者が知った日へ起算点を変更している点が誤りになります。
誤肢分析
誤っている語句
「滅失の事実を知った日から」
正しい修正
「滅失の日から」
数字は正しいまま起算点だけを変更するひっかけです。
宅建試験ではここが狙われやすい
滅失登記では、最も作りやすい誤肢が数字または起算点の変更です。「1か月」という数字を知っている受験生に対して、起算点だけを「知った日」「契約日」などへ置き換えれば、数字を見ただけで○と判断させることができます。期間は必ず滅失の日から1か月以内という文章で記憶してください。
さらに申請主体の入替えにも注意します。表題部所有者または所有権の登記名義人という主体を、賃借人など別の人物へ変更すれば誤肢になります。👉 数字問題では、誰が→何が起きた→いつから→何日・何か月という四項目を順番に確認する方法が有効です。
登記簿の附属書類|誰でも閲覧できるものを区別する
登記簿の附属書類は、すべてが同じ条件で閲覧できるわけではありません。土地所在図など一定の図面は何人でも閲覧請求できますが、それ以外の附属書類は正当な理由があると認められる部分に限られるからです。この章では、令和5年問14の誤り肢2を中心に書類の種類と閲覧条件を比較します。
比較ポイント
提供資料では、土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面、各階平面図について、何人も手数料を納付して閲覧請求できるとされています。ここでの「何人も」は、特別な利害関係を持つ者に限らないという意味で判断できます。図面類については正当な理由を追加条件として要求しません。
一方、それ以外の附属書類については扱いが異なります。申請書などの閲覧請求は、請求人に正当な理由があると認められる部分に限られると資料で整理されています。したがって、「附属書類はすべて誰でも閲覧できる」という一般化は誤りです。
比較表では、書類の種類を二つに分けます。図面類とその他の附属書類を分けるだけで、令和5年問14の肢2は処理しやすくなります。問題文で具体的な書類名が出たら、どちらへ属するかを確認します。
| 附属書類 | 閲覧 | 条件 |
| 土地所在図 | 可能 | 何人も請求可 |
| 地積測量図 | 可能 | 何人も請求可 |
| 建物図面・各階平面図等 | 可能 | 何人も請求可 |
| 申請書などその他 | 限定 | 正当な理由が必要 |
この表で重要なのは、「附属書類」という大きな括りだけで判断しないことです。問題文が図面を具体的に挙げているか、申請書など一般の附属書類を対象にしているかを確認します。閲覧できるかだけでなく、誰がどの条件でできるかまで読みます。
例題8
土地所在図、地積測量図、建物図面などについては、何人も手数料を納付して閲覧を請求することができる。
解答・判断ポイント
正解:○。提供資料で「何人も」閲覧請求できるものとして示された図面類です。利害関係や正当な理由を一律に必要としません。
誤肢分析
この文章に誤っている語句はありません。具体的な書類名が図面類に該当するかを確認します。
例題9
登記簿の附属書類は種類を問わず、何人も正当な理由を示すことなく自由に閲覧を請求できる。
解答・判断ポイント
正解:×。申請書など一定の附属書類では、請求人に正当な理由があると認められる部分に限られます。「種類を問わず」が誤りです。
誤肢分析
誤っている語句
「種類を問わず」「正当な理由を示すことなく」
正しい修正
「一定の図面は何人も請求できるが、その他の附属書類には正当な理由が必要」
一部の正しいルールを附属書類全体へ拡張する問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
附属書類の閲覧では、出題者は一部の書類に認められるルールを全部へ広げることで誤肢を作ります。土地所在図などを誰でも閲覧できること自体は正しいため、「附属書類は何人も閲覧できる」と一般化されると正しそうに見えます。しかし、申請書などには正当な理由という別条件があります。
👉 判断するときは、最初に「書類名が具体的に書かれているか」を確認します。図面類なら何人も閲覧可能、その他の附属書類なら正当な理由を確認するという二分類が有効です。令和5年問14の肢2は、この対象範囲を過度に広げている点を見抜けば短時間で×と判断できます。
合同申請|共同申請との言葉の違いに注意する
共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記は、共有者であるすべての登記名義人が共同で申請する必要があります。提供資料では、このような申請方法を合同申請と呼び、抵当権の順位変更も例として挙げられているからです。この章では、令和5年問14の肢3を中心に申請主体と用語の判断を整理します。
比較ポイント
合同申請の問題では、まず登記に関係する複数の者が全員申請主体となる場面かを確認します。令和5年問14では、共有物分割禁止の定めに係る権利変更の登記について、共有者であるすべての登記名義人が共同申請します。この「すべて」という範囲が重要な判断語句です。
提供資料では、合同申請の例として共有物分割禁止の定めの登記と抵当権の順位変更の登記が挙げられています。本試験では合同申請という名称そのものだけでなく、誰が申請するのかを確認する方が安全です。名称が似た共同申請と混同しても、主体の構造を見れば判断できます。
次の表で、指定資料にある合同申請の例を整理します。ここでは制度を広げすぎず、令和5年問14の正誤判断に必要な範囲へ絞ります。対象となる全登記名義人が関係する点を確認してください。
| 合同申請の例 | 申請主体 | 見るポイント |
| 共有物分割禁止の定め | 共有者全員 | すべての登記名義人 |
| 抵当権の順位変更 | 関係する登記名義人 | 合同申請の例 |
| 一部の共有者だけ | 不足 | 全員か確認 |
| 単独申請 | 原則と異なる | 問題文の主体を見る |
この表では、「共有者の過半数」や「代表者一人」ではなく、すべての登記名義人という表現を確認します。人数の問題では数値ではなく範囲を問うため、「全員」「一部」「過半数」といった言葉に注意します。肢3では全員による申請が正しく示されています。
例題10
共有物分割禁止の定めに係る権利変更の登記は、共有者の過半数の登記名義人が申請すれば足りる。
解答・判断ポイント
正解:×。提供資料では、共有者であるすべての登記名義人が共同して申請する必要があります。過半数では足りません。
誤肢分析
誤っている語句
「共有者の過半数」
正しい修正
「共有者であるすべての登記名義人」
全員という要件を多数決へ変更するひっかけです。
例題11
共有物分割禁止の定めに係る権利変更の登記は、共有者であるすべての登記名義人が共同して申請する。
解答・判断ポイント
正解:○。令和5年問14の肢3に対応する内容です。申請主体が共有者全員となっているかを確認します。
誤肢分析
この文章に誤っている語句はありません。類似問題では「一人で」「過半数で」など主体の範囲を変える形に注意します。
宅建試験ではここが狙われやすい
合同申請では、「共同」という一般的な語感から人数要件を曖昧に覚えると失点につながります。令和5年問14の資料では、共有物分割禁止の定めに係る登記についてすべての登記名義人が申請するという範囲まで押さえる必要があります。出題者は「過半数」「一人」「一部の共有者」などへ変更して誤肢を作れます。
また、共同申請と合同申請という名称の近さに引っ張られすぎないことも必要です。👉 本試験では用語の定義を長く再現するより、誰が何人参加する申請なのかを先に確認すると処理しやすくなります。名称ではなく主体の構造を判断基準にすることで、言い換え問題にも対応できます。
4論点を横断比較|所有権保存登記の過去問を解く判断順序
令和5年問14は、所有権保存登記だけを知っていれば解ける問題ではありません。滅失登記、附属書類閲覧、合同申請、区分建物保存登記という異なる論点を、肢ごとに切り替える必要があるからです。この章では、一問を短時間で処理するための総合比較と判断順序を整理します。
まず四肢へ短いラベルを付けます。肢1は「滅失・1か月」、肢2は「附属書類・閲覧」、肢3は「合同申請・全員」、肢4は「区分建物・保存登記」と分類します。この分類ができれば、それぞれの正誤を決める語句が明確になります。
次の比較表では、各肢を判断する中心知識だけをまとめます。試験では文章を丸暗記するより、論点名から判断基準を呼び出す方が速く処理できます。特に肢2だけが誤りになる理由を比較してください。
| 肢 | 論点 | 判断基準 |
| 1 | 滅失登記 | 滅失から1か月以内 |
| 2 | 附属書類閲覧 | 書類ごとに条件が異なる |
| 3 | 合同申請 | 共有者全員 |
| 4 | 区分建物保存登記 | 取得者も申請可能 |
この表では、肢2だけが「対象範囲を広げすぎる」タイプの誤りであることが分かります。肢1・3・4は、それぞれ数字、申請主体、特則が正しく組み合わされています。誤りを一つ選ぶ問題では、各肢の判断ポイントを一つずつ抽出する方法が有効です。
判断順序は、①手続名を分類し、②人物・書類・期間を確認し、③限定表現を見る、という流れです。肢1なら数字と起算点、肢2なら書類の種類、肢3なら全員かどうか、肢4なら区分建物の申請者を確認します。一つの肢へ時間をかけすぎず、四肢を異なる論点として処理します。
例題12
不動産登記法の問題では、所有権保存登記がテーマになっていれば、すべての選択肢を保存登記の申請者だけで判断すればよい。
解答・判断ポイント
正解:×。令和5年問14では四肢の論点が異なり、滅失登記、閲覧、合同申請、保存登記へ切り替える必要があります。テーマ名だけで全肢を処理しないことが必要です。
誤肢分析
誤っている語句
「すべての選択肢を保存登記の申請者だけで判断」
正しい修正
「各肢の手続・論点を分類して別の判断基準を使う」
総合問題を単一知識で処理させる誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
不動産登記法の総合問題では、個々の条文が極端に難しいというより、異なる論点を短時間で切り替えられるかが問われます。令和5年問14では、数字を見る肢、書類の範囲を見る肢、申請者全員を見る肢、区分建物の特則を見る肢が並んでいます。すべてを同じ方法で読むと、正しい知識を誤った肢へ適用しやすくなります。
👉 復習では、1=1か月、2=閲覧範囲、3=全員、4=区分建物取得者と圧縮してください。そのうえで肢2は「一定の図面は誰でも閲覧できるが、その他の附属書類は正当な理由が必要」という比較まで戻します。正解番号よりも、各肢を切った一語を再現する方法が類似問題への対応につながります。
過去問分析
この過去問では、不動産登記法について4種類の手続を正確に分類し、対象者・期間・書類の範囲を判断できるかが問われています。特に誤り肢2では、一部の附属書類に認められる自由な閲覧を、すべての附属書類へ広げている点が中心です。この章では、最初に確認する語句、各肢の正誤理由、ひっかけ、判断手順を指定順序で整理します。
最初に確認する語句は、滅失、1か月以内、附属書類、何人も、正当な理由、すべての登記名義人、合同申請、区分建物、所有権保存登記です。肢1は期間、肢2は閲覧対象、肢3は申請主体、肢4は区分建物の特則として分類します。各肢の論点を一語で決めてから、対応する判断基準を確認します。
令和5年(2023年)問14
正解:2
解説
本問では、不動産登記法に関する四つの記述から誤っているものを選びます。肢1・3・4は提供された解説に照らして正しく、肢2だけが附属書類の閲覧範囲を広く扱い過ぎているため誤りです。正解番号だけではなく、四肢の論点を別々に説明できることが必要です。
◆1(正しい)
建物が滅失した場合、表題部所有者または所有権の登記名義人は、滅失の日から1か月以内に滅失登記を申請する必要があります。この肢では、申請主体、起算点、期間の三つが正しく組み合わされています。したがって、肢1は正しい内容です。
数字問題では「1か月」だけに注目せず、「滅失の日から」という起算点も同時に確認します。また、申請主体が表題部所有者または所有権の登記名義人となっているかまで読みます。この三点セットが崩れていなければ○と判断できます。
◆2(誤り)
土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面、各階平面図については、何人も手数料を納付して閲覧を請求できます。これに対して、申請書などそれ以外の附属書類については、請求人に正当な理由があると認められる部分に限って閲覧請求できます。したがって、附属書類の閲覧条件を一律に扱う内容は誤りです。
この肢を判断するときは、「何人も」という部分だけを見てはいけません。何人も閲覧できること自体は一定の図面について正しいため、対象となる附属書類がどこまで含まれるのかを確認します。一部の正しいルールを全体へ広げていることが誤りのポイントです。
◆3(正しい)
共有物分割禁止の定めに係る権利変更の登記は、共有者であるすべての登記名義人が共同して申請する必要があります。提供資料では、このような申請方法を合同申請とし、抵当権の順位変更の登記も例として示されています。したがって、本肢は正しい内容です。
ここでは「すべての登記名義人」という範囲を確認します。共有者の一人や過半数だけで足りるとする内容ではありません。申請制度の名称だけでなく、誰が共同するのかまで確認することが必要です。
◆4(正しい)
区分建物については、表題部所有者だけでなく、表題部所有者から所有権を取得した者も所有権保存登記を申請できます。したがって、表題部所有者から区分建物を取得した者が保存登記を申請できるとする内容は正しいものです。区分建物についての特則を知っているかが判断ポイントになります。
さらに提供資料では、その建物が敷地権付き区分建物である場合には、敷地権の登記名義人の承諾が必要とされています。この追加条件は類似問題で条件を変えて出題しやすい部分です。区分建物という語句を見たら、申請者だけでなく敷地権の有無まで確認します。
問題作成者のひっかけポイント
本問で最も特徴的なのは、肢2の作り方です。「一定の図面は何人でも閲覧できる」という正しい知識を利用し、その対象を申請書などを含む附属書類全体へ広げることで誤肢にしています。正しいキーワードが含まれていても、対象範囲が正しいとは限りません。
肢1では1か月という数字、肢3ではすべての登記名義人という人数範囲、肢4では区分建物の申請者という対象者がポイントです。つまり、本問は細かな制度説明より「数字」「範囲」「対象者」を読み分ける問題になっています。文章の法律用語ではなく、限定を示す部分へ注目することが必要です。
受験生が迷う理由
不動産登記法は、表題部所有者、所有権登記名義人、登記名義人など似た言葉が多く、人物関係を整理しにくい分野です。さらに、申請、閲覧請求、合同申請という異なる行動が一問へ並ぶため、誰が何をしているのかを読み飛ばすと混乱します。最初に各肢へ短い論点名を付ける方法が有効です。
肢2も、すべてが誤った文章になっているわけではないため迷いやすくなります。「何人も閲覧できる書類がある」という部分は正しいため、その知識だけで○にすると失点します。何について認められたルールなのかという対象範囲を最後まで読む必要があります。
正しい判断手順
本試験では、①何の手続か、②誰が行うか、③数字・書類・人数など条件は何か、④範囲を広げたり狭めたりしていないか、の順番で処理します。肢1なら「滅失→所有者等→滅失から1か月」、肢2なら「附属書類→図面かその他か」と分類します。肢3は「合同申請→全員」、肢4は「区分建物→取得者も保存登記可能」と進みます。
この順序で処理すれば、肢1は○、肢2は×、肢3は○、肢4は○となります。したがって、**1○・2×・3○・4○**で正解は2です。誤り肢を発見した後も、残りの肢の正誤理由まで確認して一問から四つの知識を回収してください。
類似問題で使える知識
滅失登記では、1か月を別の期間へ置き換えたり、起算点を「知った日」へ変更する問題に対応できます。附属書類では、図面と申請書等の閲覧条件を入れ替える問題に注意します。合同申請では「すべて」を「過半数」へ変更するだけで誤肢になります。
区分建物の保存登記では、表題部所有者から所有権を取得した者を申請対象から除外する問題が典型です。また、敷地権付き区分建物について、敷地権の登記名義人の承諾が不要とする問題も考えられます。人物、範囲、条件の三つを変えた問題へ対応できるよう整理してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
令和5年問14では、出題者が正しい知識の適用範囲を広げる・狭めることで誤肢を作っています。肢2では一部の図面に認められる自由な閲覧を附属書類全体へ広げ、逆に肢4では区分建物について申請できる者の範囲を正確に理解しているかを確認しています。対象範囲を示す言葉が最重要です。
👉 復習では、1=滅失から1か月、2=図面とその他を区別、3=共有者全員、4=区分建物の取得者も可能と整理します。この四つを理由まで再現できれば、選択肢の文章が変更されても判断できます。不動産登記法では、制度名の暗記よりも「誰まで・何まで・いつまで」という範囲を読むことが得点につながります。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
ここでは、令和5年問14から派生する所有権保存登記と周辺論点を、本試験レベルの誤肢で確認します。単純な制度名の暗記ではなく、期間、起算点、閲覧対象、合同申請、区分建物の条件を入れ替えています。正誤だけでなく、誤っている部分を正しい文章へ修正できるかまで確認してください。
問題1
建物が滅失した場合、表題部所有者または所有権の登記名義人は、滅失の日から1か月以内に滅失登記を申請する必要がある。
正解:○
申請主体、起算点、期間が正しく組み合わされています。数字だけでなく「滅失の日から」という部分まで一組で確認します。
問題2
建物の滅失登記は、所有者が建物の滅失を知った日から1か月以内に申請すればよい。
正解:×
提供資料では起算点は滅失の日です。1か月という数字が正しくても、起算点が違えば誤りになります。
誤っている語句:「滅失を知った日から」
正しい修正:「滅失の日から」
問題3
建物が滅失した場合の登記申請期間は、滅失の日から3か月以内である。
正解:×
提供資料では1か月以内です。期間だけを変更した典型的な数字のひっかけです。
誤っている語句:「3か月以内」
正しい修正:「1か月以内」
問題4
土地所在図や地積測量図など一定の図面は、何人も手数料を納付して閲覧を請求できる。
正解:○
提供資料では、土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面、各階平面図について何人も閲覧請求できます。書類の種類を確認してください。
問題5
登記簿の附属書類は、その種類に関係なく、何人も正当な理由を示さず自由に閲覧請求できる。
正解:×
申請書などその他の附属書類については、正当な理由があると認められる部分に限られます。一部の図面についてのルールを全体へ広げています。
誤っている語句:「その種類に関係なく」「正当な理由を示さず」
正しい修正:「図面類とその他の附属書類を区別する」
問題6
申請書など一定の附属書類については、請求人に正当な理由があると認められる部分に限り閲覧請求が認められる。
正解:○
図面類とは異なる閲覧条件です。「附属書類」という大きな括りではなく書類の種類を確認します。
問題7
共有物分割禁止の定めに係る権利変更の登記は、共有者の過半数の登記名義人が共同申請すれば足りる。
正解:×
提供資料では、共有者であるすべての登記名義人が共同申請する必要があります。過半数では足りません。
誤っている語句:「共有者の過半数」
正しい修正:「共有者であるすべての登記名義人」
問題8
共有物分割禁止の定めに係る権利変更の登記は、共有者であるすべての登記名義人が共同して申請する。
正解:○
令和5年問14の肢3に対応する知識です。合同申請では誰が参加するのかという範囲を確認します。
問題9
区分建物の所有権保存登記は、表題部所有者本人だけが申請でき、表題部所有者から所有権を取得した者は申請できない。
正解:×
区分建物では、表題部所有者から所有権を取得した者も保存登記を申請できます。申請者を表題部所有者だけへ限定した点が誤りです。
誤っている語句:「表題部所有者本人だけ」「申請できない」
正しい修正:「表題部所有者から所有権を取得した者も申請できる」
問題10
区分建物について、表題部所有者から所有権を取得した者は、所有権保存登記を申請することができる。
正解:○
提供資料に示された区分建物の特則です。「表題部所有者から取得した」という関係を確認します。
問題11
敷地権付き区分建物について、表題部所有者から所有権を取得した者が保存登記を申請する場合、敷地権の登記名義人の承諾は不要である。
正解:×
提供資料では、敷地権付き区分建物の場合には敷地権の登記名義人の承諾が必要です。申請資格と追加条件を分けて判断します。
誤っている語句:「承諾は不要」
正しい修正:「敷地権の登記名義人の承諾が必要」
問題12
令和5年問14を解くときは、肢1を期間、肢2を閲覧対象、肢3を申請者全員、肢4を区分建物の保存登記として分類すると判断しやすい。
正解:○
四肢が別論点なので、最初に分類してから個別ルールへ進む方法が有効です。一つの不動産登記法のルールですべてを処理しないことがポイントになります。
宅建試験ではここが狙われやすい
一問一答で特に注意したいのは、正しい数字や法律用語が一つ含まれているだけで○と判断することです。「1か月」が正しくても起算点が違えば誤りであり、「何人も」が正しくても対象となる書類を全体へ広げれば誤りになります。一文を条件ごとに分解してください。
また、「表題部所有者」「すべての登記名義人」という対象者を変更する問題も頻出型です。👉 誤答した問題では、正解を覚えるだけでなく何を広げた・狭めた・入れ替えたのかを確認します。この修正作業ができれば、同じ論点を別表現で出された場合にも対応しやすくなります。
FAQ
所有権保存登記では、誰が申請できるのか、区分建物で何が変わるのかという点で迷いやすくなります。FAQでは本文をそのまま繰り返すのではなく、過去問で条件を見分けるための境界部分を整理します。質問文に含まれるどの語句から判断を切り替えるかを確認してください。
Q1.所有権保存登記と滅失登記は同じ判断方法ですか?
同じではありません。保存登記では主に誰が所有権を最初に登記できるかを確認し、滅失登記では建物滅失後の申請者・起算点・1か月という期間を確認します。
Q2.「1か月」と書いてあれば滅失登記の肢は正しいですか?
数字だけでは判断できません。滅失の日から1か月以内となっているか、申請主体が適切かまで確認してください。
Q3.附属書類は誰でも閲覧できますか?
すべてではありません。土地所在図や地積測量図など一定の図面は何人も請求できますが、その他の附属書類は正当な理由が必要となる範囲があります。
Q4.「何人も」と書いてある肢は誤りですか?
書類によります。一定の図面については何人も閲覧請求できるため、何を対象とした文章なのかを先に確認します。
Q5.合同申請では共有者の過半数で足りますか?
令和5年問14で扱われた共有物分割禁止の定めに係る登記では足りません。共有者であるすべての登記名義人が共同申請する点を確認します。
Q6.区分建物の保存登記は表題部所有者しか申請できませんか?
提供資料では、表題部所有者から所有権を取得した者も申請できます。「区分建物」という語句が出たらこの特則を確認してください。
Q7.敷地権付きかどうかは正誤に影響しますか?
影響します。提供資料では、敷地権付き区分建物では敷地権の登記名義人の承諾が必要とされています。
Q8.令和5年問14で最初に見る場所はどこですか?
各肢の手続名と限定語です。「滅失」「附属書類」「共有者すべて」「区分建物」を拾い、それぞれ対応する判断基準へ進みます。
宅建試験ではここが狙われやすい
FAQで共通するポイントは、問題文の一語だけで結論を出さないことです。「1か月」「何人も」「共同」「取得した者」は正しい知識に含まれる語句ですが、対象や条件が変われば肢全体は誤りになります。宅建では正しい単語ではなく、正しい組合せを判断する必要があります。
特に不動産登記法では、誰が・何を・いつまでに行うかという条件が細かく入れ替えられます。👉 手続名を見つける→主体を見る→条件を見る→範囲を確認するという順番を固定してください。この方法なら、制度の細かな文章を丸暗記していなくても誤った組合せを発見しやすくなります。
まとめ
所有権保存登記を宅建で攻略するには、保存登記だけを単独で暗記するのではなく、不動産登記法の周辺手続を分類して判断することが重要です。令和5年問14では、滅失登記、附属書類閲覧、合同申請、区分建物の保存登記という四つの論点が一問に配置されています。最後に、最初に見るポイント、判断順序、ひっかけ注意点を整理します。
最初に見るポイントは、何の登記・請求が問題となっているかです。滅失登記なら「滅失の日から1か月」、附属書類なら「書類の種類」、合同申請なら「すべての登記名義人」、区分建物なら「誰が保存登記を申請できるか」を確認します。一つの知識ですべての肢を処理しないことが基本です。
次に人物と対象範囲を確認します。区分建物では表題部所有者から所有権を取得した者も保存登記を申請でき、敷地権付きなら敷地権の登記名義人の承諾が問題になります。附属書類では一定の図面とその他の附属書類を分ける必要があります。
判断順序は、①手続名、②主体、③期間・対象書類・人数などの条件、④特則や例外、⑤限定表現です。この順番で令和5年問14を処理すると、肢1は○、肢2は×、肢3は○、肢4は○となります。したがって、正解は2です。
ひっかけ注意点は、一部に認められたルールを全体へ広げる選択肢です。令和5年問14の肢2では、一定の図面について何人も閲覧できるという正しい知識を、その他の附属書類へまで広げることで誤りを作っています。対象範囲を示す「すべて」「何人も」「限る」などの言葉を最後まで確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
所有権保存登記を含む不動産登記法では、出題者は数字・主体・範囲・特則のどれか一つを変更して誤肢を作ります。令和5年問14では、滅失登記の1か月、附属書類の閲覧範囲、合同申請の全員要件、区分建物の保存登記申請者がそれぞれ判断材料になっています。四肢ごとに見る場所が違うことを意識してください。
👉 **「1=滅失1か月、2=附属書類を区別、3=共有者全員、4=区分建物の取得者も申請可能」**と圧縮して復習します。正解2だけを記憶するのではなく、肢2がなぜ誤りなのかを「誰でも閲覧できるのは一定の図面であり、その他は正当な理由が必要だから」と再現してください。問題文のどこを見るかを固定することが、不動産登記法の総合問題を安定して解くための基本です。
