宅建業法の保証協会制度では、保証協会・社員である宅建業者・免許権者・供託所の誰が何をするのかを区別することが得点の中心です。特に、社員加入時の報告主体、還付後の補充手続、弁済業務保証金分担金の納付時期と方法は、主体や時期を入れ替えて誤肢にされやすい論点です。この記事では平成25年問39を中心に、苦情解決業務、加入・脱退時の報告、還付充当金、分担金の金額と供託まで整理します。
保証協会制度では、数字だけを覚えても本試験では十分に対応できません。60万円・30万円・1週間・加入の日までという数字や時期は、それぞれ何についてのものかを正確に対応させる必要があります。そこで、誰が→誰に→何を→いつ→どの方法でという順番で選択肢を処理します。
問題文を読んだら最初に何を見るか
保証協会制度の問題では、最初に行為をする主体が保証協会なのか社員である宅建業者なのかを確認します。加入時の報告、還付後の供託、還付充当金の納付では、保証協会と社員の役割が異なるからです。この章では、平成25年問39で最初に拾う語句と判断順序を整理します。
問題文に「報告する」とあれば、誰が免許権者へ報告するのかを確認してください。新たに社員が加入した場合や社員がその地位を失った場合、免許権者への報告主体は保証協会です。「社員である宅建業者が報告する」と主体を入れ替えられていないかを見ます。
「還付された」「還付充当金」と書かれていれば、還付後の流れを時間順に追います。弁済業務保証金が還付された場合、保証協会が還付額相当額を供託し、その後で社員へ還付充当金の納付を通知します。社員が自分で供託所へ供託するわけではありません。
問題文で注目する語句を整理します。この表では制度を網羅するのではなく、どの語句が正誤を分けるかを確認します。特に主体・時期・方法・数字の四つを見落とさないようにします。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 苦情 | 保証協会の必要的業務か |
| 社員加入 | 誰が免許権者へ報告するか |
| 社員の地位喪失 | 報告主体と時期を確認 |
| 還付 | 誰が供託所へ補充供託するか |
| 還付充当金 | 社員は誰へ納付するか |
| 加入の日まで | 分担金の納付時期 |
| 金銭 | 分担金の納付方法 |
| 60万円 | 主たる事務所の分担金 |
| 30万円 | 従たる事務所1か所当たり |
| 1週間以内 | 保証協会の弁済業務保証金供託 |
この表では、保証協会がする行為と社員がする行為を横に分けることが重要です。保証協会が免許権者へ報告する場面を社員へ変えたり、保証協会が供託する場面を社員へ変えたりすると、自然な誤肢になります。問題文の動詞の前にある主語を必ず確認してください。
本試験では、まず制度名ではなく主体を見ます。次に時期・相手方・方法・数字を確認すれば、保証協会と社員の役割を混同しにくくなります。このテーマでは次の順番を固定します。
・誰が行う手続なのか確認する
・保証協会か社員かを分ける
・相手方が免許権者・供託所・保証協会のどれか確認する
・加入前・加入時・還付後など時期を確認する
・金銭か有価証券か方法を確認する
・60万円・30万円・1週間など数字を確認する
この順番で処理すれば、「数字は正しいが主体が誤り」という選択肢にも対応できます。例えば60万円という数字が正しくても、加入後2週間以内に納付すると書かれていれば誤りです。👉 主体→相手方→時期→方法→数字の順番で最後まで確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
保証協会制度では、保証協会と社員の役割を交換するひっかけが特に狙われます。免許権者への報告を社員が行う、還付額相当額を社員が供託所へ供託するなど、手続内容は似ていても主体が違えば誤りです。問題文の「誰が」を最初に見るだけで多くの誤肢を切れます。
また、正しい金額を残したまま納付時期だけを変える問題にも注意が必要です。分担金60万円・30万円という数字が正しくても、「加入の日から2週間以内」と書かれていれば誤りです。👉 数字より先に、誰が・いつ・誰へを確認することが保証協会制度の基本です。
保証協会の必要的業務|苦情解決業務
保証協会には複数の業務がありますが、平成25年問39では苦情の解決が保証協会の必要的業務であることが問われています。保証協会は社員が取り扱った宅建業に関する取引について苦情の申出を受け、必要な助言や事情確認を行います。この章では、第1肢を正しく判断するための苦情解決業務を整理します。
苦情の申出を受けた保証協会は、申出人に必要な助言をします。さらに解決に必要がある場合には、社員に対して文書・口頭による説明や資料提出を求めます。単に苦情を受け付けるだけではなく、解決のために社員へ働きかける業務まで含まれます。
また、苦情の申出と解決結果について、他の社員にも周知します。したがって、「保証協会は苦情を受け付けるだけで社員へ説明を求めることはできない」とする文章は誤りです。苦情解決業務の内容を狭める表現に注意してください。
苦情解決業務の流れを表で整理します。この表では、誰から申出を受け、保証協会が何をするのかを確認します。本試験では一つの業務を削除して誤肢にすることがあります。
| 段階 | 保証協会の対応 |
| 苦情の申出 | 受け付ける |
| 申出人 | 必要な助言 |
| 社員 | 説明・資料提出を求める |
| 解決後 | 他の社員にも周知 |
この表では、苦情解決を「相談受付だけ」と狭く覚えないことが重要です。必要に応じて社員から説明や資料を求め、解決結果を周知するところまでが資料で示されています。問題文で「できない」「必要ない」と一部を削られていないか確認します。
例題1
保証協会による苦情の解決は、保証協会の必要的業務の一つである。
解答・判断ポイント
正解:○
平成25年問39第1肢と同じ基本知識です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
苦情解決業務そのものが正しいかを確認します。
例題2
保証協会は苦情の申出を受けても、社員に説明や資料提出を求めることはできない。
解答・判断ポイント
正解:×
必要があれば社員へ説明や資料提出を求めます。
誤肢分析
誤っている語句
「説明や資料提出を求めることはできない」
正しい修正
「必要があれば社員に説明や資料提出を求めることができる」
苦情解決業務の範囲を狭くするひっかけです。
例題3
保証協会は苦情の申出とその解決結果について、他の社員にも周知する。
解答・判断ポイント
正解:○
資料で示されている苦情解決業務の一部です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
受付だけで終わらないことを確認します。
宅建試験ではここが狙われやすい
苦情解決業務では、必要的業務を任意的な業務のように扱うひっかけや、業務内容を一部だけ削る文章に注意してください。「申出を受けるだけ」「社員へ資料提出を求められない」と書けば、制度名自体は正しくても誤肢になります。業務名だけでなく、何をする業務なのかまで確認してください。
また、保証協会が社員に対して説明や資料提出を求めることと、免許権者が監督処分をすることを混同しないことも必要です。苦情解決は保証協会の業務であり、処分主体を問う監督処分とは別の論点です。👉 苦情→保証協会→助言・説明要求・資料提出・周知という流れを確認します。
社員の加入・地位喪失|免許権者への報告主体
保証協会へ新たに社員が加入した場合や、社員がその地位を失った場合には、保証協会がその社員の免許権者へ報告します。平成25年問39第2肢では、この報告主体を宅建業者へ入れ替えたことが誤りです。この章では、誰が誰へ報告するのかを整理します。
保証協会制度では、宅建業者自身が行う手続と保証協会が行う手続が並行して存在します。そのため、「社員になった本人が免許権者へ報告する」と考えると誤ります。加入・地位喪失について免許権者へ報告する主体は保証協会です。
報告時期についても確認します。提供資料では、保証協会は社員が加入し、または社員がその地位を失ったときは直ちに免許権者へ報告するとされています。主体だけでなく時期も一緒に確認してください。
報告関係を表で整理します。この表では、誰が誰へ報告するのかを一直線に確認します。試験では主語だけを宅建業者へ交換する形が狙われます。
| 事項 | 主体 | 相手方 | 時期 |
| 社員加入 | 保証協会 | 免許権者 | 直ちに |
| 社員の地位喪失 | 保証協会 | 免許権者 | 直ちに |
この表では、社員である宅建業者自身が報告する欄はありません。問題文に「社員は免許権者に報告」とあれば、主体を確認するだけで誤りと判断できます。保証協会→免許権者という方向を固定してください。
例題4
保証協会に新たに社員が加入した場合、保証協会はその社員の免許権者へ直ちに報告する。
解答・判断ポイント
正解:○
報告主体は保証協会です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
主体・相手方・時期を一組で確認します。
例題5
保証協会に加入した宅建業者は、自らその加入について免許権者へ報告しなければならない。
解答・判断ポイント
正解:×
免許権者へ報告するのは保証協会です。
誤肢分析
誤っている語句
「加入した宅建業者は、自ら」
正しい修正
「保証協会は、その社員の免許権者へ」
社員と保証協会を入れ替えた典型的な主体のひっかけです。
例題6
社員がその地位を失った場合も、保証協会はその社員の免許権者へ報告する。
解答・判断ポイント
正解:○
加入だけでなく地位喪失についても報告します。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
加入だけの制度と限定しないことがポイントです。
宅建試験ではここが狙われやすい
この論点では、手続内容を変えずに主語だけを交換するひっかけが中心です。「免許権者へ報告する」という部分は正しいため、その前の主語を読み飛ばすと誤答します。保証協会制度では動詞より先に主語を見る癖をつけてください。
さらに、加入時だけ報告し、地位喪失時には報告不要とする限定にも注意します。資料では加入だけでなく社員がその地位を失った場合も報告対象です。👉 加入・地位喪失→保証協会→免許権者→直ちにを一組として確認します。
還付後の流れ|保証協会と社員の役割
弁済業務保証金が還付された場合は、保証協会が供託所へ還付額相当額を供託し、その後に社員へ還付充当金の納付を通知します。社員は通知に応じて還付充当金を保証協会へ納付するのであり、自ら供託所へ供託するわけではありません。この章では平成25年問39第3肢の主体・相手方の入れ替えを整理します。
還付が発生すると、最初に保証協会側の補充が行われます。保証協会が供託所へ還付額相当額を供託し、弁済業務保証金を補充するという流れです。ここを「社員が供託所へ供託する」とすると誤りになります。
その後、保証協会は社員に対して還付充当金を納付するよう通知します。社員が納付する相手は供託所ではなく保証協会であり、方法は金銭です。誰がどこへお金を動かすのかを矢印で整理すると判断しやすくなります。
還付後の流れを表で確認します。この表は、同じ金額が動くため主体と相手方を混同しないことを目的とします。時間順に上から追ってください。
| 順番 | 主体 | 行為 | 相手方 |
| 1 | 保証協会 | 還付額相当額を供託 | 供託所 |
| 2 | 保証協会 | 還付充当金の納付を通知 | 社員 |
| 3 | 社員 | 還付充当金を納付 | 保証協会 |
この表では、社員から供託所へ直接つながる矢印がないことがポイントです。社員の義務は、保証協会からの通知に応じて保証協会へ還付充当金を納付することです。問題文で「社員が供託所へ」と書かれていたら主体と相手方を疑ってください。
例題7
弁済業務保証金が還付された場合、保証協会は供託所に還付額相当額を供託する。
解答・判断ポイント
正解:○
還付後の最初の補充は保証協会が行います。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
誰が供託するかを確認します。
例題8
弁済業務保証金が還付された場合、社員である宅建業者が還付額相当額を供託所へ供託する。
解答・判断ポイント
正解:×
供託所へ供託するのは保証協会です。
誤肢分析
誤っている語句
「社員である宅建業者が」
正しい修正
「保証協会が」
保証協会と社員を交換した主体のひっかけです。
例題9
保証協会から通知を受けた社員は、還付充当金を保証協会へ納付する。
解答・判断ポイント
正解:○
社員の納付先は保証協会です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
供託所へ直接納付しないことを確認します。
宅建試験ではここが狙われやすい
還付後の問題では、保証協会と社員の役割だけでなく、供託所と保証協会という相手方まで交換するひっかけに注意してください。社員が金銭を負担する点だけ覚えていると、「社員が供託所へ供託」という文章が正しく見えます。負担する者と実際に供託する者は同じではありません。
また、順番を逆転させる文章にも注意が必要です。保証協会が先に補充供託し、その後に社員へ還付充当金の納付を通知するという流れを確認します。👉 還付→保証協会が供託→社員へ通知→社員が保証協会へ納付を時間順に処理してください。
弁済業務保証金分担金|時期・方法・金額
保証協会に加入しようとする宅建業者は、加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を金銭で納付します。金額は、主たる事務所が60万円、従たる事務所が1か所につき30万円です。この章では平成25年問39第4肢で狙われる時期・方法・数字のひっかけを整理します。
まず時期を確認します。資料では「加入の日までに」であり、「加入の日から2週間以内」では遅すぎるとされています。数字の2週間が書かれているから正しいと判断せず、加入前か加入後かを見る必要があります。
次に方法を確認します。弁済業務保証金分担金は金銭で納付するため、社員が有価証券で分担金を納付することはできません。一方、その後に保証協会が行う弁済業務保証金の供託では有価証券を使えるため、両者を混同しないことが重要です。
時期・方法・金額を表で整理します。この表は、分担金の数字だけを暗記するのではなく、誰が何をする数字なのかを固定するために使います。平成25年問39では特に「加入の日から2週間以内」という時期の入れ替えに注意します。
| 確認項目 | 弁済業務保証金分担金 |
| 納付者 | 加入しようとする宅建業者 |
| 時期 | 加入しようとする日まで |
| 方法 | 金銭 |
| 主たる事務所 | 60万円 |
| 従たる事務所 | 30万円/1か所 |
この表では、60万円・30万円が正しくても時期や方法が誤っていれば×になることを確認します。「加入後2週間」「有価証券でも可」と続けば、数字が正しくても選択肢全体は誤りです。時期→方法→金額をそれぞれ独立して判定してください。
例題10
保証協会に加入しようとする宅建業者は、加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を納付する。
解答・判断ポイント
正解:○
加入後ではなく加入しようとする日までです。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
時期を確認する基本問題です。
例題11
弁済業務保証金分担金は、保証協会に加入した日から2週間以内に納付すればよい。
解答・判断ポイント
正解:×
加入しようとする日までに納付します。
誤肢分析
誤っている語句
「加入した日から2週間以内」
正しい修正
「加入しようとする日までに」
加入前と加入後を入れ替えた時期のひっかけです。
例題12
弁済業務保証金分担金は、金銭のほか国債証券などの有価証券で納付することもできる。
解答・判断ポイント
正解:×
分担金は金銭で納付します。
誤肢分析
誤っている語句
「国債証券などの有価証券で納付することもできる」
正しい修正
「弁済業務保証金分担金は金銭で納付する」
保証協会による供託方法を社員の分担金納付へ移した誤肢です。
例題13
弁済業務保証金分担金は、主たる事務所60万円、従たる事務所1か所につき30万円である。
解答・判断ポイント
正解:○
資料で示された金額です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
主たる事務所と従たる事務所を入れ替えないようにします。
宅建試験ではここが狙われやすい
分担金では、数字を正しく残したまま時期や方法だけを変えるひっかけが特に危険です。60万円・30万円を知っている受験生ほど、数字を見つけた時点で○と判断し、「加入後2週間」「有価証券でも可」という誤りを見落としやすくなります。数字は最後に確認してください。
また、営業保証金制度では有価証券が使えるため、その知識を保証協会の分担金へ移す問題にも注意が必要です。社員が納付する分担金は金銭ですが、保証協会が供託する弁済業務保証金では有価証券を利用できます。👉 社員の納付=金銭/保証協会の供託=有価証券も可と主体ごとに分けます。
分担金納付後|保証協会による供託
保証協会は弁済業務保証金分担金の納付を受けた場合、その日から1週間以内に納付額に相当する弁済業務保証金を供託します。ここでは社員が分担金を納付する場面と、保証協会が弁済業務保証金を供託する場面を区別する必要があります。この章では、時期・主体・供託方法の違いを整理します。
社員側の時期は「加入しようとする日まで」ですが、保証協会側の時期は「分担金の納付を受けた日から1週間以内」です。同じ保証協会制度の数字でも、基準となる行為が違います。誰についての期限かを必ず確認してください。
供託方法にも違いがあります。社員が弁済業務保証金分担金を納付するときは金銭のみですが、保証協会が弁済業務保証金を供託するときは金銭以外に一定の有価証券も利用できます。同じ制度の中で方法が違うため、入れ替え問題に注意が必要です。
比較表で整理します。この表では、社員と保証協会の手続を横に並べます。「分担金」と「弁済業務保証金」という似た名称も区別してください。
| 比較項目 | 社員 | 保証協会 |
| 行為 | 分担金を納付 | 弁済業務保証金を供託 |
| 時期 | 加入の日まで | 納付を受けた日から1週間以内 |
| 方法 | 金銭 | 金銭・一定の有価証券 |
| 相手方 | 保証協会 | 供託所 |
この表では、「誰が」「何を」「いつ」「何で」を一つずつ照合します。社員側と保証協会側の正しいルールを一列ずつ交換すれば、そのまま本試験レベルの誤肢になります。問題文に有価証券や1週間が出たら、主体を確認してください。
例題14
保証協会は、弁済業務保証金分担金の納付を受けた日から1週間以内に、その額に相当する弁済業務保証金を供託する。
解答・判断ポイント
正解:○
保証協会側の供託期限です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
1週間が何についての期間かを確認します。
例題15
社員である宅建業者は、分担金の納付を受けた日から1週間以内に弁済業務保証金を供託する。
解答・判断ポイント
正解:×
分担金の納付を受けて供託するのは保証協会です。
誤肢分析
誤っている語句
「社員である宅建業者」
正しい修正
「保証協会」
正しい1週間を残して主体だけを交換した誤肢です。
例題16
保証協会が弁済業務保証金を供託する場合、一定の有価証券を用いることもできる。
解答・判断ポイント
正解:○
社員の分担金納付とは方法が異なります。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
社員は金銭、保証協会は有価証券も可と分けます。
宅建試験ではここが狙われやすい
この比較では、1週間という数字だけを見て判断する誤りに注意してください。1週間は社員が分担金を納付する期限ではなく、保証協会が分担金の納付を受けた後に弁済業務保証金を供託する期限です。数字が正しくても主体が違えば誤りになります。
さらに、金銭と有価証券の扱いを逆にする問題も狙われます。社員の分担金納付は金銭のみですが、保証協会による供託では一定の有価証券も利用できます。👉 社員=加入日まで・金銭/保証協会=1週間以内・有価証券も可と対比してください。
過去問分析
平成25年問39では、保証協会の必要的業務、加入時の報告主体、還付後の補充手続、弁済業務保証金分担金の納付時期という四つの論点が問われています。四肢とも保証協会制度ですが、正誤を分けるポイントは業務内容・主体・相手方・時期と異なります。この章では、どの語句が変更されて誤肢になっているのかを肢ごとに分析します。
最初に拾う語句は、苦情、保証協会、社員、免許権者、供託所、還付充当金、加入の日まで、2週間、金銭です。特に第2・3肢では、手続内容よりも「誰がするのか」が正誤を分けています。第4肢では正しい金額が書かれていても、時期や方法が誤っていないかを確認します。
最初に確認する語句
問題文では、苦情解決、社員加入、免許権者への報告、弁済業務保証金の還付、還付充当金、加入の日まで、金銭、60万円、30万円、1週間を最初に確認します。
平成25年(2013年)問39
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 保証協会は、社員の取り扱った宅地建物取引業に係る取引に関する苦情について、宅地建物取引業者の相手方等からの解決の申出及びその解決の結果を社員に周知させなければならない。
- 保証協会に加入した宅地建物取引業者は、直ちに、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。
- 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金をその主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。
- 宅地建物取引業者で保証協会に加入しようとする者は、その加入の日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。
正解:1
解説
本問では、第1肢が保証協会の苦情解決業務を正しく述べているため正しい肢です。第2肢は免許権者への報告主体を宅建業者としている点、第3肢は還付後の供託主体を社員としている点、第4肢は分担金の納付時期を加入後2週間としている点が誤りです。したがって、正解は1です。
各肢の正誤理由
1 正しい
苦情の解決は、保証協会の必要的業務の一つです。保証協会は社員の取り扱った取引に関する苦情の申出を受け、必要な助言を行い、必要があれば社員へ説明や資料提出を求めます。苦情の申出と解決結果を他の社員へ周知することも含まれます。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
2 誤り
新たに社員が加入した場合や社員がその地位を失った場合、免許権者へ報告するのは保証協会です。本肢は、社員である宅建業者自身が免許権者へ報告するように主体を入れ替えています。手続内容ではなく、誰が報告するかが正誤の決め手です。
誤っている語句
「社員である宅建業者が免許権者へ報告する」とする部分
正しい修正
「保証協会が、その社員の免許権者へ直ちに報告する」
3 誤り
弁済業務保証金が還付された場合、供託所へ還付額相当額を供託するのは保証協会です。その後に保証協会が社員へ還付充当金を納付するよう通知し、社員は保証協会へ金銭で還付充当金を納付します。社員が自ら供託所へ還付額相当額を供託するわけではありません。
誤っている語句
「社員が還付充当金を供託所へ供託する」とする部分
正しい修正
「保証協会が供託所へ補充供託し、社員は保証協会へ還付充当金を納付する」
4 誤り
保証協会に加入しようとする宅建業者は、加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を金銭で納付します。資料では主たる事務所60万円、従たる事務所1か所につき30万円とされていますが、「加入の日から2週間以内」では遅すぎます。金額だけが正しくても、時期が誤っているため肢全体は×です。
誤っている語句
「加入の日から2週間以内」
正しい修正
「加入しようとする日までに」
問題作成者のひっかけポイント
第2・3肢では、行為そのものを大きく変えず、保証協会と社員だけを交換する方法が使われています。免許権者への報告や供託という制度用語が正しいため、主語を読み飛ばすと誤りに気付きにくくなります。保証協会制度では、名詞や数字より先に主語を確認する必要があります。
第4肢では、60万円・30万円という正しい数字を利用して、納付時期の誤りを隠しています。「加入の日から2週間以内」というもっともらしい期間を置くことで、数字を覚えている受験生を迷わせる構造です。正しい数字+誤った時期という組合せに注意してください。
受験生が迷う理由
保証協会制度では、同じ金銭が保証協会・社員・供託所の間を移動するため、誰が誰へ支払うのかが混乱しやすくなります。さらに「弁済業務保証金」「弁済業務保証金分担金」「還付充当金」という似た名称が登場することも迷う原因です。名称だけで判断せず、金銭の移動方向を確認してください。
また、時期の数字も複数存在します。社員の分担金は加入の日まで、保証協会の供託は分担金納付を受けた日から1週間以内なので、どちらの数字かを区別する必要があります。誰の期限なのかを先に確認すると整理しやすくなります。
正しい判断手順
第1肢では、苦情解決が保証協会の必要的業務かを確認します。第2肢では報告主体、第3肢では還付後の金銭の流れ、第4肢では加入前後の時期・金銭という納付方法・60万円と30万円の金額を順に確認します。四肢を同じ判断方法で処理せず、各肢の中心論点を最初に特定してください。
四肢共通では、まず主語を確認し、次に相手方、時期、方法、数字へ進む方法が有効です。保証協会制度では、数字が合っていても主体や相手方が違う誤肢が多いため、数字を最後に確認する方が安全です。👉 誰が→誰へ→何を→いつ→何で→いくらの順に処理してください。
類似問題で使える知識
類似問題では、社員側の手続と保証協会側の手続を横並びに比較してください。社員は加入の日までに分担金を金銭で保証協会へ納付し、保証協会は納付を受けた日から1週間以内に弁済業務保証金を供託します。この二つを入れ替えるだけで複数の誤肢が作れます。
還付後も同じ考え方が使えます。保証協会が供託所へ補充供託し、社員は保証協会へ還付充当金を納付するため、主体と相手方の矢印を固定してください。制度名より金銭の流れを見る方法が保証協会問題全体で有効です。
宅建試験ではここが狙われやすい
平成25年問39では、業務内容の一部変更よりも主体・時期の入れ替えが中心となっています。第2肢では保証協会を社員へ、第3肢では保証協会による供託を社員による供託へ、第4肢では加入前の納付を加入後へ変更しています。正しい制度用語が多く含まれている肢ほど、主語と時期を確認してください。
また、正しい数字があるから正しい肢とは限りません。60万円・30万円が正しくても「加入後2週間」であれば×となるように、複数の判断項目のうち一つでも誤っていれば肢全体は誤りです。👉 主体→相手方→時期→方法→数字を最後まで確認することが、本問型の攻略ポイントです。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
一問一答では、保証協会制度について、主体・相手方・時期・方法・数字を一部分だけ変更した本試験型の肢を確認します。単純な制度名問題だけでなく、正しい金額や期限を別の手続へ移す問題も入れます。特に「社員が」「加入後」「有価証券で」「供託所へ」という語句を注意して読んでください。
問題1
苦情の解決は、保証協会の必要的業務の一つである。
正解:○
平成25年問39第1肢の基本です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題2
保証協会は、苦情解決のために必要があっても社員へ資料提出を求めることはできない。
正解:×
必要があれば社員へ説明や資料提出を求めます。
誤っている語句
「資料提出を求めることはできない」
正しい修正
「必要があれば資料提出を求めることができる」
問題3
保証協会へ新たに社員が加入した場合、その宅建業者自身が免許権者へ加入の報告をする。
正解:×
免許権者へ報告する主体は保証協会です。
誤っている語句
「その宅建業者自身が」
正しい修正
「保証協会が」
問題4
社員がその地位を失った場合、保証協会はその社員の免許権者へ報告する。
正解:○
加入だけでなく地位喪失も報告対象です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題5
社員の加入または地位喪失について、保証協会は免許権者へ直ちに報告する。
正解:○
主体と時期が正しい文章です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題6
弁済業務保証金が還付された場合、社員が還付額相当額を供託所へ供託する。
正解:×
供託所へ補充供託するのは保証協会です。
誤っている語句
「社員が」
正しい修正
「保証協会が」
問題7
弁済業務保証金が還付された後、保証協会は社員へ還付充当金の納付を通知する。
正解:○
還付後の流れを正しく示しています。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題8
還付充当金の納付通知を受けた社員は、還付充当金を供託所へ直接納付する。
正解:×
社員の納付先は保証協会です。
誤っている語句
「供託所へ直接」
正しい修正
「保証協会へ」
問題9
保証協会へ加入しようとする宅建業者は、加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を納付する。
正解:○
加入後ではなく加入の日までです。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題10
弁済業務保証金分担金は、保証協会へ加入した日から2週間以内に納付すればよい。
正解:×
加入しようとする日までに納付します。
誤っている語句
「加入した日から2週間以内」
正しい修正
「加入しようとする日までに」
問題11
社員が納付する弁済業務保証金分担金は、有価証券で納付することもできる。
正解:×
分担金は金銭で納付します。
誤っている語句
「有価証券で納付することもできる」
正しい修正
「金銭で納付する」
問題12
主たる事務所についての弁済業務保証金分担金は60万円である。
正解:○
資料で示された金額です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題13
従たる事務所についての弁済業務保証金分担金は、1か所につき30万円である。
正解:○
支店1か所ごとの金額です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題14
主たる事務所30万円、従たる事務所1か所につき60万円を納付する。
正解:×
60万円と30万円が逆です。
誤っている語句
「主たる事務所30万円」「従たる事務所60万円」
正しい修正
「主たる事務所60万円、従たる事務所1か所につき30万円」
問題15
保証協会は、分担金の納付を受けた日から1週間以内に弁済業務保証金を供託する。
正解:○
保証協会側の供託期限です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題16
社員は加入の日から1週間以内に弁済業務保証金分担金を納付する。
正解:×
社員の期限は加入しようとする日までです。
誤っている語句
「加入の日から1週間以内」
正しい修正
「加入しようとする日までに」
問題17
保証協会が弁済業務保証金を供託する場合には、一定の有価証券を用いることもできる。
正解:○
社員の分担金納付とは方法が異なります。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題18
社員が分担金を納付する場合も、保証協会が弁済業務保証金を供託する場合も、いずれも有価証券を利用できる。
正解:×
社員の分担金は金銭のみです。
誤っている語句
「いずれも有価証券を利用できる」
正しい修正
「社員の分担金は金銭、保証協会の供託は一定の有価証券も可能」
問題19
保証協会制度では、誰が金銭を負担するかと、誰が供託所へ供託するかを分けて判断する必要がある。
正解:○
社員が負担する場面でも、供託主体が保証協会となる場合があります。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題20
平成25年問39では、第1肢が正しい。
正解:○
苦情の解決が保証協会の必要的業務であるとする肢が正解です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
一問一答では、**数字が正しくても主体・時期・方法が違えば×**という判断を徹底してください。60万円・30万円・1週間という数字だけを拾うと、社員と保証協会の手続を入れ替えた問題で誤ります。数字は最後に確認し、先に主語と動詞を読みます。
また、「供託」という語句が出ても、誰が供託するのかを確認してください。社員は分担金や還付充当金を保証協会へ納付し、保証協会が供託所へ弁済業務保証金を供託するという場面があります。似た金銭手続を矢印で整理する方法が有効です。
宅建試験ではここが狙われやすい
一問一答型では、正しい文章の主語だけ・時期だけ・方法だけを変更する誤肢に注意します。「保証協会」を「社員」へ、「加入の日まで」を「加入後2週間」へ、「金銭」を「有価証券」へ変えるだけで自然な誤肢になります。制度名が正しいからといって、そのまま○にしないでください。
さらに、保証協会制度では「分担金」「弁済業務保証金」「還付充当金」という似た名称が集中しています。👉 社員→保証協会へ納付/保証協会→供託所へ供託という大きな方向を先に押さえ、個別の金銭名と期限を当てはめます。問題文では金銭の名称より、まず誰から誰へ動くのかを見ることが有効です。
FAQ
保証協会制度のFAQでは、本文の単純な繰り返しではなく、受験生が主体・相手方・時期を迷いやすい境界を確認します。特に社員加入時の報告、還付後の流れ、分担金と弁済業務保証金の違いを質問形式で整理します。似た用語が出た場合に、どこを見るべきかを固定してください。
Q1.保証協会に加入したら、宅建業者自身が免許権者へ報告するのですか?
いいえ。社員の加入を免許権者へ報告する主体は保証協会です。
Q2.社員が保証協会を脱退した場合も免許権者への報告がありますか?
社員がその地位を失った場合も、保証協会がその社員の免許権者へ報告します。
Q3.苦情解決は保証協会が任意で行う業務ですか?
提供資料では、苦情の解決は保証協会の必要的業務の一つとされています。
Q4.苦情を受けた保証協会は、社員へ資料提出を求めることができますか?
必要があれば、社員に説明や資料提出を求めることができます。
Q5.弁済業務保証金が還付されたら、社員が供託所へ補充しますか?
いいえ。供託所へ還付額相当額を供託するのは保証協会です。
Q6.還付後に社員が支払う還付充当金は誰へ納付しますか?
保証協会へ納付します。供託所へ直接納付するわけではありません。
Q7.分担金60万円・30万円はいつ納付しますか?
保証協会へ加入しようとする日までです。加入後ではありません。
Q8.加入後2週間以内なら分担金を納付できますか?
資料では遅すぎるとされています。加入しようとする日までに納付する必要があります。
Q9.弁済業務保証金分担金は有価証券で納付できますか?
できません。社員が納付する分担金は金銭です。
Q10.保証協会が供託する弁済業務保証金も金銭だけですか?
資料では、一定の有価証券を利用することもできます。社員の分担金納付と区別してください。
Q11.分担金の60万円は何についての金額ですか?
主たる事務所についての弁済業務保証金分担金です。
Q12.30万円は宅建業者1社につき1回だけですか?
資料では従たる事務所1か所につき30万円です。支店数との対応を確認します。
Q13.1週間という期間は社員の分担金納付期限ですか?
違います。保証協会が分担金の納付を受けた後、弁済業務保証金を供託する期限です。
Q14.社員と保証協会の手続を見分ける簡単な方法はありますか?
社員は保証協会へ金銭を納付し、保証協会は供託所へ供託するという大きな流れから確認すると整理しやすくなります。
Q15.保証協会制度で最初に確認すべきものは何ですか?
まず主語を確認します。保証協会なのか社員なのかを確定してから、相手方・時期・方法・数字へ進みます。
FAQで共通するのは、同じ金銭に関係していても主体と相手方が違うという点です。社員が最終的に金銭を負担する場面でも、供託所へ直接供託するのは保証協会という場合があります。金銭の名称だけでなく、誰から誰へ動くのかを確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
境界事例では、「社員がお金を負担する」という事実から「社員が供託する」と誤って推測させる文章に注意します。同じように、社員が加入する本人だから免許権者への報告も本人が行うと思わせる主体の入れ替えも狙われます。制度の感覚ではなく、法律上の役割を確認してください。
数字については、60万円・30万円・1週間を単独で暗記しないことが重要です。60万円・30万円は社員の分担金、1週間は保証協会の供託期限というように、主体と手続までセットで整理します。👉 誰の数字か→何の期限・金額かを確認してください。
まとめ
保証協会制度では、保証協会と社員である宅建業者の役割を分け、誰が誰へ何をするのかを確認することが中心です。保証協会は苦情解決を行い、社員の加入・地位喪失を免許権者へ報告し、還付後には供託所へ補充供託する一方、社員は分担金や還付充当金を保証協会へ納付します。弁済業務保証金分担金は加入しようとする日までに金銭で納付し、主たる事務所60万円、従たる事務所1か所につき30万円として整理します。
本試験では、保証協会と社員の主体交換、供託所と保証協会の相手方交換、加入前と加入後の時期変更、金銭と有価証券の方法交換がひっかけになります。60万円・30万円・1週間という正しい数字が書かれていても、誰の手続なのかが違えば誤りなので、数字だけで判断してはいけません。👉 主体→相手方→時期→方法→数字の順に確認し、正しいルールが別の主体や手続へ移されていないかを見抜いてください。
