【宅建】権利関係 書面によらない贈与とは?|頻出ポイント・ひっかけ問題・過去問攻略・一問一答

宅建の権利関係で贈与が出題されたとき、単純に「贈与=無償で財産を与える契約」と暗記するだけでは十分ではありません。特に書面によらない贈与・履行が終わった部分・死因贈与は、原則と例外を入れ替えた選択肢が作られやすい論点です。この記事では、平成3年問10を中心に、問題文のどこを見て、どの順番で判断し、どの言葉がひっかけになるのかまで整理します。

目次

書面によらない贈与とは

書面によらない贈与で最初に押さえるべきポイントは、書面がないことだけを理由として贈与契約そのものが無効になるわけではないという点です。宅建では「書面によらない贈与」という言葉を見た瞬間に無効と判断させるのではなく、その後に撤回できるか、すでに履行が終わっているかを判断させます。この章では、贈与契約の基本から書面の有無、撤回、履行済みまでを一つの判断手順として整理します。

贈与は、一方の当事者が自己の財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手方がそれを受諾することで成立します。したがって、売買のように代金を支払うことを前提とする契約ではなく、財産を無償で移転する点に特徴があります。宅建試験では、この基本構造を理解したうえで「書面」「撤回」「履行」という条件を追加して正誤を判断します。

問題文を読んだら最初に何を見るか

贈与の問題では、最初から条文を思い出そうとするより、問題文に書かれている事実を順番に分類するほうが正確です。特に、書面の有無だけを見て結論を出すと、履行済みという例外を見落とす可能性があります。問題文を読んだら、次の4段階で事実関係を整理してください。

・① 誰が贈与者で、誰が受贈者なのかを確認する
・② 贈与が書面によるものか、書面によらないものかを確認する
・③ 引渡しや登記など、すでに履行された部分があるか確認する
・④ 死因贈与など、通常の贈与とは異なる条件が付いていないか確認する

この順序を固定すると、「書面なしだから撤回できる」と即断するミスを防ぎやすくなります。宅建では知識量だけでなく、問題文から必要な条件を拾う処理能力が得点に直結します。特に贈与では、書面→履行→撤回の順番を意識してください。

問題文で注目する語句

贈与の問題では、特定の語句がそのまま判断材料になります。次の表は、問題文を読んだときに拾うべき言葉と、それに対応する確認事項を整理したものです。文章をすべて同じ強さで読むのではなく、判断を変える語句を優先して探します。

問題文の語句判断ポイント
書面によらない撤回の問題を疑う
書面による書面なしの場合との違いを確認
引渡し済み履行が終わった部分か確認
所有権移転登記済み履行済みと評価できるか確認
撤回する撤回できる範囲を確認
死因贈与遺贈に関する規定との関係を確認
欠陥・契約不適合贈与者の責任の範囲を確認

本試験では「贈与」という単語より、その周辺に置かれた条件のほうが正解を左右することがあります。とくに「すでに」「登記した」「引き渡した」といった履行を示す表現を見落とさないことが重要です。条件を拾ってから法律効果を判断する習慣を作ります。

宅建試験ではここが狙われやすい

書面によらない贈与では、出題者は「原則として撤回できる」という知識だけを覚えている受験生を狙いやすくなります。そこで問題文に「すでに所有権移転登記がされている」「すでに目的物を引き渡している」などの事実を加え、それでも撤回できるとする選択肢を作ります。したがって、問題文に「書面によらない」と書かれていても、そこで判断を止めないことが重要です。

さらに、「契約が無効になる」「当然に取消しになる」「いつでも全部を撤回できる」など、法律効果そのものを強く言い換える方法も考えられます。受験生は書面の有無に意識を集中させるため、履行済みの事実や撤回できる範囲を読み飛ばしやすくなります。書面の有無→履行の有無→撤回できる範囲という順番を固定すると、こうした誤肢を切りやすくなります。

書面によらない贈与と撤回の関係

書面によらない贈与は、原則として各当事者が撤回できますが、履行の終わった部分については撤回できません。ここが宅建試験で最も重要な判断基準となり、単純な「撤回できる・できない」の暗記では対応しにくい部分です。この章では、原則と例外を分け、問題文からどのように結論を導くのかを確認します。

最初に理解したいのは、「書面によらない贈与だから全部撤回できる」という理解が不正確だということです。問題を解くときには、書面によるかどうかを確認したあと、すでに履行された部分が存在するかを確認します。履行が終わった部分については、書面によらない贈与であっても撤回できないからです。

原則と例外を分ける

宅建では、原則と例外を同時に覚えることが重要です。原則だけを暗記すると、例外事実が問題文に入った瞬間に判断を誤ります。書面によらない贈与については、次の比較を一つのセットとして整理します。

状況判断
書面によらない・未履行原則として撤回できる
書面によらない・履行済み履行済み部分は撤回できない
書面による贈与書面によらない贈与の撤回ルールとは区別
死因贈与通常の贈与とは別に遺贈との関係を確認

問題文で「書面によらない」という言葉を発見したら、次に探すのは「履行」です。この二段階確認だけでも、贈与問題の処理はかなり安定します。条文を文章のまま覚えるより、条件と効果を対応させるほうが実戦的です。

例題1

書面によらない土地の贈与契約は無効である。

解答・判断ポイント

正解:×

注目する語句は「書面によらない」と「無効」です。書面がないことと契約が成立しないことを同じものとして扱っている点を疑います。書面によらない贈与について問題となる中心は、撤回できるかどうかです。

誤肢分析

誤っている語句

「無効である」

正しい修正

「書面によらないことだけを理由として当然に無効になるわけではない」

この問題は、「書面が必要」というイメージと契約成立の問題を混同させるタイプです。宅建では、成立・有効性・取消し・撤回を別々の法律効果として区別する必要があります。似た言葉を一括して覚えないことが得点につながります。

例題2

書面によらない贈与は、履行が完了した部分についても撤回することができる。

解答・判断ポイント

正解:×

注目する語句は「履行が完了した部分」と「撤回することができる」です。書面によらない贈与には撤回という原則がありますが、履行済み部分には例外があります。問題文の後半まで読んでから結論を出す必要があります。

誤肢分析

誤っている語句

「履行が完了した部分についても」

正しい修正

「履行が終わった部分については撤回することができない」

この問題は、原則を知っている受験生に例外を見落とさせる典型的な形です。「原則として撤回できる」という知識だけではなく、「ただし履行済み部分を除く」まで一体として処理します。例外条件を問題文から探すことが重要です。

宅建試験ではここが狙われやすい

この論点で最も作りやすい誤肢は、「書面によらない贈与はいつでも撤回できる」という断定です。前半部分には正しい知識が含まれているため、受験生が反射的に○を付けやすくなります。しかし、問題文に履行済みの事実が存在すれば、その部分について結論が変わるため注意が必要です。

もう一つ注意したいのは、「契約全部」と「履行済み部分」のすり替えです。宅建では、ある制度について一部だけ異なる法律効果が生じる場合に、それを全部へ拡張した選択肢が作られることがあります。したがって、「全部」「一切」「常に」「いつでも」という強い表現を見た場合は、例外の存在を確認してから判断します。

所有権移転登記と「履行が終わった部分」

土地の贈与では、所有権移転登記がされているかが非常に重要な判断材料になります。平成3年問10でも、すでに受贈者に土地の所有権移転登記がされているという事実から、「履行が終わった」と評価できるかがポイントとなっています。ここでは、登記という事実を問題文で発見したときの処理方法を整理します。

贈与者Aが受贈者Bへ土地を贈与し、その後に所有権移転登記まで済ませている場面を考えます。この場合、単に「書面によらない贈与だった」という理由だけで撤回できると判断することはできません。すでに登記がされたという履行事実を評価する必要があります。

「登記済み」を見落とさない

問題文が長くなるほど、受験生は冒頭の契約条件だけで判断しやすくなります。しかし権利関係では、後半に書かれている登記・引渡し・善意悪意・第三者などの条件によって結論が変わることがあります。したがって、最初に結論を作らず、条件を最後まで拾う読み方が必要です。

平成3年問10の資料では、すでに受贈者Bに土地の所有権移転登記がされているため、「履行が終わった」と評価できるとされています。その結果、贈与者Aはその部分について贈与を撤回することができないという判断になります。ここでは「書面なし」より「登記済み」という事実が最終判断に大きく影響します。

例題3

AはBに土地を書面によらず贈与し、Bへの所有権移転登記も完了したが、Aは書面がないことを理由としてその贈与を撤回できる。

解答・判断ポイント

正解:×

この問題では「書面によらず」だけで判断せず、「所有権移転登記も完了した」という事実まで確認します。登記が完了して履行が終わったと評価される部分については、書面によらないことだけを理由として撤回できません。条件を時系列で並べると判断しやすくなります。

誤肢分析

誤っている語句

「撤回できる」

正しい修正

「履行が終わった部分については撤回できない」

この誤肢は、正しい原則と例外事実を一つの文章に混ぜています。受験生が「書面によらない=撤回可能」という知識だけで処理すると誤答します。宅建の権利関係では、知識を思い出す前に事実関係を整理することが重要です。

宅建試験ではここが狙われやすい

土地の贈与問題では、「書面によらない」という目立つ言葉を問題文の前半に置き、後半に「所有権移転登記をした」という決定的事実を置く構成に注意します。受験生が前半だけで法律効果を決めてしまうと、後半の履行事実を正しく評価できません。問題文は、契約→書面→履行→法律効果という時系列に並べ直して読むと処理しやすくなります。

また、「登記」という言葉を見たからといって、すべての問題で同じ法律効果が生じるわけではありません。今回重要なのは、書面によらない贈与の撤回との関係で、登記が履行済みを判断する材料となっている点です。制度名だけで反応せず、「いま何について登記の有無を聞かれているのか」を確認してください。

死因贈与との違い

死因贈与が出てきた場合は、通常の贈与とまったく同じ処理をしないことが重要です。提供された平成3年問10の資料では、死因贈与について遺贈に関する規定が準用され、撤回との関係が問題になっています。ここでは、通常の贈与と死因贈与を混同しないための判断軸を整理します。

死因贈与とは、贈与者の死亡によって効力が生じることを予定した贈与です。そのため、生前に通常どおり履行する贈与とは異なる特徴を持ち、遺贈に関する規定との関係を確認する必要があります。問題文に「死亡したとき」「死因贈与」という表現があれば、通常の贈与問題から判断ルートを切り替えます。

比較項目通常の贈与死因贈与
基本的性質財産を無償で与える死亡を原因として効力発生
注目条件書面・履行死亡・遺贈との関係
撤回問題書面と履行を確認遺贈に関する規定も確認
試験上の注意履行済み部分通常の贈与との混同

平成3年問10では、死因贈与について遺贈に関する規定が準用されることが判断材料になっています。したがって、「書面による死因贈与だから撤回できない」という単純な処理はできません。書面という条件だけに引っ張られず、死因贈与という契約類型を先に確認します。

宅建試験ではここが狙われやすい

死因贈与では、「書面による」という条件を強調して撤回できないように見せる誤肢に注意が必要です。通常の書面による贈与について覚えた知識を、そのまま死因贈与へ適用させようとすると判断を誤る可能性があります。問題文に「死因」という言葉があれば、通常の贈与とは別ルートで考えることが必要です。

さらに、遺言と死因贈与を完全に同じ制度として扱うのも危険です。試験では「準用される」という関係を、「両者はまったく同一である」と言い換えて誤肢を作ることができます。似た制度を学ぶ場合は、共通する部分と制度そのものの違いを分けて整理してください。

過去問分析

この過去問では、贈与について一つの知識だけを聞くのではなく、書面によらない贈与・履行済み・贈与者の責任・死因贈与という複数論点を区別できるかが問われています。正解番号を暗記するより、それぞれの肢がどの制度を使って作られているか分類することが重要です。この分析では、各肢の正誤だけでなく、問題作成者がどこを変えることで受験生を迷わせているのかまで確認します。

最初に確認する語句は、書面によらない贈与、所有権移転登記、履行が終わった部分、贈与者の責任、死因贈与、遺贈、撤回です。第1肢は書面によらない贈与と履行、第2肢は贈与者の責任、第3肢と第4肢は死因贈与と遺贈の関係として分類します。最初に論点を分類すると、四つの肢を同じルールで判断してしまうミスを防げます。

平成3年(1991年) 問10

問10

AのBに対する土地の贈与(何らの負担もないものとする。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. その贈与が書面によらないものであっても、Bにその土地の所有権移転登記がなされたときは、Aは、その贈与を撤回することができない。
  2. その贈与が書面によるか否かを問わず、その土地に欠陥があっても、その欠陥が贈与契約締結以前から存在するものであったときは、Aは、Bに対してその欠陥を担保する責任を負わない。
  3. その贈与が書面による死因贈与であっても、Aは、後にその土地を第三者に遺贈することができる。
  4. その贈与が書面による死因贈与であったときは、Aは、後に遺言によりその贈与を撤回することができない。

正解:4

解説

この問題では、各選択肢が異なる贈与のルールを利用しています。したがって「贈与」という大きな知識だけで処理するのではなく、各肢を個別の論点へ分解する必要があります。特に第1肢と第4肢では、撤回という同じ言葉が出てきても、その根拠となるルールが異なります。

各肢の正誤理由

第1肢は正しいと判断します。書面によらない贈与は原則として各当事者が撤回できますが、履行が終わった部分は撤回できません。本肢では受贈者Bへの土地の所有権移転登記がすでになされているため、履行が終わったものと評価され、贈与者Aは撤回できないという結論になります。

第2肢も正しいとされています。提供資料では、負担のない贈与について贈与者の責任が問題となり、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、または移転することを約したものと推定される点から判断しています。土地について贈与契約時点ですでに存在していた欠陥との関係を整理することがポイントです。

第3肢も正しいと判断されています。提供資料では、死因贈与について遺贈に関する規定が準用され、後に別内容の遺言がされた場合には抵触部分について後の遺言が優先すると整理されています。ここでは通常の贈与ではなく、死因贈与と遺贈の関係を見る必要があります。

第4肢が誤りであり、この問題の正解です。提供資料では、死因贈与について遺贈に関する規定が準用され、遺言はいつでも撤回できることから、死因贈与についても書面によるものであっても後に撤回できると整理されています。したがって、書面によることを理由として撤回できないとする趣旨の判断は誤りになります。

問題作成者のひっかけポイント

この問題のひっかけは、「書面」という一つの条件を複数の場面で使っている点です。第1肢では書面によらない贈与、第4肢では書面による死因贈与が登場するため、書面の有無だけを基準にすると混乱します。実際には、第1肢では履行済みかどうか、第4肢では死因贈与にどの規定が関係するかを見る必要があります。

もう一つの特徴は、四つの肢がすべて同じ論点ではないことです。宅建では、一つの問題の中に複数の関連制度を入れ、受験生が適切な条文や判断基準へ切り替えられるかを確認する問題があります。そのため、「贈与の問題だから一つの公式で全部解く」という考え方を捨て、肢ごとに論点を分類します。

受験生が迷う理由

受験生が迷いやすい最大の理由は、「書面によらない贈与は撤回できる」という有名な原則が強く記憶に残るからです。その知識自体は必要ですが、履行が終わった部分という例外まで同時に思い出せなければ第1肢を正確に処理できません。原則を覚えたら、必ず例外を隣に置いて記憶する必要があります。

また、死因贈与は通常の贈与と名称が似ているため、同じ撤回ルールをそのまま当てはめたくなります。しかし問題文に「死因贈与」と書かれていれば、遺贈に関する規定との関係を確認しなければなりません。制度名の一部が同じだからといって、判断方法まで同じとは限らない点が重要です。

正しい判断手順

この問題は、各肢を読んだ瞬間に○×を決めるより、まず論点名を頭の中で付ける方法が有効です。論点を特定すれば、必要な原則と例外だけを取り出せるため、余計な知識との混同を防げます。本試験では次の順番で処理します。

・① 「通常の贈与」か「死因贈与」かを確認する
・② 書面によるか、書面によらないかを確認する
・③ 引渡しや登記など履行済みの事実を確認する
・④ 撤回・責任・遺贈など、何の法律効果を聞いているか確認する
・⑤ 原則だけでなく例外条件まで当てはめる
・⑥ 「全部」「いつでも」「書面なら撤回不能」などの強い断定を再確認する

この処理を習慣化すると、条文番号を思い出せない場面でも問題文から判断しやすくなります。宅建の過去問演習では正解番号を覚えるのではなく、この処理手順を繰り返すことが重要です。一問から関連条文・例外・類似論点まで広げることで、同じ知識を別角度から問われても対応できるようになります。

類似問題で使える知識

今回の過去問から広げるべき知識は、贈与だけではありません。「契約成立」と「撤回」、「書面」と「履行」、「通常の贈与」と「死因贈与」のように、似ている概念を分ける練習に使えます。権利関係では、このような比較学習をすると初見問題への対応力が高まります。

過去問を一問解いたら、解説を読んで終わるのではなく、関連する条文やテキストの該当部分まで確認します。そこで「なぜこの肢が誤りなのか」「どの言葉を変更すれば正しい文章になるのか」まで考えると、問題集そのものを暗記する学習から抜け出せます。一問を起点として知識を横へ広げることが、過去問攻略の中心です。

宅建試験ではここが狙われやすい

この過去問全体から分かるのは、宅建の権利関係では「正しい条文を知っているか」だけではなく、「どの条文を使う場面なのか」を見抜く力が要求されるということです。同じ贈与でも、書面の有無、履行状況、死因贈与かどうかによって確認すべきルールが変わります。問題文にある条件を無視して、覚えている知識をそのまま当てはめると誤答しやすくなります。

過去問学習では、正解した問題でも「なぜ他の肢が誤りなのか」を確認してください。そのうえでテキストや関連条文へ戻り、原則・例外・類似制度まで確認すると、一問から得られる知識量が増えます。過去問を解く→解説を見る→関連条文を確認する→テキストで確認する→不足部分を補うという循環を作ることが、権利関係攻略では有効です。

一問一答|過去問の肢レベルで確認

ここでは、書面によらない贈与を中心に、平成3年問10から広げた判断問題を確認します。単純な用語の定義ではなく、原則と例外を入れ替えたり、履行条件を追加したりした本試験型の文章で判断してください。正解できた場合でも、どの語句を根拠に○×を決めたのかまで確認します。

問題1
書面によらない贈与契約は、書面が作成されていないことを理由として当然に無効となる。
正解:×
書面がないことだけを理由として、贈与契約そのものが当然に無効になるわけではありません。
誤っている語句:「当然に無効となる」
正しい修正:「書面によらないことだけを理由として当然に無効になるわけではない」

問題2
書面によらない贈与は、原則として各当事者が撤回することができる。
正解:○
書面によらない贈与については撤回が問題となりますが、履行が終わった部分については例外となるため、問題文の条件確認が必要です。

問題3
書面によらない贈与であれば、すでに履行が終わった部分についても撤回できる。
正解:×
履行が終わった部分については撤回できません。
誤っている語句:「履行が終わった部分についても」
正しい修正:「履行が終わった部分については撤回できない」

問題4
土地の書面によらない贈与で受贈者への所有権移転登記が完了している場合でも、贈与者は書面がないことだけを理由として撤回できる。
正解:×
所有権移転登記が完了し、履行が終わったと評価される場合には、その部分について撤回することはできません。
誤っている語句:「撤回できる」
正しい修正:「履行が終わった部分については撤回できない」

問題5
書面によらない贈与の問題では、書面の有無だけ確認すれば正誤を判断できる。
正解:×
書面の有無に加えて、引渡しや登記などによって履行が終わっているかを確認する必要があります。
誤っている語句:「書面の有無だけ」
正しい修正:「書面の有無と履行状況を確認する」

問題6
死因贈与が問題となった場合でも、通常の贈与とまったく同じ撤回ルールだけで判断すればよい。
正解:×
死因贈与では遺贈に関する規定との関係を確認する必要があります。
誤っている語句:「まったく同じ撤回ルールだけ」
正しい修正:「遺贈に関する規定との関係も確認する」

問題7
贈与問題で「登記済み」と書かれていても、撤回の可否を判断するうえで履行状況を確認する必要はない。
正解:×
登記済みという事実は、履行が終わった部分かを判断する重要な材料になります。
誤っている語句:「確認する必要はない」
正しい修正:「履行状況を判断する材料として確認する」

問題8
書面によらない贈与では、「原則として撤回できる」と「履行が終わった部分は撤回できない」をセットで確認する。
正解:○
原則だけを覚えると例外事実が追加された問題に対応できないため、両者を一体として整理することが重要です。

問題9
死因贈与について書面が作成されていれば、それだけで後の撤回が一切できなくなると判断する。
正解:×
提供された平成3年問10の解説では、死因贈与には遺贈に関する規定が準用され、書面による場合でも後に撤回できると整理されています。
誤っている語句:「一切できなくなる」
正しい修正:「書面によることだけで撤回不能とは判断しない」

問題10
贈与の過去問では、正解肢だけを暗記するより、各肢について書面・履行・撤回・死因贈与などの論点を分類したほうが類似問題に対応しやすい。
正解:○
同じ問題がそのまま出題されなくても、条件や表現を変更した類似肢へ対応できるため、論点と判断理由まで確認する学習が有効です。

宅建試験ではここが狙われやすい

一問一答で間違えた場合は、正しい文章をそのまま覚えるだけでは不十分です。「どの語句を変えられたため誤った文章になったのか」を特定すると、本試験の誤肢を見抜く力につながります。特に「いつでも」「一切」「当然に」「すべて」といった断定表現は、例外を消して誤肢を作る際に利用されやすいので注意します。

正解した問題についても、根拠を説明できなければ知識が安定しているとは限りません。○×を決めたあとに「書面だから」「履行済みだから」「死因贈与だから」のように根拠を短く言える状態を目指します。これにより、過去問の答えそのものではなく、問題を処理する判断基準が記憶に残ります。

FAQ

ここでは、本文の単純な繰り返しではなく、実際に過去問演習をするときに迷いやすい判断について整理します。贈与は論点自体が極端に複雑なのではなく、条件の見落としによって誤答しやすい分野です。問題文をどう読むかという視点から確認してください。

Q1.「書面によらない贈与」と出たら、すぐ撤回できると判断してよいですか?
いいえ、そこで判断を終えてはいけません。次に引渡しや所有権移転登記など、履行が終わった部分があるかを確認します。書面の有無は判断の入口であり、最終結論ではありません。

Q2.土地の贈与では、なぜ登記に注目するのですか?
今回の過去問では、所有権移転登記がされたことが「履行が終わった」と評価する材料になっています。そのため「書面によらない」という条件だけで撤回可能と判断すると誤答します。契約後に何が実行されたかまで時系列で確認してください。

Q3.死因贈与が出たら何を最初に確認しますか?
まず通常の贈与とは判断ルートを分けます。そのうえで、遺贈に関する規定との関係や、問題で問われている法律効果を確認します。「贈与」という共通語だけで同じ制度として処理しないことが重要です。

Q4.過去問は何回も解けばよいのでしょうか?
回数だけを増やすより、間違えた理由と選択肢の作られ方を確認するほうが重要です。一問解いたら解説を確認し、関連する条文やテキストへ戻り、原則と例外まで広げます。同じ問題を繰り返す場合も、答えではなく判断手順を再現できるか確認してください。

Q5.平成3年問10の正解番号を覚える必要がありますか?
正解番号そのものを暗記する必要はありません。重要なのは、第1肢なら「書面によらない贈与+登記済み」、第4肢なら「死因贈与+撤回」というように論点を分解できることです。年度が変わり文章が変わっても使える知識として残してください。

まとめ

書面によらない贈与を攻略するときは、最初に「誰から誰への贈与か」を確認し、次に書面の有無、履行状況、問われている法律効果を確認します。特に書面によらない贈与は原則として撤回できるが、履行が終わった部分については撤回できないという原則と例外を一体として整理することが重要です。土地について所有権移転登記が済んでいる場合など、問題文の履行事実を見落とさないようにします。

判断順序は、贈与の種類→書面の有無→履行の有無→撤回などの法律効果→例外と固定すると処理しやすくなります。死因贈与が登場した場合には通常の贈与と分け、遺贈に関する規定との関係を確認する必要があります。「いつでも」「全部」「一切」といった強い表現が使われた選択肢では、例外条件が消されていないかを確認してください。

そして過去問は、正解番号を覚えるために繰り返すものではありません。過去問を解く→解説を見る→関連する条文を確認する→テキストで確認する→分からない部分をさらに調べる→もう一度問題へ戻るという流れを作ることで、一問から学べる範囲が大きく広がります。この学習手順を繰り返し、「答えを覚えている状態」ではなく「問題文を見て判断できる状態」を作ることが、宅建の権利関係を攻略する基本です。

 ここが出る突破ポイント  権利関係  宅建業法  法令上の制限  税・その他
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次