代襲相続は、相続人となるはずだった者に一定の事情がある場合、その子が代わって相続人になる制度です。宅建では制度名の暗記よりも、死亡・相続欠格・廃除・相続放棄のどれなら代襲できるかを正確に区別する判断力が必要になります。この記事では令和7年問5を中心に、問題文の見方、比較表、誤肢の作り方、組合せ問題の処理手順まで整理します。
通常であれば、相続はAから子Bへ、その後BからBの子Cへという順番で承継されます。しかしAが死亡する前にBが死亡したなど一定の場合には、CがBに代わってAの相続人になることがあり、これが代襲相続です。添付資料では、死亡・欠格・廃除は代襲可能で、相続放棄だけが代襲できない例外として整理されています。
問題文を読んだら最初に何を見るか
代襲相続の問題では、最初にA・B・Cの親族関係と、Bに何が起きたのかを確認します。代襲できるかどうかは、Bが相続人になれない理由によって結論が変わるため、Cの立場だけを見ても正解できません。この章では、登場人物、発生事情、法律効果という順番で処理する方法を整理します。
基本形は、被相続人A、その子B、Bの子Cという三世代です。通常ならAからBへ相続しますが、Bに一定の事情がある場合、CがBを飛び越えてAを相続する可能性を検討します。まず家系図を頭の中でA→B→Cと一本の線にしてください。
次に確認するのは、Bに生じた事情です。令和7年問5では、相続開始前の死亡、相続人の欠格、推定相続人の廃除、相続放棄という四つが比較されています。 この四分類を見た瞬間に、代襲の可否を判定できる状態が目標です。
問題文では、次の語句に注目します。この表を見る目的は、長い文章を読む前に、代襲相続の結論を左右する決定語句を探すことです。特に死亡・欠格・廃除・放棄の四語を最優先で確認してください。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 被相続人A | 誰の相続か確認 |
| Aの子B | 本来の相続人か確認 |
| Bの子C | 代襲相続人候補か確認 |
| 相続開始以前に死亡 | 代襲できる |
| 相続人の欠格 | 代襲できる |
| 推定相続人の廃除 | 代襲できる |
| 相続放棄 | 代襲できない |
| 初めから相続人でなかった | 放棄の効果を確認 |
| Bに代わって | 代襲相続の構造 |
| Aを相続する | Cが直接Aの相続人になるか |
| 遺言書を偽造 | 欠格事由を疑う |
| 虐待・重大な侮辱 | 廃除を疑う |
| 家庭裁判所 | 廃除の場面を確認 |
| 組合せ問題 | 各肢を独立判定して最後に組み合わせる |
この表では「Bが相続できない」という結果だけで判断しないことが重要です。死亡・欠格・廃除・放棄はいずれもBがAを相続しない場面ですが、Cが代襲できるかという点では放棄だけ結論が違います。 Bが相続しない理由を見ることが最大のポイントです。
本試験では、次の順番で処理します。組合せ問題でも、最初から選択肢番号を考えず、ア・イ・ウ・エを一つずつ○×判定してください。最後に○の組合せだけを探す方が安定します。
・①被相続人Aを確認する
・②本来の相続人Bを確認する
・③代襲相続人候補Cを確認する
・④Bに何が起きたか確認する
・⑤死亡なら代襲可能と判断する
・⑥相続欠格なら代襲可能と判断する
・⑦廃除なら代襲可能と判断する
・⑧相続放棄なら代襲不可と判断する
・⑨各肢を独立して○×判定する
・⑩最後に正しい組合せを選ぶ
この順序では、「Bが相続できない」という共通結果に引っ張られません。令和7年問5はア・イ・ウが代襲可能、エが代襲不可なので、正しい組合せが3つあることを確認して選択肢4へ進みます。
宅建試験ではここが狙われやすい
代襲相続では、Bが相続できない理由を別の理由へ入れ替えるだけで誤肢を作れます。死亡・欠格・廃除・放棄はいずれもB本人がAから財産を取得しないという点では似ていますが、Cが代襲できるかは同じではありません。特に「相続放棄もBが相続しないのだからCが代襲できる」と考えさせるのが最大のひっかけです。
組合せ問題では、一つの肢で迷うと全体が崩れやすくなります。そのため**死亡○・欠格○・廃除○・放棄×**という四分類を先に作り、それぞれを理由付きで判定することが重要です。最後に選択肢番号を見ることで、選択肢から逆算して知識を曲げる失敗を防げます。
代襲相続とは
代襲相続とは、本来相続人となる者に一定の事情がある場合、その子が代わって被相続人を相続する仕組みです。添付資料では、Aの子Bが本来の相続人であるところ、一定の事情によってBの子CがBに代わってAを相続する形で説明されています。この章では制度の基本形と、本試験でどこまで覚えるべきかを整理します。
通常の相続では、Aが死亡すればAの子Bが相続人となり、その後Bが死亡すればBの子CがBの財産を相続します。代襲相続では、この通常の順序とは異なり、Aの相続開始時にBが一定の理由で相続できないため、Cが直接Aの相続人となります。A→B→Cではなく、A→Cへつながると考えると理解しやすくなります。
ただし、BがAを相続しないすべての場合にCが代襲できるわけではありません。添付資料では、原則的には代襲できるケースを押さえたうえで、相続放棄だけを代襲できないケースとして区別しています。 この例外を正確に切ることが試験対策の中心です。
代襲できる場合とできない場合を整理します。この表を見る目的は、Bが相続人にならない理由とCの法律効果を一対一で対応させることです。単に○×だけでなく、その理由まで確認してください。
| Bに生じた事情 | Cの代襲相続 | 判断 |
|---|---|---|
| 相続開始前に死亡 | できる | 典型例 |
| 相続欠格 | できる | B本人の問題 |
| 推定相続人の廃除 | できる | B本人の問題 |
| 相続放棄 | できない | 初めから相続人でなかった扱い |
この表の中で最も重要なのは相続放棄です。死亡・欠格・廃除の3つを個別暗記する方法でも解けますが、**放棄だけ×**という例外処理を押さえると組合せ問題を速く処理できます。
例題1
Aの子BがAの相続開始前に死亡している場合、Bの子CはBを代襲してAの相続人となることができる。
解答・判断ポイント
正解:○
添付資料では、相続開始以前の死亡は最も一般的な代襲相続のケースとされています。
誤肢分析
この問題は基本形なので、誤りはありません。
宅建試験ではここが狙われやすい
制度の定義だけを問うより、宅建では似た事情を並べて例外だけを見抜かせる問題が作られやすくなります。死亡・欠格・廃除・放棄はすべて「BがAを相続しない」という外形が共通するため、結果だけを見ると全部同じに処理したくなります。しかし代襲の可否では放棄だけが異なります。
本試験では「代襲相続とは何か」を長文で思い出す必要はありません。Bに何が起きたか→放棄か否か→Cが代襲できるかという短い判断式に変換してください。この処理が令和7年問5の組合せ問題を最も速く解く方法です。
相続開始前にBが死亡した場合
BがAの相続開始前に死亡している場合、Bの子CはBを代襲してAの相続人となることができます。添付資料では、このパターンを最も一般的な代襲相続のケースとして整理しています。この章では死亡の時期と代襲相続の判断を整理します。
「Aより先にBが死亡」を確認する
代襲相続の死亡ケースでは、Aが死亡した時点でBがすでに死亡しているという時系列を確認します。本来ならAの子Bが相続人となるはずですが、そのBが相続開始時に存在しないため、Bの子Cが代わってAの相続人になります。問題文では相続開始以前という時点が重要です。
宅建では「AとBのどちらが先に死亡したか」を入れ替えるだけで別の問題になります。添付資料で扱われているのは、Aの相続開始より前にBが死亡した場面です。 時系列を人物関係とセットで確認してください。
例題2
Aが死亡する前に、Aの子Bが死亡していた場合、Bの子CはBを代襲してAの相続人となることができない。
解答・判断ポイント
正解:×
相続開始以前のBの死亡は代襲相続が認められる典型例です。CはBに代わってAを相続できます。
誤肢分析
誤っている語句
「代襲して相続することができない」
正しい修正
「代襲して相続することができる」
死亡ケースを放棄ケースと混同させる誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
死亡ケースでは、制度自体は比較的単純ですが、死亡した人物と死亡時期の入れ替えが狙われます。Aが死亡する前にBが死亡したのか、Bの子Cに何が起きたのかを読み違えると、知識が正しくても誤答します。家系図を書き、誰の代わりに誰が入るのかを明確にしてください。
また、「Bが死亡した=Bの子CはBの遺産だけを相続する」と考えると代襲相続を見落とします。代襲相続ではCがBを経由せず、Aの相続についてBの位置へ入る点が中心です。A→Cという直接の相続関係を確認してください。
相続欠格でも代襲相続できる
Bが相続欠格に該当しても、Bの子CはBを代襲してAの相続人となることができます。添付資料では、欠格はB自身の問題であり、Cにまでその不利益を及ぼさないという考え方で整理されています。この章では欠格と代襲相続の関係を確認します。
相続欠格とは
添付資料では、犯罪や遺言書に関する不正などを理由として自動的に相続権を失わせる制度を相続欠格と説明しています。具体例として、被相続人を殺害した場合や遺言書を偽造した場合が挙げられています。 本問ではその詳細より、欠格でも代襲できるかが中心です。
Bが欠格者になれば、B自身はAの相続人になることができません。しかしそれはB自身に生じた資格喪失であり、添付資料ではCには関係しないと整理されています。したがってCはBを代襲してAの相続人となります。
死亡・欠格・放棄を比較します。この表を見る目的は、「Bが相続しない」という結論が同じでもCの扱いが違うことを確認することです。特に欠格と放棄を同じにしないでください。
| Bの状態 | BはAを相続するか | Cは代襲できるか |
|---|---|---|
| 事前死亡 | しない | できる |
| 相続欠格 | できない | できる |
| 相続放棄 | しない | できない |
この表では、Bが財産を取得しないかどうかでは区別できません。代襲相続の問題ではなぜBが相続しないのかまで確認する必要があります。欠格ならCは代襲可能です。
例題3
Aの子Bが遺言書を偽造して相続欠格者となった場合、Bが相続人になれない以上、Bの子CもAを相続することはできない。
解答・判断ポイント
正解:×
添付資料では、Bの相続欠格はB自身の問題であり、CはBを代襲してAの相続人となることができます。
誤肢分析
誤っている語句
「Bの子CもAを相続することはできない」
正しい修正
「CはBを代襲してAの相続人となることができる」
欠格の効果を子Cまで広げる誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
相続欠格では、Bが悪いことをしたのだからCまで相続できないという感覚を利用した誤肢が作られます。欠格という強い言葉を見ると一族全体が相続から排除されるように感じますが、添付資料はB自身の問題として処理しています。
本試験では、欠格事由の詳細を深く考える前に「欠格なら代襲○」と判断できることが重要です。欠格者Bの資格喪失と、Cの代襲資格を別々に見ることで、放棄との混同を防げます。
推定相続人の廃除でも代襲相続できる
Bが推定相続人の廃除を受けた場合でも、Bの子CはBを代襲してAを相続できます。添付資料では、廃除についても相続欠格の場合と同様に、B自身の問題として扱うと整理されています。この章では廃除の判断ポイントと欠格との共通点を確認します。
廃除は欠格と同じ結論になる
添付資料では、推定相続人の廃除を、被相続人の請求に基づき家庭裁判所が推定相続人の相続権を奪う制度と説明しています。具体例として、被相続人への虐待や重大な侮辱があった場合が示されています。
代襲相続の可否については、欠格ケースと同じ結論です。Bが廃除によって相続権を失ってもCまで相続資格を失うわけではなく、CはBを代襲できます。 **欠格○・廃除○**をセットで処理してください。
欠格と廃除を比較します。この表を見る目的は、制度の発生方法は違っても代襲相続の結論は同じであることを確認することです。本問では細かな制度差より代襲の可否が重要です。
| 制度 | Bが相続できない理由 | Cの代襲 |
|---|---|---|
| 相続欠格 | 一定の重大な行為 | できる |
| 推定相続人の廃除 | 請求等により相続権を失う | できる |
| 相続放棄 | 自ら相続しない選択 | できない |
この表では、欠格と廃除の細かな要件を混ぜないことも必要です。しかし代襲相続の記事では、両者を代襲できるグループとしてまとめると問題処理が速くなります。
例題4
Aの子Bが推定相続人から廃除された場合、BがAの相続人でなくなるため、Bの子Cによる代襲相続も認められない。
解答・判断ポイント
正解:×
添付資料では、廃除の場合にもCはBを代襲してAの相続人となることができます。
誤肢分析
誤っている語句
「代襲相続も認められない」
正しい修正
「CはBを代襲してAの相続人となる」
廃除と相続放棄を混同させる誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
廃除は日常的に聞き慣れない制度なので、受験生は欠格・放棄との区別が曖昧になりやすくなります。出題者は「Bが相続権を失う」という共通点を利用し、放棄と同じく代襲できないように書くことができます。しかし添付資料では欠格と廃除は代襲可能です。
本試験では、制度の原因を全部思い出すよりも、代襲相続の問題として**死亡・欠格・廃除=○、放棄=×**という分類を先に使ってください。その後、必要なら欠格と廃除の制度内容を確認する順番が効率的です。
相続放棄では代襲相続できない
BがAの相続を放棄した場合、Bの子CはBを代襲してAの相続人になることができません。添付資料では、相続放棄をした者はその相続について初めから相続人とならなかったものとみなされるため、A→B→Cというライン自体が消えると整理されています。この章は令和7年問5で最も重要な例外論点です。
放棄だけは代襲できない
死亡・欠格・廃除ではBが本来持っていた相続人としての位置をCが引き継ぐ方向で処理します。しかし相続放棄では、Bはその相続について初めから相続人ではなかったものと扱われるため、CがBの位置へ入る前提となるラインがなくなります。添付資料ではこの点をA→B→Cのラインが消滅すると説明しています。
ここが、代襲相続で最も狙われるポイントです。「Bが相続できないならCが代わる」という覚え方では放棄を誤ります。相続放棄だけは例外的に代襲不可と切り分けてください。
4ケースをまとめて比較します。この表を見る目的は、令和7年問5を一表で処理できるようにすることです。試験直前の確認表として使えます。
| Bに起きた事情 | Cは代襲できるか | 本試験での処理 |
|---|---|---|
| 相続開始前の死亡 | ○ | 典型例 |
| 相続欠格 | ○ | B本人の問題 |
| 推定相続人の廃除 | ○ | B本人の問題 |
| 相続放棄 | × | 初めから相続人でない扱い |
この表では4つを同じ重さで暗記する必要はありません。**放棄だけ×**と押さえ、そのほか3つを○グループとして整理すれば、組合せ問題の処理速度が上がります。
例題5
Aの子BがAの相続を放棄した場合、BがAの相続人になれないため、その子CがBを代襲してAを相続する。
解答・判断ポイント
正解:×
相続放棄の場合は代襲相続できません。添付資料では、Bは初めから相続人ではなかったものとみなされ、A→B→Cのラインが消えると説明されています。
誤肢分析
誤っている語句
「CがBを代襲してAを相続する」
正しい修正
「相続放棄の場合、CはBを代襲できない」
死亡・欠格・廃除と同じ結論にさせる典型的な誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
相続放棄では、Bが相続しないという表面的な結果だけを見せて代襲を認めさせる誤肢が最も狙われます。死亡・欠格・廃除でもB本人は相続しないため、四つをまとめて「BがいないならC」と処理したくなりますが、その判断は放棄で崩れます。放棄だけは法律効果の出発点が違うと整理してください。
組合せ問題ではエが放棄だと分かった瞬間に×を付けることが重要です。放棄=初めから相続人でなかった扱い=代襲のラインなしという三段階をセットで覚えると、理由まで説明できるため記憶が安定します。
死亡・欠格・廃除・放棄を比較する
代襲相続では、四つの事情を横並びで比較することが最も有効です。令和7年問5自体が組合せ問題として四ケースを比較しているため、制度ごとに個別暗記するより差を見る方が実戦的だからです。この章では、問題作成者がどの部分を入れ替えて誤肢を作るかまで整理します。
死亡・欠格・廃除ではCがBを代襲できます。一方、相続放棄ではCは代襲できません。 最初にこの大分類を作り、その後で各制度の理由を確認します。
比較表をもう一段深くします。この表を見る目的は、B本人への効果とCへの効果を分けて見ることです。Bへの結果が同じでもCへの結論が違うことを確認してください。
| 事情 | Bの状態 | Cへの影響 | 代襲 |
|---|---|---|---|
| 事前死亡 | 相続開始時にいない | Bの位置へ入る | ○ |
| 欠格 | Bが相続権を失う | Cには及ばない | ○ |
| 廃除 | Bが相続権を失う | Cには及ばない | ○ |
| 放棄 | 初めから相続人でない扱い | 代襲ライン消滅 | × |
この表では、欠格と廃除を「Bが悪いからCも×」と考えないことが重要です。添付資料では欠格・廃除はB本人の問題として、Cは代襲できます。
例題6
相続欠格と相続放棄はいずれもBがAを相続しない点で共通するため、どちらの場合もBの子Cは代襲相続できない。
解答・判断ポイント
正解:×
欠格ではCは代襲できますが、相続放棄では代襲できません。Bが相続しないという結果だけで同じ処理をするのが誤りです。
誤肢分析
誤っている語句
「どちらの場合も代襲相続できない」
正しい修正
「欠格は代襲できるが、放棄は代襲できない」
二制度の法律効果を一括処理させるひっかけです。
宅建試験ではここが狙われやすい
比較問題では、**「いずれも」「同様に」「すべて」**という語句が危険です。四ケースはBがAを相続しないという点では共通しますが、代襲の可否まで共通するわけではありません。選択肢が複数ケースを同じ結論にまとめている場合は、相続放棄が混ざっていないかを確認してください。
また、欠格と廃除は名称や原因が違うため、別の結論だと思わせる誤肢も考えられます。しかし令和7年問5の範囲では、どちらもCの代襲は可能です。制度名ではなくCへの法律効果を比較することが最も効率的です。
代襲相続と法定相続分の関係
代襲相続が成立した後は、CがBの代わりに相続人となることを前提に法定相続人・法定相続分を判断します。添付資料でも、死亡ケースについて相続の計算問題に関係するため、法定相続人と法定相続分を判断できるようにする必要があるとされています。この章では、代襲の可否を決めた後の判断順序を整理します。
最初に代襲相続が成立するかを判断し、その後に相続人の人数を確定します。相続分から先に計算すると、Bを入れるのかCを入れるのかを誤るため危険です。代襲判定→相続人確定→相続分計算の順番を固定してください。
相続放棄の場合はCがBを代襲しないため、Cを当然にAの相続人へ入れることはできません。一方、死亡・欠格・廃除で代襲が成立すれば、CがBの位置へ入ることを前提として相続関係を整理します。この差が人数計算へ直結します。
例題7
代襲相続の問題では、最初に法定相続分を計算し、その後でBが死亡・欠格・廃除・放棄のどれに該当するかを確認すればよい。
解答・判断ポイント
正解:×
先に代襲相続の可否を判断し、相続人を確定してから相続分を考えます。相続人が確定していない状態では正しい分数を出せません。
誤肢分析
誤っている語句
「最初に法定相続分を計算」
正しい修正
「代襲の可否を確認して相続人を確定した後に相続分を計算」
判断順序を逆転させた誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
代襲相続と相続分を組み合わせた問題では、誰を相続人数へ含めるかが最初のひっかけになります。Bが相続開始前に死亡しているのにBを相続人として数えたり、放棄なのにCを代襲相続人として数えたりすれば、割合計算もすべて誤ります。数字より先に資格判定を行う必要があります。
本試験では家系図へ○×を付ける方法が有効です。Bの横に「死亡○」「欠格○」「廃除○」「放棄×」と代襲可否を書き、Cを相続人として入れるか決めてから計算してください。人数確定が計算より先という原則は相続問題全般で使えます。
過去問分析
この過去問では、代襲相続ができる原因とできない原因を正確に組み合わせられるかが中心です。アは相続開始前死亡、イは相続欠格、ウは推定相続人の廃除、エは相続放棄を扱い、ア・イ・ウが代襲可能、エだけ代襲不可という構成です。この章では各肢の決定語句と、組合せ問題での処理手順を分析します。
最初に確認する語句は、相続開始以前に死亡、相続欠格、推定相続人の廃除、相続放棄です。四つの制度の説明を長く考える前に、代襲可否だけを○○○×と分類します。最後にその組合せに一致する選択肢を探します。
令和7年(2025年)問5
Aの子がBであり、Bの子がCであり、CがAの直系卑属である場合において、民法の規定によれば、次のアからエまでの記述のうち、Aが死亡した際にCがBを代襲してAの相続人となるときを全て掲げたものはどれか。
- ア Aが死亡する以前にBが死亡したとき
- イ Bが相続に関するAの遺言書を偽造して相続権を失ったとき
- ウ BがAによって相続人から廃除されて相続権を失ったとき
- エ Bが相続放棄をしたとき
1.ア、エ
2. イ、ウ
3.ア、ウ、エ
4.ア、イ、ウ
正解:4
解説
添付資料では、代襲相続できるのはア・イ・ウであり、相続放棄であるエだけ代襲できないと整理されています。死亡・欠格・廃除ではCがBの代わりにAを相続できますが、放棄ではBがその相続について初めから相続人でなかったものと扱われるため、Cが代襲することはできません。
各肢の正誤理由
ア 代襲相続できる
Aの死亡前にBが死亡している場合は、代襲相続の典型例です。CはBに代わってAの相続人となることができます。
イ 代襲相続できる
Bが相続欠格に該当しても、それはB自身の問題でありCにまで欠格の効果を及ぼすものとして整理されていません。したがってCはBを代襲してAの相続人となります。
ウ 代襲相続できる
Bが推定相続人から廃除された場合も、添付資料では欠格の場合と同じ考え方です。CはBを代襲してAを相続できます。
エ 代襲相続できない
相続放棄をしたBは、その相続について初めから相続人にならなかったものとみなされます。そのためA→B→Cという代襲のラインがなくなり、Cは代襲相続できません。
問題作成者のひっかけポイント
この問題の最大のひっかけは、四つすべてが「BがAを相続しない」という結果になる点です。死亡・欠格・廃除・放棄を結果だけで一括処理すれば、すべて代襲できる、あるいはすべて代襲できないという誤答へ誘導されます。正誤を分けるのはBが相続しない理由です。
欠格と廃除では、「Bが相続権を失うほど重大な事情なのだからCにも不利益が及ぶ」と感じさせることができます。しかし添付資料ではB自身の問題として、Cの代襲を認めています。 感覚ではなく法律効果を確認する必要があります。
相続放棄では逆方向のひっかけが使われます。「BがいないならCが代わる」という代襲相続の基本イメージをそのまま適用すると、エまで○にしてしまいます。しかし放棄は初めから相続人でない扱いになるため、この場合だけCへつながりません。
受験生が迷う理由
死亡・欠格・廃除・放棄は、相続人Bが最終的に財産を取得しないという点で非常によく似ています。そのため、制度ごとの原因を覚えていても「代襲相続」という別の切り口で聞かれると、どの制度が○だったか混乱しやすくなります。Bへの効果とCへの効果を分けることが必要です。
さらに令和7年問5は組合せ問題なので、アからエの一つを間違えるだけで正解番号まで変わります。最初から選択肢4を見て「ア・イ・ウだった気がする」と判断する方法は危険です。各肢を独立して判定してから組合せを選ぶ必要があります。
正しい判断手順
本問では、最初にA→B→Cという家系を作ります。その後、ア・イ・ウ・エについてBに何が起きたのかを一つずつ分類し、死亡○・欠格○・廃除○・放棄×と判定します。最後に○となったア・イ・ウの組合せを含む選択肢4を選びます。
・①Aが被相続人と確認する
・②Bが本来の相続人と確認する
・③CがBの子であることを確認する
・④アは相続開始前死亡なので○
・⑤イは相続欠格なので○
・⑥ウは推定相続人の廃除なので○
・⑦エは相続放棄なので×
・⑧○はア・イ・ウと整理する
・⑨選択肢の組合せを確認する
・⑩正解4を選ぶ
この手順なら、四つの制度を長文で思い出す必要はありません。特にエを見た瞬間に「放棄×」と判定できれば、組合せ問題は大きく絞れます。理由まで問われる場合は「初めから相続人でなかった扱い」と補足してください。
類似問題で使える知識
死亡を欠格へ、欠格を廃除へ変えてもCの代襲可否は変わりません。これら3つは同じ○グループとして処理できます。一方、相続放棄へ変更された場合だけ結論が×になります。
問題文で「B自身が相続を放棄した」「Bは相続人の欠格事由に該当した」という一語だけが変わっていても、Cの立場は変化します。事情の名称を見つける→代襲○×へ変換するという方法を類似問題でも使ってください。
宅建試験ではここが狙われやすい
令和7年問5では、制度の細かな定義よりも四つの原因を正しく分類できるかが試されています。問題作成者は、欠格・廃除・放棄をすべて「相続権を失う制度」のように見せ、その違いを曖昧にすることで誤肢を作れます。だからこそ、B本人への効果ではなくCが代襲できるかを直接表にして覚えることが有効です。
組合せ問題では、正解番号を覚えるのではなく**ア○・イ○・ウ○・エ×**という中身を固定してください。将来、肢の順番や記号が入れ替わっても、死亡・欠格・廃除○、放棄×という判断基準があれば同じ方法で処理できます。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
ここでは、死亡・欠格・廃除・放棄を中心に、本試験で出される入れ替え型の肢を確認します。単純に「代襲相続とは何か」を答えるのではなく、Bの事情を変えたときCの結論がどう変わるかを問います。各問題で最初にBへ何が起きたかを探してください。
問題1
Aの子BがAの相続開始前に死亡していた場合、Bの子CはBを代襲してAの相続人となることができる。
正解:○
相続開始前死亡は代襲相続の典型例です。
問題2
Aの子Bが相続欠格者となった場合、BがAを相続できない以上、Bの子CもAを相続することはできない。
正解:×
Bの欠格はB自身の問題であり、Cは代襲できます。
誤っている語句
「CもAを相続することはできない」
正しい修正
「CはBを代襲してAを相続できる」
問題3
BがAの遺言書を偽造したことにより相続欠格となった場合でも、Bの子Cによる代襲相続は認められる。
正解:○
添付資料では遺言書偽造を欠格の例として挙げ、Cの代襲を認めています。
問題4
Bが推定相続人から廃除された場合、Bの子Cも当然にAの相続人となる資格を失う。
正解:×
廃除の場合もCは代襲できます。
誤っている語句
「Cも当然に資格を失う」
正しい修正
「CはBを代襲できる」
問題5
BがAを虐待したことなどを理由に推定相続人から廃除された場合でも、CはBを代襲してAの相続人となり得る。
正解:○
添付資料では廃除も代襲可能と整理されています。
問題6
BがAの相続を放棄した場合、BがAの財産を取得しないため、代わりにCがBを代襲してAを相続する。
正解:×
相続放棄では代襲できません。
誤っている語句
「代わりにCが代襲する」
正しい修正
「相続放棄ではCは代襲できない」
問題7
相続放棄したBは、その相続について初めから相続人とならなかったものとみなされるため、Cによる代襲相続も生じない。
正解:○
令和7年問5のエに対応する判断です。
問題8
相続開始前死亡、相続欠格、推定相続人の廃除、相続放棄は、いずれもBがAを相続しないため、Cの代襲相続の可否もすべて同じである。
正解:×
放棄だけ代襲できません。
誤っている語句
「すべて同じ」
正しい修正
「死亡・欠格・廃除は○、放棄は×」
問題9
代襲相続の問題では、BがAを相続できないかだけを確認すれば、Cが代襲できるかも判断できる。
正解:×
Bが相続しない理由まで確認する必要があります。
誤っている語句
「相続できないかだけを確認」
正しい修正
「死亡・欠格・廃除・放棄のどれかを確認する」
問題10
Bの相続欠格と相続放棄は、B本人がAを相続しない点では共通するが、Cの代襲相続については結論が異なる。
正解:○
欠格では代襲でき、放棄では代襲できません。
問題11
Bの相続欠格と推定相続人の廃除は制度内容こそ異なるが、CがBを代襲できるという点では同じである。
正解:○
令和7年問5のイ・ウはどちらも代襲可能です。
問題12
令和7年問5では、ア・イ・ウ・エのうち代襲相続できるのは、死亡・欠格・廃除に対応するア・イ・ウである。
正解:○
添付資料のまとめと同じ結論で、正解は肢4です。
宅建試験ではここが狙われやすい
一問一答では、B本人への法律効果をCへそのまま広げる誤肢に注意してください。欠格や廃除によってBが相続できないからといってCまで相続できなくなるわけではなく、むしろ代襲相続が認められます。逆に放棄では、Bが相続しないからCが代わるという考え方が誤りになります。
最も短い判断方法は、問題文でBの事情を一語で拾うことです。**死亡○・欠格○・廃除○・放棄×**と変換できれば、長い理由説明を読まなくても○×をほぼ確定できます。必要な場合だけ、放棄について「初めから相続人でない扱い」という理由を確認してください。
FAQ
代襲相続では、欠格者の子も悪影響を受けるのか、相続放棄なら子が代わるのではないかなど、日常感覚と法律上の結論がずれる場面で迷いやすくなります。これらはB本人への効果と、Bの子Cへの効果を分ければ整理できます。この章では本文の単純な言い換えではなく、判断に迷いやすい境界事例を扱います。
Q1.BがAより先に死亡した場合、Cは必ず何も相続できなくなるのですか?
添付資料の基本形では逆で、相続開始前にBが死亡した場合はCがBを代襲してAを相続できます。
Q2.Bが相続欠格者になるほど重大な行為をしたなら、Cまで相続させない方が自然ではありませんか?
添付資料では、欠格はB自身の問題と整理されています。そのためCはBを代襲してAの相続人となることができます。
Q3.Bが廃除された場合も、欠格の場合と同じようにCは代襲できますか?
はい。添付資料では、廃除についても欠格の場合と同じ考え方でCの代襲を認めています。
Q4.Bが相続放棄したら、Bの取り分をCが受け取るのではありませんか?
添付資料ではそのようには扱いません。Bはその相続について初めから相続人でなかったものとみなされるため、Cによる代襲相続は生じません。
Q5.欠格と放棄は、どちらもBが相続しないのに、なぜCの結論が違うのですか?
令和7年問5の整理では、欠格はB自身の相続資格の問題なのでCは代襲可能です。一方、放棄はBがその相続について初めから相続人でなかったものと扱われるため、代襲の前提となるラインが消えます。
Q6.「Bが相続権を失った」と書かれていたら、すぐ代襲○と判断できますか?
制度名まで確認してください。欠格・廃除なら○ですが、相続放棄なら×なので、「相続できない」という結果だけでは判断できません。
Q7.組合せ問題では、選択肢から逆算して考えてもよいですか?
先にア・イ・ウ・エを独立判定する方が安全です。本問なら死亡○、欠格○、廃除○、放棄×とした後、ア・イ・ウの組合せを含む肢4を選びます。
Q8.代襲相続と法定相続分が同じ問題で出た場合は何から処理しますか?
先に代襲できるかを確定し、誰が相続人になるのかを決めます。その後で相続人数と法定相続分を計算してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
FAQ型では、制度の結論を日常感覚で補わないことが重要です。「親Bが悪いことをしたなら子Cも相続できない」「Bが放棄したならCが代わって受け取る」という感覚は、令和7年問5の整理とは一致しません。欠格・廃除と放棄を必ず別の箱へ入れる必要があります。
さらに、「相続権を失った」「相続しない」という抽象的な表現だけで判断しないでください。問題文から具体的に死亡・欠格・廃除・放棄のどれなのかを特定し、その名称を代襲○×へ変換する方法が最も安定します。
まとめ
代襲相続では、最初にA→B→Cという家族関係と、Bに何が起きたのかを確認します。令和7年問5では、相続開始前死亡・相続欠格・推定相続人の廃除ならCはBを代襲できますが、相続放棄では代襲できません。したがってア・イ・ウが代襲可能で、正解は肢4です。
相続放棄が例外になる理由は、Bがその相続について初めから相続人でなかったものとみなされ、A→B→Cの代襲ラインが消えると整理されているためです。 一方、欠格・廃除はB自身の問題であり、Cの代襲まで否定するものとして扱われていません。
宅建試験ではここが狙われやすい
このテーマの最大のひっかけは、死亡・欠格・廃除・放棄をすべて「Bが相続しない場合」として一括処理させることです。四つはB本人への結果が似ているため、表面的には同じ制度に見えますが、Cの代襲可否では放棄だけが異なります。組合せ問題ほど、この一つの例外を正確に押さえる必要があります。
最終的な判断順序は、被相続人A→本来の相続人B→Bの子C→Bに起きた事情→死亡・欠格・廃除なら○→放棄なら×→相続人確定→必要なら法定相続分です。令和7年問5では、**死亡○・欠格○・廃除○・放棄×**という判断を固定すれば正解4へ到達できます。代襲相続は制度名を暗記するより、問題文のBに何が起きたかを見ることが過去問攻略の中心です。
