建築基準法の問題では、最初にどの用途地域で、何の制限を問われているかを確認します。用途制限、容積率、建蔽率、外壁後退距離は同じ建築基準法でも判断基準が異なるため、数字だけを横断的に覚えると混乱します。この記事では平成28年問19を中心に、用途・道路幅員・建蔽率の例外・外壁後退距離を過去問で使える形に整理します。
平成28年問19は、4肢がそれぞれ別の建築基準法上の制限を問う総合問題です。正解肢4では、外壁後退距離を定められる用途地域を第一種住居地域まで広げたことが誤りになっています。本試験では用途地域→対象制限→数字・例外→許可の有無という順序で選択肢を処理します。
問題文を読んだら最初に何を見るか
建築基準法では、最初に用途地域と対象となる建築規制を確認します。第一種低層住居専用地域の用途制限と、第一種住居地域の外壁後退距離では、同じ「住居」という名称が入っていても使う規定が異なるからです。この章では、平成28年問19で線を引くべき語句と判断順序を整理します。
次に確認するのは、問題文が用途、容積率、建蔽率、外壁後退のどれを問うているかです。数字が登場した場合も、12mは前面道路幅員、1.5m・1mは外壁後退距離というように対象が異なります。何についての数字かを確定してから正誤を判断してください。
さらに、「原則として禁止」と「絶対に禁止」、「制限される」と「特例で適用されない」を区別します。建築基準法では特定行政庁の許可や一定の建築物に対する例外があるため、原則だけを絶対化した肢が作られやすいからです。問題文に「一切」「必ず」「いかなる場合も」があれば例外の有無を確認します。
問題文で注目する語句を、次の表で整理します。この表を見る目的は、選択肢のどこに線を引けば適用条文を特定できるかを明確にすることです。用途地域・対象制限・数字を別々に拾ってください。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 第一種低層住居専用地域 | 用途制限・外壁後退を確認 |
| 飲食店 | 原則建築不可、許可例外を確認 |
| 特定行政庁の許可 | 用途制限の例外か確認 |
| 前面道路 | 容積率制限との関係を確認 |
| 12m未満 | 前面道路幅員による容積率制限 |
| 容積率 | 指定容積率と道路幅員による制限を比較 |
| 建蔽率 | 建築面積と敷地面積の割合 |
| 公園・広場等 | 建蔽率の適用除外を確認 |
| 安全上・防火上・衛生上 | 特定行政庁の許可要件 |
| 外壁後退距離 | 低層住居専用グループを確認 |
| 1.5m・1m | 外壁後退距離の限度 |
| 第一種住居地域 | 外壁後退距離の対象外 |
| 田園住居地域 | 現行法では外壁後退の対象 |
この表では、「低層」「住居」「第一種」という似た言葉をまとめて判断しないことが重要です。第一種低層住居専用地域と第一種住居地域は別の用途地域であり、外壁後退距離を定められるかという結論も異なります。名称を最後まで読んでから規制を当てはめてください。
本試験では、次の順番で平成28年問19型の問題を処理します。対象制限を確定してから数字や例外へ進むことで、別制度の数字を持ち込むミスを減らせます。各肢を同じ規定で解こうとしないことが重要です。
・①用途地域を確認する
・②何の規制を問うているか確認する
・③用途制限なら建築可能な用途か確認する
・④容積率なら前面道路幅員を確認する
・⑤建蔽率なら適用除外があるか確認する
・⑥外壁後退なら対象用途地域を確認する
・⑦数字が何についての基準か確認する
・⑧特定行政庁の許可による例外を確認する
・⑨「原則」と「絶対」を区別する
この順番なら、肢1は用途制限、肢2は前面道路幅員による容積率、肢3は建蔽率の例外、肢4は外壁後退距離として分離できます。4肢すべてに建築基準法という共通点があっても、判断材料はそれぞれ違います。最初に論点を分類することがこの問題の攻略ポイントです。
宅建試験ではここが狙われやすい
建築基準法の総合問題では、出題者が別の規制で使う正しい数字や用途地域を入れ替えることで誤肢を作れます。12mという数字を外壁後退へ使ったり、低層住居専用地域の規制を第一種住居地域へ移したりすれば、用語そのものは実在するため一見もっともらしく見えます。数字より先に「何の制限か」を確定してください。
さらに、「原則建築できない」を「一切建築できない」に変える方法も典型です。第一種低層住居専用地域で原則建築できない用途でも、特定行政庁の許可によって建築可能となる場合があるため、絶対禁止とは限りません。用途地域→原則→許可例外という順番で確認することが重要です。
用途地域による建築物の用途制限
用途地域では、その地域の目的に応じて建築できる建物の用途が制限されます。第一種低層住居専用地域は良好な低層住宅の環境を守る地域なので、飲食店を自由に建築できる区域ではありません。この章では、平成28年問19の肢1を中心に原則と特定行政庁の許可による例外を整理します。
第一種低層住居専用地域は用途制限が厳しい
第一種低層住居専用地域では、建築基準法別表第二で認められた建築物以外は原則として建築できません。低層住宅を中心とした良好な住環境を維持する用途地域なので、店舗・飲食店などには強い制限があります。問題ではまず何を建てようとしているかを確認してください。
ただし、用途制限表で建築不可とされる建築物が、法律上どのような場合でも絶対に建築できないわけではありません。特定行政庁が良好な住居環境を害するおそれがないなどと認めて許可した場合には、例外的に建築できることがあります。ここが平成28年問19の肢1を判断するポイントです。
用途制限の原則と例外を比較します。この表を見る目的は、「×」を絶対禁止として暗記しないことです。問題文に特定行政庁の許可があるかを確認してください。
| 判断場面 | 結論 |
| 第一種低層住居専用地域の原則 | 許容用途以外は建築不可 |
| 飲食店を通常建築 | 原則不可 |
| 特定行政庁の特例許可あり | 建築できる場合あり |
| 「絶対に建築できない」 | 例外を無視していないか確認 |
この表では、用途制限表が「通常の状態で許可なく建築できるか」を示すものだと整理します。選択肢に特定行政庁の許可が書かれていれば、通常の用途制限表だけで×を付けてはいけません。用途+許可の有無をセットで確認してください。
例題1
第一種低層住居専用地域では飲食店を建築することは、いかなる場合でも禁止される。
解答・判断ポイント
正解:×
第一種低層住居専用地域では飲食店は原則として建築できませんが、一定の場合に特定行政庁の許可による例外があります。「いかなる場合でも」という絶対表現が誤りです。原則と例外を区別してください。
誤肢分析
誤っている語句
「いかなる場合でも禁止される」
正しい修正
「原則として建築できないが、特定行政庁の許可により可能な場合がある」
この誤肢は、正しい用途制限を絶対禁止へ強めています。用途制限表を丸暗記していると、×の建物はどんな条件でも建築不可と思い込みやすくなります。宅建では許可による例外まで確認してください。
例題2
第一種低層住居専用地域で原則として建築できない飲食店でも、特定行政庁の許可を受ければ建築できる場合がある。
解答・判断ポイント
正解:○
第一種低層住居専用地域の用途制限には特例許可があります。したがって、「原則として建築できない」と「絶対に建築できない」は同じ意味ではありません。平成28年問19ではこの例外まで含めて判断します。
宅建試験ではここが狙われやすい
用途制限では、原則禁止を絶対禁止へ変更する方法が最も自然なひっかけになります。受験生が用途地域別の○×表だけを覚えていると、特定行政庁の許可が問題文に追加されても、そのまま建築不可と判断してしまいます。選択肢に「許可」「認めた場合」という語句があれば例外を確認してください。
また、用途地域の名称交換にも注意が必要です。第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第一種住居地域は名称が似ていますが、建築可能な用途は同じではありません。「第一種」だけで判断せず用途地域名を最後まで読むことが正誤判断の基本です。
前面道路幅員による容積率制限
容積率は、建築物の延べ面積を敷地面積で割った割合です。ただし都市計画で指定された容積率だけを見ればよいわけではなく、前面道路の幅員が一定未満の場合には道路幅員による制限も確認します。この章では、平成28年問19の肢2で問われた12m未満を中心に整理します。
前面道路が12m未満なら道路幅員を確認する
前面道路の幅員による容積率制限が問題になるのは、原則として前面道路の幅員が12m未満の場合です。したがって前面道路が12m以上なら、平成28年問19で問われた幅員による制限方式をそのまま適用する場面ではありません。12mという数字は容積率の何についての数字かまで覚えてください。
宅建では12mを「12m以下」へ変更するだけでも境界の正誤が変わります。12mちょうどは12m未満には含まれないため、数字だけが一致している選択肢でも「未満・以下」を確認しなければなりません。法令上の数字は境界表現まで含めて判断します。
容積率を判断するときの基本構造を表で整理します。この表を見る目的は、指定容積率だけで結論を出さないことです。前面道路が狭い場合は道路幅員による限度との比較が必要になります。
| 確認項目 | 判断ポイント |
| 都市計画の指定容積率 | 基本となる上限 |
| 前面道路幅員 | 12m未満か確認 |
| 12m未満 | 幅員による容積率制限を検討 |
| 12m以上 | 12m未満の計算ルールの対象外 |
| 最終判断 | より厳しい限度を確認 |
この表では、12mを道路そのものの建築基準法上の最低幅員と誤解しないことが重要です。今回の12mは、前面道路幅員による容積率制限を検討する境界として使う数字です。数字の対象を言葉で説明できる状態にしてください。
例題3
前面道路の幅員が12m未満である場合には、道路幅員による容積率制限を確認する必要がある。
解答・判断ポイント
正解:○
前面道路幅員による容積率制限は、12m未満の場合に問題となります。平成28年問19の肢2では、この基本的な条件を確認できれば判断できます。12mは容積率に関する前面道路幅員の境界です。
例題4
前面道路の幅員が12mちょうどである場合も、12m未満として道路幅員による容積率制限を適用する。
解答・判断ポイント
正解:×
12mちょうどは12m未満には含まれません。「12m以下」と「12m未満」を同じ意味として扱っている点が誤りです。数字と境界表現をセットで確認してください。
誤肢分析
誤っている語句
「12mちょうども12m未満」
正しい修正
「前面道路幅員が12m未満の場合に確認する」
この誤肢は、数字そのものを変えずに未満の意味を変えています。宅建では「未満・以下」「超える・以上」の入れ替えが頻繁に使われます。12mという数字を覚えた後に、必ず未満まで付けてください。
例題5
建築物の容積率は都市計画で指定された数値だけで決まり、前面道路の幅員は影響しない。
解答・判断ポイント
正解:×
前面道路の幅員が12m未満の場合には、道路幅員を基準とした容積率制限を確認する必要があります。指定容積率だけで最終的な容積率が決まるとは限りません。道路条件を読み飛ばさないでください。
誤肢分析
誤っている語句
「指定された数値だけで決まる」
正しい修正
「前面道路幅員による制限も確認し、厳しい方を用いる」
この誤肢は、都市計画上の指定容積率という正しい知識だけで結論を完結させています。一つの上限を知っていても、追加制限がある場合にはさらに厳しくなることがあります。問題文に前面道路が出たら容積率との関係を確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
容積率では、12mという数字だけを残して未満・以下を交換する問題に注意します。12m未満なら道路幅員による制限を確認しますが、12mちょうどを含めるような表現へ変更されれば結論が変わります。数字は「前面道路幅員が12m未満」という完全な形で固定してください。
もう一つのひっかけは、建蔽率と容積率の混同です。容積率は延べ面積と敷地面積の割合であり、前面道路幅員による制限が問題になりますが、建蔽率は建築面積と敷地面積の割合です。道路幅員→容積率という対応を確認すれば、別制度の数字を持ち込むミスを減らせます。
建蔽率が適用されない場合
建蔽率は、建築面積を敷地面積で割った割合によって敷地の空地を確保する規制です。ただし一定の建築物には建蔽率の制限が適用されない場合があり、平成28年問19では公園・広場等の内にある建築物が問われています。この章では、建蔽率の原則ではなく適用除外となる条件を中心に整理します。
公園・広場等の内にある一定建築物
公園、広場、道路、川その他これらに類するものの内にある建築物には、一定の場合に建蔽率の制限が適用されません。ただし場所だけで自動的に無制限になるわけではなく、特定行政庁による判断と許可が必要な類型があります。問題文では場所+行政庁+許可条件を確認してください。
平成28年問19では、公園等の内にある建築物について特定行政庁が安全上、防火上、衛生上支障がないと認めて許可した場合が示されています。この条件を満たす場合、建蔽率の制限が適用されないため肢3は正しい内容です。単に「公園内だから無制限」と短縮して覚えないようにします。
今回の論点を表で整理します。この表を見る目的は、場所だけを見て建蔽率の適用除外を判断しないことです。許可まで含めた条件を一組で確認してください。
| 条件 | 判断ポイント |
| 公園・広場・道路・川等の内 | 対象場所を確認 |
| 特定行政庁 | 判断・許可主体を確認 |
| 安全上支障なし | 許可条件 |
| 防火上支障なし | 許可条件 |
| 衛生上支障なし | 許可条件 |
| 条件を満たし許可 | 建蔽率制限が適用されない |
この表では、「建蔽率100%が指定される」と「建蔽率の制限が適用されない」を同じ意味として覚えないことが必要です。結果として敷地いっぱいに建築できるように見える場面でも、制度上の理由は異なります。試験ではなぜ制限されないのかを確認してください。
例題6
公園の内にある建築物は、特定行政庁の判断を問わず常に建蔽率の制限を受けない。
解答・判断ポイント
正解:×
公園内という場所だけで一律に建蔽率の制限がなくなるわけではありません。平成28年問19型では、特定行政庁が安全上・防火上・衛生上支障がないと認めて許可したことを確認します。条件を削った部分が誤りです。
誤肢分析
誤っている語句
「判断を問わず常に」
正しい修正
「特定行政庁が所定の支障がないと認めて許可した場合」
この誤肢は、許可による例外を場所だけの自動適用へ変えています。建築基準法では、同じ「許可」という言葉でも用途制限と建蔽率で意味する例外内容が異なります。対象規制を確定してから許可の効果を確認してください。
例題7
公園等の内にある建築物で、特定行政庁が安全上・防火上・衛生上支障がないと認めて許可したものには、建蔽率の制限が適用されない。
解答・判断ポイント
正解:○
平成28年問19の肢3で確認する基本的な適用除外です。公園等の場所と特定行政庁の許可を組み合わせて判断します。「公園内」という一条件だけに短縮しないことがポイントです。
宅建試験ではここが狙われやすい
建蔽率の例外では、必要な条件を一つだけ削除する誤肢が作られます。「公園内なら無条件」「安全上支障がなければ許可不要」など、一部だけ正しい文章は特に見抜きにくくなります。場所・特定行政庁・安全・防火・衛生・許可を一まとまりとして確認してください。
また、「建蔽率が無制限になる場合」と「容積率の制限がなくなる場合」を交換する問題にも注意します。公園等の内にある一定建築物について今回問題となるのは建蔽率であり、延べ面積を対象とする容積率とは別の規制です。建築面積=建蔽率、延べ面積=容積率という基本へ戻ると混同を防げます。
外壁の後退距離を定められる用途地域
外壁後退距離は、どの用途地域でも都市計画で自由に定められる制度ではありません。現行法では、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域で都市計画により外壁後退距離の限度を定めることができます。この章では、平成28年問19の正解肢4を中心に対象用途地域と1.5m・1mを整理します。
対象は低層住居専用グループ
外壁後退距離を都市計画で定められるのは、低層住宅環境を守る用途地域に限定されています。現在は第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域が対象であり、第一種住居地域は含まれません。用途地域名の「低層」という語句が大きな判断材料になります。
平成28年の出題当時は田園住居地域がまだ存在しませんでしたが、現在の宅建試験では田園住居地域も対象として確認します。古い過去問の正誤である「第一種住居地域では定められない」という結論自体は現在も変わりません。出題当時と現在の対象数を混同しないようにしてください。
外壁後退距離を定められる用途地域を表で整理します。この表を見る目的は、「住居地域」という名前だけで対象だと判断しないことです。低層住居専用グループかどうかを確認してください。
| 用途地域 | 外壁後退距離を都市計画で設定 |
| 第一種低層住居専用地域 | 可能 |
| 第二種低層住居専用地域 | 可能 |
| 田園住居地域 | 可能 |
| 第一種中高層住居専用地域 | 対象外 |
| 第一種住居地域 | 対象外 |
| 第二種住居地域 | 対象外 |
この表では、第一種低層住居専用地域と第一種住居地域の名称の近さに注意します。「第一種」「住居」という共通語があっても、低層住居専用という部分がなければ同じ規制は適用できません。平成28年問19の肢4はここを交換しています。
外壁後退距離は1.5mまたは1m
都市計画で外壁後退距離の限度を定める場合、その限度は1.5mまたは1mです。2mや0.5mなど自由な数字を設定する制度ではないため、数字を変更した選択肢にも対応する必要があります。用途地域と数字の両方を確認してください。
ここでも「1.5m以上なら自由に設定できる」という意味ではありません。都市計画で定める限度そのものが1.5mまたは1mとされているため、指定値の選択肢を正確に見ます。数字だけでなく外壁から敷地境界線までの距離についての基準であることを確認してください。
例題8
第一種住居地域では、都市計画により外壁の後退距離を1.5mまたは1mと定めることができる。
解答・判断ポイント
正解:×
外壁後退距離を都市計画で定められる対象に第一種住居地域は含まれません。現行法では第一種・第二種低層住居専用地域と田園住居地域が対象です。数字ではなく用途地域が誤っています。
誤肢分析
誤っている語句
「第一種住居地域」
正しい修正
「第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域」
この誤肢は、1.5m・1mという正しい数字を残し、用途地域だけを変更しています。数字が正しいため肢全体も正しいように感じやすい構造です。数字と対象区域を別々に照合することが必要です。
例題9
第一種低層住居専用地域で外壁後退距離を都市計画により定める場合、その限度は2mまたは1mとする。
解答・判断ポイント
正解:×
外壁後退距離の限度は1.5mまたは1mです。対象用途地域は正しいですが、2mという数字へ変更されています。用途地域が合っていても数字まで確認してください。
誤肢分析
誤っている語句
「2mまたは1m」
正しい修正
「1.5mまたは1m」
この誤肢は、区域を正しくして数字だけを変更するタイプです。建築基準法は10m、12m、1.5m、1mなど多くの数字が登場するため、数字を別規制から持ち込まれやすくなります。「何についての数字か」を必ず確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
外壁後退距離では、低層住居専用地域と一般の住居地域の入れ替えが最大のひっかけです。第一種低層住居専用地域と第一種住居地域は名称の一部が一致するため、問題文を流し読みすると「第一種住居」だけを見て同じグループと誤認します。「低層住居専用」という部分を必ず確認してください。
数字では1.5m・1mを、建築物の高さ制限で使う10m・12mなどと混同しないことも必要です。現在は田園住居地域も外壁後退距離の対象に加わっているため、平成28年当時の対象地域数をそのまま現在の知識にしないよう注意します。対象地域+1.5mまたは1mを現在の試験知識として整理してください。
過去問分析
平成28年問19は、用途制限、容積率、建蔽率、外壁後退距離という四つの規制を横断する問題です。正解肢4は第一種住居地域に外壁後退距離を定められるとした点が誤りであり、他の三肢はそれぞれ例外や数字を正しく示しています。この章では、指定過去問の各肢について正誤を分ける語句だけを簡潔に分析します。
最初に確認する語句
問題文では、第一種低層住居専用地域、飲食店、特定行政庁の許可、前面道路12m未満、公園等、建蔽率、第一種住居地域、外壁後退距離1.5m・1mを最初に確認します。肢1は用途制限、肢2は容積率、肢3は建蔽率、肢4は外壁後退距離として分類します。論点分類ができれば、一つの規制を別肢へ誤って適用することを防げます。
平成28年(2016年)問19
建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 特定行政庁が許可した場合、第一種低層住居専用地域内においても飲食店を建築することができる。
- 前面道路の幅員による容積率制限は、前面道路の幅員が12m以上ある場合は適用されない。
- 公園内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものについては、建蔽率の制限は適用されない。
- 第一種住居地域内における建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離は、当該地域に関する都市計画においてその限度が定められた場合には、当該限度以上でなければならない。
正解:4
解説
誤っているのは、第一種住居地域において都市計画で外壁後退距離を1.5mまたは1mと定めることができるとした肢4です。外壁後退距離を定められる対象は低層住居専用グループであり、第一種住居地域は対象外です。肢1・2・3は指定資料の判断では正しい内容になります。
各肢の正誤理由
肢1 正しい
第一種低層住居専用地域では飲食店は原則として建築できません。ただし特定行政庁の許可を受けることで、例外的に建築できる場合があります。**「特定行政庁の許可」**が正誤判断のポイントです。
肢2 正しい
前面道路幅員による容積率制限は、前面道路の幅員が12m未満の場合に確認します。12m以上の場合まで同じ幅員制限を当然に適用するわけではありません。**「12m未満」**が決定語句です。
肢3 正しい
公園・広場・道路・川等の内にある一定建築物で、特定行政庁が安全上・防火上・衛生上支障がないと認めて許可したものには、建蔽率制限が適用されない場合があります。場所だけでなく特定行政庁の判断と許可が条件です。**「公園等+許可」**を一組で確認します。
肢4 誤り
都市計画による外壁後退距離を定めることができるのは、平成28年当時は第一種・第二種低層住居専用地域でした。第一種住居地域は対象ではないため、「第一種住居地域」とした部分が誤りです。現行法では田園住居地域も対象に加わっています。
問題作成者のひっかけポイント
この問題では、4肢すべてで正しい用語の一部だけを利用する作り方が使われています。肢1では原則禁止に許可例外を加え、肢2では12m未満という境界、肢3では許可条件、肢4では正しい1.5m・1mに誤った用途地域を組み合わせています。一つ正しい要素があるだけで肢全体を○と判断しないことが必要です。
特に肢4は、数字が完全に正しいため用途地域を読み飛ばす受験生を狙っています。「第一種低層住居専用地域」と「第一種住居地域」は名前が近く、低層という一語が抜けただけに見えるためです。建築基準法では区域名の一部分の削除も重要な誤肢パターンになります。
受験生が迷う理由
建築基準法では、用途地域ごとに複数の制限が重なって適用されます。そのため第一種低層住居専用地域を見ただけで、用途制限・高さ・外壁後退・建蔽率など多くの知識が同時に浮かび、問われている規制を特定しにくくなります。まず選択肢の対象規制を一つに絞ってください。
また、12m、1.5m、1mなど数字の種類が多いことも混乱の原因です。数字だけを一覧で暗記すると、どの規制で使う数字だったかを取り違えやすくなります。「前面道路12m未満」「外壁後退1.5mまたは1m」のように対象と一緒に記憶してください。
正しい判断手順
本試験では、各肢について最初に用途地域と対象規制を確認します。次に数字または原則を照合し、最後に特定行政庁の許可など例外が書かれていないか確認します。この三段階で平成28年問19の四肢を処理できます。
・①用途地域を最後まで読む
・②用途・容積率・建蔽率・外壁後退のどれか分類する
・③数字があれば何についての数字か確認する
・④「未満」「以下」など境界表現を確認する
・⑤特定行政庁の許可があるか確認する
・⑥原則を絶対化していないか確認する
・⑦低層住居専用地域と住居地域を区別する
・⑧現行法では田園住居地域も確認する
この順番なら、肢4では「第一種住居地域」と「外壁後退距離」を見た段階で誤りの方向へ進めます。肢1では許可、肢2では12m未満、肢3では特定行政庁の許可条件がそれぞれ決定語句になります。四肢を別論点として処理することが最も効率的です。
類似問題で使える知識
類似問題では、第一種住居地域を第二種低層住居専用地域へ変更すれば、外壁後退距離について結論が変わります。1.5mを2mへ変更したり、12m未満を12m以下へ変更したりしても正誤を逆転させることができます。区域名・数字・境界表現を一つずつ確認してください。
用途制限では特定行政庁の許可を削除すれば結論が変わり、建蔽率では許可条件を削れば無条件の適用除外ではなくなります。このように、平成28年問19は「条件を一つ変更したらどうなるか」を考える教材として使えます。答え4を暗記するのではなく、肢を正しい文章へ修正できる状態を目指してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
平成28年問19で最も重要な誤肢パターンは、用途地域・数字・例外条件の部分交換です。肢4のように1.5m・1mを正しいまま残して用途地域だけを変えれば、数字暗記中心の受験生ほど引っかかりやすくなります。選択肢では数字を見る前に対象地域を確認してください。
また、肢1と肢3では特定行政庁の許可が結論を変えています。建築基準法では用途制限の例外や建蔽率の適用除外など、特定行政庁の許可が登場する場面が複数あるため、許可という単語だけを共通知識として扱えません。何についての許可で、どの規制がどう変わるかまで確認することが重要です。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
ここでは、用途制限、前面道路幅員、建蔽率、外壁後退距離を本試験レベルで確認します。単純な定義だけではなく、原則と例外、未満と以下、用途地域名の交換を中心にしています。誤りの場合は、どこを直せば正しい肢になるかまで確認してください。
問題1
第一種低層住居専用地域では、飲食店はどのような場合でも絶対に建築することができない。
正解:×
原則として建築できませんが、特定行政庁の許可による例外があります。
誤っている語句
「どのような場合でも絶対に」
正しい修正
「原則として建築できないが、特定行政庁の許可による例外がある」
問題2
第一種低層住居専用地域で原則建築できない用途でも、特定行政庁の特例許可によって建築できる場合がある。
正解:○
用途制限表の×を絶対禁止として処理しないことが判断ポイントです。
問題3
前面道路の幅員が12m未満の場合には、道路幅員による容積率制限を確認する。
正解:○
12mという数字は前面道路幅員による容積率制限の境界として使います。
問題4
前面道路幅員が12mちょうどの場合も、12m未満として容積率の幅員制限を適用する。
正解:×
12mちょうどは12m未満には含まれません。
誤っている語句
「12mちょうども12m未満」
正しい修正
「12m未満の場合に幅員制限を確認する」
問題5
建築物の容積率は、都市計画で指定された容積率だけで常に決まり、前面道路の幅員は関係しない。
正解:×
前面道路幅員が12m未満の場合は道路幅員による制限も確認します。
誤っている語句
「指定容積率だけで常に決まる」
正しい修正
「前面道路幅員による制限も確認する」
問題6
公園等の内にある建築物は、特定行政庁の許可がなくても当然に建蔽率の制限を受けない。
正解:×
平成28年問19型では、特定行政庁が所定の支障がないと認めて許可したことを確認します。
誤っている語句
「許可がなくても当然に」
正しい修正
「特定行政庁が支障がないと認めて許可した場合」
問題7
公園・広場等の内にある一定建築物で特定行政庁が所定の条件を満たすと認めて許可したものには、建蔽率制限が適用されない場合がある。
正解:○
場所と許可を一組として確認する問題です。
問題8
第一種住居地域では、都市計画により外壁後退距離を1.5mまたは1mと定めることができる。
正解:×
第一種住居地域は外壁後退距離を定める対象地域ではありません。
誤っている語句
「第一種住居地域」
正しい修正
「第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域」
問題9
第一種低層住居専用地域で都市計画により外壁後退距離を定める場合、その限度は1.5mまたは1mである。
正解:○
対象用途地域と数字をセットで判断します。
問題10
田園住居地域では、都市計画により外壁後退距離を定めることはできない。
正解:×
現行法では田園住居地域も外壁後退距離を定められる対象です。
誤っている語句
「定めることはできない」
正しい修正
「都市計画により定めることができる」
宅建試験ではここが狙われやすい
一問一答で確認したように、建築基準法では一つの正しい条件を残して別の条件だけを変更する肢が多く作れます。1.5m・1mは正しいが用途地域が違う、12mは正しいが「以下」になっている、特定行政庁は正しいが許可条件が削られているという形です。選択肢を一文丸ごと判断せず、要素ごとに分解してください。
また、平成28年の過去問と現在の法令を扱う場合は田園住居地域に注意します。平成28年当時には存在しなかった用途地域ですが、現行法では第一種・第二種低層住居専用地域とともに外壁後退距離の対象です。古い過去問の正解理由と現在の試験知識を区別することも法令科目では必要です。
FAQ
建築基準法では、用途地域名の違い、数字の境界、特定行政庁の許可が重なると判断に迷いやすくなります。ここでは本文をそのまま繰り返すのではなく、二つ以上の条件が重なった場面を整理します。迷った場合は「用途地域→対象規制→数字→原則・例外」という順番へ戻ってください。
Q1.用途制限表で×なら、特定行政庁の許可があっても建築できませんか?
用途制限表で原則不可となる用途でも、建築基準法上の特例許可によって建築可能となる場合があります。表の×を「絶対禁止」と読み替えないでください。
Q2.前面道路が12mなら「12m以下」に入るので、幅員による容積率制限を使いますか?
平成28年問19で確認する基準は12m未満です。12m以下と12m未満は同じではないため、境界事例では正誤が変わります。
Q3.公園の中なら建物を敷地いっぱいに建ててもよいと考えてよいですか?
公園等の内にあるという場所だけで建蔽率制限が自動的に消えるとは判断できません。平成28年問19型では、特定行政庁の判断と許可まで確認します。
Q4.第一種低層住居専用地域と第一種住居地域は、どちらも「第一種住居」なので外壁後退の扱いも同じですか?
同じではありません。外壁後退距離の対象は低層住居専用グループ等であり、第一種住居地域は対象外です。
Q5.平成28年の過去問では田園住居地域が出てこないので、現在も外壁後退距離の対象外ですか?
現在は田園住居地域も対象です。古い過去問の出題当時には存在しなかったため、現在の制度を学ぶときは追加して整理します。
Q6.容積率と建蔽率で迷った場合、どこを見れば区別できますか?
前面道路幅員が問題なら容積率をまず疑い、建築面積と敷地面積の割合なら建蔽率を確認します。平成28年問19では12mが容積率、公園等の例外が建蔽率という分け方ができます。
宅建試験ではここが狙われやすい
境界問題では、似た用途地域名を同じ制度として扱うミスが狙われます。第一種低層住居専用地域と第一種住居地域には共通語が多いものの、外壁後退距離の可否は異なるため、名称の一部分だけでは判断できません。用途地域名を必ず最後まで確認してください。
数字についても、12m・1.5m・1mを単独暗記すると別の規制へ誤用しやすくなります。「前面道路幅員12m未満=容積率」「外壁後退1.5mまたは1m=低層住居専用グループ等」と対象を付けて整理します。数字が何を測っているかを説明できる状態にすることがひっかけ対策になります。
まとめ
建築基準法の平成28年問19では、最初に用途地域と何の建築規制を問われているかを確認します。用途制限なら特定行政庁の許可例外、容積率なら前面道路12m未満、建蔽率なら適用除外の条件、外壁後退なら対象用途地域を確認します。四肢を一つのルールで解かず、それぞれ別論点として処理してください。
正解4では、1.5m・1mという数字は正しいものの、第一種住居地域という用途地域が誤りでした。外壁後退距離の対象は現在、第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域であり、第一種住居地域は含まれません。数字が合っていても対象区域まで確認する必要があります。
本試験では、用途地域→規制の種類→数字→許可・例外という判断順序を固定します。12m未満、1.5m・1m、特定行政庁の許可などの知識を単独で暗記せず、それぞれ何の規制に使う条件かまでセットにします。問題文のどこを見るかを固定することが、建築基準法のひっかけ問題を安定して解く方法です。
宅建試験ではここが狙われやすい
建築基準法で最後に確認するひっかけは、用途地域の交換、数字の境界変更、原則と例外の逆転、許可条件の削除です。平成28年問19では、第一種住居地域と低層住居専用地域の混同が正解を決めましたが、他の肢でも特定行政庁の許可や12m未満という限定を変更すれば誤肢になります。一つの正しい言葉だけで肢全体を○にしないことが必要です。
試験直前に固定するなら、「第一種低層住居専用地域の用途制限には許可例外」「前面道路12m未満なら容積率を確認」「公園等の一定建築物では建蔽率の適用除外あり」「外壁後退は1.5mまたは1m」「第一種住居地域は外壁後退の対象外」が中心です。現行法では外壁後退の対象に田園住居地域も加えて整理すれば、古い過去問と現在の制度を混同せず使えます。地域・規制・数字・例外を一組で読むことを最終判断基準にしてください。
