貸借の媒介報酬では、まず居住用建物か、それ以外の建物かを確認することが重要です。居住用建物では一方の依頼者から受けられる報酬額に原則的な制限があり、事業用建物などでは負担割合の扱いが異なります。この章では令和2年12月問34を正解するために、1.1か月分、0.55か月分、依頼者の承諾、広告料金の例外を整理します。
貸借の報酬問題では、「1.1か月分」という数字だけを覚えていても十分ではありません。その数字が貸主・借主の合計上限なのか、一方から受領できる額なのかを区別しなければ、正しい数字を使った誤肢に引っかかります。さらに、依頼者の承諾が何について必要なのかまで確認することが、本試験での得点につながります。
令和2年12月問34では、第1肢は報酬上限への承諾、第2肢は不当に高額な報酬の要求、第3肢は事業用建物の貸借、第4肢は広告料金が問われています。特に貸借の報酬では、第3肢の「事業用だから負担割合に制限がない」という判断と、居住用建物の0.55か月分を混同しないことが重要です。報酬額の数字だけでなく、建物用途→誰から受領するか→承諾の有無の順番で選択肢を処理してください。
問題文を読んだら最初に何を見るか
貸借の報酬では、最初に建物が居住用か居住用以外かを確認します。居住用建物では貸主・借主それぞれから受ける額に原則的な制限がある一方、事業用建物では同じ負担割合の制限を当てはめないからです。この章では、問題文から正誤判断に必要な語句だけを拾う方法を整理します。
次に確認するのは、宅建業者が貸主・借主の双方から媒介依頼を受けているのか、一方だけから依頼を受けているのかという点です。貸借の報酬では合計上限と一方から受領する額を分ける必要があるため、誰が依頼者なのかを見落とすと数字の意味も変わります。問題文に「貸主から」「借主から」「双方から」という表現があれば、それぞれの受領額を書き分けてください。
さらに、依頼者の承諾があるかどうかも重要です。居住用建物では、承諾がない限り一方の依頼者から受領できる報酬は原則として借賃0.55か月分が限度ですが、承諾がある場合には一方から1.1か月分を受領できる場合があります。ただし、この承諾によって貸主・借主から受領できる合計上限そのものが増えるわけではありません。
問題文で注目する語句を整理します。この表を見る目的は、数字の前に建物用途・依頼者・承諾を分類することです。1.1か月分や0.55か月分を見つけても、対象を確認する前に○×を付けないでください。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 居住用建物 | 一方から0.55か月分の原則を確認 |
| 事業用建物 | 居住用の個別制限と区別 |
| 貸主・借主双方 | 合計上限を確認 |
| 一方から全額 | 建物用途を確認 |
| 借賃1.1か月分 | 合計上限として確認 |
| 借賃0.55か月分 | 居住用・一方からの原則 |
| 依頼者の承諾 | 一方から受ける額との関係を確認 |
| 報酬上限を超える承諾 | 上限解除にはならない |
| 不当に高額な報酬を要求 | 受領前でも禁止 |
| 広告料金 | 依頼者の依頼があるか確認 |
この表では、同じ「承諾」という言葉が二つの場面で登場する点に注意してください。居住用貸借では一方から受領できる額に関係しますが、報酬総額の上限を超えることへの承諾は上限解除の理由になりません。承諾があるかではなく、何について承諾したのかまで確認します。
本試験では次の順番で処理します。金額計算を先に行うのではなく、対象・用途・負担関係を決めてから必要な数字を使います。この順番を固定すれば、令和2年12月問34第3肢のような文章も短時間で処理できます。
・① 宅建業者が貸借の媒介をしているか確認する
・② 居住用建物か居住用以外か確認する
・③ 貸主・借主の誰が依頼者か確認する
・④ 貸主・借主から受ける報酬の合計額を確認する
・⑤ 一方から受ける額を確認する
・⑥ 居住用なら承諾の有無を確認する
・⑦ 報酬とは別の費用なら特別な依頼の有無を確認する
この順番では、1.1か月分という数字を最後まで「何の上限か」と結び付けることが重要です。事業用建物なら一方から全額を受領していても、貸主・借主から受領する合計が上限以内かを確認します。居住用建物なら、さらに一方からの額と承諾の有無を確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
貸借報酬では、1.1か月分と0.55か月分の対象を入れ替える誤肢が最も狙われます。「1.1か月分」という数字自体は正しくても、居住用建物で承諾なく一方から受領できる額として使われていれば誤りです。数字を見たら「合計か、一方か、居住用か」を必ず補って読んでください。
さらに、「依頼者の承諾」という正しい条件を報酬総額の上限解除へ使うひっかけにも注意します。居住用貸借で承諾が意味を持つことを知っている受験生ほど、承諾があれば何でも報酬を増やせると誤解しやすくなります。👉 用途→合計上限→一方からの額→承諾の対象の順番で確認すると、数字と例外条件のすり替えを見抜きやすくなります。
貸借の報酬の基本|合計上限は借賃1.1か月分
貸借の媒介では、貸主と借主から宅建業者が受領する報酬の合計額に上限があります。添付資料では、居住用建物・居住用以外の建物とも、基本的な合計上限は借賃1か月分に消費税を加えた1.1か月分として整理されています。この章では、合計上限と一方から受ける額を分けて判断します。
例えば借賃10万円の建物なら、貸借媒介の報酬合計は11万円が基本的な上限です。貸主から5万5,000円、借主から5万5,000円なら合計11万円となり、居住用建物の原則的な負担形態とも一致します。重要なのは、11万円という数字を「貸主から11万円、借主からも11万円」と二重に使わないことです。
また、一方から11万円を受領できるかどうかは建物用途によって判断が変わります。事業用建物など居住用以外なら合計上限内で負担割合は問われませんが、居住用建物では原則として一方から0.55か月分までです。つまり、合計額のルールと負担割合のルールは別々に確認する必要があります。
数字の役割を整理します。この表を見る目的は、1.1と0.55を単なる暗記数字ではなく、対象とセットにすることです。試験では数字だけ正しくして対象を変更する誤肢が多く作られます。
| 数字 | 何を示すか |
| 1.1か月分 | 貸主・借主から受ける報酬の合計上限 |
| 0.55か月分 | 居住用で一方から受ける原則的限度 |
| 1.1か月分を一方から | 居住用なら承諾を確認 |
| 1.1か月分を一方から | 居住用以外なら合計上限内か確認 |
この表では、「一方から1.1か月分」と書かれているだけで○×を決めません。居住用なら承諾が必要かを確認し、事業用なら合計上限内であるかを確認します。同じ金額でも建物用途によって結論が変わる点が、本試験での重要なひっかけです。
例題1
貸借の媒介で貸主・借主から受領できる報酬の合計上限は、借賃1.1か月分である。
解答・判断ポイント
正解:○
資料では借賃1か月分に消費税を加えた額が基本的な合計上限です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
1.1か月分を「合計上限」として固定する問題です。
例題2
居住用建物の貸借では、貸主から1.1か月分、借主から1.1か月分をそれぞれ受領できる。
解答・判断ポイント
正解:×
1.1か月分は貸主・借主から受領する合計上限です。
誤肢分析
誤っている語句
「それぞれ1.1か月分」
正しい修正
「合わせて1.1か月分」
合計上限を一方ごとの上限へ入れ替えた誤肢です。
例題3
貸借報酬の1.1か月分という数字を見たら、まず貸主・借主の合計額についての数字かを確認する。
解答・判断ポイント
正解:○
数字だけでなく対象を確認することで、負担割合との混同を防げます。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
本試験での読み方を確認する問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
基本数字では、「合わせて」を「それぞれ」に変更するだけの誤肢に注意します。1.1か月分という数字は正しいため、数字だけを確認する受験生ほど○にしやすくなります。本試験では「誰からの金額を合計しているのか」まで確認してください。
また、0.55か月分を合計上限として使う逆方向のひっかけも作れます。👉 1.1=合計、0.55=居住用の一方からの原則と文章で覚えると、数字の入れ替えに対応しやすくなります。同じ数字が別の対象へ移されていないかを、必ず確認してください。
居住用建物|一方からは原則0.55か月分
居住用建物の貸借では、依頼者の承諾がない限り、貸主・借主それぞれから受領できる報酬は借賃0.55か月分が原則です。貸主と借主の双方から0.55か月分ずつ受領すれば、合計1.1か月分となります。この章では、一方からの限度と承諾による例外を整理します。
例えば借賃10万円の居住用建物なら、一方から受領できる原則的な限度は5万5,000円です。貸主から5万5,000円、借主から5万5,000円なら合計11万円となります。一方、借主から承諾なく11万円を受領する場合は、一方からの原則的限度を超えるため問題になります。
ここで重要なのが、契約が成立した後で相手方が納得して支払ったという事情だけでは足りない点です。資料では、居住用建物で一方から1か月分+税を受領する場合には依頼者の承諾が必要とされています。本試験では「承諾あり」「承諾なし」を一語だけ変えて正誤を逆転させることができます。
居住用建物の負担を整理します。この表を見る目的は、合計上限を維持したまま、一方からの受領額だけが承諾によって変わることを確認することです。承諾を合計額の増額条件と考えないでください。
| 居住用建物 | 一方から受ける額 | 判断 |
| 承諾なし | 原則0.55か月分まで | 基本 |
| 承諾あり | 一方から1.1か月分も可能 | 合計上限内 |
| 貸主0.55+借主0.55 | 合計1.1 | 原則形 |
| 貸主1.1+借主1.1 | 合計2.2 | 上限超過 |
この表では、承諾によって「一方から1.1か月分」が可能になる場合でも、全体の報酬上限が2.2か月分になるわけではありません。誰からどれだけ受領するかの配分が変わるだけで、合計上限は別に確認します。承諾の効果を広げすぎないことが重要です。
例題4
居住用建物の貸借で依頼者の承諾がない場合、一方から受領できる報酬は原則0.55か月分までである。
解答・判断ポイント
正解:○
居住用建物の基本的な個別上限です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
0.55か月分の対象を確認する問題です。
例題5
居住用建物で借主の承諾がない場合でも、借主から借賃1.1か月分を受領できる。
解答・判断ポイント
正解:×
承諾がない場合、一方からは原則0.55か月分までです。
誤肢分析
誤っている語句
「承諾がない場合でも」
正しい修正
「承諾がある場合には」
令和2年12月問34第3肢と比較するうえでも重要な誤肢です。
例題6
居住用建物で借主が承諾すれば、貸主から1.1か月分、借主からも1.1か月分を受領できる。
解答・判断ポイント
正解:×
承諾によって合計上限が2.2か月分へ増えるわけではありません。
誤肢分析
誤っている語句
「貸主から1.1か月分、借主からも1.1か月分」
正しい修正
「貸主・借主から受領する合計は1.1か月分以内」
承諾の効果を合計上限まで拡張した誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
居住用建物では、0.55を1.1へ変更する数字の置き換えだけでなく、承諾の有無を逆転する方法が狙われます。数字自体が正しい文章でも、「誰から」「承諾ありか」という条件が変われば結論も変わります。本試験では0.55という数字の直前にある対象者を確認してください。
さらに、「承諾があれば合計上限も増える」という原則と例外の広げすぎにも注意します。👉 居住用→一方0.55→承諾ありなら配分変更→合計1.1は維持という順番で確認してください。承諾という一語を見つけても、何の制限に対する承諾かを確認することが必要です。
事業用建物|負担割合に居住用と同じ制限はない
事業用建物など居住用建物以外の貸借では、資料上、報酬の合計上限は借賃1.1か月分ですが、貸主と借主の負担割合に居住用建物と同じ制限はありません。したがって、一方の依頼者から1.1か月分全額を受領することもできます。この章では令和2年12月問34第3肢の判断に直結する違いを整理します。
例えば事務所の借賃が20万円なら、報酬合計上限は22万円です。貸主から22万円を受領して借主から0円でも、貸主11万円・借主11万円でも、資料上は負担割合自体が正誤を分けるものではありません。まず確認するのは、貸主・借主からの合計が22万円以内かどうかです。
ここで居住用建物の0.55か月分を持ち込むと誤答します。事業用建物で一方から1.1か月分を受領している文章を見ても、0.55を超えているという理由だけで×にしてはいけません。問題文の「事業用」「店舗」「事務所」など、用途を示す語句を数字より先に拾ってください。
居住用との違いを比較します。この表を見る目的は、1.1か月分という合計上限は共通でも、負担割合の規制が異なることを確認することです。試験では共通点より相違点が正誤を分けます。
| 比較 | 居住用建物 | 居住用以外 |
| 合計上限 | 1.1か月分 | 1.1か月分 |
| 一方からの原則 | 0.55か月分 | 負担割合の制限なし |
| 承諾 | 一方からの額に関係 | 同じ0.55規制なし |
| 一方から1.1 | 承諾を確認 | 合計上限内なら可能 |
この表では、合計上限が同じだから制度全体も同じと判断しないことが重要です。同じ1.1か月分でも、居住用では一方からの受領額に追加チェックが必要ですが、事業用では負担割合を同じように制限しません。共通する数字と異なる条件を分けて覚えることが本試験対策になります。
例題7
事業用建物の貸借で、報酬合計が借賃1.1か月分以内であれば、一方の依頼者から全額を受領することができる。
解答・判断ポイント
正解:○
資料では居住用建物以外について負担割合の制限はありません。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
令和2年12月問34第3肢の中心知識です。
例題8
事業用建物でも、一方から受領できる報酬は必ず0.55か月分までである。
解答・判断ポイント
正解:×
0.55か月分という個別上限は居住用建物の原則です。
誤肢分析
誤っている語句
「事業用建物でも」「必ず0.55か月分」
正しい修正
「居住用建物では原則0.55か月分」
居住用の数字を事業用へ移す典型的な誤肢です。
例題9
事業用建物の貸借では、一方から1.1か月分を受領するときも、居住用建物と同じ承諾が必ず必要である。
解答・判断ポイント
正解:×
資料では居住用建物以外の負担割合に同じ制限はありません。
誤肢分析
誤っている語句
「居住用建物と同じ承諾が必ず必要」
正しい修正
「居住用建物以外では合計上限内で負担割合は問われない」
居住用の例外条件を事業用へ移した誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
事業用建物では、居住用の0.55か月分と承諾要件をそのまま移す誤肢が最も狙われます。1.1か月分という合計上限が共通しているため、制度全体も同じだと思わせることができます。問題文の「居住用」「事業用」という一語が数字以上に重要です。
反対に、事業用だから報酬額そのものに上限がないとする文章にも注意してください。👉 事業用=負担割合の制限なしであり、合計上限まで消えるわけではないと整理します。用途を見た後に、合計上限と負担割合を別々に確認してください。
依頼者の承諾|何についての承諾かを確認する
報酬問題では「依頼者の承諾」が複数の場面に登場しますが、承諾があれば報酬制限を自由に変更できるわけではありません。令和2年12月問34第1肢では、依頼者が承諾しても国土交通大臣が定める報酬上限を超えられないという判断が問われています。この章では、居住用貸借の承諾と報酬総額への承諾を分けます。
居住用貸借では、依頼者の承諾がある場合に一方から受領できる額の配分が変わる場面があります。これに対して、法定の報酬上限そのものを超えて支払うことへの承諾があっても、その上限を解除することはできません。つまり、承諾の効果は制度ごとに限定して考える必要があります。
本試験では、「依頼者が事前に書面で承諾した」「十分な説明を受けて納得した」などの事情を追加して、上限超過を適法に見せることがあります。しかし承諾の形式や納得の程度ではなく、その承諾が法律上どの規制へ作用するのかを確認してください。承諾=例外と一括して覚えないことが重要です。
二つの承諾を比較します。この表を見る目的は、同じ言葉でも対象となる制限が違うことを明確にすることです。問題文では「承諾した」の後に続く内容へ注意してください。
| 承諾の内容 | 効果 |
| 居住用で一方から多く受領する承諾 | 負担配分に関係 |
| 報酬総額の上限を超える承諾 | 上限解除にならない |
| 書面による上限超過承諾 | 上限解除にならない |
| 依頼者が自発的に高額支払い | 上限超過はできない |
この表では、承諾という事実より「どの規制についての承諾か」を見ることがポイントです。居住用建物で借主から1.1か月分を受領する承諾と、1.1か月分を超える報酬総額を認める承諾を同じものとして扱わないでください。前者は負担割合、後者は法定上限の問題です。
例題10
依頼者が報酬上限を超えることについて承諾していれば、宅建業者はその承諾額まで受領できる。
解答・判断ポイント
正解:×
依頼者の承諾によって報酬額の上限を超えることはできません。
誤肢分析
誤っている語句
「承諾していれば」「その承諾額まで」
正しい修正
「承諾していても法定上限を超えて受領できない」
承諾の効果を上限解除まで広げた誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
承諾問題では、正しい例外条件を別の制限へ移すことで誤肢が作られます。居住用貸借で承諾が意味を持つため、「承諾があれば報酬額の上限も超えられる」と考えやすくなります。本試験では承諾の直後に「一方からの額」なのか「総額」なのかを確認してください。
また、「事前」「書面」「十分な説明」という条件を加えて承諾を強く見せる方法にも注意します。👉 承諾の存在→承諾の対象→変わる制限・変わらない制限の順番で処理してください。承諾の有効性より、法律上その承諾がどこまで効果を持つかが正誤を分けます。
不当に高額な報酬|受領前でも要求自体が禁止
宅建業者による不当に高額な報酬の要求自体が禁止されており、実際に報酬を受領したかだけで判断しません。令和2年12月問34第2肢では、要求したものの実際には受領しなかった場合でも違法である点が問われています。この章では「要求」と「受領」の時期を入れ替えたひっかけを整理します。
報酬問題では、最終的にいくら受け取ったかへ注意が向きやすくなります。しかし禁止対象が「不当に高額な報酬を要求する行為」である以上、依頼者が支払いを拒否したことや宅建業者が後で撤回したことだけでは要求した事実は消えません。問題文では「要求」「請求」「受領」という動詞を区別してください。
この考え方は、貸借の報酬計算とは別の判断軸です。0.55や1.1を計算する問題だと思い込むと、「まだ受け取っていない」という文章を適法と判断しやすくなります。計算を始める前に、金額の上限ではなく禁止行為そのものが問われていないか確認してください。
例題11
宅建業者が不当に高額な報酬を要求しても、実際には受領しなければ違反しない。
解答・判断ポイント
正解:×
不当に高額な報酬は要求する行為自体が禁止されています。
誤肢分析
誤っている語句
「実際には受領しなければ違反しない」
正しい修正
「実際に受領しなくても要求行為自体が禁止される」
禁止成立の時期を受領時へ後ろ倒しした誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
この論点では、要求と受領の時期の入れ替えに注意します。「結果的に受け取っていない」という後半の事情を強調し、前半の禁止行為を見落とさせる文章が典型です。問題文の結末より、最初に宅建業者がどの行為をしたかを確認してください。
さらに、「依頼者が支払わなかったから被害がない」という日常感覚も誤答原因になります。👉 金額より動詞、結果より行為時点を先に確認することで、第2肢型のひっかけを切れます。報酬額の計算問題と禁止行為の問題を同じ処理にしないことが重要です。
広告料金|報酬とは別に請求できる条件
宅建業者が支出した広告料金は、すべて報酬とは別に請求できるわけではありません。添付資料では、報酬限度額を超えて受領できるものとして、依頼者の依頼によって行う広告料金や、依頼者の特別の依頼による特別な費用が示されています。この章では、令和2年12月問34第4肢の判断ポイントを整理します。
第4肢では、宅建業者が依頼者の依頼に基づくことなく広告を行っています。広告費が実際に発生していても、依頼者から特別に広告を依頼されたという条件を満たしていないため、その料金を当然に報酬とは別に請求できません。広告が成約に役立ったかどうかより、誰の依頼で行った広告かを確認します。
また、通常の営業活動で必要になった費用をすべて「実費」として依頼者へ転嫁することもできません。費用という名称だけで報酬規制の外に出るのではなく、資料に示される特別な依頼との関係を確認します。問題文で「広告費」「調査費」「交通費」などが出たら、その発生原因を確認してください。
広告料金と通常費用を比較します。この表を見る目的は、費用が発生した事実と別途請求できる要件を区別することです。実費であるかより、依頼者の依頼があるかを優先してください。
| 費用 | 判断ポイント |
| 依頼者の依頼による広告料金 | 別途請求できる場合がある |
| 自主的に行った広告 | 原則として別途請求不可 |
| 特別の依頼による特別費用 | 別途請求できる場合がある |
| 通常業務の費用 | 名称だけで別料金にしない |
この表では、「必要だった広告」と「依頼された広告」を区別してください。宅建業者が必要と判断して支出しただけでは、依頼者の依頼があったことにはなりません。必要性・成果・実費を、依頼という要件へ置き換えないことが重要です。
例題12
依頼者から特別に広告を依頼され、その依頼に基づいて広告した場合、その広告料金を報酬とは別に請求できる場合がある。
解答・判断ポイント
正解:○
資料では依頼者の依頼による広告料金が別途受領できるものとして示されています。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
広告費の例外条件を確認する問題です。
例題13
宅建業者が成約のために必要と判断して広告を出した場合、依頼者から依頼されていなくても広告料金を別途請求できる。
解答・判断ポイント
正解:×
依頼者の依頼に基づく広告であることを確認します。
誤肢分析
誤っている語句
「依頼されていなくても」
正しい修正
「依頼者の依頼によって行った場合には」
令和2年12月問34第4肢と同じひっかけです。
例題14
広告によって実際に契約が成立した場合は、依頼者の依頼がなくても広告料金を別途請求できる。
解答・判断ポイント
正解:×
広告の成果を依頼の代わりにはできません。
誤肢分析
誤っている語句
「実際に契約が成立した場合は」
正しい修正
「依頼者の依頼によって広告を行った場合は」
成果と法定条件を入れ替えた誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
広告料金では、「費用が発生した」ことを「別途請求できる」ことへ変えるひっかけが狙われます。宅建業者が現実に広告代を支払っていても、それだけで依頼者へ請求できるとは限りません。本試験では支出額より先に、依頼者からの依頼があるかを確認してください。
さらに、「必要だった」「成果があった」「実費だけ請求した」というもっともらしい事情にも注意します。👉 広告費→誰の依頼か→特別費用か→報酬とは別に請求できるかの順番で確認してください。名称や成果ではなく、依頼の有無が第4肢型の判断ポイントになります。
過去問分析
この過去問では、報酬額の制限について上限・要求行為・事業用建物の貸借・広告料金の四論点が問われています。すべて報酬に関する文章ですが、各肢で確認する条件は異なります。この章では令和2年12月問34について、正誤を分ける語句を中心に分析します。
本問の正解は4であり、第1肢から第3肢は正しく、第4肢が誤りです。貸借の報酬として特に重要なのは第3肢で、事業用建物では合計1.1か月分の範囲内なら負担割合は問われないという点です。第4肢では、広告料金を別途請求できる条件から「依頼者の依頼」を削除していることが誤りです。
最初に確認する語句
問題文では、依頼者の承諾、不当に高額な報酬を要求、事業用建物、1.1か月分、広告の依頼を最初に確認します。
令和2年(2020年)12月 問34
宅地建物取引業者(消費税課税事業者)が受けることができる報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 宅地建物取引業者が受けることのできる報酬は、依頼者が承諾していたとしても、国土交通大臣の定める報酬額の上限を超えてはならない。
- 宅地建物取引業者は、その業務に関し、相手方に不当に高額の報酬を要求した場合、たとえ受領していなくても宅地建物取引業法違反となる。
- 宅地建物取引業者が、長期の空家等に該当しない事業用建物の貸借(権利金の授受はないものとする。)の媒介に関する報酬について、依頼者の双方から受けることのできる報酬の合計額は、借賃(消費税等相当額を含まない。)1か月分の1.1倍に相当する金額が上限であり、貸主と借主の負担の割合については特段の規制はない。
- 宅地建物取引業者は、依頼者の依頼によらない広告の料金に相当する額を報酬額に合算する場合は、代理又は媒介に係る報酬の限度額を超える額の報酬を依頼者から受けることができる。
正解:4
解説
第1肢は報酬上限、第2肢は要求行為、第3肢は事業用貸借、第4肢は広告料金の条件を問います。各肢を別の論点として処理し、最後に誤っている第4肢を選びます。
各肢の正誤理由
◆1(正しい)
宅建業者が受領できる報酬額には上限があり、依頼者が承諾してもその上限を超えることはできません。承諾を上限解除の条件にしないことがポイントです。
◆2(正しい)
不当に高額な報酬は、実際に受領したかどうかにかかわらず要求する行為自体が禁止されています。「受領しなかった」という後半の事情で判断を変えません。
◆3(正しい)
事業用建物の貸借では、報酬合計が借賃1.1か月分以内であれば、貸主・借主の負担割合は問われません。一方から全額を受領しても、合計上限内であれば資料上正しい内容です。
◆4(誤り)
報酬とは別に広告料金を請求するには、資料では依頼者の依頼によって行う広告であることが必要です。本肢は依頼者の依頼に基づかず広告しているため誤りです。
問題作成者のひっかけポイント
第1肢では、「依頼者が承諾」という正しい条件を報酬総額の上限解除へ利用できるかを確認させています。居住用貸借では承諾が一方からの受領額に関係するため、その知識を別場面へ流用しやすくなります。出題者は同じ語句の適用先を変更して混同を誘っています。
第2肢では「実際には受領していない」という結果を後半へ置きます。金銭が動いていなければ違反ではないように感じますが、禁止されているのは不当に高額な報酬の要求自体です。行為時点を要求から受領へずらすひっかけです。
第3肢では「一方から全額」という強い表現を使っています。居住用建物の0.55か月分を覚えている受験生ほど、一方から1.1か月分は違反だと判断しやすくなります。しかし「事業用建物」という一語があるため、居住用の個別制限を当てはめません。
第4肢では「広告料金は報酬とは別に請求できる」という正しい知識から、依頼者の依頼という条件だけを削除しています。文章の大部分は正しいため、広告費なら別請求できるとだけ覚えていると誤答します。例外規定では、例外の結論より例外となる条件を確認することが重要です。
受験生が迷う理由
本問では、依頼者の意思が第1肢と第4肢で異なる意味を持ちます。第1肢では承諾があっても上限を超えられませんが、第4肢では広告について依頼があるかどうかが別途請求の判断を左右します。同じ依頼者の意思だからと一つのルールにまとめると誤答します。
第3肢では、1.1か月分と0.55か月分の両方が正しい数字であることが混乱の原因です。どちらかの数字を忘れているのではなく、対象を取り違えることで誤答します。数字の横に「合計」「居住用一方」と意味を書き足す方法が有効です。
正しい判断手順
第1肢では「上限への承諾」と分類し、承諾があっても上限を超えられないと判断します。第2肢では「要求」という動詞を確認し、未受領という事情を無視して要求行為自体を判定します。ここまで金額計算は必要ありません。
第3肢では最初に「事業用建物」を確認します。次に合計1.1か月分以内かを確認し、居住用建物の0.55か月分という個別制限を持ち込みません。第4肢では広告費という名称より「依頼者からの依頼なし」という条件を確認し、誤りと判断します。
類似問題で使える知識
貸借の報酬では、数字へ必ず対象を付ける方法が使えます。1.1なら合計上限、0.55なら居住用で一方から受領する原則というように整理します。数字だけを入れ替えた選択肢にも対応しやすくなります。
また、承諾や依頼が出た場合は、その意思表示の対象を確認する方法が使えます。居住用の負担割合への承諾なのか、報酬上限超過への承諾なのか、広告実施の依頼なのかで効果が異なります。誰が意思表示したかより、何について意思表示したかを確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
令和2年12月問34では、正しい条件を別の制度へ移すひっかけが中心です。承諾は居住用貸借で意味を持つ場面があっても報酬上限を解除せず、1.1か月分は正しい数字でも居住用で承諾なく一方から受領できる額ではありません。正しい数字・語句が含まれている肢ほど、対象を確認してください。
第4肢では、例外の条件を一つ削るだけで誤肢が作られています。👉 用途→数字の対象→承諾・依頼の対象→要求・受領の時点の順番で確認すれば、本問のような横断問題にも対応できます。数字を覚えるより、どこを変更されると誤りになるかを見ることが重要です。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
ここでは貸借の報酬について、居住用・事業用、0.55・1.1か月分、承諾、広告料金を組み合わせた本試験型の問題を確認します。単純な数字問題だけではなく、対象や例外条件を一語だけ変更した誤肢を中心にしています。誤りの場合は、どこを直せば正しい文章になるかまで確認してください。
問題1
貸借の媒介では、貸主と借主から受領する報酬の合計上限は借賃1.1か月分である。
正解:○
合計額についての基本的な上限です。
問題2
居住用建物では、貸主・借主それぞれから無条件に1.1か月分ずつ受領できる。
正解:×
1.1か月分は合計上限です。
誤っている語句
「それぞれから無条件に1.1か月分」
正しい修正
「貸主・借主から合わせて1.1か月分」
問題3
居住用建物で承諾がない場合、一方から受領できる報酬は原則0.55か月分である。
正解:○
0.55か月分は居住用で一方から受ける原則的限度です。
問題4
居住用建物で借主の承諾がなくても、借主から1.1か月分を受領できる。
正解:×
承諾がない場合は原則0.55か月分です。
誤っている語句
「承諾がなくても」
正しい修正
「承諾がある場合には」
問題5
居住用建物で依頼者の承諾を得れば、貸主・借主からの合計報酬を2.2か月分まで増やせる。
正解:×
承諾によって合計上限そのものは増えません。
誤っている語句
「合計報酬を2.2か月分まで」
正しい修正
「合計報酬は1.1か月分以内」
問題6
事業用建物では、報酬合計が1.1か月分以内であれば一方から全額を受領できる。
正解:○
資料では居住用建物以外について負担割合の制限はありません。
問題7
事業用建物でも、一方から受領できる額は必ず0.55か月分までである。
正解:×
0.55か月分は居住用建物の原則です。
誤っている語句
「事業用建物でも」「必ず0.55か月分」
正しい修正
「居住用建物では原則0.55か月分」
問題8
事業用建物で一方から1.1か月分を受領する場合、居住用建物と同じ承諾が必ず必要である。
正解:×
居住用以外では同じ個別制限を当てはめません。
誤っている語句
「同じ承諾が必ず必要」
正しい修正
「合計上限内であれば負担割合は問われない」
問題9
依頼者が報酬上限を超えることを承諾しても、宅建業者は上限を超えて受領できない。
正解:○
承諾を法定上限の解除条件にすることはできません。
問題10
不当に高額な報酬は、実際に受領した時点で初めて禁止される。
正解:×
要求する行為自体が禁止されています。
誤っている語句
「受領した時点で初めて」
正しい修正
「要求する行為自体が」
問題11
不当に高額な報酬を要求した後、依頼者が支払いを拒否しても要求行為についての判断は残る。
正解:○
未受領という結果だけで適法にはなりません。
問題12
宅建業者が自主的に行った広告の料金は、実費であれば必ず依頼者へ別途請求できる。
正解:×
依頼者の依頼による広告かを確認します。
誤っている語句
「実費であれば必ず」
正しい修正
「依頼者の依頼によって行った広告であれば」
問題13
依頼者から特別に広告を依頼されて行った広告料金は、通常の報酬とは別に扱える場合がある。
正解:○
依頼者の依頼が判断条件になります。
問題14
広告の結果として契約が成立した場合は、依頼者の依頼がなくても広告料金を別途請求できる。
正解:×
成果を依頼の代わりにはできません。
誤っている語句
「契約が成立した場合は」
正しい修正
「依頼者の依頼によって広告を行った場合は」
問題15
貸借の報酬では、1.1か月分という数字だけでなく、その数字が合計額か一方からの額かを確認する。
正解:○
数字の対象まで確認することが本試験対策になります。
問題16
0.55か月分は、事業用建物で一方から受領できる報酬の絶対的な上限である。
正解:×
居住用建物で一方から受ける原則的限度です。
誤っている語句
「事業用建物」「絶対的な上限」
正しい修正
「居住用建物で一方から受ける原則的限度」
問題17
「依頼者の承諾」が出たら、何について承諾しているのかを確認する。
正解:○
報酬総額と居住用の負担割合では承諾の効果が異なります。
問題18
事業用建物では負担割合の制限がないため、貸主・借主から合計2.2か月分を受領できる。
正解:×
負担割合の制限がないことと合計上限がないことは別です。
誤っている語句
「合計2.2か月分」
正しい修正
「合計1.1か月分以内」
一問一答で最も注意したいのは、正しい数字を別の対象へ移す誤肢です。1.1か月分も0.55か月分も正しい数字なので、数字だけを知っている受験生ほど誤答する可能性があります。必ず「合計」「居住用」「一方から」という説明を数字へ付けてください。
宅建試験ではここが狙われやすい
本試験では、数字そのものを変更しなくても、居住用を事業用へ変更するだけで誤肢を作れます。同様に、承諾ありを承諾なしへ変える、依頼ありを依頼なしへ変えるなど、条件を一語変更する問題にも注意してください。文章の大部分が正しいほど、最後まで条件を読む必要があります。
さらに、「負担割合に制限がない」を「報酬上限がない」へ広げるひっかけも危険です。👉 用途→合計額→一方の負担→承諾→別途費用まで順番に確認してください。正しい知識の適用範囲を一段階広げた文章を見抜くことが得点につながります。
FAQ
貸借の報酬では、同じ1.1か月分でも誰から受領するかによって判断が変わるため、境界的な事例で迷いやすくなります。FAQでは本文をそのまま繰り返さず、承諾のタイミング、事業用と居住用の区別、広告費の扱いなどを確認します。判断に迷った場合は、用途と誰から受領するのかへ戻ってください。
Q1.居住用建物で貸主から0円、借主から1.1か月分なら必ず違反ですか?
借主から一方で1.1か月分を受領する場合は、資料上、借主の承諾があるかを確認します。承諾の有無を見ずに金額だけで判断しないでください。
Q2.居住用建物で貸主と借主の双方が承諾すれば合計2.2か月分にできますか?
できません。承諾は合計上限を倍にする制度ではありません。
Q3.店舗兼住宅なら居住用と事業用のどちらとして判断しますか?
今回の添付資料には複合用途の具体的な境界判断までは示されていません。問題文で用途が明示される場合は、その指定に従って居住用か居住用以外かを判断してください。
Q4.事務所の貸借で貸主から1.1か月分全額を受領したら違反ですか?
資料上、居住用建物以外では負担割合の制限はありません。貸主・借主から受領する合計が1.1か月分以内かを確認します。
Q5.事業用建物なら報酬上限そのものがないのですか?
ありませんではなく、資料では合計1.1か月分という上限があります。負担割合に制限がないことと上限がないことを混同しないでください。
Q6.居住用建物の0.55か月分は貸主だけに適用されますか?
貸主・借主それぞれについての原則的限度として確認します。一方だけに適用される数字ではありません。
Q7.依頼者が上限超過を強く希望した場合は受領できますか?
できません。依頼者が希望したことを報酬総額の上限解除条件にはできません。
Q8.報酬額を一度要求した後で減額すれば、最初の要求は問題になりませんか?
不当に高額な報酬の要求自体が問題となるため、後から減額したことだけで最初の行為をなかったものとは判断しません。
Q9.広告料金が少額なら、依頼者の依頼がなくても請求できますか?
金額の大小ではなく、依頼者からの依頼に基づく広告かを確認します。少額だから例外になるとは資料に示されていません。
Q10.インターネット広告なら通常広告と違う扱いになりますか?
今回の資料では広告媒体による区別は示されていません。依頼者からの依頼による広告かという条件を中心に判断します。
Q11.広告後に依頼者が「広告代を払います」と言えば別途請求できますか?
今回の資料では依頼者の依頼によって行う広告料金が示されています。事後的な好意や評価を、当然に広告依頼と同じものとして扱わないことが安全です。
Q12.「承諾」と「依頼」は同じ意味ですか?
同じではありません。居住用貸借では承諾が一方からの受領額に関係し、広告料金では広告を行うことへの依頼が問題になります。
Q13.貸借報酬で最初に数字を計算すべきですか?
先に居住用か事業用かを確認してください。用途を確定しないと0.55と1.1のどちらをどのように使うか決められません。
Q14.令和2年12月問34第3肢で最も先に見る言葉は何ですか?
「事業用建物」です。その一語を拾えば、居住用の0.55か月分という個別制限をそのまま使わないと判断できます。
FAQで共通するポイントは、もっともらしい事情を法定条件へ置き換えないことです。本人の希望、少額の費用、広告の成果、事後的な承諾などは自然に見えますが、資料に示された判断条件とは限りません。問題文では「何となく合理的」ではなく、用途・承諾・依頼という具体的条件を確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
境界問題では、承諾と依頼、負担割合と合計上限、居住用と事業用を交差させる誤肢が狙われます。特に「事業用だから自由」「承諾があるから自由」という極端な結論には注意してください。一つの制限が外れても、別の上限まで消えるとは限りません。
また、問題文に条件が多いほど、正誤を決める一語を見失いやすくなります。👉 用途→誰から受領→合計額→一方からの額→承諾・依頼の順番を固定してください。数字より先に対象と条件を見ることが、貸借報酬のひっかけ対策になります。
まとめ
この論点では、1.1か月分と0.55か月分、居住用と事業用の入れ替えが最も狙われます。特に「一方から1.1か月分」という文章では、居住用なら承諾、事業用なら合計上限を確認してください。本試験では、まず建物が居住用かどうかを確認します。
また、承諾を報酬総額の上限解除へ広げたり、広告費が発生しただけで別途請求できるとする文章にも注意が必要です。👉 用途→合計1.1→居住用なら一方0.55→承諾・依頼の対象の順番で確認すると、似た誤肢を切りやすくなります。本文の数字を覚え直すより、どの数字・対象・例外条件を入れ替えられると誤りになるかを確認してください。
