【宅建】宅建業法 営業保証金の保管替えとは? |頻出ポイント・ひっかけ問題・過去問攻略・一問一答

営業保証金の保管替えでは、最初に営業保証金をどの方法で供託しているかを確認します。保管替えを利用できるのは、資料上金銭のみで営業保証金を供託している場合に限られ、現金と有価証券を組み合わせた供託では別の手続になるためです。この記事では平成7年問36を中心に、保管替え、営業保証金の変換、二重供託、還付後の不足額、取戻しを比較して整理します。

本試験では、「主たる事務所を移転して最寄りの供託所が変わった」という事実だけで保管替えと判断すると誤答することがあります。供託しているものが金銭のみか、有価証券を含むかによって、保管替えを使えるかどうかが分かれるからです。平成7年問36第2肢でも、現金と有価証券を合わせて供託しているため、保管替えではなく二重供託後に取戻しを行うと整理されています。

目次

問題文を読んだら最初に何を見るか

営業保証金の保管替えでは、最初に営業保証金の供託方法を確認します。保管替えが使えるかどうかは、主たる事務所の移転だけでなく、供託物が金銭のみかどうかで決まるからです。この章では、供託方法、供託所変更、手続の種類という順番で問題文を見る方法を整理します。

次に確認するのは、問題文が「保管替え」「変換」「還付」「取戻し」のどの場面を扱っているかです。これらはいずれも営業保証金に関する手続ですが、発生原因と判断基準が異なります。名称だけで覚えるのではなく、何が起きた結果その手続が必要になったのかを確認します。

問題文で注目する語句

問題文では、金銭のみ、有価証券、主たる事務所の移転、供託所、保管替え、変換、還付、取戻し、2週間、公告不要などを優先して確認します。これらの語句が、どの制度を使うかを直接決めるからです。次の表では、問題文で線を引く語句と判断先を整理します。

問題文の語句判断ポイント
金銭のみ保管替えが使えるか
有価証券を含む保管替えではなく別手続か
主たる事務所の移転最寄りの供託所が変わったか
保管替え金銭のみの条件を確認
変換供託方法の変更か
国債・地方債評価額の違いを確認
還付営業保証金が不足したか
2週間以内還付後の不足額供託
取戻し公告が必要か不要か
保証協会加入公告不要の取戻しか

この表で最初に見るべきなのは、「金銭のみ」という条件です。平成7年問36では、現金と有価証券を合わせて供託しているため保管替えを利用できず、いったん二重供託したうえで取戻しをする必要があるとされています。 「供託所が変わった=保管替え」という単純な公式では処理できません。

判断手順

営業保証金の手続では、何が起きたか→供託物は何か→どの手続か→期限・公告の有無という順番で判断します。この順番なら、保管替えと変換、取戻しなどの名称を取り違えにくくなるためです。本試験では次の順番で処理します。

・① 営業保証金について何が起きたか確認する
・② 主たる事務所の移転か、供託物の変更か、還付かを分ける
・③ 現在の供託物が金銭のみか確認する
・④ 金銭のみなら保管替えを検討する
・⑤ 有価証券を含むなら二重供託・取戻しを検討する
・⑥ 還付なら不足額の供託期限を確認する
・⑦ 取戻しなら公告の要否を確認する
・⑧ 免許権者への届出が必要な場面を確認する

この順番では、制度名を先に決めないことがポイントです。資料では供託方法を変更することを「営業保証金の変換」と呼び、遅滞なく免許権者へ届け出る必要があるとされています。 同じ営業保証金でも、供託所を移す保管替えとは別制度です。

宅建試験ではここが狙われやすい

この論点では、「供託所が変わった」という事実だけを強調して、保管替えを選ばせる誤肢が狙われます。保管替えには金銭のみという追加条件があるため、現金と有価証券を合わせて供託している場合まで保管替えとすると誤りです。平成7年問36第2肢は、まさにこの条件の見落としを狙った問題です。

もう一つの典型的なひっかけは、保管替えと変換の混同です。保管替えは供託所を変更する場面、変換は供託する金銭や有価証券の組合せを変更する場面として整理すると区別しやすくなります。名称を単独で暗記せず、何を変更する手続なのかまでセットで確認してください。

営業保証金の保管替えの基本判断

営業保証金の保管替えは、主たる事務所の移転によって最寄りの供託所が変わる場合に問題となる手続です。ただし、資料では保管替えを利用できるのは金銭のみをもって営業保証金を供託している場合に限定されています。この章では、保管替えが使える場合と使えない場合を比較して判断します。

本試験では、主たる事務所を移転したという事実と、供託内容を一緒に確認する必要があります。事務所移転だけを見れば保管替えの場面に見えても、有価証券が含まれていればそのまま保管替えをすることはできません。したがって、「移転→供託所変更→供託物確認」という三段階で処理します。

保管替えが使える場合と使えない場合

保管替えの判断では、供託しているものが金銭のみかどうかが決定的です。金銭のみなら保管替えを利用できますが、有価証券を含む場合には資料上いったん二重供託をしてから取戻しを行います。次の表で、本試験用に比較します。

供託内容保管替え本試験の判断
金銭のみ保管替えを検討
金銭+有価証券×二重供託後に取戻し
有価証券を含む供託×保管替えでは処理しない

この表では、「有価証券を含む」という一語を見つけた時点で保管替えを外せることがポイントです。平成7年問36第2肢では現金と有価証券を組み合わせて供託しているため、保管替えは利用できないと説明されています。 問題文に国債や地方債が出てきたら、供託物の構成を必ず確認してください。

例題1

宅建業者Aが営業保証金を金銭のみで供託しており、主たる事務所の移転により最寄りの供託所が変わった場合、営業保証金の保管替えを検討する。

解答・判断ポイント

正解:○

資料では、保管替えが利用できるのは金銭のみをもって営業保証金を供託している場合とされています。 したがって金銭のみという条件を満たしたうえで供託所が変更するなら、保管替えの場面として判断します。

誤肢分析

この問題では「主たる事務所の移転」だけを覚えるのでは足りません。保管替えの可否は供託物の種類まで確認して初めて決まります。事務所移転+金銭のみを一つのセットで覚えると判断しやすくなります。

例題2

宅建業者Aが金銭と地方債証券を組み合わせて営業保証金を供託している場合でも、主たる事務所の移転により供託所が変われば保管替えを利用できる。

解答・判断ポイント

正解:×

金銭と有価証券を合わせて供託している場合には保管替えを利用できません。資料では、いったん二重供託したうえで取戻しの手続をするとされています。

誤っている語句

「保管替えを利用できる」

正しい修正

「いったん二重供託したうえで取戻しを行う」

この誤肢は、供託所変更という事実だけで保管替えを選ばせています。問題文に有価証券が含まれていれば、保管替えの条件から外れると判断できます。細かな手続を覚える前に、保管替えの適用条件を固定してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

保管替えでは、「金銭のみ」という条件を削除するだけで誤肢が作れます。「有価証券が含まれていても保管替えできる」「供託所が変われば必ず保管替え」という表現は、主たる事務所移転の知識だけを持つ受験生には正しく見えやすい文章です。問題文では供託物を最優先で確認してください。

さらに、保管替えと取戻しを一つの連続した単純手続として扱う誤肢にも注意します。有価証券を含む場合には、単純な保管替えではなく、資料上二重供託後の取戻しという別の処理になります。 保管替えできない場合の代替手続まで確認しておくことが本試験対策になります。

保管替えと営業保証金の変換の違い

保管替えと営業保証金の変換は、何を変更するのかで区別します。保管替えは供託所の変更、変換は営業保証金として供託する金銭や有価証券の内容を変更する手続だからです。この章では、平成7年問36第1肢を使い、国債・地方債の評価と変換の判断を整理します。

資料では、額面1,000万円の国債証券は額面どおり1,000万円として評価されます。これに対し地方債証券は額面の90%で評価されるため、額面1,000万円なら営業保証金としては900万円分と扱われます。 有価証券の種類によって評価額が違うことも、変換問題の重要な判断材料です。

保管替えと変換を比較する

この二つは、名称より変更対象を見ると区別しやすくなります。供託所そのものを変えるのが保管替えで、同じ営業保証金について供託方法を金銭・有価証券の間で変更するのが変換です。次の表で本試験の判断基準を整理します。

比較保管替え変換
何が変わるか供託所供託物・供託方法
主な原因主たる事務所移転金銭・有価証券の入替え
金銭のみ条件あり別論点
届出手続に応じて確認遅滞なく免許権者へ届出
典型ひっかけ有価証券でも可能とする保管替えと呼ぶ

この表では、問題文に「国債を取り戻して地方債と金銭を供託する」などの記述があれば、供託所ではなく供託内容の変更だと判断します。資料では、この供託方法の変更を「営業保証金の変換」と呼び、遅滞なく免許権者へ届け出る必要があるとされています。 手続名と届出先をセットで確認してください。

国債と地方債の評価を間違えない

営業保証金を有価証券で供託する問題では、額面金額をそのまま営業保証金の金額と考えてはいけません。平成7年問36の資料では国債は額面どおり、地方債は額面の90%として評価されるためです。 数字だけではなく、「どの有価証券についての割合か」を確認します。

例題3

額面1,000万円の国債証券を額面1,000万円の地方債証券へ交換すれば、営業保証金の評価額は同額の1,000万円のままである。

解答・判断ポイント

正解:×

資料では国債は額面どおりですが、地方債は額面の90%で評価されます。したがって額面1,000万円の地方債証券は営業保証金として900万円分となります。

誤っている語句

「評価額は同額の1,000万円」

正しい修正

「地方債証券は額面の90%で評価される」

この問題では「1,000万円」という額面数字が共通しているため、同じ価値と考えやすくなります。正誤を決めるのは額面ではなく有価証券ごとの評価割合です。国債と地方債を必ず別に処理してください。

例題4

営業保証金の供託方法を国債証券から地方債証券と金銭の組合せへ変更することは、営業保証金の保管替えである。

解答・判断ポイント

正解:×

供託方法そのものを変更する手続は、資料では営業保証金の変換と呼ばれています。 保管替えは供託所が変更する場面と区別します。

誤っている語句

「保管替え」

正しい修正

「営業保証金の変換」

この誤肢は、営業保証金に関する似た名称を交換しています。問題文で「供託所が変わる」のか「供託内容が変わる」のかを一語で書き出すと判断できます。名称暗記より変更対象を先に見てください。

宅建試験ではここが狙われやすい

変換では、国債と地方債の評価割合を入れ替える数字問題が狙われます。額面が同じなら営業保証金としての評価額も同じと考えやすいですが、資料では国債と地方債で扱いが異なります。 「何%か」だけではなく「何についての何%か」をセットで確認してください。

また、変換と保管替えはどちらも営業保証金の供託状態を変更するため、名称の取り違えが起きやすい論点です。供託物を変えるなら変換、供託所を変えるなら保管替えという軸を置けば、長い選択肢でも処理できます。出題者が制度名を正しい内容に混ぜ込んでいても、変更対象を確認すれば切ることができます。

還付後の不足額供託と保管替えを混同しない

営業保証金が還付されて所定額に不足した場合は、不足額を追加供託する手続が問題になります。これは主たる事務所の移転による保管替えとは発生原因が異なるため、同じ営業保証金の問題でも別制度として処理する必要があります。この章では平成7年問36第3肢を中心に、2週間という数字の意味を整理します。

資料では、還付により営業保証金が政令で定める額に不足した場合、宅建業者は免許権者から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内に不足額を供託しなければならないとされています。 2週間は営業保証金一般の数字ではなく、還付後の不足額供託についての期限です。

数字は発生原因とセットで見る

宅建業法では同じ営業保証金について複数の期限や手続が登場するため、数字だけを独立して覚えると混同します。平成7年問36第3肢での2週間は、還付そのものの期限でも保管替えの期限でもありません。免許権者から不足額を供託すべき旨の通知書を受けた後の追加供託期限として判断します。

例題5

営業保証金の還付によって所定額に不足が生じた場合、宅建業者は免許権者から不足額供託の通知書を受けた日から2週間以内に不足額を供託しなければならない。

解答・判断ポイント

正解:○

資料では、通知書の送付を受けた日から2週間以内に不足額を供託する必要があるとされています。 「還付後の不足額供託についての2週間」と対象をセットで覚えます。

誤肢分析

数字問題では「2週間」を覚えていても、それを保管替えや保証協会への手続に当てはめると誤答します。数字を見たら、まず何が起きた結果の期限なのかを確認してください。還付→不足→通知→2週間という流れで覚えると安定します。

宅建試験ではここが狙われやすい

不足額供託では、2週間という数字の置き換えだけでなく、起算点の入れ替えにも注意します。資料では還付された日ではなく、免許権者から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日を基準にしています。 「いつから2週間か」を必ず一緒に確認してください。

さらに、保管替えと不足額供託はどちらも供託所に営業保証金を置く手続なので、一つの論点として混同しやすくなります。しかし保管替えは主たる事務所移転、不足額供託は還付による不足という発生原因が異なります。問題文で最初に何が起きたかを確認する方法がここでも有効です。

営業保証金の取戻しと公告不要のケース

営業保証金の取戻しでは、公告が必要か不要かを確認することが重要です。取戻しができる場合でも、還付請求権者を保護する必要性があるかどうかによって公告の扱いが変わるからです。この章では平成7年問36第4肢を中心に、保証協会加入時など公告不要のケースを整理します。

資料では、宅建業者が保証協会の社員になって営業保証金の供託が不要になった場合、営業保証金を取り戻すことができます。しかもこの場合は公告手続が不要であり、保証協会加入によって還付請求権者に不利益を及ぼさないためと説明されています。 「取戻し=必ず公告」という覚え方は誤りです。

公告不要のケースを整理する

資料では、公告不要で営業保証金を取り戻せるケースとして3つが示されています。これらは本試験で「公告しなければならない」と原則化して出題しやすいため、例外としてまとめておくと判断しやすくなります。次の表で確認します。

公告不要のケース判断ポイント
主たる事務所移転で最寄り供託所が変更供託所変更に伴う取戻し
取戻し事由発生から10年経過長期間経過
保証協会の社員となった営業保証金供託が不要になる

この表では、保証協会加入と保管替えの関係を混同しないことが重要です。保証協会加入は営業保証金制度から保証協会制度へ移る場面であり、取戻しの公告が不要になります。資料ではこのほか、主たる事務所移転による供託所変更や10年経過も公告不要として示されています。

例題6

宅建業者が保証協会の社員となり営業保証金を取り戻す場合でも、還付請求権者保護のため必ず公告しなければならない。

解答・判断ポイント

正解:×

保証協会の社員になった場合、資料では公告手続なしで営業保証金を取り戻せるとされています。 保証協会による弁済制度があるため、公告がなくても還付請求権者に不利益を及ぼさないという整理です。

誤っている語句

「必ず公告しなければならない」

正しい修正

「保証協会の社員となった場合は公告不要で取戻しできる」

この誤肢は、公告が必要となる取戻しの原則を例外場面まで広げています。宅建業法では「必ず」「すべて」という断定語に注意し、公告不要の例外へ当たらないかを確認してください。保証協会加入は代表的な例外です。

宅建試験ではここが狙われやすい

取戻しでは、公告の要否を逆転させる誤肢が狙われます。「保証協会に加入した場合でも公告が必要」「10年経過しても公告が必要」という文章は、取戻しの一般論だけを覚えた受験生には正しく見えやすい形です。資料で示された公告不要のケースを例外として固定してください。

また、主たる事務所移転が出た場合には、保管替えだけでなく取戻しの公告の要否まで関係することがあります。同じ「事務所移転」という事実でも、供託物の種類やどの段階の手続を問うかで結論が変わるためです。一つの語句から一つの制度だけを思い出すのではなく、問題文で何を聞かれているかを確認してください。

過去問分析

この過去問では、営業保証金について変換、保管替え、還付後の不足額供託、取戻しを一問で比較させています。同じ営業保証金制度でも各肢の手続が異なるため、制度名だけでなく発生原因と条件を分けて判断する必要があります。この章では平成7年問36の各肢について、正誤を分ける語句とひっかけの作り方を分析します。

最初に確認する語句

問題文では、国債、地方債、金銭のみ、有価証券、保管替え、変換、還付、2週間、保証協会、公告を最初に確認します。これらを拾えば、各肢がどの手続を問うているかを分類できるためです。その後に数字、期限、公告の要否を確認します。

平成7年(1995年)問36

問36

宅地建物取引業者Aは、甲県に本店aと支店bを設けて、額面金額1,000万円の国債証券と500万円の金銭を供託して営業している。この場合、宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本店aと支店bとは、もよりの供託所を異にするものとする。

  1. Aは、額面金額1,000万円の国債証券を取り戻すため、額面金額が同額である地方債証券及び100万円の金銭を新たに供託したときは、遅滞なく、甲県知事に営業保証金の変換の届出をしなければならない。
  2. Aは、bを本店とし、aを支店としたときは、aのもよりの供託所に費用を予納して、bのもよりの供託所への営業保証金の保管替えを請求することができる。
  3. Aは、営業保証金が還付されたため甲県知事から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けたときは、その日から14日以内に不足額を供託しなければならない。
  4. Aは、宅地建物取引業保証協会の社員となったときは、還付請求権者に対する公告をせず、直ちに営業保証金を取り戻すことができる。

正解:2

解説

第1肢は営業保証金の変換についての問題です。資料では国債証券は額面どおり、地方債証券は額面の90%で評価されるため、国債1,000万円分を取り戻して地方債1,000万円分へ変えるだけでは100万円不足します。 その不足分を金銭で補い、遅滞なく免許権者へ届け出る必要があります。

第2肢は保管替えについての問題であり、ここが誤りです。資料では保管替えができるのは金銭のみをもって営業保証金を供託している場合に限られ、本問のように金銭と有価証券を合わせている場合は二重供託後に取戻しを行うとされています。 「有価証券を含んでも保管替えできる」という部分が正誤を分けます。

各肢の正誤理由

各肢では、最初に何が起きた場面かを特定します。第1肢は供託物変更、第2肢は供託所変更、第3肢は還付、第4肢は保証協会加入後の取戻しというように、同じ営業保証金でも入口が違います。入口を正しく分類すれば、必要な数字や手続を絞れます。

肢1 正しい

額面1,000万円の国債証券は営業保証金として1,000万円で評価されますが、地方債証券は額面の90%で評価されます。そのため地方債証券1,000万円分は900万円相当となり、国債1,000万円分を取り戻すには100万円分の金銭を追加する必要があります。 この供託方法変更は営業保証金の変換です。

この肢では、額面金額と営業保証金としての評価額の違いがポイントです。国債と地方債を同じ割合で評価すると、必要な追加金額を誤ります。さらに変換後は遅滞なく免許権者へ届け出る点まで確認します。

肢2 誤り

保管替えが利用できるのは、営業保証金を金銭のみで供託している場合です。本問のように現金と有価証券を組み合わせて供託している場合は保管替えを利用できません。 いったん二重供託した後に、従前の供託について取戻しを行います。

この肢の決定語句は「現金と有価証券」です。主たる事務所移転によって供託所が変わるという部分だけなら保管替えを思い出しやすいですが、供託物に有価証券が含まれています。金銭のみかどうかを最後まで確認する必要があります。

肢3 正しい

営業保証金が還付されて所定額に不足した場合、宅建業者は不足額を追加供託する必要があります。資料では免許権者から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内とされています。 2週間という数字だけでなく、起算点まで確認します。

この肢では、「還付された日から2週間」と変えられていないかにも注意が必要です。正しい基準は資料上、免許権者から通知書の送付を受けた日です。数字と起算点を一体で記憶してください。

肢4 正しい

宅建業者が保証協会の社員になると、営業保証金の供託が不要になります。そのため供託していた営業保証金を取り戻すことができ、資料ではこの場合の公告手続は不要とされています。 保証協会加入後は還付請求権者保護の仕組みが別に確保されるためです。

資料では保証協会加入のほか、主たる事務所移転で最寄り供託所が変わった場合や、取戻し事由発生から10年が経過した場合も公告不要として整理されています。 「取戻しには常に公告が必要」という覚え方では処理できません。

問題作成者のひっかけポイント

第1のひっかけは、営業保証金という共通テーマの中に異なる手続を混在させることです。変換、保管替え、還付後の不足額供託、取戻しはすべて営業保証金に関係しますが、判断条件は別々です。制度名をまとめて覚えるのではなく、発生原因ごとに分ける必要があります。

第2のひっかけは、保管替えの条件から「金銭のみ」を外すことです。事務所移転による供託所変更という大枠は正しいため、有価証券が含まれていることを見落とすと正しい文章に見えます。平成7年問36では、この一条件が正解肢を決めています。

第3のひっかけは、数字や公告の扱いを原則化する方法です。2週間という数字を別の手続へ移したり、取戻しには必ず公告が必要としたりすれば誤肢を作れます。正しい知識を一部分だけ移動させる問題に対応するため、数字・期限・例外を対象とセットで確認してください。

受験生が迷う理由

受験生が迷う最大の理由は、「供託内容を変える」「供託所を変える」「不足分を追加する」「供託を取り戻す」という動作がすべて似て見えることです。文章だけで覚えると、保管替えと変換の区別が特に曖昧になります。そこで、何が変わるのかを一語で分類する方法が有効です。

また、国債・地方債の額面が同じでも営業保証金としての評価が違うため、数字問題でも迷いやすくなります。平成7年問36第1肢では、地方債1,000万円分を1,000万円と考えると100万円の追加供託が不要に見えてしまいます。 有価証券の名称と評価割合を切り離さないことが重要です。

さらに、取戻しでは公告が必要なケースと不要なケースがあるため、「取戻し=公告」という単純暗記が使えません。保証協会加入などでは公告不要とされているため、原則と例外を分けて確認する必要があります。

正しい判断手順

本問では、各肢をまず「供託内容変更」「供託所変更」「還付」「取戻し」に分類します。次に、供託物の種類、評価割合、期限、公告の有無など、その制度に必要な条件だけを確認します。最後に制度名と数字が正しく対応しているかを見ます。

・① 何が起きた問題か分類する
・② 供託所変更なら金銭のみか確認する
・③ 供託内容変更なら変換を検討する
・④ 有価証券なら評価割合を確認する
・⑤ 還付なら不足額が生じたか確認する
・⑥ 不足なら通知後2週間を確認する
・⑦ 取戻しなら公告の要否を確認する
・⑧ 保証協会加入など例外を確認する

この順番なら、同じ営業保証金について複数制度を一度に思い出す必要がありません。問題文の事実を制度へ振り分けた後に、その制度固有の数字や条件を確認できます。特に保管替えでは「金銭のみ」を最優先で確認してください。

類似問題で使える知識

類似問題では、主たる事務所を移転したという事実だけで保管替えと決めないことが重要です。供託物に有価証券が含まれている場合には、資料上二重供託と取戻しが必要になるためです。 「事務所移転」と「供託物」の二条件を必ずセットで確認します。

また、有価証券の評価問題では額面と評価額を分けます。国債は額面どおり、地方債は額面の90%という資料の整理を使えば、供託物を変更する変換問題にも対応できます。 数字問題でも、計算前に何の証券かを確認してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

平成7年問36は、営業保証金の手続名を横断して混同させる典型的な構成です。保管替えと変換の名称交換、金銭のみという条件の削除、2週間の起算点変更、公告不要ケースの原則化という誤肢パターンが考えられます。正しい知識をバラバラに覚えるのではなく、発生原因→制度→条件→数字という一組で整理してください。

特に保管替えの問題では、「主たる事務所の移転」という目立つ語句よりも供託物の種類が正誤を決める場合があります。問題作成者は大きな事実を正しく書き、小さな条件だけを変えることで誤肢を作ることができるからです。選択肢の中で最も細かい条件まで確認することが、本問タイプの問題を正解するためのポイントです。

一問一答|過去問の肢レベルで確認

一問一答では、保管替えだけでなく変換、還付後の不足額供託、取戻しとの境界を確認します。単純な定義問題ではなく、金銭と有価証券、数字、公告の有無を入れ替えた本試験型の誤肢を中心にします。問題を読んだら、最初に「何が起きた場面か」を一言で分類してください。

問題1

営業保証金の保管替えを利用できるのは、金銭のみをもって営業保証金を供託している場合である。

正解:○

資料では保管替えの利用条件として金銭のみが示されています。

問題2

金銭と有価証券を合わせて営業保証金を供託している場合でも、主たる事務所移転により供託所が変われば保管替えを利用できる。

正解:×

有価証券を含む場合には保管替えを利用できません。

誤っている語句

「保管替えを利用できる」

正しい修正

「いったん二重供託したうえで取戻しを行う」

問題3

営業保証金の供託物を国債から地方債と金銭へ変更することを、営業保証金の変換という。

正解:○

資料では供託方法の変更を営業保証金の変換としています。

問題4

営業保証金の変換をした場合は、遅滞なく免許権者に届け出る必要がある。

正解:○

資料にそのように整理されています。

問題5

額面1,000万円の国債証券と額面1,000万円の地方債証券は、営業保証金として同額に評価される。

正解:×

国債は額面どおり、地方債は額面の90%です。

誤っている語句

「同額に評価される」

正しい修正

「地方債証券は額面の90%で評価される」

問題6

営業保証金が還付されて不足が生じた場合、免許権者から不足額供託の通知を受けた日から2週間以内に不足額を供託する。

正解:○

2週間は還付後の不足額供託についての期限です。

問題7

営業保証金の還付による不足額は、還付を受けた日から2週間以内に供託しなければならない。

正解:×

資料では免許権者から通知書の送付を受けた日が基準です。

誤っている語句

「還付を受けた日から」

正しい修正

「不足額供託の通知書の送付を受けた日から」

問題8

宅建業者が保証協会の社員となり営業保証金を取り戻す場合は、必ず公告を行う必要がある。

正解:×

保証協会の社員となった場合は公告不要です。

誤っている語句

「必ず公告」

正しい修正

「保証協会の社員となった場合は公告不要」

問題9

主たる事務所の移転により最寄りの供託所が変わった場合には、一定の場合に公告不要で営業保証金を取り戻せる。

正解:○

資料の公告不要ケースに含まれています。

問題10

営業保証金を取り戻すことができる事由が発生してから10年を経過した場合でも、公告をしなければ取り戻せない。

正解:×

資料では10年経過は公告不要のケースです。

誤っている語句

「公告をしなければ取り戻せない」

正しい修正

「10年経過の場合は公告不要で取り戻せる」

問題11

保管替えと変換は、どちらも営業保証金の供託内容を変更する手続である。

正解:×

保管替えは供託所、変換は供託物・供託方法の変更です。

誤っている語句

「どちらも供託内容を変更」

正しい修正

「保管替えは供託所、変換は供託内容を変更する」

問題12

保管替えの問題では、主たる事務所の移転を確認した後、営業保証金が金銭のみで供託されているかを確認する。

正解:○

供託所変更だけでなく金銭のみという条件まで確認する必要があります。

宅建試験ではここが狙われやすい

一問一答で共通するのは、制度名の一部だけを知っていても正解できない点です。保管替えなら金銭のみ、変換なら供託内容変更、還付後の不足額なら通知後2週間、取戻しなら公告不要の例外という条件がそれぞれあります。問題文では制度名ではなく、制度+条件を一組として確認してください。

特に数字と断定語には注意が必要です。「2週間」という正しい数字でも起算点を変えれば誤りになり、「取戻しには必ず公告」と書けば公告不要の例外を消した誤肢になります。正しい数字や制度名が含まれていても、前後の条件まで確認して初めて○と判断できます。

FAQ

営業保証金の保管替えでは、「有価証券が少しでも含まれていたらどうなるか」「保管替えと変換は何が違うか」という境界で迷いやすくなります。これらは供託所が変わるのか、供託物が変わるのかを最初に分けることで整理できます。この章では、本試験で迷いやすい境界事例を確認します。

Q1.営業保証金の一部だけが有価証券でも保管替えできますか?

資料では保管替えを利用できるのは金銭のみで供託している場合に限られます。したがって金銭と有価証券を合わせて供託している場合には保管替えではなく、二重供託後の取戻しを行います。

Q2.主たる事務所を移転したら必ず保管替えになるのですか?

必ずではありません。最寄りの供託所が変わることに加え、現在の営業保証金が金銭のみで供託されているかを確認する必要があります。資料では有価証券を含む場合には保管替えを利用できないとされています。

Q3.保管替えと変換は同じ手続ですか?

同じではありません。保管替えは供託所を変更する場面、変換は金銭・国債・地方債など営業保証金の供託方法を変更する場面として区別します。資料でも供託方法の変更を「営業保証金の変換」と明示しています。

Q4.額面が同じ国債と地方債なら同じ金額として扱ってよいですか?

資料では同じ扱いではありません。額面1,000万円の国債は1,000万円として評価される一方、地方債は額面の90%、つまり900万円として評価されます。

Q5.営業保証金が還付されたら、すぐ2週間を数え始めますか?

資料では還付された日そのものからではありません。免許権者から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内とされています。

Q6.営業保証金を取り戻すときは、すべて公告が必要ですか?

すべてではありません。資料では保証協会の社員となった場合、主たる事務所移転による供託所変更の場合、取戻し事由発生から10年経過した場合が公告不要として示されています。

宅建試験ではここが狙われやすい

FAQの境界事例に共通するのは、「一部でも条件が違えば制度が変わる」という点です。保管替えは金銭のみ、変換は供託内容変更、還付後の不足額供託は通知後2週間、取戻しには公告不要の例外があります。大まかな制度名だけで判断せず、条件を一つずつ確認してください。

また、同じ主たる事務所移転という事実から、供託所の変更、保管替え、取戻し、公告不要など複数の論点が連続する場合があります。問題文で何を問われているかを限定し、その制度に直接必要な条件だけを見ることが重要です。営業保証金の問題では、事実→手続→条件→数字という順序が最も安定します。

まとめ

営業保証金の保管替えでは、最初に主たる事務所の移転によって供託所が変わるかを確認します。次に現在の営業保証金が金銭のみで供託されているかを確認し、有価証券を含む場合には保管替えを使わず二重供託後の取戻しへ進みます。平成7年問36第2肢では、この「金銭のみ」という条件が正誤を分けています。

保管替えと混同しやすいのが営業保証金の変換です。供託所を変えるのが保管替え、金銭や有価証券など供託方法を変えるのが変換であり、国債と地方債では営業保証金としての評価額も異なります。 制度名を覚えるときは、何を変更する手続なのかまで一緒に固定してください。

本試験では、さらに還付後の不足額供託と取戻しも同時に問われます。還付で不足した場合は通知書を受けた日から2週間以内、保証協会加入など一定の取戻しでは公告不要というように、数字や例外を対象とセットで確認します。 何が起きたか→供託物→制度→期限・公告という判断順序を固定することが、営業保証金の保管替え問題を安定して解く基本です。

宅建試験ではここが狙われやすい

営業保証金の保管替えで最も狙われやすいのは、金銭のみという条件の削除、変換との名称交換、有価証券の評価割合の置換、2週間の起算点変更、公告不要ケースの原則化です。平成7年問36では、各肢に異なる制度を配置し、営業保証金という共通語だけで処理すると混乱する構成になっています。

試験直前は「保管替え=主たる事務所移転」だけで終わらせず、金銭のみまで必ずセットで確認してください。そのうえで、供託内容変更なら変換、還付なら不足額供託、保証協会加入なら取戻しと公告不要というように、問題文の発生原因から制度を選びます。営業保証金は名称よりも、何が変わったのかを見ることが得点につながります。

 ここが出る突破ポイント  権利関係  宅建業法  法令上の制限  税・その他
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