【宅建】宅建業法 従業者名簿とは? |頻出ポイント・ひっかけ問題・過去問攻略・一問一答

従業者名簿の問題では、何を記載するのか、どこに備えるのか、何年間保存するのか、誰に閲覧させるのかを分けて判断することが得点の中心です。平成9年問30では、宅建士であるか否かの別、最終記載日から10年間の保存、事務所ごとの備付け、取引関係者から請求があった場合の閲覧が問われています。この記事では従業者名簿の基本ルールを網羅するのではなく、指定過去問を正解するための数字・対象者・手続・ひっかけを整理します。

従業者名簿では、「従業者の氏名だけを書けばよい」「本店に全店舗分をまとめればよい」「5年間保存すればよい」といった一部分の変更が誤肢になります。さらに秘密保持義務を理由に閲覧を拒めるようにしたり、従業者証明書と従業者名簿の役割を混同させたりする問題にも注意が必要です。記載事項→備付場所→保存期間→閲覧の順番で確認すると、似た誤肢を安定して切れます。

平成9年問30の正解は3であり、第1・2・4肢が違反、第3肢だけが違反しないという構成です。第1肢は記載事項を削り、第2肢は10年を5年へ短縮し、第4肢は秘密保持義務を閲覧拒否の根拠として使っています。第3肢では、主たる事務所に全事務所分を集約せず、それぞれの事務所ごとに従業者名簿を備えればよいという原則が正しく示されています。

目次

問題文を読んだら最初に何を見るか

従業者名簿の問題では、最初に誰が、どの事務所について、何をしなければならないのかを確認します。従業者名簿は宅建業者が事務所ごとに備える制度なので、従業者個人が自由に作成するものでも、本店へ一括して備えるものでもありません。この章では、問題文で最初に拾う語句と、本試験での処理順を固定します。

問題文に「記載しなかった」とあれば、何が法定の記載事項なのかを確認します。「5年間保存」とあれば保存期間を確認し、「主たる事務所に一括」とあれば事務所ごとの備付けを確認します。「閲覧を拒んだ」とあれば、請求者が取引の関係者か、拒否できる理由があるかを確認してください。

従業者名簿の問題では、数字だけでなく場所と対象者が正誤を分けます。10年という数字を知っていても、「どの日から10年か」が曖昧なら誤りやすく、事務所ごとという原則を知らなければ本店集約型の誤肢を切れません。誰が→どこに→何を→いつまで→誰に見せるかという順番で判断します。

問題文で注目する語句を整理します。この表を見る目的は、問題文のどこで正誤判断を始めればよいかを固定することです。平成9年問30では、記載事項・保存期間・備付場所・閲覧の四方向へ分けます。

問題文の語句判断ポイント
従業者名簿宅建業者が備える帳簿か
従業者の氏名法定記載事項か
従業者証明書番号記載事項か
主たる職務内容記載事項か
宅建士であるか否か記載事項か
従業者となった年月日記載事項か
従業者でなくなった年月日記載事項か
5年間保存10年ではないか
主たる事務所に一括事務所ごとではないか
閲覧請求取引の関係者からの請求か
秘密保持義務閲覧拒否の根拠になるか

この表では、一つの肢の中に複数の判断材料がある場合もあります。たとえば「本店に全事務所分を5年間保存」と書かれていれば、備付場所と保存期間の両方が誤っている可能性があります。問題文を一つの論点として読まず、要素ごとに分解してください。

本試験では次の順番で処理します。従業者名簿について聞かれていることを確認した後、記載・備付け・保存・閲覧のどれなのかを分類し、その論点だけに必要な知識を当てはめます。数字が出ている場合も、数字だけでなく起算点まで確認してください。

・従業者名簿についての問題か確認する
・記載事項・備付場所・保存期間・閲覧のどれか分類する
・記載事項なら削られている項目がないか確認する
・備付場所なら事務所ごとか本店一括か確認する
・保存期間なら10年と起算点を確認する
・閲覧なら請求者が取引の関係者か確認する
・秘密保持義務など別制度を持ち込んでいないか確認する

この順番を使うと、「従業者名簿」という制度名を見ただけで全部の知識を思い出す必要がなくなります。第1肢なら記載事項、第2肢なら保存期間、第3肢なら備付場所、第4肢なら閲覧というように、各肢で見る場所を変えれば十分です。👉 論点分類→数字・場所・対象者→別制度との混同確認という処理を固定してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

従業者名簿では、正しい記載事項の一部だけを削るひっかけが狙われます。氏名や従業者証明書番号など目立つ項目を残し、「宅建士であるか否かの別」だけを削れば自然な文章になります。記載事項問題では、一つでも法定項目を欠いていないかを確認してください。

数字では、10年を5年へ短縮する方法が典型です。5年という数字は宅建業法の別論点でも見かけるため、数字自体に違和感が少なく、保存期間の対象を曖昧に覚えていると誤答しやすくなります。従業者名簿=最終記載日から10年まで一組にします。

さらに、秘密保持義務など別の正しい規定を閲覧拒否へ持ち込む問題にも注意します。秘密を守る義務があること自体は正しくても、それを理由に法定の閲覧義務を拒めるわけではありません。👉 正しい別制度が、今の場面の例外になるかを確認することが重要です。

従業者名簿の基本ルール|記載・備付け・保存・閲覧

従業者名簿では、宅建業者がその事務所ごとに名簿を備え、所定事項を記載することが基本です。さらに最終記載日から10年間保存し、取引の関係者から請求があったときは閲覧させる必要があります。この章では、平成9年問30の四肢すべてに共通する基本構造を整理します。

従業者名簿は、宅建業者が従業者の在籍状況や職務内容などを明らかにするための帳簿として扱われます。主たる事務所だけに一冊置けばよいものではなく、従たる事務所を含めてそれぞれの事務所単位で備えます。支店の従業者については、その支店の従業者名簿で管理するという方向から判断してください。

保存期間は、単に「10年間」とだけ覚えるのでは不十分です。資料では最終の記載日から10年間保存すると整理されているため、従業者が退職した日や名簿を作成した日を勝手な起算点にしないことが必要です。問題文に「退職後10年」「作成日から10年」などと書かれたら、起算点を確認してください。

基本関係を表で整理します。この表を見る目的は、従業者名簿の四つの判断軸を一度に確認することです。本試験では、どの列が変更されているかを見つけます。

確認項目基本ルール
備える者宅建業者
備付単位事務所ごと
記載内容所定事項
保存期間最終記載日から10年間
閲覧取引の関係者から請求があれば必要

この表では、従業者本人が名簿を持つ制度ではないことも確認できます。宅建業者が事務所ごとに管理する制度なので、「従業者が退職時に名簿を持ち帰る」「本店が全支店分を一括管理する」といった文章は制度構造と合いません。誰が管理主体なのかを最初に確認してください。

閲覧義務も重要です。取引の関係者から請求があった場合に閲覧させるという規定なので、「誰から請求されても無条件に閲覧」「秘密保持義務があるので誰にも閲覧させない」という両極端な文章は注意が必要です。請求者の属性と、法律上の閲覧義務の有無を順番に確認します。

例題1
宅建業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備えなければならない。
解答・判断ポイント
正解:○
従業者名簿は事務所単位で備える制度です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
本店へ一括して備える制度ではありません。

例題2
宅建業者は、従業者名簿を最終記載日から10年間保存しなければならない。
解答・判断ポイント
正解:○
資料で示されている保存期間と起算点です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
10年だけでなく最終記載日からと確認します。

例題3
従業者名簿は社内管理資料なので、取引の関係者から請求があっても閲覧させる必要はない。
解答・判断ポイント
正解:×
取引の関係者から請求があった場合には閲覧させます。
誤肢分析
誤っている語句
「閲覧させる必要はない」
正しい修正
「取引の関係者から請求があったときは閲覧させる」
内部資料であることを理由に閲覧義務を消した誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

基本ルールでは、四つの要素のうち一つだけを変更する方法が狙われます。事務所ごとを本店一括へ、10年を5年へ、取引の関係者への閲覧を任意へ変更すれば、それぞれ自然な誤肢になります。制度全体を大きく間違える肢より、一部分だけ変更された肢に注意してください。

保存期間問題では、数字だけでなく起算点も変更できます。「従業者でなくなった日から10年」「名簿作成日から10年」と書かれていれば、10年という数字が正しいため見落としやすくなります。最終記載日から10年という一文で固定してください。

閲覧問題では、誰にでも見せる制度だと広げる誤肢と、秘密保持義務で全部拒否できると狭める誤肢の両方が考えられます。👉 請求者は取引の関係者か→請求があるか→閲覧させるという条件を順番に確認してください。

従業者名簿の記載事項|一項目だけ削る誤肢に注意

従業者名簿には、従業者の氏名、従業者証明書番号、主たる職務内容、宅建士であるか否かの別などを記載します。さらに当該事務所の従業者となった年月日と、従業者でなくなった年月日も記載事項です。この章では平成9年問30第1肢を中心に、記載事項の削除や別制度との混同を整理します。

第1肢では、「宅建士であるか否かの別」を記載しない扱いが違反とされています。他の記載事項が正しく書かれていても、一つの法定記載事項を欠けばその肢は正しくありません。全部覚えるより、削られやすい項目をチェックするという読み方が有効です。

従業者名簿と従業者証明書は名称が似ているため混同しやすい論点です。従業者証明書番号は従業者名簿の記載事項ですが、だからといって両制度が同じものになるわけではありません。証明書は従業者が携帯する場面、名簿は事務所に備える場面として役割を分けます。

記載事項を表で整理します。この表を見る目的は、すべての文言を機械的に暗記することではなく、選択肢から一項目が抜かれていないかを確認することです。特に宅建士であるか否か、入職・退職年月日に注意してください。

従業者名簿の記載事項判断ポイント
従業者の氏名基本事項
従業者証明書番号証明書制度と関連
主たる職務内容職務を明らかにする
宅建士であるか否かの別削除されやすい
従業者となった年月日在籍開始を確認
従業者でなくなった年月日在籍終了を確認

この表では、住所や生年月日など資料に示されていない項目を勝手に追加しないことも重要です。本試験では「それらしい個人情報」を混ぜて記載事項を入れ替えることができます。提供資料で示されている記載事項を基準に判断してください。

「宅建士であるか否かの別」は、宅建士だけを名簿へ載せるという意味ではありません。従業者を名簿へ記載した上で、その従業者が宅建士であるか否かを区別して記載します。宅建士でない従業者を名簿から除外するという文章にも注意してください。

例題4
従業者名簿には、従業者が宅建士であるか否かの別を記載する必要がある。
解答・判断ポイント
正解:○
平成9年問30第1肢の判断に直結する記載事項です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
宅建士だけを名簿に載せる制度ではありません。

例題5
従業者名簿には従業者証明書番号を記載するので、宅建士であるか否かの別は記載しなくてもよい。
解答・判断ポイント
正解:×
両方とも記載事項として確認します。
誤肢分析
誤っている語句
「宅建士であるか否かの別は記載しなくてもよい」
正しい修正
「宅建士であるか否かの別も記載する」
一つの記載事項が他の項目を代替するようにした誤肢です。

例題6
従業者名簿には、その事務所の従業者となった年月日と、従業者でなくなった年月日を記載する。
解答・判断ポイント
正解:○
在籍開始と在籍終了の年月日も記載事項です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
保存期間の起算点とは別に判断します。

宅建試験ではここが狙われやすい

記載事項問題では、六つの項目を全部書き換えるより、一項目だけ削る方がひっかけとして有効です。平成9年問30第1肢のように「宅建士であるか否かの別」だけを落とせば、他の内容が正しいため見抜きにくくなります。一つずつ照合する読み方を使ってください。

従業者証明書との混同も頻出パターンになります。証明書番号が名簿へ記載されることから、「従業者証明書を備えれば名簿は不要」「名簿を備えれば証明書は不要」と相互代替のようにする文章は注意が必要です。名称が似ていても役割は別です。

また、宅建士に関する項目があることから、名簿の対象者を宅建士だけへ狭める誤肢も考えられます。👉 従業者を載せる→その人が宅建士か否かを区別するという順番で理解すると、対象者の入れ替えにも対応できます。記載事項と記載対象を分けてください。

事務所ごとの備付けと10年保存|場所と数字を分ける

従業者名簿は、**主たる事務所と従たる事務所を含め、それぞれの事務所ごとに備えます。**主たる事務所に全事務所分の名簿を一括して備える必要はなく、各事務所が自らの従業者名簿を備えれば足ります。この章では平成9年問30第2・3肢を中心に、備付場所と保存期間を整理します。

第3肢が違反しない理由は、本店にすべての事務所の名簿を集約する義務がないからです。支店については支店の従業者名簿を支店で備え、本店については本店の従業者名簿を本店で備えます。事務所ごとという単位を固定すれば、本店一括型の誤肢を切れます。

一方、第2肢では保存期間が問題になっています。従業者名簿は最終記載日から10年間保存する必要があるため、5年間だけ保存する扱いでは足りません。備付場所が正しくても保存期間が誤っていれば肢全体は違反になります。

場所と期間を比較します。この表では「どこに」と「いつまで」を別々の判断軸として整理します。問題文に両方が書かれている場合は、それぞれ○×を付けてください。

確認項目正しい判断典型的な誤肢
備付場所各事務所本店に一括
主たる事務所本店分を備える全店舗分を備える
従たる事務所各支店分を備える本店だけで管理
保存期間最終記載日から10年5年
起算点最終記載日名簿作成日など

この表では、第3肢が「本店に全事務所分を置かない」という内容でも違反しない理由が分かります。必要なのは本店集約ではなく事務所単位の備付けなので、支店の名簿が支店に適切に備えられていればよいからです。一か所に全部集める方が丁寧だから正しいという実務感覚で判断しないでください。

保存期間では、最終記載日が起算点です。従業者が退職すると従業者でなくなった年月日などの最終記載が行われることが想定されるため、そこから10年という形で整理します。問題文に10年と書かれていても、起算点が変更されていないかを確認してください。

例題7
宅建業者は、すべての事務所の従業者名簿を主たる事務所へまとめて備えなければならない。
解答・判断ポイント
正解:×
従業者名簿は事務所ごとに備えます。
誤肢分析
誤っている語句
「主たる事務所へまとめて」
正しい修正
「それぞれの事務所ごとに」
本店一括管理を義務化した誤肢です。

例題8
従たる事務所については、その事務所の従業者名簿を当該事務所に備えればよい。
解答・判断ポイント
正解:○
平成9年問30第3肢の判断に対応します。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
本店にも同じ名簿を重ねて備える義務はありません。

例題9
従業者名簿は最終の記載日から5年間保存すればよい。
解答・判断ポイント
正解:×
保存期間は10年間です。
誤肢分析
誤っている語句
「5年間」
正しい修正
「10年間」
平成9年問30第2肢と同じ数字変更です。

例題10
従業者名簿は作成した日から10年間保存する。
解答・判断ポイント
正解:×
資料では最終記載日から10年間とされています。
誤肢分析
誤っている語句
「作成した日から」
正しい修正
「最終の記載日から」
数字を残して起算点だけを変えた誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

備付場所では、集中管理の方が厳格だから正しいだろうという感覚を利用した誤肢に注意します。宅建業法上の判断は、管理が厳しいかではなく「事務所ごとに備える」という法定単位に合っているかです。本店に全店舗分を置くことを義務とする文章は疑ってください。

保存期間では、5年と10年の数字変更だけでなく起算点変更も狙えます。10年という数字が残っていると正しく見えるため、「いつから10年か」を必ず確認する必要があります。最終記載日→10年と矢印で覚える方法が有効です。

場所と期間が一つの肢に同時に書かれている場合もあります。👉 どこに備えるか→事務所ごと、いつまで保存するか→最終記載日から10年と二つの判断を独立させれば、一方だけ正しい複合肢にも対応できます。条件をまとめて○にしないでください。

閲覧義務と秘密保持義務|別制度を例外にしない

宅建業者は、**取引の関係者から請求があった場合、従業者名簿を閲覧させなければなりません。**秘密保持義務は業務上知り得た秘密を守るための規定ですが、従業者名簿の法定閲覧を一律に拒む根拠にはなりません。この章では平成9年問30第4肢を中心に、閲覧義務と秘密保持義務の混同を整理します。

第4肢のひっかけは、秘密保持義務という正しい制度を使っている点です。宅建業者には秘密を守る義務があるため、「個人情報だから従業者名簿も見せない方が正しい」と感じやすくなります。しかし法令上閲覧させることが求められている場面では、秘密保持義務を理由にその義務自体を否定できません。

閲覧義務では、請求者が誰かも確認します。資料では「取引の関係者から請求があったとき」とされているため、誰から請求されても無条件に公開するという制度ではありません。取引の関係者→請求あり→閲覧という条件を一組にします。

二つの制度を比較します。この表では、秘密保持義務と従業者名簿の閲覧義務が何を目的とする規定なのかを分けます。別制度を相互に打ち消す関係だと考えないことが重要です。

制度基本内容本試験での注意
従業者名簿の閲覧取引の関係者から請求があれば閲覧一律拒否は不可
秘密保持義務業務上知り得た秘密を保護閲覧義務を消す根拠ではない

この表では、どちらの規定も正しいことを確認してください。誤肢は、正しい秘密保持義務を法定閲覧義務の例外として使うことで作られます。Aが正しいからBをしなくてよいという論理が成立するかを確認します。

問題文に「個人情報」「秘密」「プライバシー」というもっともらしい拒否理由が書かれていても、それだけで判断しないことが必要です。従業者名簿について法定の閲覧請求が認められている場面かを先に確認します。感覚的な情報保護より、まず適用される宅建業法上の手続を判定してください。

例題11
取引の関係者から従業者名簿の閲覧請求があった場合、宅建業者はこれを閲覧させなければならない。
解答・判断ポイント
正解:○
従業者名簿には法定の閲覧制度があります。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
請求者が取引の関係者である点も確認します。

例題12
従業者名簿には従業者の個人情報が含まれるため、秘密保持義務を理由に取引の関係者からの閲覧請求を拒否できる。
解答・判断ポイント
正解:×
秘密保持義務は法定閲覧を拒む根拠にはなりません。
誤肢分析
誤っている語句
「秘密保持義務を理由に閲覧請求を拒否できる」
正しい修正
「取引の関係者から請求があれば閲覧させる」
平成9年問30第4肢と同じ制度混同です。

例題13
従業者名簿は、請求者が誰であっても無条件に閲覧させなければならない。
解答・判断ポイント
正解:×
資料では取引の関係者から請求があった場合として整理されています。
誤肢分析
誤っている語句
「誰であっても無条件に」
正しい修正
「取引の関係者から請求があった場合」
対象者を広げすぎた誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

閲覧問題では、閲覧義務を狭める誤肢と広げる誤肢の両方が作れます。秘密保持義務を理由にすべて拒否する文章は狭めすぎであり、誰にでも自由閲覧させる文章は対象者を広げすぎています。法定の対象者と条件をそのまま確認してください。

別制度を例外として使うパターンは、宅建業法で広く使われるひっかけです。秘密保持義務が存在すること自体を否定する必要はなく、「その規定が今の閲覧場面を変えるのか」を確認すれば十分です。正しい知識同士の優先関係を勝手に作らないでください。

平成9年問30第4肢では、👉 取引の関係者から請求→閲覧義務あり→秘密保持義務は拒否理由にならないという順番で判断します。この処理を固定すると、個人情報や秘密という言葉に引っ張られずに済みます。問題文の理由付けまで検討してください。

過去問分析

この過去問では、従業者名簿について記載事項、保存期間、備付場所、閲覧義務という四つの基本論点が一問で問われています。第1・2・4肢はそれぞれ一項目削除、数字変更、別制度の持込みによって違反となり、第3肢だけが事務所ごとの備付けを正しく示しています。この章では、各肢のどの語句を確認すれば正解3へ到達できるのかを分析します。

最初に拾う語句は、「宅建士であるか否か」「5年間」「主たる事務所にすべて」「秘密保持義務」です。これらを見つければ、第1肢は記載事項、第2肢は保存期間、第3肢は備付場所、第4肢は閲覧と秘密保持という分類ができます。四肢を同じ知識で処理せず、論点を切り替えてください。

本問では複雑な計算や例外処理はありませんが、一つの正しい制度から別の誤った結論へ進ませる肢があります。特に第4肢の秘密保持義務は正しい規定なので、その存在だけで肢全体を正しいと判断すると誤ります。正しい制度名と、今の場面への適用可否を分けることが必要です。

最初に確認する語句
問題文では、宅建士であるか否かの別、5年間、主たる事務所、従たる事務所、取引の関係者、秘密保持義務を最初に確認します。
平成9年(1997年)問30

問題作成者のひっかけポイント
第1肢では、従業者名簿の記載事項をすべて大きく間違えるのではなく、一項目だけを削っています。氏名や証明書番号など主要な内容が残っていれば十分に見えるため、「宅建士であるか否か」まで確認しない受験生を狙えます。記載事項問題では抜けを探す読み方が必要です。

第2肢は、保存期間を10年から5年へ変更した数字のひっかけです。5年という数字自体は不自然ではなく、宅建業法の他論点にも保存期間・有効期間の数字が複数あるため、対象制度との対応が曖昧だと迷います。従業者名簿=最終記載日から10年を固定してください。

問30

宅地建物取引業者の従業者名簿に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。

  1. 従業者名簿に、従業者の氏名及び主たる職務内容を記載したが、宅地建物取引士であるか否かの別は記載しなかった。
  2. 従業者名簿を、最終の記載をした日から5年間保存し、その後直ちに廃棄した。
  3. 従業者名簿を、それぞれの事務所ごとに作成して備え付け、主たる事務所に一括して備え付けることはしなかった。
  4. 取引の関係者から従業者名簿の閲覧を求められたが、宅地建物取引業法第45条に規定する秘密を守る義務を理由に、この申出を断った。


正解:3
解説
第1肢は、従業者名簿に記載すべき「宅建士であるか否かの別」を記載していないため違反します。第2肢は、従業者名簿を最終記載日から10年間保存すべきところ5年間としているため違反し、第3肢はそれぞれの事務所ごとに名簿を備えればよいので違反しません。第4肢は、取引の関係者から閲覧請求があった場合に秘密保持義務を理由として拒否しているため違反します。
各肢の正誤理由
1 違反する
従業者名簿には、従業者の氏名、従業者証明書番号、主たる職務内容、宅建士であるか否かの別、従業者となった年月日、従業者でなくなった年月日を記載します。本肢では宅建士であるか否かの別を記載していないため、法定記載事項を欠いています。一つの項目だけを削ったことが違反の理由です。
誤っている語句
「宅建士であるか否かの別を記載しない」とする部分
正しい修正
「宅建士であるか否かの別を記載する」
2 違反する
宅建業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備え、最終の記載日から10年間保存しなければなりません。本肢は保存期間を5年間としているため、必要な10年間に達していません。数字だけを5年へ短縮した典型的な誤肢です。
誤っている語句
「5年間」
正しい修正
「最終の記載日から10年間」
3 違反しない
従業者名簿は事務所ごとに備えればよく、主たる事務所にすべての事務所分をまとめて備える必要はありません。したがって主たる事務所には主たる事務所の名簿、従たる事務所にはその事務所の名簿を備えるという扱いで足ります。本店への一括備付けをしていないことは違反理由になりません。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
4 違反する
取引の関係者から従業者名簿の閲覧請求があった場合、宅建業者は閲覧させる必要があります。秘密保持義務は業務上知り得た秘密を保護する規定ですが、法定の従業者名簿閲覧を拒む理由にはなりません。正しい秘密保持義務を別制度の例外として使用した点が誤りです。
誤っている語句
「秘密保持義務を理由に閲覧を拒否する」とする部分
正しい修正
「取引の関係者から請求があれば従業者名簿を閲覧させる」

第4肢では、秘密保持義務という正しい制度を使うことで誤りを隠しています。「秘密を守る義務がある」という前半に納得すると、その後の閲覧拒否まで正しいように見えます。正しい一般原則が、個別の法定閲覧義務を消すかどうかを別に確認しなければなりません。

受験生が迷う理由
従業者名簿は制度自体が比較的単純なので、細かい項目を軽視しやすいことが迷う原因です。大枠として「従業者を記録する名簿」と理解していても、宅建士であるか否かや最終記載日から10年という細部を落とすと正解できません。単純な制度ほど一語・一数字の変更が得点差になります。

第3肢は、主たる事務所へまとめて備える方が厳格な管理に見えるため迷いやすくなります。しかし宅建業法では管理方法の厳格さではなく、各事務所ごとに備えるという法定単位が判断基準です。実務感覚より条文上の管理単位を優先してください。

第4肢では、個人情報保護の感覚も迷いにつながります。従業者名簿には個人に関する情報が含まれるため、閲覧を拒否する方が適切に見えますが、問題では法定の閲覧義務が優先して検討されます。誰からの請求かを確認してから、秘密保持義務との関係を判断してください。

正しい判断手順
第1肢では、従業者名簿の記載事項問題だと分類し、列挙された内容に法定項目の抜けがないかを確認します。「宅建士であるか否かの別」が抜けていると判断できれば、それだけで違反と確定できます。記載事項→不足項目の有無という処理です。

第2肢では保存期間と分かった時点で、最終記載日から10年間という基準を当てはめます。5年間という数字を10年間へ修正できれば十分であり、他の記載事項まで考える必要はありません。第3肢では備付場所を確認し、事務所ごとの原則へ戻します。

第4肢では、最初に請求者が取引の関係者であるかを確認します。その条件を満たすなら閲覧義務があると判断し、秘密保持義務がその例外になるかを確認して、ならないため違反とします。👉 論点分類→原則確定→例外の有無という順番を四肢共通で使えます。

類似問題で使える知識
記載事項の類似問題では、氏名・証明書番号・職務内容・宅建士か否か・入職年月日・退職年月日のどれか一つを削る誤肢へ対応できます。逆に住所や生年月日など資料に示されていない項目を「必ず記載」と追加する文章にも注意できます。記載事項の範囲を広げる・狭める両方向を確認してください。

保存問題では、数字変更だけでなく起算点変更にも対応できます。10年という数字が正しくても「名簿作成日から」「従業者になった日から」とされていれば、資料の最終記載日という基準と異なります。数字と起算点を分離せず覚えることが重要です。

閲覧問題では、秘密保持義務だけでなく、別の正しい制度を拒否理由に使う誤肢全般へ応用できます。その制度が存在するかではなく、その制度が今の義務を消す効果を持つかを確認してください。宅建業法で頻出する「正しい別制度の持込み」を見抜く方法になります。

宅建試験ではここが狙われやすい

平成9年問30は、記載事項の削除・数字変更・備付場所の誤解・別制度の持込みという四種類の誤肢パターンを一問で確認できます。大きな制度理解よりも、問題文の一語を照合する力が必要な問題です。従業者名簿を見たら、記載・場所・期間・閲覧へ分解してください。

特に第3肢は、「より厳格に管理する方が正しい」という感覚を否定できるかがポイントです。本店に全名簿を集約していなくても、各事務所に適切に備えていれば違反しないため、規制を勝手に厳しくしないことが重要です。法定義務以上を必須条件にした肢にも注意してください。

最終的には、第1肢を記載事項、第2肢を10年、第3肢を事務所ごと、第4肢を閲覧義務で独立判定すれば正解3へ到達できます。👉 一肢一論点で処理し、他の知識を持ち込まないことが本問の最も安定した解き方です。各肢で正誤を確定してから選択肢番号を選んでください。

一問一答|過去問の肢レベルで確認

一問一答では、従業者名簿について記載事項の削除、保存期間と起算点、事務所単位、閲覧対象者、秘密保持義務との混同を中心に確認します。単純な定義問題だけではなく、正しい数字の起算点だけを変える肢や、正しい別制度を例外にする肢も含めます。問題文全体を読み、どの部分が変更されているかを確認してください。

問題1
従業者名簿には、従業者の氏名を記載しなければならない。
正解:○
従業者の氏名は記載事項です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし

問題2
従業者名簿には従業者証明書番号を記載する必要があるが、宅建士であるか否かの別は記載しなくてもよい。
正解:×
宅建士であるか否かの別も記載事項です。
誤っている語句
「記載しなくてもよい」
正しい修正
「宅建士であるか否かの別も記載する」

問題3
従業者名簿には、主たる職務内容を記載する。
正解:○
従業者の主たる職務内容も資料で示された記載事項です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし

問題4
従業者名簿は宅建士だけを記載する名簿であり、宅建士ではない従業者を記載する必要はない。
正解:×
従業者を記載し、その者が宅建士か否かを区別します。
誤っている語句
「宅建士だけを記載する」
正しい修正
「従業者を記載し、宅建士であるか否かの別も記載する」

問題5
従業者名簿には、当該事務所の従業者となった年月日を記載する。
正解:○
在籍開始年月日も記載事項です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし

問題6
従業者でなくなった年月日は、退職後の事項なので従業者名簿へ記載する必要はない。
正解:×
従業者でなくなった年月日も記載事項です。
誤っている語句
「記載する必要はない」
正しい修正
「従業者でなくなった年月日も記載する」

問題7
従業者名簿は、主たる事務所に全事務所分をまとめて備えなければならない。
正解:×
名簿はそれぞれの事務所ごとに備えます。
誤っている語句
「主たる事務所に全事務所分をまとめて」
正しい修正
「各事務所ごとに」

問題8
従たる事務所には、その事務所の従業者名簿を備える。
正解:○
事務所ごとの備付けという原則に合致します。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし

問題9
従業者名簿は、最終の記載日から10年間保存する。
正解:○
保存期間と起算点が正しい文章です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし

問題10
従業者名簿は、最終の記載日から5年間保存すれば足りる。
正解:×
保存期間は10年間です。
誤っている語句
「5年間」
正しい修正
「10年間」

問題11
従業者名簿は作成日から10年間保存すればよい。
正解:×
10年という数字は正しいですが、起算点が違います。
誤っている語句
「作成日から」
正しい修正
「最終の記載日から」

問題12
従業者名簿は、従業者が退職した日から必ず10年間保存する。
正解:×
資料の基準は最終記載日です。
誤っている語句
「退職した日から必ず」
正しい修正
「最終の記載日から」

問題13
取引の関係者から従業者名簿の閲覧請求があった場合、宅建業者は閲覧させる必要がある。
正解:○
法定の閲覧義務を確認する問題です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし

問題14
従業者名簿には秘密情報が含まれるため、取引の関係者から請求されても秘密保持義務を理由に閲覧を拒否できる。
正解:×
秘密保持義務は法定閲覧を拒否する根拠にはなりません。
誤っている語句
「秘密保持義務を理由に閲覧を拒否できる」
正しい修正
「取引の関係者から請求があれば閲覧させる」

問題15
従業者名簿は、誰から請求されても無条件で閲覧させなければならない。
正解:×
資料では取引の関係者から請求があった場合です。
誤っている語句
「誰から請求されても無条件で」
正しい修正
「取引の関係者から請求があった場合」

問題16
従業者証明書番号が従業者名簿に記載されるので、従業者証明書と従業者名簿は同じ制度である。
正解:×
証明書番号は記載事項ですが、両制度の役割は別です。
誤っている語句
「同じ制度である」
正しい修正
「従業者証明書番号は名簿の記載事項だが、両制度は別に判断する」

問題17
本店に支店分の従業者名簿を備えていなくても、各支店が自らの名簿を適切に備えていれば、それだけで違反とはならない。
正解:○
平成9年問30第3肢と同じ判断構造です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし

問題18
従業者名簿の問題では、保存期間の数字だけを確認すれば、備付場所や閲覧義務を確認する必要はない。
正解:×
問題文がどの論点を問うかによって判断事項が変わります。
誤っている語句
「保存期間の数字だけを確認すれば」
正しい修正
「記載・備付け・保存・閲覧のどの論点かを分類する」

問題19
従業者名簿の記載事項問題では、列挙された項目のうち一つだけが削られていないかを確認する。
正解:○
一項目削除は本試験で使いやすい誤肢パターンです。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし

問題20
平成9年問30では、第3肢だけが違反しない。
正解:○
第1・2・4肢が違反し、正解は3です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし

一問一答では、10年という数字だけを覚えて安心しないことが重要です。最終記載日という起算点を変更するだけで誤肢を作れるため、数字と起算点を一組にしてください。備付場所も本店一括ではなく事務所ごとという単位まで確認します。

記載事項では、すべての項目を毎回頭から暗唱するより「一つ抜けていないか」という観点が有効です。特に宅建士であるか否か、従業者となった年月日、従業者でなくなった年月日は、文章の中で省略されても自然に見えます。記載事項を削る方向のひっかけを優先して確認してください。

閲覧問題では、別制度の正しい知識に惑わされないことが必要です。秘密保持義務が正しいからといって閲覧義務が消えるわけではなく、逆に閲覧義務があるから誰にでも見せるわけでもありません。誰からの請求か→法定閲覧義務→拒否理由の有無という順番で判断します。

宅建試験ではここが狙われやすい

一問一答型では、数字・場所・対象者・記載事項のうち一つだけを交換する方法が使えます。10年を5年へ変える、本店に一括する、取引関係者を誰でもへ広げる、宅建士であるか否かを削るという形です。各肢で変更された要素を一つ見つければ十分です。

また、文章前半が正しい場合ほど注意が必要です。「秘密保持義務があるので」「本店で管理しているので」ともっともらしい理由を先に置き、その後で法定義務を消す文章は自然に見えます。理由と結論を別々に判定してください。

従業者名簿は複雑な制度ではありませんが、その分細かい語句の正確さが問われます。👉 記載事項→事務所ごと→最終記載日から10年→取引関係者へ閲覧という基本線を固定しておけば、一語だけ変更された肢にも対応できます。制度を広げすぎず、この四本柱で処理してください。

FAQ

従業者名簿のFAQでは、本文の単純な言い換えではなく、保存期間の起算点、支店がある場合の管理方法、閲覧請求の範囲など受験生が迷いやすい境界を確認します。特に「本店にも置いた方がよいのではないか」「個人情報だから見せなくてよいのではないか」という感覚的な迷いを処理します。法律上の義務と実務上の管理方法を分けてください。

Q1.支店の従業者名簿は、本店にも同じものを備える必要がありますか?
資料では、各事務所ごとに従業者名簿を備えればよく、本店に全事務所分を集約する義務はありません。

Q2.本店で全支店分を一括管理した方が厳格なので、試験では正しい扱いになりますか?
法定義務として問われた場合は、管理が厳格かではなく事務所ごとの備付けという基準で判断します。

Q3.従業者が退職したら、その日から10年保存と覚えてよいですか?
資料の基準は最終記載日から10年間です。退職日と最終記載日を自動的に同じものとして文章化しない方が安全です。

Q4.10年という数字が書かれていれば、保存期間の肢は○ですか?
数字だけでは判断できません。作成日から10年など、起算点だけを変更した誤肢に注意してください。

Q5.宅建士ではない従業者は従業者名簿へ載せなくてよいですか?
そのようには扱いません。従業者を記載し、その者が宅建士であるか否かの別を明らかにします。

Q6.従業者証明書番号を記載していれば、宅建士か否かは分かるので省略できますか?
省略できません。従業者証明書番号と宅建士であるか否かの別は、それぞれ別の記載事項です。

Q7.従業者名簿を閲覧できるのは従業者本人だけですか?
資料では、取引の関係者から請求があった場合に閲覧させる規定が示されています。

Q8.取引関係者から請求されても、個人情報保護を理由に拒否できますか?
平成9年問30では、秘密保持義務を理由に法定の閲覧を拒否することはできないと整理されています。

Q9.従業者名簿は一般公開される名簿だと覚えてよいですか?
そのように広げない方が安全です。資料では取引の関係者から請求があった場合という条件があります。

Q10.従業者名簿と従業者証明書は同じものですか?
別に判断します。従業者証明書番号が名簿の記載事項になっていても、制度自体が同一になるわけではありません。

Q11.支店の従業者が退職した場合、本店の名簿だけ修正すればよいですか?
各事務所ごとに名簿を備えるという原則から、その従業者が所属する事務所の名簿を基準に判断します。

Q12.従業者名簿の保存期間は、事務所を移転したら最初から数え直しますか?
提供資料では最終記載日から10年間という基準が示されています。移転日を新たな起算点とする根拠は資料には示されていません。

Q13.従業者名簿の問題では、誰が宅建士かだけ覚えればよいですか?
不十分です。記載事項のほか、事務所ごとの備付け、10年保存、閲覧義務が指定過去問で直接問われています。

Q14.本店に全名簿がないという文章を見たら、すぐ違反と判断してよいですか?
できません。各事務所にそれぞれの名簿が備えられているなら、本店へ全事務所分を集約する義務はありません。

Q15.従業者名簿の問題で最初に確認するものは何ですか?
記載事項、備付場所、保存期間、閲覧のどの論点かを最初に分類します。その後で必要な項目・数字・対象者だけを確認してください。

FAQで共通するポイントは、法定義務を勝手に厳しくもしないし、緩くもしないことです。本店へ全名簿を集約した方が厳格でも法律上の必須条件とは限らず、個人情報だから閲覧を全部拒否してよいわけでもありません。問題文の条件をそのまま法定ルールへ当てはめてください。

保存期間では、10年という数字と最終記載日を切り離さないことが重要です。記載事項では、宅建士であるか否かを含む所定事項を一つずつ確認し、別の項目があるから省略可能とは考えません。一つの正しい情報が他の義務を代替するわけではありません。

従業者名簿は、複雑な計算よりも文章の正確さが問われるテーマです。事務所ごと、最終記載日から10年、取引の関係者、宅建士であるか否かという語句の一つが変更されるだけで結論が変わります。試験では数字だけでなく名詞と条件語を拾ってください。

宅建試験ではここが狙われやすい

境界事例では、「より厳しく管理するなら問題ないだろう」という考え方がひっかけになります。本店へ全部集める義務を追加したり、秘密保持を理由に閲覧を全面禁止したりする文章は、一見慎重な管理に見えても法定ルールとは別です。必要以上の義務を試験上の正解条件にしないでください。

逆に、5年保存や宅建士区分の省略のように義務を緩める文章も狙われます。従業者名簿では、厳しくする誤肢と緩くする誤肢の両方向が作れるため、感覚ではなく資料の基準へ戻る必要があります。法定の範囲をそのまま覚えることが最も安定します。

最後に、別制度との混同にも注意してください。👉 従業者証明書、秘密保持義務、事務所管理など正しい関連知識が登場しても、それが従業者名簿の記載・保存・閲覧義務を変更するかを別に確認します。正しい制度名があるから正しい肢とは限りません。

まとめ

従業者名簿では、本試験で最初に記載事項・備付場所・保存期間・閲覧のどれを問われているかを確認します。記載事項では宅建士であるか否かを含む所定事項を確認し、備付けは主たる事務所への一括ではなく各事務所ごとに行います。保存期間は最終記載日から10年間であり、取引の関係者から請求があった場合には閲覧させます。

平成9年問30では、第1肢が「宅建士であるか否か」の記載を欠き、第2肢が保存期間を10年から5年へ変更しています。第4肢では秘密保持義務という正しい別制度を閲覧拒否の理由に使っており、第3肢だけが事務所ごとの備付けを正しく述べています。したがって違反しないものは第3肢で、正解は3です。

頻出のひっかけは、記載事項の一項目削除、10年と5年の数字交換、本店一括と事務所ごとの入れ替え、秘密保持義務による閲覧拒否です。10年という数字が正しくても起算点を変更できるため、最終記載日まで含めて確認する必要があります。正しい別制度が登場しても、今の従業者名簿の義務を変える根拠になるかを確認してください。

本試験では、何の論点か→誰が→どの事務所で→何を記載するか→最終記載日から何年か→誰からの閲覧請求かという順番で処理します。複雑な制度を広く覚えるより、問題文から変更された一語を発見することが従業者名簿では得点につながります。👉 事務所ごと・所定事項・最終記載日から10年・取引関係者へ閲覧の四本柱を固定して判断してください。

 ここが出る突破ポイント  権利関係  宅建業法  法令上の制限  税・その他
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