宅建の統計問題では、資料名・対象年・数字・前年比の増減を一組で確認することが基本です。建築着工統計、土地白書、法人企業統計、宅地建物取引業者数などは毎年数字が更新されるため、過去問の数字をそのまま現在の数字として暗記してはいけません。このページでは、令和2年12月問48を中心に、数字の入れ替えと増加・減少の反転を見抜く判断方法を整理します。
指定資料のテーマは「不動産取引における統計」であり、対象過去問は令和2年12月問48、正解2です。 出題時には、新設住宅着工戸数、宅地建物取引業者数、宅地面積、不動産業の利益率という四つの異なる統計が一問にまとめられました。 統計問題では一つの数字だけではなく、その数字がどの資料の何年度を示すのかまで確認する必要があります。
統計は過去問と現行データを分けて学習することが必要です。例えば令和2年12月問48では平成31年3月末の宅地建物取引業者数124,451業者が使われましたが、令和6年度末では132,291業者となっており数字は変化しています。 したがって、過去問は判断構造を学ぶ教材、受験年度の数字は最新資料で上書きする知識として扱います。
問題文を読んだら最初に何を見るか
統計問題では、最初に資料名・公表時期・対象期間・何についての数字かを確認します。90万戸、12万業者、196万ha、11%などの数字だけを暗記すると、別統計の数字や別年度の数字へ交換された場合に対応できないからです。この章では、問48で問題文を読んだ直後に拾う語句と判断順序を固定します。
次に見るのは、数字そのものより増加・減少・何年連続という方向性です。令和2年12月問48第1肢では約90.5万戸という戸数自体は正しい一方、「3年ぶりの増加」とした部分が誤りでした。実際には新設住宅着工戸数は3年連続の減少であり、数字を正しく残して増減方向だけを反転した問題です。
第3肢も同じ構造で、宅地が約196万haという数字は正しい一方、「前年に比べて大きく減少」とした部分が誤りでした。実際には前年から微増しており、面積の数字を覚えていても増減を確認しなければ正解できません。 統計問題では数値+増減方向を必ずセットにしてください。
問題文で確認する語句を整理します。この表を見る目的は、数字へ飛び付く前に何の統計を読んでいるかを確定することです。令和2年12月問48と現在の統計対策に直接必要な項目へ絞ります。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 建築着工統計 | 新設住宅着工戸数か |
| 新設住宅着工戸数 | 年間何戸か、前年比増減はどうか |
| 国土交通白書 | 宅建業者数などの資料か |
| 宅地建物取引業者数 | 何年3月末の数字か |
| 土地白書 | 土地利用・宅地面積等か |
| 宅地約○万ha | 数字だけでなく増減を見る |
| 法人企業統計 | 不動産業の売上高・利益等か |
| 売上高営業利益率 | 営業利益÷売上高の数字か |
| 売上高経常利益率 | 経常利益÷売上高の数字か |
| 前年比 | 増加か減少か |
| 連続 | 何年連続なのか |
| ○年度・○年 | 暦年か年度か |
この表では、「令和7年」と「令和7年度」も同じ意味にしないでください。住宅着工統計では1月から12月の年計と4月から翌年3月の年度計の両方が公表されるため、問題文がどちらを使っているか確認する必要があります。統計の数字には必ず対象期間を付けて判断します。
本試験では次の順番で処理します。最初に資料を確定し、次に対象年、数字、増減方向、連続年数の順で確認すると誤肢を切りやすくなります。最後に「約」「超える」「以下」など数字の境界表現も確認してください。
・何という統計資料か確認する
・公表年と対象年を確認する
・暦年か年度か確認する
・何についての数字か確認する
・概数そのものが正しいか確認する
・前年比が増加か減少か確認する
・何年連続か確認する
・「超える」「以下」など境界を確認する
・出題当時の数字か現在の数字か区別する
・誤っている語句だけを正しい表現へ直す
統計問題はすべての数字を完全暗記する必要があるわけではありません。数字が多少曖昧でも、「住宅着工は減少」「宅建業者数は増加」など方向性を正確に押さえていれば切れる肢があります。一方、業者数や利益率のように閾値そのものを問う問題では数字まで必要なので、概数とトレンドを分けて記憶するのが有効です。
宅建試験ではここが狙われやすい
統計問題で最も多いのは、数字を正しく残して増加と減少だけを交換する誤肢です。令和2年12月問48では、第1肢の約90.5万戸、第3肢の約196万haという数字自体はほぼ正しいため、数字だけ覚えた受験生ほど○にしやすくなります。 問題文では数字の直後にある「増加」「減少」「何年連続」を必ず囲ってください。
もう一つは、違う年度の正しい数字を移植する方法です。統計は毎年更新されるため、前年の受験対策で覚えた数字が翌年には誤肢の材料になります。指定資料も「出題年度に対応する最新数値」を確認することを求めており、古い数値を現在へ機械的に当てはめないことが固定ルールです。
不動産取引における統計の基本判断
宅建の統計問題では、住宅・土地・宅建業者・不動産会社の経営という異なる統計を一問の中で切り替えて判断します。資料の発表主体も国土交通省、財務省などに分かれ、数字の単位も戸、業者、ha、%と異なるためです。この章では、どの資料が何を示しているかを整理します。
建築着工統計では、新設住宅着工戸数や持家・貸家・分譲住宅などの戸数が中心になります。土地白書では土地利用や土地取引、地価などが扱われ、宅建業法の施行状況調査や国土交通白書では宅地建物取引業者数が出題材料になります。法人企業統計では、不動産業の売上高、営業利益、経常利益、各利益率などが問題になります。
統計問題では「どれも不動産関係だから同じ資料」と考えないでください。住宅着工戸数を土地白書、宅建業者数を法人企業統計として出すような資料名交換も判断材料になります。資料→対象→単位を先に固定すれば、数字を忘れても明らかな制度混同を切れる場合があります。
比較します。この表を見る目的は、四つの統計を一度に区別することです。本試験では選択肢を読んだら、まずどの行の問題か判断してください。
| 統計・資料 | 主に見る内容 | 単位の例 |
|---|---|---|
| 建築着工統計 | 新設住宅着工 | 戸・㎡ |
| 土地白書 | 土地利用・土地取引 | ha・件 |
| 宅建業法施行状況等 | 宅建業者数 | 業者 |
| 法人企業統計 | 売上高・利益・利益率 | 円・% |
この表で重要なのは、数字そのものではなく数字の所属先です。90万という数字を見たら住宅着工、12万台という数字なら過去の宅建業者数、約200万haなら宅地面積というように桁も手掛かりになります。ただし現在の数字は変動するため、桁を判断補助として使い、最終確認は受験年度の資料で行います。
例題1
建築着工統計では、新設住宅着工戸数について戸数だけでなく前年比の増減も確認する必要がある。
解答・判断ポイント
正解:○
統計問題では概数と増減方向が別々に問われます。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
令和2年12月問48第1肢型の判断方法です。
例題2
宅地建物取引業者数は、法人企業統計調査で不動産業の売上高とともに集計される数字である。
解答・判断ポイント
正解:×
宅建業者数と法人企業統計は別の統計資料です。
誤肢分析
誤っている語句
「法人企業統計調査」
正しい修正
「宅地建物取引業法の施行状況調査等」
資料名と統計対象を交換した誤肢です。
例題3
土地白書における宅地面積の問題では、面積の概数が正しくても、前年からの増減が反対なら誤りとなる。
解答・判断ポイント
正解:○
令和2年12月問48第3肢と同じ判断構造です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
数字だけで○×を決めないための問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
統計問題では、資料名・対象・単位を一部だけ交換する誤肢も狙われます。「土地白書によれば新設住宅着工戸数は」「建築着工統計によれば宅建業者数は」のような文章なら、数字以前に資料と対象が一致しません。数字を全部覚える前に、各資料が何を扱うのかを整理してください。
また、資料名が正しくても「年」と「年度」を交換する問題があります。1月から12月の新設住宅着工戸数と、4月から翌年3月の年度計では対象期間が異なるため、似た数字でも同一視できません。資料名→対象期間→数字の順で判断すると、年次のひっかけに対応できます。
新設住宅着工戸数|戸数と増減をセットで見る
建築着工統計では、新設住宅着工戸数の総数と前年比の増減方向をセットで確認します。令和2年12月問48第1肢では、令和元年の新設住宅着工戸数約90.5万戸という数字は正しかったものの、「3年ぶりに増加」とした部分が誤りでした。実際には3年連続の減少だったため、数字よりトレンドが正誤を分けています。
この問題から分かるのは、「約90.5万戸」という数字だけを覚える学習では不足することです。統計では何戸+前年比何%+何年連続で増減という三段階が出題候補になります。すべての細かな数字を暗記できない場合でも、少なくとも全体の増減方向は固定してください。
現在の数字は当時とは大きく異なります。令和7年の新設住宅着工戸数は740,667戸で前年比6.5%減となり、3年連続の減少でした。 令和2年問48の約90.5万戸を現在の数字として使用してはいけません。
過去問と現在を比較します。この表を見る目的は、古い過去問の判断方法を残しながら数字だけ現在へ上書きすることです。統計では年度差を明示してください。
| 比較 | 令和2年12月問48で使用 | 令和8年受験時の重要データ |
|---|---|---|
| 対象年 | 令和元年 | 令和7年 |
| 新設住宅着工戸数 | 約90.5万戸 | 740,667戸 |
| 増減 | 3年連続減少 | 3年連続減少 |
| 判断 | 「増加」が誤り | 「減少」が基本 |
令和7年は持家201,285戸、貸家324,991戸、分譲住宅208,169戸で、いずれも前年から減少しています。総戸数だけでなく利用関係別も問われる可能性があるため、細かな戸数より持家・貸家・分譲住宅すべて減少という方向性を先に押さえる方が実戦的です。 数字を覚える場合は総数約74万戸を基準にします。
例題4
令和元年の新設住宅着工戸数は約90.5万戸であり、3年ぶりに増加へ転じた。
解答・判断ポイント
正解:×
戸数は正しいものの、3年連続の減少です。
誤肢分析
誤っている語句
「3年ぶりに増加」
正しい修正
「3年連続で減少」
令和2年12月問48第1肢そのものの判断構造です。
例題5
令和7年の新設住宅着工戸数は約74万戸で、前年比では減少している。
解答・判断ポイント
正解:○
740,667戸、前年比6.5%減です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
現在の数字とトレンドを確認する問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
住宅着工統計では、戸数を正しくしてトレンドだけ反転する問題が非常に作りやすくなります。約74万戸と書いた後に「増加した」とすれば、現在の数字を覚えた受験生でも増減を覚えていなければ誤ります。令和7年は740,667戸、前年比6.5%減、3年連続減少という三点を一組にします。
さらに、総戸数の増減と持家・貸家・分譲住宅それぞれの増減を交換する問題にも注意します。令和7年は三分類とも減少しているため判断しやすいですが、年によって一部だけ増加することがあります。総数のトレンドと利用関係別トレンドを別々に管理することが必要です。
宅地建物取引業者数|人数ではなく業者数を確認する
宅地建物取引業者数では、何年3月末時点かと、12万台・13万台のどこにあるかを確認します。令和2年12月問48第2肢では、平成31年3月末における宅建業者数が12万4,000を超えているかが問われました。実数は124,451業者であったため、第2肢が正しい肢です。
この肢は、第1・3肢のような増減方向問題ではなく、数字そのものを判断する問題です。「12万4,000を超える」という境界表現が正誤を分けており、124,451なら明確に超えています。統計では「約」「以上」「超える」「未満」を読み飛ばさないでください。
宅建業者数はその後増加しています。令和6年度末、つまり令和7年3月末では132,291業者で、前年より1.3%増加し11年連続の増加となっています。 したがって現在の学習では13万2千業者程度・増加傾向を基準にします。
過去問と現在を比較します。この表を見る目的は、12万4千という過去問数字を現在まで固定しないことです。業者数は長期的に増加している点も確認します。
| 時点 | 宅建業者数 | 傾向 |
|---|---|---|
| 平成31年3月末 | 124,451 | 12万4,000超 |
| 令和6年3月末 | 130,583 | 増加 |
| 令和7年3月末 | 132,291 | 11年連続増加 |
現在では「宅建業者数は10万業者を下回る」「近年大幅に減少している」といった肢は切りやすくなります。一方、130,000・132,000など近い数字へ置換される場合は年度を確認しなければ判断できません。時点+業者数+増減傾向をセットで整理してください。
例題6
平成31年3月末の宅地建物取引業者数は124,451業者であり、12万4,000を超えていた。
解答・判断ポイント
正解:○
令和2年12月問48第2肢の判断です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
例題7
令和7年3月末の宅地建物取引業者数は10万業者を下回り、11年連続で減少している。
解答・判断ポイント
正解:×
132,291業者で、11年連続の増加です。
誤肢分析
誤っている語句
「10万業者を下回り」「11年連続で減少」
正しい修正
「13万業者を超え、11年連続で増加」
数字と増減方向を同時に変更した誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
宅建業者数では、時点の交換が特に危険です。124,451も130,583も132,291も実在する数字ですが、平成31年3月末、令和6年3月末、令和7年3月末で対応する年度が違います。 正しい数字が出ていても、時点が違えば誤りと判断してください。
また、宅建士登録者数と宅建業者数の交換にも注意が必要です。業者数は約13万規模ですが、宅建士の総登録者数はそれよりはるかに多いため、人数の桁が違います。統計問題では「誰・何を数えている数字か」という対象者の入れ替えも確認してください。
土地白書|宅地面積は数字と増減を分ける
土地白書では、宅地面積や土地取引件数などが出題されます。令和2年12月問48第3肢では、平成30年の住宅地・工業用地等の宅地が約196万haという数字自体は正しかったものの、「前年に比べて大きく減少」としたため誤りでした。実際には前年から微増していました。
この肢は統計問題の典型で、概数を正しく残すことで文章全体を正しく見せています。約196万haという数字だけを暗記していると、第3肢を○と判断してしまいます。面積+前年との比較という二段階で確認してください。
令和8年受験時の資料では、令和5年の住宅地・工業用地等の宅地は全国で約199万haと整理されています。国土面積では森林が最も広く、宅地は森林・農地よりかなり小さい規模です。 過去の約196万haから現在は約199万haへ推移しているため、「大幅に減少し続けている」というイメージは不適切です。
比較します。この表を見る目的は、宅地面積が約200万ha規模で推移していることと、大幅減という誤肢を切り分けることです。細かな1万ha単位より桁と方向性を優先します。
| 対象 | 宅地面積の目安 | 判断 |
|---|---|---|
| 平成30年 | 約196万ha | 前年から微増 |
| 令和5年 | 約199万ha | 約200万ha規模 |
| 誤肢例 | 約196万ha | 「大幅減」と組み合わせる |
土地白書では森林・農地・宅地・道路などの面積順を入れ替える問題にも応用できます。令和5年では森林約2,501万ha、農地約430万ha、宅地約199万haと整理されており、宅地が森林より多いという文章は桁だけでも切れます。 全数字を細かく覚えなくても森林が圧倒的に大きいという大小関係は判断材料になります。
例題8
平成30年の宅地面積は約196万haであり、前年から大きく減少した。
解答・判断ポイント
正解:×
面積はおおむね正しいものの、前年から微増です。
誤肢分析
誤っている語句
「大きく減少」
正しい修正
「前年から微増」
令和2年12月問48第3肢型です。
例題9
令和5年の住宅地・工業用地等の宅地面積は、全国で約199万haである。
解答・判断ポイント
正解:○
令和8年受験対策で使われる最新土地白書の数字です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
宅建試験ではここが狙われやすい
土地白書では、概数を正しく残したまま増減表現だけ変える方法が頻出の判断構造です。平成30年約196万haという数字に「大きく減少」を付けると自然に見えますが、実際のトレンドと一致しません。過去問分析では、数字と方向性のどちらが変更されたのかを明確に分けてください。
さらに現在は約199万haであるため、過去問数字との数万haの違いだけを追い続ける学習は効率的ではありません。まず宅地は約200万ha規模という桁を押さえ、その年の増減や正確な概数を受験年度資料で更新します。統計は「永久暗記する数字」と「毎年上書きする数字」を分けることが必要です。
法人企業統計|利益額と利益率を混同しない
法人企業統計では、不動産業について売上高・営業利益・経常利益・売上高営業利益率・売上高経常利益率を区別します。令和2年12月問48第4肢では、平成30年度の売上高営業利益率と売上高経常利益率がいずれも10%以下かどうかが問われました。実際には両方とも11.1%であったため、「10%以下」とした点が誤りです。
この問題では11.1%という同じ数字が二つ並んでいたため、10%を超えるかどうかを知っていれば切れました。ただし年度によって営業利益率と経常利益率は別々に変動するため、常に同じ数字になるわけではありません。「両方11.1%」を恒久ルールとして覚えないでください。
令和6年度の不動産業では、売上高営業利益率は12.2%、売上高経常利益率は13.6%です。いずれも10%を超えており、平成30年度問と同じく「両方10%以下」という肢なら現在でも誤りになりますが、数字そのものは変化しています。 統計では結論が同じでも根拠数値を毎年更新します。
比較します。この表を見る目的は、営業利益と経常利益、利益額と利益率を交換しないことです。問題文の「率」を必ず確認してください。
| 項目 | 平成30年度 | 令和6年度 |
|---|---|---|
| 売上高営業利益率 | 11.1% | 12.2% |
| 売上高経常利益率 | 11.1% | 13.6% |
| 10%との比較 | 両方10%超 | 両方10%超 |
令和6年度の不動産業の売上高は約58.8兆円、経常利益は約7.9兆円と整理されています。 しかし、問48で「売上高経常利益率」を聞かれた場合に7.9兆円を答えるのではなく、13.6%という率を見る必要があります。利益額と利益率も別の数字として管理してください。
例題10
平成30年度の不動産業の売上高営業利益率と売上高経常利益率は、いずれも10%以下であった。
解答・判断ポイント
正解:×
いずれも11.1%で、10%を超えています。
誤肢分析
誤っている語句
「10%以下」
正しい修正
「11.1%で10%を超える」
令和2年12月問48第4肢の判断です。
例題11
令和6年度の不動産業の売上高経常利益率は13.6%で、10%を超えている。
解答・判断ポイント
正解:○
最新の年次法人企業統計に対応する数字です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
宅建試験ではここが狙われやすい
法人企業統計では、営業利益と経常利益、金額と利益率、増加と減少の三種類の交換に注意します。売上高58兆円台、経常利益7兆円台、経常利益率13%台という数字は桁も単位も異なるため、問題文の単位を先に見ると切りやすくなります。 「%」なら利益率、「兆円」なら利益額という入口を固定してください。
さらに、「10%以下」と「10%を超える」は境界表現だけで正誤が変わります。平成30年度の11.1%、令和6年度の12.2%・13.6%はいずれも10%超なので、この境界は判断しやすいポイントです。統計では以上・以下・超える・未満を数字と同じ重要度で確認します。
令和8年受験で見る最新統計
統計は受験年度ごとに数字を更新する必要があります。令和2年12月問48の数字は過去問分析には必要ですが、令和8年の本試験で同じ数字がそのまま問われるわけではありません。この章では、2026年8月時点で確認できる主要統計を本試験向けに整理します。
まず建築着工統計では、令和7年の新設住宅着工戸数は740,667戸で、前年比6.5%減、3年連続の減少です。 土地白書では令和5年の宅地が約199万ha、土地の売買による所有権移転登記は令和7年に約130万件と整理されています。 宅建業者数は令和7年3月末132,291業者で11年連続増加となっています。
法人企業統計では、令和6年度の不動産業の売上高営業利益率12.2%、売上高経常利益率13.6%です。 地価公示も統計問題の頻出資料であり、令和8年地価公示では全国平均の全用途・住宅地・商業地がいずれも5年連続上昇しています。 すべてを細かく暗記するより、資料ごとの概数・方向・連続年数を優先してください。
最新数字を一覧にします。この表を見る目的は、令和2年過去問の数字と現在の受験数字を混同しないことです。数字は「何についての数字か」までセットにします。
| 統計 | 令和8年受験で見る数字・傾向 |
|---|---|
| 新設住宅着工 | 740,667戸、6.5%減、3年連続減少 |
| 宅地面積 | 約199万ha |
| 宅建業者数 | 132,291業者、11年連続増加 |
| 不動産業営業利益率 | 12.2% |
| 不動産業経常利益率 | 13.6% |
| 地価公示・全国住宅地 | 5年連続上昇 |
この表を暗記するときは、数字の末尾まで全て覚える必要はありません。住宅着工は約74万戸・減少、宅建業者数は13万2千程度・増加、宅地は約199万ha、不動産業利益率は10%超という大きな骨格を先に固定します。細かな数字は直前期に最新資料で確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
最新統計では、前年の正しい数字を今年の統計として出す方法が非常に使いやすいひっかけになります。例えば宅建業者数130,583業者は令和6年3月末の数字としては正しいですが、令和7年3月末なら132,291業者です。 数字を見たときは必ずその横に対象年月を書き添える学習が有効です。
もう一つはトレンド反転です。現在の住宅着工は減少、宅建業者数は増加、地価公示は全国平均で上昇基調というように統計ごとに方向が異なります。 「不動産市場全体が上向きだから全部増加」と一括判断せず、資料ごとに方向を分離してください。
過去問分析
令和2年12月問48では、住宅着工戸数・宅建業者数・宅地面積・不動産業利益率という四種類の統計が一問にまとめられています。指定資料はこの問題の正解を2と指定しており、公開されている出題時原文でも第2肢だけが正しい内容です。 この章では、各肢のどの語句を見れば正解2へ到達できるかを分析します。
本問の特徴は、誤肢で使われている数字そのものが完全に間違っているとは限らないことです。第1肢の約90.5万戸、第3肢の約196万haは概数として正しく、増減方向だけが変更されています。第4肢では実際の11.1%を「10%以下」と境界で処理し、第2肢では124,451業者という実数と12万4,000超という関係を問っています。
したがって、この問題は「統計の数字を知っているか」だけではなく、数字の法的・統計的意味と比較表現を読めるかが中心です。何年連続、微増、大幅減、超える、以下という言葉が数字と同じくらい重要になります。問48では数字の左右にある語句へ必ず線を引いてください。
最初に確認する語句
問題文では、新設住宅着工戸数、3年ぶり増加、12万4,000超、宅地約196万ha、大きく減少、10%以下を最初に確認します。
令和2年(2020年)12月問48
次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 建築着工統計(令和8年1月公表)によれば、令和7年の新設住宅着工戸数は約74.1万戸となり、3年ぶりの増加となった。
- 令和8年版国土交通白書(令和8年7月公表)によれば、令和7年3月末における宅地建物取引業者数は13万を超えている。
- 令和8年版土地白書(令和8年7月公表)によれば、令和5年の住宅地、工業用地等の宅地は約199万haあるが、前年に比べて大きく減少した。
- 令和6年度法人企業統計調査(令和7年9月公表)によれば、不動産業について、令和6年度の売上高営業利益率及び売上高経常利益率は、いずれも10%以下となっている。
正解:2
解説
第1肢は戸数自体ではなく増減方向、第2肢は宅建業者数の絶対値、第3肢は宅地面積ではなく前年との増減、第4肢は利益率が10%以下か超えるかを問っています。実際には第1肢が3年連続減少、第2肢が124,451業者、第3肢が微増、第4肢が両利益率11.1%でした。したがって、正しいものは第2肢です。
各肢の正誤理由
1 誤り
令和元年の新設住宅着工戸数が約90.5万戸という部分は正しい内容です。しかし、これは「3年ぶりに増加」ではなく、3年連続で減少した年でした。 数字を正しく残してトレンドだけを反転した誤肢です。
誤っている語句
「3年ぶりに増加に転じた」
正しい修正
「3年連続で減少した」
第1肢では90.5万戸より「増加」の方が決定語句です。
2 正しい
平成31年3月末の宅地建物取引業者数は124,451業者でした。したがって、「12万4,000を超えている」という文章は数字の境界を正しく表しています。 本問ではこの肢が正解です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
「12万4,000以上」ではなく「超えている」でも124,451なので正しいと判断できます。
3 誤り
平成30年の住宅地、工業用地等の宅地が約196万haという部分は正しい内容です。しかし、前年から「大きく減少」したのではなく、前年に比べ微増していました。 面積の数字ではなく増減表現が誤りです。
誤っている語句
「前年に比べて大きく減少」
正しい修正
「前年に比べて微増」
第1肢と同じトレンド反転型ですが、こちらは「大きく」という程度表現まで含めて誤りです。
4 誤り
平成30年度の不動産業の売上高営業利益率と売上高経常利益率は、いずれも11.1%でした。したがって「いずれも10%以下」とする文章は誤りです。 10%という境界を使って実際の利益率を下側へ変更しています。
誤っている語句
「いずれも10%以下」
正しい修正
「いずれも11.1%で10%を超える」
第4肢では「以下」と「超える」という境界語が正誤を分けています。
問題作成者のひっかけポイント
第1肢と第3肢は、数字そのものを正しくして受験生を安心させています。90.5万戸や196万haを覚えている受験生ほど文章の後半を読まずに○としやすいため、増減方向だけを反転する方法が有効なひっかけになります。数字が合ったら、むしろその後を疑うくらいの読み方が必要です。
第2肢は逆に、増減ではなく数字そのものを聞いています。統計問題では全肢を「増えたか減ったか」だけで処理できるわけではなく、絶対値を知っていなければ切れない肢も混ざります。12万4,000という大まかな桁を押さえているかが問われました。
第4肢では、10%という切りのよい数字を使って判断を迷わせています。実際の11.1%を正確に覚えていなくても、「不動産業の利益率は10%を超えていた」という大まかな判断ができれば×にできます。統計対策では完全な数字暗記と大まかな大小判断を使い分けることが重要です。
受験生が迷う理由
統計問題では毎年数字が変わるため、過去問を繰り返すほど違う年度の数字が頭の中で混ざりやすくなります。平成31年3月末124,451業者、令和7年3月末132,291業者のように、どちらも正しい数字だからこそ時点を付けずに暗記すると危険です。 年度ラベルを必ず付けてください。
さらに、数字と方向性を同時に覚えようとして情報量が増えすぎることも迷う原因です。まず「住宅着工は現在減少」「宅建業者数は増加」「宅地は約200万ha」「不動産業利益率は10%超」という骨格を覚え、その後に正確な概数を加える方が整理しやすくなります。令和8年受験では数字そのものより何が増え、何が減っているかを優先すると判断速度が上がります。
正しい判断手順
第1肢では約90.5万戸の後にある「3年ぶり増加」を確認し、実際は3年連続減少なので×とします。第2肢は業者数124,451が12万4,000を超えるため○、第3肢は約196万haでも「大きく減少」が誤りなので×です。第4肢は11.1%が10%を超えるため×となります。
本問は、👉 **1=戸数○・増減×、2=業者数○、3=面積○・増減×、4=利益率10%以下×**と整理できます。したがって、正解は2です。数字全部を暗唱するより、「各肢のどの部分が判定ポイントか」を切り分ける方が過去問攻略には有効です。
類似問題で使える知識
住宅着工統計では、総戸数を正しく残して「増加・減少」だけ交換する問題に対応できます。さらに持家・貸家・分譲住宅の一部だけ増減方向を変える問題でも、同じ判断方法を使えます。
土地白書では、面積の数字が正しくても「大きく減少」「横ばい」「微増」のどれかが変更される問題へ応用できます。大小関係を使えば、森林と宅地の面積交換などにも対応できます。
法人企業統計では、営業利益と経常利益、利益額と利益率、「10%以下」と「10%超」を交換した問題に使えます。宅建業者数では、前年の正しい数字を別年度へ移すタイプに同じ時点確認が有効です。
宅建試験ではここが狙われやすい
令和2年12月問48の最大の特徴は、誤肢の中にも正しい数字を残していることです。第1肢と第3肢は数字の暗記だけでは切れず、第4肢は11.1%を完全に覚えていなくても10%より上か下かが分かれば切れます。 統計問題では、数字を見たら「正しい・間違い」で終わらず、その後の増減・境界・連続年数まで確認してください。
現在の試験対策でも同じ構造が使えます。例えば新設住宅着工740,667戸を正しく書いて「前年比増加」、宅建業者132,291業者を正しく書いて「11年連続減少」とすれば誤肢になります。 正しい数字+誤ったトレンドを最優先のひっかけパターンとして固定してください。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
一問一答では、令和2年12月問48の判断構造と令和8年受験用の最新統計を組み合わせます。単純な数字暗記ではなく、正しい数字へ誤った増減や資料名を組み合わせた本試験型を中心にします。問題文では、数字の前後を最後まで読んでください。
問題1
令和元年の新設住宅着工戸数は約90.5万戸であり、3年ぶりに増加した。
正解:×
約90.5万戸は正しいものの、3年連続の減少です。
誤っている語句
「3年ぶりに増加」
正しい修正
「3年連続で減少」
問題2
平成31年3月末の宅地建物取引業者数は124,451業者であり、12万4,000を超えていた。
正解:○
令和2年12月問48の正解肢です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題3
平成30年の宅地面積は約196万haであり、前年から大きく減少した。
正解:×
面積は概ね正しいものの、前年から微増です。
誤っている語句
「大きく減少」
正しい修正
「微増」
問題4
平成30年度の不動産業の売上高営業利益率と売上高経常利益率は、いずれも10%以下であった。
正解:×
いずれも11.1%でした。
誤っている語句
「10%以下」
正しい修正
「11.1%で10%を超える」
問題5
令和7年の新設住宅着工戸数は740,667戸で、前年比6.5%減となった。
正解:○
令和8年受験で確認する最新年計です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題6
令和7年の新設住宅着工戸数は約74万戸で、3年ぶりの増加となった。
正解:×
約74万戸ですが3年連続減少です。
誤っている語句
「3年ぶりの増加」
正しい修正
「3年連続の減少」
問題7
令和7年3月末の宅地建物取引業者数は132,291業者で、11年連続の増加となった。
正解:○
現在は13万業者を超えています。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題8
令和7年3月末の宅建業者数は130,583業者である。
正解:×
130,583業者は令和6年3月末の数字で、令和7年3月末は132,291業者です。
誤っている語句
「令和7年3月末」「130,583業者」
正しい修正
「令和6年3月末は130,583業者」または「令和7年3月末は132,291業者」
問題9
令和5年の住宅地・工業用地等の宅地は全国で約199万haである。
正解:○
現在の土地白書対策で押さえる概数です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題10
令和6年度の不動産業の売上高営業利益率は12.2%、売上高経常利益率は13.6%であり、いずれも10%を超える。
正解:○
最新年次法人企業統計の重要数字です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題11
令和6年度の不動産業の売上高経常利益率は約7.9兆円である。
正解:×
約7.9兆円は経常利益額で、経常利益率は13.6%です。
誤っている語句
「売上高経常利益率は約7.9兆円」
正しい修正
「経常利益は約7.9兆円、売上高経常利益率は13.6%」
利益額と利益率の入れ替えです。
問題12
建築着工統計の新設住宅着工戸数を判断する場合、対象年と前年比を確認すればよく、年計か年度計かは確認する必要がない。
正解:×
年計と年度計では対象期間が異なります。
誤っている語句
「確認する必要がない」
正しい修正
「年計か年度計かも確認する」
問題13
統計問題では、数字そのものが正しければ、増加・減少の説明が誤っていても正しい肢となる。
正解:×
文章全体が正しくなければ正解肢にはなりません。
誤っている語句
「正しい肢となる」
正しい修正
「増減が誤っていれば誤りとなる」
問題14
宅建統計の過去問では、出題当時の数字を判断構造の学習に使い、現在の受験対策では最新資料へ数字を更新する。
正解:○
統計問題の基本的な学習方法です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題15
令和2年12月問48では、宅地建物取引業者数について述べた第2肢が正しい。
正解:○
指定資料の正解は2です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
一問一答で共通するのは、正しい数字へ誤った説明を付けた文章を疑うことです。74万戸、132,291業者、199万ha、13.6%という数字を知っていても、対象年・増減・単位が違えば×になります。統計は数字の暗記試験ではなく、数字と説明の組合せ問題として処理してください。
また、数字の単位は非常に強い判断材料です。「戸」「業者」「ha」「兆円」「%」を見れば、どの統計を扱っているかを早い段階で絞れます。👉 資料→対象年→単位→概数→増減という順番を本試験で固定してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
一問一答で特に危険なのは、前年の数字と今年の数字の交換です。130,583も132,291も正しい宅建業者数ですが、対応時点が違うため、時点を書き換えれば簡単に誤肢になります。 統計数字は必ず「数字だけ」でノートに書かず、横に年度を付けてください。
もう一つは単位交換です。13.6%を13.6兆円、約7.9兆円を7.9%とすれば見たことのある数字だけで誤肢ができます。数字へ必ず「何の数字か」というラベルを付け、利益額・利益率・戸数・面積・業者数を混同しないことが必要です。
FAQ
統計問題では、いつ数字を更新するか、細かな数字をどこまで覚えるか、過去問をどう利用するかで迷いやすくなります。FAQでは本文の数字を単純に繰り返さず、受験勉強で判断しにくい境界を整理します。統計問題を1点取るための実戦的な使い方へ絞ります。
Q1.過去問に出た統計数字は、そのまま現在の本試験でも覚える必要がありますか?
そのまま現在値として覚える必要はありません。過去問では「数字を正しく残して増減だけ変える」「前年の数字を別年度へ移す」など作問方法を学び、現在値は最新統計へ更新してください。
Q2.統計問題は正確な数字を一桁まで全部暗記しないと解けませんか?
すべてを一桁まで暗記する必要はありません。約74万戸、約13.2万業者、約199万ha、利益率10%超という概数と方向性で切れる問題も多く、細かな数字が必要な論点だけ重点的に覚える方が効率的です。
Q3.新設住宅着工戸数の「年」と「年度」は同じですか?
同じではありません。年計は1月から12月、年度計は4月から翌年3月なので、同じ令和7年という表記でも対象期間を確認する必要があります。
Q4.現在の住宅着工は増加と覚えればよいですか?
いいえ。令和7年の新設住宅着工戸数は740,667戸で前年比6.5%減、3年連続減少です。 問題文で「増加」とされていたら疑ってください。
Q5.宅建業者数は減少傾向ですか?
現在は増加傾向です。令和7年3月末は132,291業者で、11年連続の増加となっています。
Q6.土地白書では宅地の正確な面積を1ha単位まで覚えますか?
その必要はありません。令和5年の宅地は約199万haであり、まず約200万ha規模という桁を押さえ、そのうえで問題に必要な増減方向を確認します。
Q7.法人企業統計では売上高と利益率のどちらを優先して覚えますか?
両方出題対象になり得ますが、まず何を聞かれているかを確認することが先です。令和6年度では不動産業の売上高経常利益率13.6%など、利益率が10%を超えるという大小関係は選択肢判断に使いやすい知識です。
Q8.過去問の正解が現在の統計では間違いになることはありますか?
数字が更新されればあり得ます。したがって、過去問は出題当時の資料で正誤を判断し、現在の数字へ勝手に置き換えて「昔の解答が誤り」と判断してはいけません。
Q9.統計問題で最も優先して覚えるものは何ですか?
建築着工統計、地価公示、土地白書は過去問で非常に高頻度に出題され、法人企業統計や宅建業者数も繰り返し問われています。 ただし出題回数だけを根拠に無関係な統計まで広げず、受験年度の主要資料を絞って確認します。
Q10.試験直前に数字を更新する場合、何を優先すればよいですか?
住宅着工の戸数と増減、地価公示の上昇・下落、宅地面積、法人企業統計の売上高・利益、宅建業者数を優先します。一つの数字だけではなく、必ず「対象年+数字+前年比」をセットで更新してください。
Q11.令和2年12月問48で最も重要な学習ポイントは何ですか?
第2肢の124,451業者を覚えることだけではありません。第1・3肢のように**数字が正しくてもトレンドが誤れば×**になることを理解することが最も再利用しやすい判断基準です。
Q12.統計問題を読む最短手順は何ですか?
資料名→対象年→何の数字か→単位→概数→増減→連続年数の順です。数字を見た瞬間に正誤を決めず、文章の最後まで確認することが得点につながります。
FAQで共通するポイントは、統計を固定知識ではなく毎年更新する知識として扱うことです。民法や宅建業法の条文問題とは違い、前年に正しかった数字が翌年には古い数字になるため、年度を落として暗記すると過去問学習が逆効果になる場合があります。現在値と過去問値をノートでも分けてください。
また、統計の細部を大量に暗記するより、まず方向性を押さえることが重要です。令和8年受験なら、住宅着工は減少、宅建業者数は増加、地価は上昇基調、不動産業利益率は10%超という骨格が判断材料になります。 細かな数字はこの骨格の後に追加してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
FAQ型の境界では、概数が合っているから文章全体も正しいという判断を捨てることが重要です。統計問題では、数字、対象年、資料、増減方向、連続年数の五つのうち一つだけ変えれば誤肢が完成します。令和2年12月問48は、その典型として第1肢と第3肢を使って学習できます。
本試験直前には、過去問の数字を何度も復習するより、受験年度の最新版へ数字を上書きしてください。指定資料でも統計は「出題年度に対応する最新数値」を基準とし、最新値を古い過去問へ機械的に当てはめないことが求められています。 過去問=作問パターン、最新統計=本試験用数字という役割分担を固定することが必要です。
まとめ
不動産取引における統計では、最初に資料名→対象年→数字の対象→単位→増減方向を確認します。数字そのものが正しくても、増加と減少、年と年度、利益額と利益率、対象時点が違えば誤りです。特に「正しい数字+誤ったトレンド」が統計問題の典型的なひっかけになります。
令和2年12月問48では、第1肢は約90.5万戸という数字が正しくても「3年ぶり増加」が誤り、第3肢も約196万haという数字が正しくても「大きく減少」が誤りでした。第4肢は不動産業の両利益率が11.1%で10%を超えるため誤りで、第2肢は平成31年3月末124,451業者が12万4,000を超えているため正しい肢です。したがって、正解は2です。
令和8年受験では、**新設住宅着工740,667戸・減少、宅建業者132,291業者・増加、宅地約199万ha、不動産業の売上高営業利益率12.2%・経常利益率13.6%**を現在の基本数字として区別します。 本試験では数字だけを暗記せず、何の統計の、何年の、何についての数字で、増えたのか減ったのかまで固定して判断してください。
