【宅建】宅建業法 廃業等の届出とは?頻出ポイント・ひっかけ問題・過去問攻略・一問一答

宅建業法の廃業等の届出では、誰が・いつまでに・誰へ届け出るのかを正確に判断する必要があります。死亡、法人の合併、破産、解散、宅建業の廃止では届出義務者が異なり、免許が失効する時点も同じではありません。本記事では、平成29年問44を正解するために必要な届出義務者、30日、免許承継、失効時期を中心に整理します。

この論点では、「30日以内」という数字だけを覚えても本試験では十分ではありません。死亡では相続人、合併消滅では代表役員だった者、解散では清算人というように、出来事ごとに届出をする人物が変わるからです。問題文を読んだら、最初に「何が起きたのか」と「誰が届け出るのか」を確認します。

目次

問題文を読んだら最初に何を見るか

廃業等の届出では、最初に死亡・合併・破産・解散・廃業のどの事由が発生したのかを確認します。事由によって届出義務者と免許の失効時点が変わるため、30日という数字だけから答えを決めることはできません。この章では、発生事由、届出義務者、起算点、免許失効という順番で処理します。

平成29年問44では、法人の合併、個人事業の法人化、個人業者の死亡、法人の解散が一問に並んでいます。特に「免許を承継できる」という表現と、「届出の日に失効する」という時点の入れ替えが正誤を決めます。まず承継問題なのか届出問題なのかを切り分けてください。

廃業等の届出は、事業承継の制度とは別に考える必要があります。宅建業の免許は、会社や個人に対して与えられるものであり、合併や法人成りによって当然に別人格へ移るものではありません。承継できるかという文章が出たら、免許の人的性格を先に確認します。

問題文で注目する語句を次の表に整理します。表を見る目的は、各肢が届出義務者・期間・失効時点・承継のどこを問うているかを素早く分類することです。平成29年問44では、特に「合併」「相続人」「清算人」「30日」が中心になります。

問題文の語句判断ポイント
個人業者の死亡相続人・死亡を知った日を確認
合併により消滅代表役員だった者を確認
破産手続開始破産管財人を確認
法人の解散清算人を確認
宅建業を廃止宅建業者本人を確認
30日以内何を起算点とするか確認
免許を承継原則として承継不可
死亡の日免許失効時点を確認
届出の日失効時点となる事由を確認
知った日死亡届の起算点
合併の日合併消滅の届出期限を確認
株主総会で解散清算人が届出

この表では、「30日以内」という共通点より、誰が届け出るのかを優先してください。同じ30日でも、死亡では死亡を知った日、合併や解散ではその事由が生じた日というように起算点が異なります。数字は必ず対象と起算点までセットにします。

本試験では、次の順番で選択肢を処理します。最初に発生事由を分類し、届出義務者と30日の起算点を確認した後、免許がいつ失効するかを見ます。承継という言葉がある場合は、その前に免許を別人格へ移せるのかを確認してください。

・① 死亡・合併・破産・解散・廃業のどれか確認する
・② 誰が届出義務者なのか確認する
・③ 30日の起算点を確認する
・④ 免許権者への届出か確認する
・⑤ 免許の失効時点を確認する
・⑥ 免許承継の可否を確認する
・⑦ 既存取引の結了が問題なら別途確認する

この順番なら、「30日」という正しい数字を使った誤肢にも対応できます。宅建業法では、正しい数字に誤った届出義務者や失効時点を組み合わせることで選択肢が作られます。数字だけではなく人物と時点を最後まで確認してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

廃業等の届出では、届出義務者の入れ替えが最も作りやすいひっかけです。合併消滅した法人について清算人としたり、解散した法人について代表役員だった者としたりすれば、30日以内という数字が正しくても肢全体は誤りになります。出来事と担当者を一組で整理してください。

また、死亡や合併では免許が失効する時点も狙われます。届出が30日以内だからといって、届出の日まで免許が有効という意味ではありません。👉 事由→届出義務者→30日の起算点→失効時点という順番を固定すると、数字と時点の入れ替えを見抜きやすくなります。

廃業等の届出|誰が30日以内に届けるか

廃業等の届出では、発生した事由ごとに届出義務者を分けて覚えることが基本です。死亡・合併・破産・解散・廃業では、届け出る人物がすべて同じではないからです。この章では、本試験で使う人物と30日の関係を比較して整理します。

個人の宅建業者が死亡した場合は、その相続人が届け出ます。法人が合併によって消滅した場合は、その法人を代表する役員であった者が届出義務者になります。法人が合併・破産以外の理由で解散した場合は、清算人が届け出ます。

破産手続開始の決定を受けた場合には、破産管財人が届出を行います。宅建業者が宅建業を廃止した場合は、宅建業者本人が届け出ることになります。誰が届けるかを事由ごとに整理しておけば、人物を交換した誤肢を切りやすくなります。

届出義務者を比較します。表を見る目的は、「誰が」という部分を先に固定し、30日という数字だけで判断しないようにすることです。人物の入れ替え問題では、この表を頭の中で再現します。

廃業等の事由届出義務者期間の基準
個人業者の死亡相続人知った日から30日
法人の合併消滅代表役員だった者合併の日から30日
破産手続開始破産管財人決定の日から30日
法人の解散清算人解散の日から30日
宅建業の廃止宅建業者廃業の日から30日

この表では、特に合併=代表役員だった者、解散=清算人を区別してください。どちらも法人が通常の営業を終える場面なので混同しやすいですが、届出義務者は異なります。問題文の原因を先に確定すれば人物を選びやすくなります。

死亡した場合は相続人が届け出る

個人である宅建業者が死亡した場合は、相続人が死亡を知った日から30日以内に届け出ます。死亡の日から30日とするのではなく、相続人がその死亡を知った日を起算点とする点が特徴です。この章では、届出期限と免許失効時点を分けて確認します。

個人業者が死亡すると、その人自身に与えられた免許の前提となる主体が存在しなくなります。そのため、免許の効力を考えるときは「相続人がいつ届出をしたか」ではなく、本人が死亡した時点を見る必要があります。届出は免許を失効させるための行為ではなく、事後的な報告として考えます。

この違いが平成29年問44第3肢のひっかけです。相続人が死亡を知った日から30日以内に届け出る部分は正しくても、「届出があった日に免許が失効する」と続けば誤りになります。一つの肢の中に○と×が混在している典型例です。

例題1

個人である宅建業者が死亡した場合、その相続人は死亡を知った日から30日以内に免許権者へ届け出なければならない。

解答・判断ポイント

正解:○

死亡の場合の届出義務者は相続人です。期間は相続人が死亡を知った日から30日以内と判断します。

誤肢分析

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

死亡の場合は「誰が」と「いつから」をセットにします。死亡の日そのものを起算点にしない点にも注意してください。

例題2

個人である宅建業者が死亡した場合、その免許は相続人が死亡届を提出した日に失効する。

解答・判断ポイント

正解:×

免許は宅建業者本人が死亡した時点で効力を失います。届出の日を失効時点とする部分が誤りです。

誤肢分析

誤っている語句

「届出を提出した日に失効する」

正しい修正

「宅建業者が死亡した時点で失効する」

死亡届の期限と免許失効時点を混同させる問題です。平成29年問44第3肢の中心となるひっかけです。

法人が合併で消滅した場合

法人である宅建業者が合併によって消滅した場合は、その法人を代表する役員であった者が届出を行います。合併後の存続会社や吸収会社が、消滅した法人の宅建業免許を当然に引き継ぐ制度ではありません。この章では、届出義務と免許承継を分けて判断します。

宅建業免許は、免許を受けた法人そのものについての資格です。その法人が合併によって消滅すれば、免許を受けていた主体も消滅するため、免許を別法人へ当然に移すことはできません。存続会社が宅建業を営むなら、その会社自身について免許が必要です。

平成29年問44第1肢では、宅建業者A社が免許を持たないB社との合併によって消滅する場面です。B社がA社の免許を承継できるとする部分が誤りであり、A社の免許は消滅会社とともに効力を失います。合併=事業承継だから免許も承継できる、と考えないことがポイントです。

例題3

法人である宅建業者が合併によって消滅した場合、その法人を代表する役員であった者が30日以内に届け出る。

解答・判断ポイント

正解:○

合併消滅の場合の届出義務者は、消滅法人を代表する役員であった者です。清算人とは区別してください。

誤肢分析

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

合併と解散で届出義務者を入れ替えないことがポイントです。

例題4

宅建業者である法人が他法人との合併により消滅した場合、存続法人は消滅法人の宅建業免許を当然に承継する。

解答・判断ポイント

正解:×

宅建業免許は合併によって当然に承継されません。存続法人が宅建業を営むには、その法人自身の免許が必要です。

誤肢分析

誤っている語句

「宅建業免許を当然に承継する」

正しい修正

「消滅法人の免許を当然に承継することはできない」

会社法上の事業承継と宅建業免許の承継を混同させる誤肢です。

法人が解散した場合は清算人

法人である宅建業者が合併・破産以外の理由で解散した場合は、清算人が解散の日から30日以内に届け出ます。株主総会の決議による解散は、この典型的な場面として本試験で出題されます。この章では、合併消滅との違いを中心に確認します。

解散の場合は法人が直ちに完全消滅する場面ではなく、清算手続へ移るため清算人が存在します。そのため、届出義務者を代表取締役や代表役員だった者とするのではなく、清算人と判断します。誰が手続の責任者になっているかを見ると整理しやすくなります。

平成29年問44第4肢では、F社が株主総会の決議により解散する場面が設定されています。その清算人が解散の日から30日以内に乙県知事へ届け出るという記述は正しい内容です。本問ではこの第4肢が正解になります。

例題5

法人である宅建業者が株主総会の決議により解散した場合、清算人が解散の日から30日以内に届け出る。

解答・判断ポイント

正解:○

合併・破産以外の解散では清算人が届出義務者です。平成29年問44第4肢と同じ判断になります。

誤肢分析

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

「解散=清算人」を先に確定すると判断しやすくなります。

例題6

法人である宅建業者が解散した場合、その法人を代表する役員であった者が30日以内に届け出る。

解答・判断ポイント

正解:×

解散の場合は清算人が届出義務者です。代表役員だった者は合併消滅の場合と混同しています。

誤肢分析

誤っている語句

「代表する役員であった者」

正しい修正

「清算人」

合併消滅と解散の届出義務者を入れ替えた典型的な誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

届出義務者では、相続人・代表役員だった者・破産管財人・清算人・宅建業者本人を交換するだけで多くの誤肢を作れます。特に合併と解散は法人に関する手続という共通点があるため、代表役員だった者と清算人を混同しやすくなります。原因を先に判断し、その後で人物を対応させてください。

さらに、30日という数字を正しく残したまま、起算点や届出義務者だけを変更する出題にも注意します。死亡だけは「死亡を知った日」という特徴があり、その他の事由では原則としてその事由が発生した日を確認します。👉 出来事と人物をセットにしてから30日を見ることが本試験での安全な処理方法です。

免許の承継|相続・合併・法人成りでも当然には引き継げない

宅建業の免許は、別の個人や法人へ当然に承継されるものではありません。免許は申請者本人について欠格要件や事務所などを審査した上で与えられるため、事業だけが移っても同じ免許をそのまま使えないからです。この章では、平成29年問44第1肢・第2肢を中心に整理します。

法人同士の合併では、会社法上の権利義務が包括的に承継される場面があります。しかし、宅建業免許については、消滅会社の免許を存続会社がそのまま承継できるとは判断しません。存続法人が宅建業を営むには、その法人自身が必要な免許を受けていることが必要です。

個人事業を法人化する場合も同じ考え方を使います。個人Cと新設された株式会社Dは法律上別の主体なので、Cが持っている宅建業免許をD社が当然に引き継ぐことはできません。「代表取締役が同一人物」という事情でも結論は変わりません。

承継の判断を比較します。表を見る目的は、事業や財産が引き継がれることと、宅建業免許が承継されることを区別することです。選択肢に「そのまま」「当然に」「承継」という表現が出たら注意してください。

場面免許の承継判断ポイント
法人の合併当然承継しない法人格が別
個人から法人化承継しない個人と法人は別人格
相続当然承継しない被相続人本人の免許
代表者が同じ承継理由にならない免許主体を見る

この表では、事業の継続性ではなく「誰が免許を受けているのか」を見ます。宅建業の免許は営業そのものへ付着する資格ではなく、免許を受けた個人・法人についての資格だからです。主体が変われば免許も別に判断します。

例題7

個人の宅建業者が事業を法人化し、その本人が新法人の代表取締役になれば、個人の免許を法人が承継できる。

解答・判断ポイント

正解:×

個人と法人は別の法的主体です。代表者が同じでも、個人の免許を新法人が当然に引き継ぐことはできません。

誤肢分析

誤っている語句

「個人の免許を法人が承継できる」

正しい修正

「新法人は新法人として免許を受ける必要がある」

平成29年問44第2肢と同じひっかけです。事業の連続性と免許主体を分けて判断します。

例題8

宅建業者である法人が合併で消滅しても、存続会社の代表者が同じなら免許を承継できる。

解答・判断ポイント

正解:×

代表者が同じでも法人格は別です。消滅法人の宅建業免許を当然に承継することはできません。

誤肢分析

誤っている語句

「代表者が同じなら免許を承継できる」

正しい修正

「存続法人自身について免許の有無を確認する」

代表者という人物の共通性を使って免許承継を認めさせる誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

免許承継では、事業承継と免許承継を同じものとして扱わせるひっかけが中心になります。合併や法人成りでは営業内容や経営者がほぼ同じでも、免許を受ける主体は変わります。実態が継続しているかではなく、法律上の個人・法人が同一かを確認してください。

また、「30日以内に届け出れば承継できる」という形で廃業等の届出と免許承継を結び付ける誤肢にも注意が必要です。廃業等の届出は、消滅・死亡・解散などの事実を報告する手続であり、免許を他者へ移すための手続ではありません。👉 届出と承継は別制度と切り分けることが重要です。

免許の失効時点|死亡・合併と届出の日を区別する

廃業等の届出では、届出期限と免許失効時点を別々に確認することが必要です。30日以内に届け出るというルールがあっても、免許がその届出の日まで存続するとは限らないからです。この章では、死亡・合併と、その他の事由との違いを試験用に整理します。

個人宅建業者が死亡した場合は、その本人が死亡した時点で免許の前提となる主体がなくなります。法人が合併によって消滅した場合も、消滅法人そのものが存在しなくなるため、免許はその時点で効力を失います。届出は後から行われる事後報告です。

これに対して、破産、合併以外の解散、宅建業の廃止については、届出と免許失効の関係を死亡・合併と同じものとして処理しません。試験では「届出日」「死亡日」「合併日」を意図的に交換した肢が作られます。事由ごとの失効時点を確認してください。

代表的な違いを表に整理します。表を見る目的は、30日という共通項だけで失効時点まで同じだと考えないことです。特に死亡と合併は、届出より前に免許主体がなくなる点を確認します。

事由届出免許失効で見る時点
個人業者の死亡相続人が30日以内死亡時
法人の合併消滅代表役員だった者が30日以内合併消滅時
破産破産管財人が30日以内届出との関係を確認
法人の解散清算人が30日以内届出との関係を確認
宅建業の廃止本人が30日以内届出との関係を確認

この表では、平成29年問44第3肢を切るために死亡時点を最優先で確認します。「相続人が30日以内」という前半が正しいため、その後の失効時点を読み飛ばすと誤答します。一つの肢を条件ごとに分解することが必要です。

例題9

個人である宅建業者が死亡した場合、免許は本人の死亡時に効力を失う。

解答・判断ポイント

正解:○

死亡によって免許を受けた本人が存在しなくなるためです。相続人の届出の日まで免許が残るわけではありません。

誤肢分析

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

届出期限と免許失効時点を切り分ける基本問題です。

例題10

法人である宅建業者が合併によって消滅した場合、その免許は届出がされた日に初めて失効する。

解答・判断ポイント

正解:×

消滅法人の免許は、法人が合併によって消滅した時点で効力を失います。届出の日を失効時点とする部分が誤りです。

誤肢分析

誤っている語句

「届出がされた日に初めて失効する」

正しい修正

「法人が合併により消滅した時点で失効する」

死亡と同じく、主体消滅と届出を分けて考える問題です。

宅建試験ではここが狙われやすい

失効時点では、30日以内の届出という正しいルールを利用して、届出日まで免許が有効だと思わせる方法が使われます。死亡と合併では、届出を待たずに免許主体そのものがなくなるため、失効時点は届出日ではありません。届出義務と免許効力を同じ時間軸にまとめないことが必要です。

一方、すべての廃業等事由を「事由発生日に直ちに失効」と一括暗記するのも危険です。事由によって失効時点の扱いが異なるため、本試験では死亡・合併とその他を分けて処理します。👉 届出の30日と失効時点は別問題と固定してください。

過去問分析

平成29年問44では、免許承継・死亡届・法人解散という廃業等の届出の核心部分が問われています。正解するには、30日という数字だけではなく、免許を承継できるか、誰が届けるか、いつ失効するかまで確認する必要があります。この章では、各肢の解説を簡潔にしながら、問題全体の判断手順を整理します。

第1肢と第2肢は免許承継、第3肢は死亡時の届出と失効、第4肢は法人解散時の届出を扱っています。第1肢・第2肢では「承継できる」という語句、第3肢では「届出があった日に失効」、第4肢では「清算人」が決め手です。各肢の最後の法律効果まで読んでください。

個数問題ではないため、正しい肢を一つ選べば足りますが、消去法だけでは不安定です。四肢をそれぞれ独立して○×判定し、第4肢が正しいと確定する方法が安全です。人物と時点を簡単にメモすると判断しやすくなります。

最初に確認する語句

問題文では、合併、免許承継、法人化、相続人、死亡を知った日、免許失効、清算人、解散の日、30日以内を確認します。第1肢・第2肢は免許を別主体へ移せるか、第3肢は届出期限と失効時点、第4肢は届出義務者を確認します。まず論点を分類してから条文知識を当てはめます。

平成29年(2017年)問44

問44

宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者A社が免許を受けていないB社との合併により消滅する場合、存続会社であるB社はA社の免許を承継することができる。
  2. 個人である宅地建物取引業者Cがその事業を法人化するため、新たに株式会社Dを設立しその代表取締役に就任する場合、D社はCの免許を承継することができる。
  3. 個人である宅地建物取引業者E(甲県知事免許)が死亡した場合、その相続人は、Eの死亡を知った日から30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならず、免許はその届出があった日に失効する。
  4. 宅地建物取引業者F社(乙県知事免許)が株主総会の決議により解散することとなった場合、その清算人は、当該解散の日から30日以内に、その旨を乙県知事に届け出なければならない。

正解:4

解説

本問は、廃業等の届出と免許承継について正しい記述を選ぶ問題です。第1肢・第2肢・第3肢が誤りで、第4肢が正しい内容です。特に「免許は承継できない」「死亡時に失効」「解散は清算人」を確認します。

各肢の正誤理由

◆1(誤り)
合併で消滅するA社の免許を、存続会社B社が当然に承継することはできません。A社の免許はA社の消滅とともに効力を失います。

◆2(誤り)
個人Cと新設法人D社は別人格なので、Cの宅建業免許をD社が承継することはできません。D社が宅建業を営むなら、D社自身の免許が必要です。

◆3(誤り)
相続人が死亡を知った日から30日以内に届け出る部分は正しい内容です。しかし、免許は届出日ではなく、宅建業者Eが死亡した時点で失効します。

◆4(正しい)
法人が株主総会決議で解散した場合は、清算人が届出義務者になります。清算人は解散の日から30日以内に免許権者へ届け出ます。

問題作成者のひっかけポイント

第1肢と第2肢では、合併や法人化によって事業が継続することを利用し、宅建業免許まで当然に承継されるように見せています。しかし、免許は免許を受けた個人・法人についての資格なので、別人格へ当然に移るものではありません。事業承継と免許承継を分けることが必要です。

第3肢では、相続人と30日という前半を正しくしています。そのため文章全体が正しそうに見えますが、最後の「届出があった日に失効」が誤りです。正しい数字がある肢ほど、最後の法律効果まで確認してください。

第4肢では、解散という事由と清算人という届出義務者が正しく対応しています。合併なら代表役員だった者、破産なら破産管財人という別の人物が出るため、人物を交換するだけで誤肢を作れます。誰が届けるかを事由とセットにすることが重要です。

受験生が迷う理由

廃業等の届出では、多くの事由で「30日以内」という共通の数字が使われます。そのため、30日さえ正しければ肢全体も正しいと判断しやすくなります。しかし本試験では、届出義務者や起算点、免許失効時点を別に確認する必要があります。

免許承継も日常感覚とのずれが迷う原因です。会社が合併すれば事業や財産を引き継ぐため、免許も一緒に引き継げそうに感じます。しかし宅建業免許は別に判断されるため、事業承継の知識をそのまま使えません。

死亡の場合も、相続人が30日以内に届出をするため、その届出で免許が消えるように見えます。実際には本人の死亡時に免許主体が消滅しています。届出と免許失効を別制度として読む必要があります。

正しい判断手順

第1肢・第2肢では、最初に免許の主体が変わるかを確認します。A社からB社、個人CからD社という別人格への変更なので、当然承継はできないと判断します。ここだけで第1肢・第2肢を×にできます。

第3肢では、①死亡、②相続人、③知った日から30日という順番で確認します。その後に免許失効時点を読み、死亡時であって届出日ではないと判断します。前半○・後半×なので肢全体は×です。

第4肢では、①法人、②株主総会決議による解散、③清算人、④解散の日から30日以内と処理します。すべて正しい組合せなので○です。したがって正解は4となります。

類似問題で使える知識

死亡・合併・破産・解散・廃業では、届出義務者を一組で整理する方法が使えます。人物を暗記するだけでなく、「どの事由だからその人物なのか」を説明できる状態にしてください。人物を交換した問題へ対応しやすくなります。

免許承継問題では、個人から法人、法人から別法人、相続など、主体が変わったかを見る方法が使えます。営業内容や代表者が同じでも、免許主体が別なら当然承継と考えません。誰が免許を受けたのかを最初に確認します。

失効時点では、届出期限と免許効力を別々に見る方法が有効です。30日という数字が正しくても、失効時点まで正しいとは限りません。特に死亡・合併では主体消滅の時点を確認してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

平成29年問44では、正しい事実と誤った法律効果を一つの文章へ混ぜる方法が使われています。第3肢は「相続人」「知った日から30日以内」が正しい一方、「届出日に失効」だけが誤りであり、途中まで読んで○と決めると失点します。各肢を人物・期間・効果へ分解してください。

また、第1肢・第2肢のように「承継」という言葉が出たら、事業や財産ではなく宅建業免許そのものについて問われていると確認します。第4肢では人物の対応だけで正解できるため、解散=清算人という基本形が得点につながります。👉 承継・届出・失効を別々の判断箱へ入れることが本問攻略のポイントです。

一問一答|過去問の肢レベルで確認

ここでは、平成29年問44から派生する本試験レベルの肢を確認します。死亡、合併、破産、解散、廃業、免許承継について、届出義務者・30日・失効時点を入れ替えています。正誤だけでなく、誤っている語句を正しい内容へ修正できるか確認してください。

問題1
個人である宅建業者が死亡した場合、その相続人は死亡を知った日から30日以内に免許権者へ届け出なければならない。
正解:○
死亡の場合は相続人が届出義務者となり、死亡を知った日から30日以内に届け出ます。

問題2
個人である宅建業者が死亡した場合、その免許は相続人が届出をした日に失効する。
正解:×
免許は本人が死亡した時点で効力を失います。
誤っている語句
「届出をした日に失効する」
正しい修正
「宅建業者が死亡した時点で失効する」

問題3
法人である宅建業者が合併により消滅した場合、その法人を代表する役員であった者が30日以内に届け出る。
正解:○
合併消滅では代表役員だった者が届出義務者です。

問題4
法人である宅建業者が合併によって消滅した場合、清算人が30日以内に届け出る。
正解:×
合併消滅では清算人ではなく、消滅法人を代表する役員であった者が届け出ます。
誤っている語句
「清算人」
正しい修正
「法人を代表する役員であった者」

問題5
法人である宅建業者が株主総会の決議により解散した場合、清算人が解散の日から30日以内に届け出る。
正解:○
合併・破産以外の解散では清算人が届出義務者となります。

問題6
法人が解散した場合は、その法人を代表する役員であった者が必ず届出義務者となる。
正解:×
通常の解散では清算人が届け出ます。
誤っている語句
「代表する役員であった者」
正しい修正
「清算人」

問題7
宅建業者が破産手続開始の決定を受けた場合、破産管財人が届出義務者となる。
正解:○
破産では破産管財人を確認します。

問題8
宅建業者が宅建業を廃止した場合、清算人が廃業の日から30日以内に届け出る。
正解:×
宅建業を廃止した場合は宅建業者本人が届出義務者となります。
誤っている語句
「清算人」
正しい修正
「宅建業者本人」

問題9
宅建業者である法人が他法人との合併で消滅した場合、存続法人は消滅法人の免許を当然に承継できる。
正解:×
消滅法人の宅建業免許は当然には承継されません。
誤っている語句
「当然に承継できる」
正しい修正
「当然に承継することはできない」

問題10
個人の宅建業者が法人化し、その個人が新法人の代表取締役に就任しても、個人免許を新法人が当然に承継することはできない。
正解:○
個人と新法人は別人格なので、新法人自身について免許を判断します。

問題11
廃業等の届出では、30日という数字だけでなく、誰が届け出るのかを確認する必要がある。
正解:○
人物を交換した誤肢が作られるため、事由と届出義務者をセットで確認します。

問題12
死亡・合併・破産・解散・廃業は、いずれも届出義務者と免許失効時点が完全に同じである。
正解:×
事由によって届出義務者や失効時点が異なります。
誤っている語句
「完全に同じ」
正しい修正
「事由ごとに異なるため個別に確認する」

一問一答では、まず問題文に書かれた事由を一語で分類してください。死亡なら相続人、合併なら代表役員だった者、破産なら破産管財人、解散なら清算人というように人物を呼び出します。その後に30日や失効時点を確認すると処理しやすくなります。

宅建試験ではここが狙われやすい

一問一答で最も注意したいのは、30日という正しい数字を残し、人物だけを交換した文章です。数字が目立つため30日が正しいと○を付けたくなりますが、清算人と代表役員だった者が逆なら肢全体は誤りです。まず人物を確定してください。

もう一つの典型は、免許承継を認める文章です。合併・相続・法人成りは事業の連続性を感じさせますが、宅建業免許まで当然に移るとは判断しません。👉 「承継できる」と書かれたら主体が変わっていないかを最初に確認することが有効です。

FAQ

廃業等の届出では、30日の起算点や、合併と解散の届出義務者の違いで迷いやすくなります。FAQでは本文をそのまま繰り返すのではなく、選択肢で条件が少し変化した場合の判断方法を確認します。迷った場合は、事由→人物→時点という順番へ戻してください。

届出の存在と免許の承継・失効は別に考えることも必要です。届出をしたから免許が別人へ移るわけではなく、届出をした日が常に失効日になるわけでもありません。手続と免許効力を切り分けてください。

Q1.死亡の場合も死亡の日から30日以内ですか?
死亡届では、相続人が死亡を知った日から30日以内という点を確認します。死亡日と知った日を入れ替えた問題に注意してください。

Q2.合併した会社の免許を存続会社が引き継げないのはなぜですか?
宅建業免許は消滅会社自身について与えられたものだからです。合併による事業承継と免許承継を分けて判断します。

Q3.個人事業をそのまま会社にしても免許を取り直す必要がありますか?
個人と法人は別の主体です。代表者や事業内容が同じでも、個人の免許が法人へ当然に移るとは判断しません。

Q4.合併と解散で届出をする人は同じですか?
同じではありません。合併消滅では代表する役員であった者、通常の解散では清算人を確認します。

Q5.破産した場合は誰が届け出ますか?
破産手続開始の場合は破産管財人を確認します。解散の清算人と混同しないようにしてください。

Q6.死亡届を30日以内にしなかった間は免許が残りますか?
死亡した本人の免許が届出日まで残るとは判断しません。死亡時点と届出期限は別々に考えます。

Q7.30日以内と書いてあれば正しい肢になりやすいですか?
数字だけでは判断できません。誰が届けるのか、何の日から30日なのか、免許はいつ失効するのかまで確認します。

Q8.平成29年問44で最初に切りやすいポイントは何ですか?
第1肢・第2肢では「免許を承継できる」という部分を確認します。宅建業免許は別人格へ当然に承継されないという基準から判断できます。

FAQで共通するのは、一つの文章に複数の判断要素が含まれていることです。特に30日以内という数字が正しくても、人物や失効時点が誤っていれば選択肢全体は×になります。正しい部分があることと正しい肢であることを区別してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

境界問題では、同じ30日を使う制度同士を混ぜる方法が有効なひっかけになります。死亡・合併・破産・解散・廃業で数字が共通しているからこそ、人物や起算点を交換されると気付きにくくなります。数字を最後に確認する読み方が有効です。

また、合併や法人成りでは「同じ事業が続く」という実態に引っ張られやすくなります。本試験では実態より、免許を受けた法律上の主体が同じかを確認します。👉 事実関係より先に免許主体を確認することが承継問題の判断基準です。

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まとめ

廃業等の届出では、最初に死亡・合併・破産・解散・廃業のどれが起きたかを確認します。その後、相続人・代表役員だった者・破産管財人・清算人・宅建業者本人の誰が届け出るかを対応させ、30日の起算点と免許失効時点を確認します。数字だけで選択肢を判断しないことがポイントです。

平成29年問44は、1×・2×・3×・4○で正解4です。合併や法人成りで免許は当然承継されず、死亡時は届出日ではなく死亡時に免許が失効し、法人の通常の解散では清算人が30日以内に届け出ます。👉 事由→届出義務者→30日→失効時点→承継の可否という順番を固定してください。

 ここが出る突破ポイント  権利関係  宅建業法  法令上の制限  税・その他
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