【宅建】宅建業法 保証協会の還付手続とは? |頻出ポイント・ひっかけ問題・過去問攻略・一問一答

保証協会の還付手続では、最初に「誰が弁済を受け、その後に社員が誰へ何を納付するのか」を確認します。弁済業務保証金が還付された後は、社員である宅建業者が供託所へ直接補充するのではなく、保証協会へ還付充当金を納付する仕組みだからです。この記事では平成20年問44を中心に、弁済限度額、還付充当金、特別弁済業務保証金分担金、社員資格喪失後の営業保証金まで整理します。

本試験では、2週間・1か月・1週間という近い数字を入れ替えた誤肢に注意が必要です。還付充当金は2週間以内、特別弁済業務保証金分担金は通知日から1か月以内、社員の地位を失った後の営業保証金は1週間以内と、それぞれ別の制度だからです。平成20年問44では、この期限と納付先、納付しなかった場合の効果まで一問の中で問われています。

目次

問題文を読んだら最初に何を見るか

保証協会の還付手続では、最初に何の金銭について問われているのかを確認します。弁済業務保証金分担金、還付充当金、特別弁済業務保証金分担金、営業保証金は名称が似ていますが、納付先・期限・目的が異なるためです。この章では、金銭の名称、主体、納付先、期間という順番で問題文を処理します。

次に確認するのは、保証協会の社員がまだ社員資格を維持している段階なのか、それとも社員の地位を失った後なのかという点です。社員である間は保証協会制度の中で還付充当金などを処理し、社員資格を失えば営業保証金制度へ切り替わります。したがって、問題文の時間軸を追って「今どの制度の中にいるのか」を確認してください。

問題文で注目する語句

問題文では、弁済業務保証金、還付、還付充当金、保証協会、供託所、2週間、特別弁済業務保証金分担金、1か月、社員の地位を失う、営業保証金、1週間を優先して確認します。これらの語句から、どの段階の手続なのかを特定できるからです。次の表では、本試験で線を引く語句と判断ポイントを整理します。

問題文の語句判断ポイント
弁済業務保証金が還付還付充当金へ進むか
還付充当金2週間以内か
保証協会へ納付納付先が正しいか
供託所へ直接供託誤りではないか
特別弁済業務保証金分担金1か月以内か
期間内に納付しない社員資格喪失か
社員の地位を失う営業保証金制度へ切替え
営業保証金1週間以内か
300万円の分担金事務所数の逆算が必要か
弁済限度額営業保証金相当額か

この表では、数字だけで判断しないことが最重要です。たとえば2週間という数字は還付手続の中で正しい数字ですが、社員資格喪失後の営業保証金について2週間と書かれていれば誤りになります。 必ず金銭名称と期限をセットで確認してください。

判断手順

保証協会の還付手続では、還付→通知→納付→不足→特別分担金→社員資格喪失→営業保証金という流れを固定します。この順序で処理すれば、同じ問題に複数の金銭や期限が登場しても対応関係を崩しにくくなるためです。本試験では次の流れで判断します。

・① 弁済業務保証金が還付されたか確認する
・② 還付充当金の通知があるか確認する
・③ 社員は保証協会へ納付するのか確認する
・④ 還付充当金は2週間以内か確認する
・⑤ 不足時に準備金を取り崩す流れを確認する
・⑥ 特別分担金なら通知日から1か月以内か確認する
・⑦ 不納付なら社員の地位喪失を確認する
・⑧ 地位喪失後は営業保証金1週間以内を確認する

この順番では、「供託所へ直接供託」という表現に特に注意します。資料では、還付充当金について社員である宅建業者が直接供託所に供託するわけではなく、保証協会へ現金で納付するとされています。 主体と納付先の関係を崩さないことがポイントです。

宅建試験ではここが狙われやすい

還付手続では、正しい数字を残したまま納付先だけを変更する誤肢が非常に作りやすくなります。平成20年問44第2肢では2週間という期限自体は正しい一方、社員が直接供託所へ供託するように書かれている点が誤りです。 数字が合っていても、誰が誰へ納付するのかを必ず確認してください。

もう一つの典型は、2週間・1か月・1週間の置き換えです。還付充当金、特別弁済業務保証金分担金、社員資格喪失後の営業保証金という三つの手続は時間の流れで連続するため、数字だけを交換しても自然な文章になります。問題文では制度名を先に決め、その制度に正しい期限を当てはめてください。

保証協会の還付手続の基本判断

弁済業務保証金が還付された場合、保証協会は社員に対して還付充当金の納付を通知します。社員はその通知に応じて2週間以内に保証協会へ現金で還付充当金を納付し、減少した弁済業務保証金を補う仕組みだからです。この章では、還付後に社員がどこへ何を納付するのかを整理します。

この制度で最も重要なのは、社員である宅建業者が供託所へ直接補充しない点です。保証協会制度では、社員と供託所の間に保証協会が入り、保証協会が弁済業務保証金を供託しています。そのため、社員は保証協会に還付充当金を納付するという流れになります。

還付後の基本の流れ

還付手続は、弁済を受ける側の手続と、その後に社員が補充する手続を分けて考えます。弁済業務保証金が還付された後に、社員が保証協会へ還付充当金を納付する流れが始まるからです。次の表で、還付後の動きを確認します。

段階誰が何をするか
還付請求権者弁済を受ける
保証協会社員へ還付充当金納付を通知
社員2週間以内に保証協会へ現金納付
保証協会必要な弁済業務保証金を補充

この表で重要なのは、社員から供託所へ直接つながらない点です。資料でも、社員である宅建業者が直接供託所に供託するわけではないことが、平成20年問44第2肢の誤りの理由として示されています。 矢印で「社員→保証協会→供託所」と整理すると覚えやすくなります。

例題1

弁済業務保証金が還付された場合、保証協会の社員である宅建業者は、2週間以内に保証協会へ還付充当金を現金で納付しなければならない。

解答・判断ポイント

正解:○

資料では、保証協会から通知を受けた社員が2週間以内に保証協会へ現金で還付充当金を納付するとされています。 「2週間」「保証協会へ」「現金」という三点を一組で判断します。

誤肢分析

この問題では2週間という数字だけを暗記しても不十分です。出題者は納付先を供託所へ変更したり、営業保証金を供託すると書き換えたりすることで誤肢を作れます。還付充当金=保証協会へ現金で2週間以内と文章で固定してください。

例題2

弁済業務保証金が還付された場合、保証協会の社員は2週間以内に還付充当金を供託所へ直接供託する。

解答・判断ポイント

正解:×

期限の2週間は正しいですが、納付先が誤っています。社員は保証協会へ現金で還付充当金を納付し、直接供託所へ供託するわけではありません。

誤っている語句

「供託所へ直接供託する」

正しい修正

「保証協会へ現金で納付する」

この誤肢は、営業保証金制度と保証協会制度を混同させています。営業保証金では宅建業者が供託所へ供託しますが、保証協会制度の還付充当金では保証協会へ納付します。納付先を見るだけで切れる代表的な問題です。

宅建試験ではここが狙われやすい

還付手続では、「2週間」という正しい数字が強い誘導になります。数字が正しいため文章全体も正しく見えますが、平成20年問44第2肢のように納付先だけが誤っている場合があります。 正しい数字がある肢ほど、主体・納付先・手続まで確認してください。

また、還付充当金と営業保証金を同じものとして扱う誤肢にも注意します。前者は保証協会制度の内部で社員が保証協会へ納付する金銭であり、後者は保証協会の社員資格を失った後などに供託所へ供託するものです。名前の似ている金銭ほど、制度の所属を最初に確認してください。

還付充当金と特別弁済業務保証金分担金の違い

還付充当金を社員が納付せず弁済業務保証金が不足する場合には、特別弁済業務保証金分担金が問題になります。保証協会はまず弁済業務保証金準備金を取り崩し、それでも不足すると社員へ特別分担金の納付を通知するからです。この章では、還付充当金2週間と特別分担金1か月を比較します。

特別弁済業務保証金分担金は、通常の還付充当金と同じタイミングで自動的に発生するものではありません。まず還付充当金の納付がされず、保証協会が準備金を取り崩しても不足するという段階を経て登場します。平成20年問44では、この特別分担金を期間内に納付しなければ社員の地位を失うという効果まで問われています。

還付充当金と特別分担金を比較する

この二つは、どちらも保証協会へ納付する金銭ですが、発生原因と期限が異なります。還付充当金は弁済業務保証金が還付された後の補充、特別分担金は準備金だけでは不足する場合の追加負担です。次の表で、本試験用の違いを整理します。

比較還付充当金特別弁済業務保証金分担金
発生弁済業務保証金の還付後準備金でも不足する場合
納付先保証協会保証協会
期限2週間以内通知日から1か月以内
不納付の影響次の補充問題へ進む社員の地位を失う
典型ひっかけ供託所へ直接供託2週間とする

この表では、2週間と1か月を期間の長短だけで覚えないことが重要です。還付充当金=2週間、特別分担金=1か月という金銭名称との対応を先に固定します。資料では、特別分担金を期間内に納付しない場合には社員の地位を失うとされています。

例題3

保証協会から特別弁済業務保証金分担金の納付通知を受けた社員は、通知日から1か月以内に納付しなければならない。

解答・判断ポイント

正解:○

資料では、特別弁済業務保証金分担金について通知日から1か月以内の納付が必要とされています。 還付充当金の2週間とは別の期限です。

誤肢分析

この問題では、1か月を2週間へ変える数字の入れ替えが典型です。どちらも保証協会へ納付する金銭なので、数字だけを比較すると混同しやすくなります。まず金銭名称を特定し、その後に数字を当てはめてください。

例題4

特別弁済業務保証金分担金を1か月以内に納付しなくても、保証協会の社員資格には影響しない。

解答・判断ポイント

正解:×

資料では、期間内に納付しない場合には社員の地位を失います。 この論点では期限だけでなく、不納付時の効果まで確認する必要があります。

誤っている語句

「社員資格には影響しない」

正しい修正

「期間内に納付しない場合は社員の地位を失う」

この誤肢は納付義務だけを残し、義務違反の効果を削除しています。宅建業法では期限を問う選択肢の後半に、業務停止・免許取消し・社員資格喪失などの効果を入れ替えることがあります。最後の効果まで読んで判断してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

特別分担金では、還付充当金の2週間との数字交換が最も分かりやすいひっかけです。保証協会に納付するという点は共通しているため、「2週間以内」と書かれていても自然に見えます。正しくは特別分担金は通知日から1か月以内です。

さらに、不納付時の効果を業務停止処分や免許取消処分へ変更する誤肢にも注意します。資料で直接示されている効果は、まず保証協会の社員の地位を失うことです。社員資格喪失後に営業保証金の供託へ進むという流れまで確認してください。

社員の地位喪失後は営業保証金へ切り替わる

保証協会の社員の地位を失った宅建業者は、その日から1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません。社員資格を失えば保証協会制度による取引関係者保護を利用できなくなるため、営業保証金制度へ切り替える必要があるからです。この章では、還付手続の最後に発生する制度切替えを整理します。

平成20年問44第4肢では、社員の地位を失った後の営業保証金供託期限を2週間以内としているため誤りです。正しくは地位を失った日から1週間以内であり、還付充当金の2週間をそのまま移してはいけません。 時系列で覚えると数字の混同を防げます。

2週間・1か月・1週間を時系列で整理する

保証協会の還付手続では、三つの数字を横並びにするより時系列で整理すると理解しやすくなります。還付後に2週間、その後の不足への特別分担金で1か月、不納付で資格を失った後に1週間という順番だからです。次の表を試験直前の確認用に使えます。

段階手続期限・効果
還付充当金2週間以内
特別弁済業務保証金分担金通知日から1か月以内
不納付社員の地位喪失
営業保証金地位喪失日から1週間以内

この表では、1週間が還付手続そのものの期限ではなく、社員資格喪失後の営業保証金制度への切替期限であることが重要です。資料でも「2週間以内では長過ぎる」と説明され、正しい期限が1週間であることが明確です。 数字の意味を時系列上の位置と一緒に覚えてください。

例題5

保証協会の社員の地位を失った宅建業者は、その地位を失った日から2週間以内に営業保証金を供託すればよい。

解答・判断ポイント

正解:×

正しい期限は1週間以内です。資料でも社員資格喪失後の営業保証金について「2週間以内では長過ぎる」とされています。

誤っている語句

「2週間以内」

正しい修正

「1週間以内」

この誤肢は還付充当金の2週間を営業保証金へ移したものです。どちらも同じ問題の中で使われる正しい数字だからこそ、対象を確認しなければ誤答します。社員資格喪失後という語句を見たら1週間へ切り替えてください。

宅建試験ではここが狙われやすい

社員資格喪失後の問題では、保証協会制度がそのまま続くように見せる誤肢に注意します。社員資格を失った後は保証協会へ分担金を納付する段階ではなく、営業保証金を供託する制度へ切り替わるからです。問題文の時間軸を追い、制度が変わる地点を確認してください。

また、1週間の起算点を通知日などへ変更する誤肢にも注意が必要です。資料では地位を失った日から1週間以内なので、通知を受けることを起算点にはしていません。数字+起算点+制度を一組で記憶してください。

弁済業務保証金分担金と弁済限度額

保証協会の還付手続を理解するには、そもそもどの範囲まで弁済を受けられるかも整理しておく必要があります。保証協会の社員が納付した弁済業務保証金分担金の金額が、そのまま弁済限度額になるわけではないからです。この章では平成20年問44第1肢を使い、分担金と営業保証金相当額の違いを整理します。

資料では、弁済業務保証金分担金は本店60万円、支店1か所につき30万円です。一方、社員でなかった場合に供託すべき営業保証金は本店1,000万円、支店1か所につき500万円であり、弁済限度額はこの営業保証金相当額を基準にします。 納付額と弁済限度額を同一視しないことが重要です。

分担金と営業保証金相当額を比較する

この比較では、まず分担金から事務所数を逆算し、その後に営業保証金相当額へ換算します。平成20年問44では分担金300万円なので、本店1か所60万円と支店8か所240万円の合計と判断できます。次の表で数字の対応を整理します。

項目本店支店1か所
弁済業務保証金分担金60万円30万円
営業保証金1,000万円500万円

本店1か所と支店8か所なら、営業保証金相当額は1,000万円+500万円×8=5,000万円です。したがって、分担金300万円を納付している宅建業者との取引で弁済を受けられる限度額は300万円ではなく5,000万円となります。 まず事務所数へ戻すことが計算のポイントです。

例題6

保証協会の社員が弁済業務保証金分担金300万円を納付している場合、その社員との取引について弁済を受けられる限度額も300万円である。

解答・判断ポイント

正解:×

分担金300万円は、本店1か所と支店8か所に対応します。その社員が保証協会の社員でなければ必要となる営業保証金相当額は5,000万円なので、資料ではこれが弁済限度額とされています。

誤っている語句

「限度額も300万円」

正しい修正

「営業保証金相当額の5,000万円が限度額となる」

この誤肢は、実際に保証協会へ納付した分担金額と弁済限度額を同一視しています。数字を見る前に、分担金と営業保証金のどちらについての金額なのかを確認してください。分担金→事務所数→営業保証金相当額の順で計算します。

宅建試験ではここが狙われやすい

金額問題では、本店60万円・支店30万円と、本店1,000万円・支店500万円の数字交換に注意します。どちらも本店・支店単位で計算するため、制度名を見ずに数字だけ覚えると混同しやすくなります。平成20年問44では、300万円から5,000万円へ換算する手順そのものが判断ポイントです。

さらに、弁済限度額を実際の分担金額までとする誤肢も典型です。保証協会制度では、少額の分担金で営業保証金制度と同程度の弁済範囲を確保する構造になっているため、納付額と弁済限度額は一致しません。数字の意味を区別してください。

過去問分析

この過去問では、保証協会について分担金と弁済限度額、還付充当金、特別弁済業務保証金分担金、社員資格喪失後の営業保証金を横断して判断します。各肢で数字・納付先・効果が異なり、同じ保証協会制度として一括処理すると誤答しやすいからです。この章では、平成20年問44について問題文のどこを確認すれば正解できるかを整理します。

最初に確認する語句

問題文では、300万円、60万円、30万円、還付充当金、2週間、供託所、特別弁済業務保証金分担金、1か月、社員の地位、1週間を最初に確認します。これらを拾えば、第1肢は金額計算、第2肢は納付先、第3肢は特別分担金と社員資格、第4肢は営業保証金への切替えと分類できます。そのうえで各制度固有の数字を当てはめます。

平成20年(2008年)問44

問44

宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)又はその社員に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 300万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、6,000万円を限度として、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
  2. 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。
  3. 保証協会の社員は、保証協会から特別弁済業務保証金分担金を納付すべき旨の通知を受けた場合で、その通知を受けた日から1か月以内にその通知された額の特別弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しないときは、当該保証協会の社員の地位を失う。
  4. 宅地建物取引業者は、保証協会の社員の地位を失ったときは、当該地位を失った日から2週間以内に、営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。

正解:3

解説

第3肢では、特別弁済業務保証金分担金を通知日から1か月以内に納付しなければならない点が問われています。さらに、期間内に納付しない場合には社員の地位を失うため、期限と不納付時の効果の両方が正しく記載されています。 したがって第3肢が正しい肢です。

第2肢と第4肢は、保証協会分野で使われる正しい数字を別の手続へ移している点が特徴です。第2肢は2週間自体は正しいものの納付先が供託所となっており、第4肢は営業保証金について2週間としている点が誤りです。

各肢の正誤理由

各肢では、最初に「何の金銭・手続か」を確定します。第1肢は弁済限度額、第2肢は還付充当金、第3肢は特別分担金、第4肢は社員資格喪失後の営業保証金なので、同じ判断基準をそのまま使うことはできません。制度を分けた後に数字・納付先・効果を確認します。

肢1 誤り

分担金300万円を納付しているからといって、弁済限度額が300万円になるわけではありません。資料では本店60万円・支店1か所30万円なので、300万円から本店1か所・支店8か所と分かり、営業保証金相当額は5,000万円となります。 この5,000万円が弁済限度額です。

この肢では、「納付額=弁済限度額」という単純化が誤りです。分担金は保証協会へ納付する金額であり、弁済範囲は社員でなければ供託すべき営業保証金相当額を基準にします。数字の役割を分けて判断してください。

肢2 誤り

弁済業務保証金が還付された場合、社員は2週間以内に還付充当金を納付します。しかし、納付先は保証協会であり、社員が直接供託所へ供託するわけではありません。 正しい数字と誤った納付先を組み合わせた誤肢です。

この肢では2週間という数字を見つけても○にしてはいけません。数字、主体、納付先の三つがすべて正しいかを確認する必要があります。保証協会制度と営業保証金制度の混同を狙った問題です。

肢3 正しい

還付充当金が適切に納付されず、準備金を取り崩しても不足する場合には、社員へ特別弁済業務保証金分担金の納付が通知されます。社員は通知日から1か月以内に納付する必要があり、期間内に納付しない場合は社員の地位を失います。 期限と効果がともに正しいため、本肢が正解です。

この肢では「1か月以内」と「社員の地位を失う」の二つを確認します。どちらか一方だけ正しくても、もう一方が業務停止などに変更されていれば誤りになります。期限と効果をセットで判断してください。

肢4 誤り

保証協会の社員の地位を失った宅建業者は、その日から営業保証金制度へ切り替える必要があります。資料では営業保証金を供託する期限は1週間以内であり、「2週間以内」とする本肢は誤りです。

この肢は、第2肢で正しく使われている2週間という数字を社員資格喪失後の営業保証金へ移しています。正しい数字が同じ問題内に存在するため、単純な数字暗記では見抜きにくい誤肢です。営業保証金=地位喪失後1週間と固定してください。

問題作成者のひっかけポイント

第1のひっかけは、正しい数字を別の制度へ移す方法です。還付充当金の2週間を営業保証金へ、弁済業務保証金分担金の金額を弁済限度額へ移すだけで、自然な誤肢を作ることができます。平成20年問44は、数字が正しいかではなく数字の所属が正しいかを確認する問題です。

第2のひっかけは、納付先の変更です。還付充当金について「保証協会へ納付」を「供託所へ直接供託」とすることで、営業保証金制度との混同を狙っています。 主体と納付先を一組として読んでください。

第3のひっかけは、不納付時の効果です。特別弁済業務保証金分担金を納付しなかった場合、資料では社員の地位を失いますが、業務停止・免許取消しなどへ変更しても一見もっともらしい文章になります。期限の後に書かれている効果まで確認する必要があります。

受験生が迷う理由

受験生が迷いやすい最大の理由は、保証協会制度に似た名称の金銭が多いことです。弁済業務保証金分担金、還付充当金、特別弁済業務保証金分担金は名称だけを見ると役割を区別しにくくなります。そこで「最初に払う」「還付後に補う」「さらに不足した場合」と時間軸で整理すると理解しやすくなります。

もう一つの理由は、保証協会制度と営業保証金制度が途中で切り替わることです。社員である間は保証協会へ納付しますが、社員資格を失えば営業保証金を供託所へ供託する必要があります。制度の切替地点を見落とすと、第4肢のような問題で2週間を選びやすくなります。

数字も混乱の原因になります。60万円、30万円、1,000万円、500万円、2週間、1か月、1週間という複数の数字が一問に入るため、数字一覧だけを暗記すると対応関係が崩れます。金額・期間・制度をセットにして整理してください。

正しい判断手順

本問では、最初に各肢が「金額」「還付」「特別分担金」「資格喪失後」のどれを問うか分類します。次に、その制度について納付先・期限・効果の順に確認すると、他の制度の数字を混ぜずに判断できます。最後に数字の起算点まで確認します。

・① 金銭・制度の名称を特定する
・② 分担金なら事務所数を逆算する
・③ 弁済限度額なら営業保証金相当額へ換算する
・④ 還付充当金なら保証協会へ2週間以内を確認する
・⑤ 特別分担金なら通知日から1か月を確認する
・⑥ 不納付なら社員資格喪失を確認する
・⑦ 資格喪失後は営業保証金へ切り替える
・⑧ 営業保証金は地位喪失日から1週間以内と確認する

この順番なら、2週間・1か月・1週間を単独で思い出す必要がありません。まず制度名を決め、その制度専用の数字を選ぶため、数字の置き換えに対応しやすくなります。平成20年問44では、この処理順がそのまま使えます。

類似問題で使える知識

類似問題でも、還付充当金の納付先が保証協会であることを確認してください。保証協会制度では、社員がすべて直接供託所へ供託するわけではないという構造を理解していれば、納付先を入れ替えた誤肢へ対応できます。

また、社員資格を失った後は営業保証金制度へ切り替えるという判断もそのまま利用できます。地位を失った日から1週間以内という期限は、脱退・資格喪失の記事でも共通する判断材料になります。

宅建試験ではここが狙われやすい

平成20年問44では、金額の意味、納付先、期限、不納付時の効果という四つの異なる部分がそれぞれ誤肢材料になっています。どの肢も全体が間違っているのではなく、正しい内容の中に一か所だけ誤りを混ぜる形です。したがって、選択肢を一文全体の印象で判断せず、主体・金銭・納付先・数字・効果に分解してください。

特に第2肢と第4肢は、2週間という正しい数字が別の意味で使われています。第2肢では期限は正しく納付先が誤り、第4肢では制度そのものは正しく期限が誤りという違いがあります。どこが正しく、どこだけが違うかを特定する練習が類似問題への対応力につながります。

一問一答|過去問の肢レベルで確認

一問一答では、保証協会の還付手続について、分担金、還付充当金、特別分担金、社員資格喪失まで横断して確認します。単純な数字問題だけでなく、納付先・不納付効果・制度切替えを入れ替えた本試験型の肢を中心にします。問題を読んだら、まず何の金銭について問われているかを答えてください。

問題1

弁済業務保証金が還付された場合、保証協会は社員に還付充当金の納付を通知する。

正解:○

還付後は還付充当金の納付へ進みます。

問題2

還付充当金は、通知を受けた社員が2週間以内に保証協会へ現金で納付する。

正解:○

資料に示された還付手続です。

問題3

還付充当金は2週間以内に供託所へ直接供託する。

正解:×

社員が直接供託所へ供託する制度ではありません。

誤っている語句

「供託所へ直接供託する」

正しい修正

「保証協会へ現金で納付する」

問題4

還付充当金の納付期限は、通知を受けた日から1か月以内である。

正解:×

還付充当金は2週間以内です。

誤っている語句

「1か月以内」

正しい修正

「2週間以内」

問題5

保証協会の準備金を取り崩しても不足する場合、社員へ特別弁済業務保証金分担金の納付を通知することがある。

正解:○

資料ではこの順序で処理されています。

問題6

特別弁済業務保証金分担金は、通知日から1か月以内に納付しなければならない。

正解:○

資料に示された期限です。

問題7

特別弁済業務保証金分担金を期間内に納付しない場合、社員の地位を失う。

正解:○

不納付時の効果まで確認する問題です。

問題8

社員の地位を失った宅建業者は、その日から2週間以内に営業保証金を供託する。

正解:×

正しくは1週間以内です。

誤っている語句

「2週間以内」

正しい修正

「1週間以内」

問題9

保証協会の社員資格を失った後も、還付充当金を保証協会へ納付する制度のまま営業を続ける。

正解:×

資格喪失後は営業保証金制度へ切り替わります。

誤っている語句

「保証協会へ納付する制度のまま」

正しい修正

「営業保証金制度へ切り替える」

問題10

弁済業務保証金分担金は、本店60万円、支店1か所につき30万円である。

正解:○

資料に示された分担金額です。

問題11

弁済業務保証金分担金300万円を納付している社員の弁済限度額は300万円である。

正解:×

弁済限度額は営業保証金相当額を基準とします。

誤っている語句

「300万円である」

正しい修正

「事務所数に対応する営業保証金相当額を基準とする」

問題12

本店1か所・支店8か所の社員について、営業保証金相当額は5,000万円となる。

正解:○

1,000万円+500万円×8=5,000万円です。

宅建試験ではここが狙われやすい

一問一答で最も注意したいのは、正しい数字を別の制度へ移す誤肢です。2週間、1か月、1週間はすべて正しい数字ですが、対象となる金銭や手続が違えば誤りになります。数字の前後にある「何を」「誰へ」「いつから」を必ず確認してください。

さらに、保証協会制度と営業保証金制度の切替えも狙われます。社員の地位を失った後まで保証協会制度が続くように書かれていれば誤りであり、営業保証金へ切り替える必要があります。制度の境目を見ることが重要です。

FAQ

保証協会の還付手続では、「誰が供託所へ補充するのか」「2週間と1か月はどう違うのか」という境界で迷いやすくなります。これらは還付後の流れを時系列に並べることで整理できます。この章では、本文の単純な繰り返しではなく、本試験で判断しにくい境界事例を確認します。

Q1.弁済業務保証金が還付されたら、社員が直接供託所へ補充するのですか?

直接供託するわけではありません。資料では、社員は2週間以内に保証協会へ現金で還付充当金を納付します。

Q2.還付充当金を払えないとすぐ社員資格を失いますか?

資料では、その後に保証協会が弁済業務保証金準備金を取り崩し、それでも不足する場合に特別弁済業務保証金分担金の納付通知へ進みます。特別分担金を期間内に納付しない場合に社員の地位を失います。

Q3.2週間と1か月の違いは何ですか?

2週間は還付充当金の納付期限です。1か月は特別弁済業務保証金分担金について、通知日から納付するまでの期限です。

Q4.社員資格を失った後も保証協会へ分担金を納付すればよいですか?

社員資格を失った後は、営業保証金制度へ切り替わります。その地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託する必要があります。

Q5.分担金300万円を払っているなら、弁済限度額も300万円ですか?

違います。資料の事例では300万円から本店1か所・支店8か所と分かり、営業保証金相当額は5,000万円なので、その範囲が弁済限度額になります。

Q6.還付手続の記事で営業保証金まで見る必要がありますか?

平成20年問44では必要です。特別分担金を期間内に納付しない結果として社員資格を失い、その後1週間以内の営業保証金供託へ進むため、還付手続の最後の段階として直接つながっています。

宅建試験ではここが狙われやすい

FAQの境界事例では、還付後の各段階を飛ばして処理する誤肢に注意します。還付から直ちに社員資格喪失になるわけではなく、還付充当金、準備金、特別分担金という流れを経て、不納付の場合に社員資格喪失へ進みます。問題文がどの段階を扱っているのかを確認してください。

また、同じ「納付」という言葉でも納付先が違う点にも注意が必要です。還付充当金と特別分担金は保証協会、資格喪失後の営業保証金は供託所というように、制度が変われば相手方も変わります。誰に払うかを常に確認することで、営業保証金制度との混同を防げます。

まとめ

保証協会の還付手続では、最初に弁済業務保証金の還付後、社員が保証協会へ還付充当金を納付するという基本構造を確認します。社員が直接供託所へ補充するのではなく、保証協会からの通知を受けて2週間以内に現金で納付する点が中心です。平成20年問44第2肢は、2週間という正しい数字を残しながら納付先だけを変更した典型的な誤肢です。

次に、還付充当金で不足を解消できない場合の流れを確認します。保証協会が準備金を取り崩し、それでも不足する場合に特別弁済業務保証金分担金を通知し、社員は通知日から1か月以内に納付しなければなりません。期間内に納付しない場合には社員の地位を失います。

最後に、社員資格喪失後は保証協会制度から営業保証金制度へ切り替わります。地位を失った宅建業者はその日から1週間以内に営業保証金を供託する必要があり、還付充当金の2週間とは区別します。 本試験では還付→2週間→特別分担金1か月→地位喪失→営業保証金1週間という流れを固定してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

保証協会の還付手続で特に狙われやすいのは、2週間・1か月・1週間の数字交換、保証協会と供託所の納付先交換、分担金と弁済限度額の混同、不納付時の効果変更です。平成20年問44では、これらの誤肢パターンが一つの問題内に集約されており、単なる制度暗記ではなく正しい対応関係を確認する必要があります。

試験直前は数字だけを縦に覚えず、還付充当金=保証協会へ2週間、特別分担金=通知日から1か月、社員資格喪失後=営業保証金を1週間という形で文章ごと固定してください。そのうえで弁済業務保証金分担金と営業保証金相当額の金額差まで確認すれば、数字・主体・納付先を入れ替えた問題にも対応できます。問題文を「何の金銭か→誰に払うか→何日以内か→払わないとどうなるか」の順に見ることが、この論点を得点へ変える基本です。

 ここが出る突破ポイント  権利関係  宅建業法  法令上の制限  税・その他
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