譲渡所得の特別控除では、最初に何の特別控除を使うのかを確認し、その後に対象財産・所有期間・譲渡相手・他の特例との併用関係を判断します。平成24年問23では、居住用財産の3,000万円特別控除、収用等の5,000万円特別控除、10年超所有の居住用財産に対する軽減税率が組み合わされています。指定問題では第2肢だけが正しく、正解は2です。
居住用財産の3,000万円特別控除は、所有期間の長短だけで適用可否を決める制度ではありません。現に居住している家屋だけでなく、以前住んでいた家屋でも一定期限内に譲渡すれば対象となり、親子や夫婦など特別な関係にある者への譲渡には適用できません。したがって、所有期間・居住時期・譲渡相手を別々に確認する必要があります。
また、特別控除と軽減税率はすべて一律に併用できるわけでも、一律に併用できないわけでもありません。3,000万円特別控除と10年超軽減税率は併用でき、収用等の5,000万円特別控除と居住用財産の軽減税率についても重複適用を排除する規定がないため、要件を満たす居住用部分について併用できます。平成24年問23では、特例名を二つ拾って併用関係を確認することが正解2への中心ルートです。
問題文を読んだら最初に何を見るか
譲渡所得の特別控除では、最初に居住用財産・収用等・買換えなど、どの特例についての問題かを確認します。同じ土地・建物の譲渡でも、3,000万円・5,000万円という異なる控除額や軽減税率が登場するためです。この章では平成24年問23で最初に拾う語句と判断順序を整理します。
次に、その特例が所有期間を要件としているかを確認します。3,000万円特別控除は所有期間の長短を問いませんが、居住用財産の軽減税率は譲渡年の1月1日時点で所有期間10年超という要件があります。同じ居住用財産の特例でも所有期間の扱いが違うため、数字を一括して覚えてはいけません。
さらに、譲渡相手と譲渡時期を確認します。3,000万円特別控除では親子や夫婦など特別な関係にある者への譲渡が除外され、以前住んでいた家屋でも住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までなら対象になり得ます。誰に売ったか・いつまでに売ったかも正誤を分ける語句です。
問題文で注目する語句を整理します。この表を見る目的は、問題文のどこへ線を引けば特例を分類できるかを固定することです。平成24年問23と直接関係する語句だけを掲載します。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 居住用財産 | 3,000万円控除・軽減税率を確認するか |
| 3,000万円特別控除 | 所有期間の長短を問うか |
| 5,000万円特別控除 | 収用等についての控除か |
| 10年超 | 居住用財産の軽減税率の要件か |
| 譲渡年の1月1日 | 10年超を判定する基準日か |
| 現に居住 | 過去の居住用財産を排除していないか |
| 住まなくなった後 | 3年経過年の12月31日までか |
| 配偶者・親・子・孫 | 特別な関係にある者への譲渡か |
| 生計を一にしている親族 | 親族関係の追加要件か |
| 収用等 | 5,000万円特別控除を確認するか |
| 軽減税率 | 特別控除との併用可否を確認するか |
| 買換え特例 | 3,000万円控除等との選択関係か |
この表では、3,000万円・5,000万円・10年という数字だけを拾ってはいけません。3,000万円=居住用財産、5,000万円=収用等、10年超=居住用財産の軽減税率という所属先まで確認します。数字を制度名へ戻してから正誤を判断してください。
本試験では、次の順番で選択肢を処理します。特別控除と軽減税率が混在する問題では、制度を先に分ける方が数字だけで判断するより安全です。最後に他の特例との重複適用が可能かを確認します。
・譲渡所得についての問題か確認する
・居住用財産か収用等かを確認する
・3,000万円控除か5,000万円控除かを確認する
・所有期間を要件とする特例か確認する
・10年超なら判定時点が譲渡年1月1日か確認する
・現居住か過去の居住用財産か確認する
・過去の居住用財産なら譲渡期限を確認する
・譲渡相手が親子・夫婦など特別関係者でないか確認する
・軽減税率との併用可否を確認する
・買換え特例など他特例との選択関係を確認する
この順番では、「マイホームを売った」という一点で結論を出しません。3,000万円特別控除と軽減税率では所有期間要件が異なり、親族譲渡や譲渡期限など別の条件も存在するからです。👉 財産→特例名→所有期間→時期→相手方→併用の順に確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
譲渡所得の特別控除では、別の特例に存在する要件を移植するひっかけが狙われます。居住用財産の軽減税率には10年超という所有期間要件がありますが、3,000万円特別控除は所有期間の長短を問いません。そのため、「所有期間10年超でなければ3,000万円控除を受けられない」とすれば誤りです。
また、「居住用財産」という言葉を現に住んでいる家屋だけに限定する誤肢にも注意します。以前住んでいた家屋でも、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すれば、3,000万円特別控除や軽減税率の対象になり得ます。現在住んでいるかではなく、居住用財産として認められる範囲を確認してください。
本試験では、👉 3,000万円=期間不問、10年超=軽減税率、退去後=3年経過年の年末、親族譲渡=対象外という四つを最初に固定します。そのうえで複数特例が並んだ場合に併用できるかを確認すれば、平成24年問23の変形問題にも対応できます。
譲渡所得の特別控除|3,000万円と5,000万円の基本判断
土地・建物の譲渡所得には、一定の要件を満たす場合に譲渡所得から一定額を差し引く特別控除があります。今回の過去問で中心となるのは、居住用財産の最高3,000万円特別控除と、収用等の場合の最高5,000万円特別控除です。この章では、二つの控除を数字ではなく適用場面から区別します。
3,000万円特別控除は、マイホームを譲渡して一定の要件を満たした場合に、譲渡所得から最高3,000万円まで控除する制度です。国税庁の現行案内でも、所有期間の長短に関係なく利用できることが明示されています。したがって、短期譲渡所得だから3,000万円控除を利用できないという判断は誤りです。
一方、5,000万円特別控除は公共事業などによる収用等の場面で問題となります。国税庁では、収用等による土地・建物の譲渡について一定要件を満たすと、譲渡所得から最高5,000万円を控除する特例があると整理しています。3,000万円と5,000万円は金額違いではなく、課税場面そのものが違うと理解してください。
二つの特別控除を比較します。この表を見る目的は、控除額を見た瞬間に対象となる譲渡場面を識別できるようにすることです。金額と制度を一組で確認してください。
| 特例 | 対象となる主な譲渡 | 控除額 |
|---|---|---|
| 居住用財産の特別控除 | マイホームの譲渡 | 最高3,000万円 |
| 収用等の特別控除 | 公共事業等による収用 | 最高5,000万円 |
この表では、「高額な土地なら5,000万円控除」という判断をしないでください。5,000万円という数字は土地価格によって決まるのではなく、収用等という譲渡原因に対応する特別控除です。3,000万円も売却価格3,000万円以下という意味ではありません。
例題1
居住用財産の3,000万円特別控除は、所有期間が10年を超える場合に限って適用される。
解答・判断ポイント
正解:×
3,000万円特別控除は所有期間の長短を問いません。
誤肢分析
誤っている語句
「所有期間が10年を超える場合に限って」
正しい修正
「所有期間の長短を問わず、一定の要件を満たせば適用できる」
10年超軽減税率の要件を3,000万円控除へ移した誤肢です。
例題2
収用等により土地・建物を譲渡した場合には、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高5,000万円の特別控除を受けられる。
解答・判断ポイント
正解:○
5,000万円は収用等の譲渡所得についての特別控除です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
5,000万円という数字と収用等を一組で確認します。
例題3
マイホームを通常の売買によって譲渡した場合、譲渡価額が5,000万円を超えれば収用等の5,000万円特別控除を利用できる。
解答・判断ポイント
正解:×
収用等という適用場面を満たしていません。
誤肢分析
誤っている語句
「譲渡価額が5,000万円を超えれば」
正しい修正
「収用等による譲渡で一定要件を満たす場合」
控除額を売却価格の基準へ入れ替えた誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
特別控除の数字では、3,000万円と5,000万円を単純に交換する問題だけでなく、数字の意味そのものを変更する問題に注意します。3,000万円はマイホームの売却価格上限ではなく控除できる最高額で、5,000万円も収用対象土地の価格基準ではありません。数字の前後にある制度名を必ず確認してください。
また、3,000万円特別控除へ所有期間要件を追加するひっかけは頻出です。5年超なら長期譲渡所得、10年超なら居住用財産の軽減税率という正しい知識を持っていても、その数字を3,000万円控除へ流用すれば誤ります。控除・税率・長短区分を別制度として管理することが必要です。
本試験では、👉 3,000万円=居住用、5,000万円=収用等、10年=軽減税率と振り分けます。数字を一つ覚えるごとに「何についての数字か」を言えるようにすると、数字の置換型だけでなく適用場面の置換型にも対応できます。
3,000万円特別控除|所有期間の長短を問わない
居住用財産の3,000万円特別控除は、**所有期間が長期か短期かにかかわらず適用できます。**平成24年問23第1肢は、一定以上の所有期間を要求する内容に変更したため誤りです。この章では、長期・短期区分と3,000万円控除を混同しない判断方法を整理します。
土地・建物の譲渡所得では、譲渡年1月1日時点で所有期間5年超なら長期、5年以下なら短期に分類されます。しかし、これは税率を決めるための長期・短期区分であり、3,000万円特別控除の適用条件ではありません。国税庁も、マイホームの3,000万円特別控除は所有期間の長短を問わないと明示しています。
したがって、所有期間2年のマイホームであっても、所有期間が短いという理由だけで3,000万円控除から排除されません。反対に、20年以上所有していても、親族への譲渡など別の適用除外に該当すれば利用できない場合があります。所有期間を見ないことと、無条件に利用できることは別です。
所有期間に関する制度を比較します。この表を見る目的は、5年・10年という数字を3,000万円特別控除へ持ち込まないことです。それぞれ数字の役割を分けます。
| 制度 | 所有期間 |
|---|---|
| 長期譲渡所得 | 譲渡年1月1日時点で5年超 |
| 短期譲渡所得 | 同時点で5年以下 |
| 3,000万円特別控除 | 長短を問わない |
| 居住用財産の軽減税率 | 同時点で10年超 |
この表では、「5年超なら3,000万円控除」という因果関係を作らないでください。5年は長期・短期の区分、10年は軽減税率、3,000万円控除は所有期間不問という三つを独立させます。制度名を隠して数字だけ出された場合も、何の要件かを戻して判断します。
例題4
所有期間3年の居住用財産は短期譲渡所得になるため、3,000万円特別控除を受けることができない。
解答・判断ポイント
正解:×
短期か長期かは3,000万円特別控除の所有期間要件ではありません。
誤肢分析
誤っている語句
「短期譲渡所得になるため受けることができない」
正しい修正
「所有期間の長短を問わず、他の要件を満たせば適用できる」
短期譲渡所得と特別控除を混同した誤肢です。
例題5
所有期間12年の居住用財産であれば、譲渡相手を問わず3,000万円特別控除を必ず利用できる。
解答・判断ポイント
正解:×
所有期間が長くても譲渡相手など他の要件を確認します。
誤肢分析
誤っている語句
「譲渡相手を問わず」「必ず」
正しい修正
「所有期間とは別に譲渡相手などの適用要件を確認する」
所有期間不問を無条件適用へ広げた誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
3,000万円特別控除では、5年基準・10年基準の移植が典型的なひっかけです。どちらも譲渡所得で実際に使われる数字なので、完全な架空数字より正しく見えます。しかし、3,000万円控除については所有期間の長短を問わないため、5年超も10年超も適用条件ではありません。
反対に、「所有期間不問」という知識を使って他の要件まで消す誤りもあります。譲渡相手が親子や夫婦など特別関係者なら適用できず、過去の特例利用状況などについても要件があります。所有期間だけを問わないのであって、すべての要件が消えるわけではありません。
本試験では、👉 所有期間を聞かれたら3,000万円控除は期間不問→次に居住用財産・譲渡期限・相手方を確認と進みます。平成24年問23第1肢は、この最初の段階だけで誤りを切ることができます。
収用等5,000万円特別控除と軽減税率|併用できる
収用等の5,000万円特別控除と、10年超所有の居住用財産に対する軽減税率は、**一定の要件を満たせば併用できます。**平成24年問23第2肢は、この重複適用を正しく述べた肢であり、指定問題の正解です。この章では「特別控除を使ったら軽減税率は使えない」という思い込みを整理します。
収用等の5,000万円特別控除は、収用等によって生じた譲渡所得から最高5,000万円を控除する制度です。一方、居住用財産の軽減税率は、譲渡年1月1日時点で所有期間10年超などの要件を満たした居住用財産について税率を軽くする制度です。控除と税率軽減という別の仕組みなので、法律上重複を排除されていない組合せでは双方の適用が可能です。
国税庁の質疑応答でも、収用等の5,000万円控除と租税特別措置法31条の3の軽減税率について、重複適用を排除する規定がないため、要件を満たす居住用部分には軽減税率を適用できると整理されています。これは平成24年問23第2肢の判断構造を現在確認するうえでも重要な根拠です。正解は「特別控除と税率軽減だから併用不可」ではありません。
特例の組合せを比較します。この表を見る目的は、特別控除と軽減税率の併用関係を一律に判断しないことです。平成24年問23で直接必要な組合せに絞ります。
| 組合せ | 併用 |
|---|---|
| 収用等5,000万円控除+居住用軽減税率 | ○ |
| 3,000万円特別控除+居住用軽減税率 | ○ |
| 買換え特例+居住用軽減税率 | × |
この表では、「特例は一つしか使えない」と覚えないでください。3,000万円控除や収用等5,000万円控除と軽減税率は併用できる場面がありますが、買換え特例など選択関係になる制度もあります。組合せごとに○×を確認する方法が必要です。
例題6
10年超所有の居住用財産が収用され、5,000万円特別控除の適用を受けた場合には、居住用財産の軽減税率を一切適用できない。
解答・判断ポイント
正解:×
要件を満たせば両特例を併用できます。
誤肢分析
誤っている語句
「一切適用できない」
正しい修正
「収用等5,000万円特別控除と軽減税率は要件を満たせば併用できる」
平成24年問23第2肢を反転した誤肢です。
例題7
特別控除と軽減税率は制度の種類が異なるため、法律上重複を排除されていない組合せでは併用できる場合がある。
解答・判断ポイント
正解:○
収用等5,000万円控除と居住用財産の軽減税率が代表例です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
「特例同士は全部不可」という一般化を避ける問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
特例の重複適用では、併用可と併用不可を逆転させるだけで強い誤肢が作れます。特に「特例を二つ使うのは二重優遇だから不可だろう」という感覚的な判断は危険で、法律上の組合せを確認しなければなりません。平成24年問23第2肢は、その思い込みを狙った問題です。
同じ居住用財産でも、3,000万円控除+軽減税率は○、収用等5,000万円控除+軽減税率も要件を満たせば○ですが、買換え特例+軽減税率は選択関係になります。特例という共通名から結論を統一せず、特例名A+特例名Bの形で覚えてください。
本試験では、👉 控除名を確認→軽減税率の10年超要件を確認→その組合せに重複排除規定があるか確認と処理します。この順序なら、控除額や税率の数字が変更されても制度関係から判断できます。
居住用財産の範囲|売却時に住んでいなくてもよい
居住用財産の特例は、**譲渡時に現に住んでいる家屋だけに限定されません。**以前住んでいた家屋でも、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すれば、一定の要件の下で3,000万円特別控除や軽減税率の対象となり得ます。平成24年問23第3肢は、この範囲を「譲渡時に居住中」に限定したため誤りです。
例えば、令和8年中にマイホームから転居した場合、単純に「3年後の同じ日まで」と覚えるのではありません。法令上は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までという年単位の期限で判断します。日付問題では「3年間」や「3年以内」への言い換えに注意してください。
また、住まなくなった後の使用状況だけで直ちに対象外になるわけでもありません。国税庁は、以前住んでいた家屋について、住まなくなった後の用途は問わないと案内しています。ただし家屋を取り壊して敷地だけを売る場合には別の追加要件があるため、通常の家屋売却と取り壊し後の敷地売却を分けてください。
現居住と過去居住を比較します。この表を見る目的は、「居住用財産=今住んでいる家」という誤った限定を避けることです。過去居住の場合には期限を確認します。
| 状況 | 基本判断 |
|---|---|
| 現在住んでいる家屋 | 対象となり得る |
| 以前住んでいた家屋 | 期限内なら対象となり得る |
| 退去後 | 3年経過年の12月31日までを確認 |
| 取り壊し後の敷地 | 別の追加要件も確認 |
この表では、「3年」を見たら何の期限かまで確認してください。所有期間3年ではなく、居住しなくなった後の譲渡期限についての数字です。5年・10年という所有期間の数字と混ぜないことが必要です。
例題8
居住用財産の軽減税率は、譲渡日にその家屋へ現に居住している場合に限って適用できる。
解答・判断ポイント
正解:×
以前住んでいた家屋も一定期限内なら対象となり得ます。
誤肢分析
誤っている語句
「譲渡日に現に居住している場合に限って」
正しい修正
「以前住んでいた家屋でも一定期限内の譲渡なら対象となり得る」
平成24年問23第3肢型の対象範囲限定です。
例題9
以前住んでいた家屋について、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡することが、居住用財産の特例を判断する一つの基準となる。
解答・判断ポイント
正解:○
「3年以内」だけではなく年末までという期限を確認します。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
時期の入れ替えを防ぐ問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
居住用財産の範囲では、「現に居住」を必要条件として追加するひっかけが狙われます。マイホーム特例という名称から、売却日まで住み続けている必要があるように感じますが、以前住んでいた家屋にも期限付きで適用対象が広がります。平成24年問23第3肢は、この境界を切れるかを見る問題です。
期限については、「住まなくなってから3年以内」と単純化した誤肢にも注意します。正確には住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までなので、3年経過日の翌日からその年末までの期間も含まれる場合があります。時期の問題では日数感覚で判断しないでください。
本試験では、👉 現在居住なら対象確認→過去居住なら退去日確認→3年経過年の12月31日確認と処理します。これを10年超の所有期間判定と別々に確認すれば、時期に関する二種類の数字を混同しません。
親族への譲渡|孫なら生計が別でも適用できない
3,000万円特別控除では、親子・夫婦など特別な関係にある者への譲渡は対象外です。平成24年問23第4肢では、孫への譲渡について生計が別であることを理由に特別控除を認める方向の記述が誤りとなります。この章では、親族関係と生計同一要件を混同しない判断方法を整理します。
国税庁の現行案内でも、親子や夫婦など特別な関係にある者への譲渡には3,000万円特別控除を適用できないとされています。この「特別の関係」には、生計を一にする親族だけでなく、親子や夫婦など関係そのものによって対象となる者が含まれます。したがって、親や子などについて「別生計だから特例を利用できる」とは判断しません。
平成24年問23では、孫という直系血族が問題になっています。指定問題の解説どおり、直系血族への譲渡である以上、生計を一にしているかどうかで結論を変えるものではありません。「親族+生計同一」という二条件が必ず必要だと読み替えないことが重要です。
相手方に関する判断を整理します。この表を見る目的は、「親族」という一語からすべて同じ条件で処理しないことです。問題文では具体的な関係を拾います。
| 譲渡相手 | 判断上の注意 |
|---|---|
| 配偶者 | 特別関係者として除外 |
| 親・子 | 特別関係者として除外 |
| 孫 | 直系血族として除外 |
| 生計を一にする親族 | 特別関係者に含まれる |
| 特別関係のない第三者 | 相手方要件では排除されない |
この表では、「生計を一にする」という語句だけを特別関係の判断基準にしないでください。親子や夫婦などは、別生計だから第三者扱いになるわけではありません。親族関係そのものと生計要件を分けて読むことが第4肢攻略の中心です。
例題10
父が成人して別居し、別生計となっている子へマイホームを売却した場合、別生計であるため3,000万円特別控除を利用できる。
解答・判断ポイント
正解:×
親子という特別関係があるため対象外です。
誤肢分析
誤っている語句
「別生計であるため利用できる」
正しい修正
「親子など特別な関係にある者への譲渡には適用できない」
生計関係だけを判断基準にした誤肢です。
例題11
祖父が孫に居住用財産を譲渡した場合、孫と生計を別にしていても、3,000万円特別控除の相手方要件を満たさない。
解答・判断ポイント
正解:○
平成24年問23第4肢の判断構造です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
直系血族と生計同一の関係を区別します。
宅建試験ではここが狙われやすい
親族への譲渡では、「生計を一にする親族」という一部の正しい要件を、すべての親族関係へ広げるひっかけが狙われます。その結果、「別生計の子や孫なら利用可能」という誤った結論を作ることができます。親子・夫婦など具体的な関係が出たら、生計の有無より先に特別関係者かを確認してください。
また、相手方要件は所有期間とは無関係です。20年所有したマイホームであっても親子間譲渡なら3,000万円控除を利用できるとは限らず、逆に第三者への譲渡なら所有期間が短いことだけで排除されません。所有期間と譲渡相手を別々の判定軸として扱う必要があります。
本試験では、👉 配偶者・親・子・孫を見たら特別関係を確認→生計が別という情報だけで○へ戻さないと処理します。平成24年問23第4肢は、この不要な条件追加を見抜けば短時間で×にできます。
3,000万円特別控除と軽減税率|併用関係を整理
居住用財産の3,000万円特別控除と、10年超所有の居住用財産に対する軽減税率は**併用できます。**特別控除は課税対象となる譲渡所得を減らし、軽減税率はその後の課税長期譲渡所得へ適用する税率を軽くする制度だからです。この章では、平成24年問23周辺で混同しやすい併用関係を整理します。
国税庁も、マイホームの3,000万円特別控除と軽減税率の特例は重ねて受けることができると明示しています。ただし、特別控除によって課税長期譲渡所得がゼロになれば、実際に軽減税率を掛ける課税所得が残らないことになります。併用可能と、必ず二つの税効果が発生することは別です。
一方、マイホームの買換え特例などは3,000万円特別控除や軽減税率と選択関係になります。したがって、「居住用財産の特例は全部併用可能」「全部併用不可」という覚え方はどちらも誤りです。組合せごとの可否を比較してください。
主要な重複関係を整理します。この表を見る目的は、平成24年問23だけでなく類似問題で特例名を交換された場合にも対応することです。○×を制度名ごとに固定します。
| 特例の組合せ | 併用 |
|---|---|
| 3,000万円控除+10年超軽減税率 | ○ |
| 収用等5,000万円控除+10年超軽減税率 | ○ |
| 買換え特例+10年超軽減税率 | × |
| 買換え特例+3,000万円控除 | × |
この表では、収用等の5,000万円控除と3,000万円控除を同じ譲渡について両方重ねるという意味ではありません。平成24年問23第2肢で確認するのは、収用等5,000万円控除と軽減税率という組合せです。特例の名称を一語ずつ正確に拾ってください。
例題12
居住用財産の3,000万円特別控除を利用した場合、10年超所有の居住用財産の軽減税率は利用できない。
解答・判断ポイント
正解:×
両特例は併用できます。
誤肢分析
誤っている語句
「利用できない」
正しい修正
「一定要件を満たせば両特例を併用できる」
併用可を不可へ反転した誤肢です。
例題13
居住用財産の買換え特例を選択した場合でも、同じ譲渡について3,000万円特別控除をさらに適用できる。
解答・判断ポイント
正解:×
買換え特例と3,000万円特別控除は選択関係です。
誤肢分析
誤っている語句
「さらに適用できる」
正しい修正
「同じ譲渡については選択関係となる」
併用できる別の組合せと混同させる誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
重複適用問題では、特例名の片方だけを交換して正誤を反転させる方法が最も危険です。3,000万円控除+軽減税率は○なのに、買換え特例+軽減税率へ変えると×になるため、「居住用財産特例同士」という大分類では判断できません。二つの正式な制度名を拾ってください。
また、5,000万円控除という大きな控除を受けたら軽減税率まで使えないはずだという感覚も危険です。国税庁の現行質疑でも、収用等5,000万円控除と31条の3の軽減税率には重複排除規定がないと確認されています。法律上の組合せを優先して判断してください。
本試験では、👉 **3,000万円+軽減=○、5,000万円収用+軽減=○、買換え+軽減=×**という比較を固定します。数字ではなく制度の組合せとして覚えることが、特例入れ替え型への最も有効な対策です。
過去問分析
平成24年問23では、譲渡所得の特別控除について所有期間・重複適用・居住時期・譲渡相手という四種類の判断が一問にまとめられています。第1肢は3,000万円控除へ所有期間要件を追加し、第3肢は居住用財産を現居住中の家屋だけに限定し、第4肢は孫への譲渡で別生計なら利用できるように扱っています。第2肢だけが収用等5,000万円特別控除と10年超軽減税率の併用を正しく述べているため、正解は2です。
最初に確認する語句は、3,000万円特別控除、所有期間、10年超、収用等5,000万円、現に居住、住まなくなった後、孫、生計です。第1肢は所有期間、第2肢は特例の併用、第3肢は居住用財産の範囲、第4肢は相手方要件を問っています。一肢ごとに判断軸を切り替える必要があります。
本問では、すべての誤肢が完全な架空ルールで作られているわけではありません。10年超・現に居住・生計を一にする親族という語句は、譲渡所得の特例で実際に関係する正しい知識ですが、適用場所や条件の組合せが変更されています。正しい語句が正しい場所で使われているかを見る問題です。
最初に確認する語句
問題文では、所有期間、3,000万円、5,000万円、10年超、現に居住、孫、生計、重複適用を最初に確認します。
平成24年(2012年)問23
本年中に、個人が居住用財産を譲渡した場合における譲渡所得の課税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 本年1月1日において所有期間が10年以下の居住用財産については、居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除(租税特別措置法第35条第1項)を適用することができない。
- 本年1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産について、収用交換等の場合の譲渡所得等の5,000万円特別控除(租税特別措置法第33条の4第1項)の適用を受ける場合であっても、特別控除後の譲渡益について、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(同法第31条の3第1項)を適用することができる。
- 本年1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産について、その譲渡した時にその居住用財産を自己の居住の用に供していなければ、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例を適用することができない。
- 本年1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産について、その者と生計を一にしていない孫に譲渡した場合には、居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除を適用することができる。
正解:2
解説
3,000万円特別控除は所有期間の長短を問わないため第1肢は誤りで、収用等5,000万円特別控除と10年超軽減税率は併用できるため第2肢が正しい内容です。以前住んでいた家屋も一定期限内なら軽減税率の対象となり、孫への譲渡は別生計であっても3,000万円特別控除の相手方要件を満たしません。したがって、正解は2です。
各肢の正誤理由
1 誤り
居住用財産の3,000万円特別控除は、所有期間の長短を問わず適用できます。土地・建物の5年超という長期譲渡所得の基準や、居住用財産軽減税率の10年超という要件を、この特別控除へ持ち込むことはできません。第1肢は別制度の所有期間要件を追加したことが誤りです。
誤っている語句
「一定の所有期間が必要」とする部分
正しい修正
「所有期間の長短を問わず、他の適用要件を満たせば適用できる」
第1肢は、長期譲渡所得や軽減税率の所有期間と混同させる誤肢です。
2 正しい
譲渡年の1月1日時点で所有期間10年超などの要件を満たす居住用財産については、軽減税率の適用を検討できます。さらに収用等の5,000万円特別控除についても、軽減税率との重複適用を排除する規定がないため、要件を満たす居住用部分には双方を適用できます。したがって、第2肢は正しい内容です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
第2肢は、特別控除と税率軽減を一律に選択適用と考えないことがポイントです。
3 誤り
居住用財産の軽減税率は、譲渡時に現に居住している家屋だけに限定されません。以前住んでいた家屋でも、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡するなど要件を満たせば対象となり得ます。第3肢は居住用財産の対象範囲を現居住中だけへ狭めた点が誤りです。
誤っている語句
「譲渡するときに自己の居住の用に供している場合に限る」とする部分
正しい修正
「以前住んでいた家屋でも一定期限内の譲渡なら対象となり得る」
第3肢は原則だけを残して過去居住の対象を削る誤肢です。
4 誤り
3,000万円特別控除では、親子や夫婦など特別な関係にある者への譲渡は対象外です。孫は直系血族であり、別生計であることを理由に第三者と同じ扱いへ変えることはできません。第4肢は直系血族への譲渡と生計同一親族の条件を混同したことが誤りです。
誤っている語句
「孫と生計を一にしていなければ適用できる」とする部分
正しい修正
「孫など直系血族への譲渡では特別控除を適用できない」
第4肢では、生計を一にしているかどうかだけで結論を決めないことが必要です。
問題作成者のひっかけポイント
第1肢では、居住用財産の軽減税率に実在する所有期間要件を3,000万円特別控除へ移しています。10年超という正しい知識を持っている受験生ほど、マイホーム特例全体に必要だと一般化しやすくなります。同じ居住用財産でも特例ごとに要件が違うことを確認してください。
第2肢では、特例を二つ並べることで「二重適用だから不可」と思わせます。しかし5,000万円特別控除と軽減税率には重複排除規定がないため、条件を満たせば併用可能です。制度趣旨から推測せず、組合せごとのルールで判断する必要があります。
第3・4肢では、対象範囲を不当に狭くする方法が使われています。第3肢は過去に住んでいた家屋を削り、第4肢は親族譲渡の禁止範囲を「生計を一にする親族」だけに狭めています。原則の一部分だけを全部の条件のように書く誤肢へ注意してください。
受験生が迷う理由
第一の理由は、マイホームに関する特例が複数存在することです。3,000万円控除、10年超軽減税率、買換え特例は同じ居住用財産の譲渡に関係しますが、所有期間要件や重複適用の扱いは同じではありません。制度名まで正確に区別しないと条件が混ざります。
第二の理由は、数字が多いことです。3,000万円は特別控除額、5,000万円は収用等の控除額、10年は軽減税率の所有期間、3年は以前住んでいた家屋の譲渡期限に関係する数字です。数字+何についての数字かを一組にしなければなりません。
第三の理由は、親族関係の条件です。「生計を一にする親族」という語句を覚えていると、別生計なら適用できるように感じますが、親子や夫婦など別の特別関係者も対象外です。親族という大分類ではなく、具体的な関係から判断してください。
正しい判断手順
第1肢では3,000万円特別控除と分かった時点で、所有期間の長短を問わないため×と判断します。第2肢では収用等5,000万円控除と10年超軽減税率という二つの特例名を拾い、重複適用可能なので○とします。ここでは控除額を計算する必要はありません。
第3肢では「譲渡時に現に居住」という限定へ注目し、以前住んでいた家屋も一定期限内なら対象になるため×とします。第4肢では「孫」を先に拾い、直系血族への譲渡なので別生計という情報に進む前に×と判断できます。決定語句を早い段階で見つけることが時間短縮につながります。
本問全体では、👉 **1=3,000万円控除は期間不問で×、2=5,000万円控除+軽減税率は併用可で○、3=過去居住でも期限内なら可なので×、4=孫への譲渡なので×**と整理します。この四点を固定すれば、正解2へ到達できます。
類似問題で使える知識
第1肢型では、「所有期間5年超でなければ3,000万円控除不可」「10年超なら3,000万円控除」といった数字変更問題に対応できます。正しい修正は別の年数ではなく、所有期間の長短を問わないです。
第3肢型では、「売却時まで居住していなければ不可」「転居後1年以内だけ」といった時期変更問題に対応できます。正しい基準である住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までへ戻してください。
第4肢型では、孫を子・親・配偶者へ変更しても同じ判断方法を使えます。相手方が特別な関係にある者かを先に確認し、生計が別という情報で結論を逆転させないことが重要です。
宅建試験ではここが狙われやすい
平成24年問23は、存在する要件を別特例へ移す・対象範囲を狭める・併用関係を逆転するという三種類のひっかけを一問にまとめています。第1肢の所有期間、第3肢の現居住、第4肢の生計関係はいずれも譲渡所得特例で実際に見る語句なので、単語の正しさだけでは判断できません。どの制度のどの条件なのかを確認してください。
特に第2肢は、感覚で判断すると誤りやすい肢です。最高5,000万円の控除に加えて軽減税率まで使えるのは優遇が大きく見えますが、現行の国税庁質疑でも重複排除規定がなく適用可能と確認されています。試験では優遇の大きさではなく法律上の組合せで判断します。
本試験では、👉 特例名を特定→その特例固有の要件を確認→他制度の要件を持ち込んでいないか確認→最後に併用関係を見るという順序を使います。平成24年問23は、この処理順を固定するための代表問題として使えます。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
一問一答では、譲渡所得の特別控除について所有期間・3,000万円・5,000万円・10年超・退去後の期限・親族譲渡・併用関係を組み合わせます。単純な控除額問題だけではなく、平成24年問23と同じように実在する別要件を移した誤肢を中心にします。問題文では数字より先に特例名を確認してください。
問題1
居住用財産の3,000万円特別控除は、所有期間が5年を超える場合に限って適用される。
正解:×
3,000万円特別控除は所有期間の長短を問いません。
誤っている語句
「5年を超える場合に限って」
正しい修正
「所有期間の長短を問わず、一定の要件を満たせば適用できる」
問題2
所有期間2年のマイホームであっても、他の要件を満たせば3,000万円特別控除を受けられる場合がある。
正解:○
短期譲渡所得であることだけを理由に排除しません。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題3
居住用財産の軽減税率は、3,000万円特別控除と同様に所有期間の長短を問わない。
正解:×
軽減税率には譲渡年1月1日時点で10年超という所有期間要件があります。
誤っている語句
「所有期間の長短を問わない」
正しい修正
「譲渡年1月1日時点で所有期間10年超などの要件が必要」
問題4
収用等による土地・建物の譲渡では、一定の要件を満たすと最高5,000万円の特別控除を受けることができる。
正解:○
5,000万円は収用等の譲渡所得についての控除額です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題5
通常のマイホーム売買でも、売却価格が5,000万円を超えれば収用等の5,000万円特別控除を利用できる。
正解:×
収用等という適用場面が必要です。
誤っている語句
「売却価格が5,000万円を超えれば」
正しい修正
「収用等による譲渡で一定要件を満たす場合」
問題6
収用等5,000万円特別控除を適用した居住用財産については、軽減税率を重ねて適用することは絶対にできない。
正解:×
重複適用を排除する規定がなく、要件を満たせば併用できる場合があります。
誤っている語句
「絶対にできない」
正しい修正
「要件を満たす居住用部分について軽減税率を適用できる場合がある」
問題7
3,000万円特別控除と10年超所有の居住用財産の軽減税率は、一定の要件を満たせば重ねて適用できる。
正解:○
控除と軽減税率は併用可能です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題8
居住用財産の特例は、譲渡日にその家屋へ現に住んでいなければ一切利用できない。
正解:×
以前住んでいた家屋も一定期限内なら対象となり得ます。
誤っている語句
「譲渡日に現に住んでいなければ一切」
正しい修正
「以前住んでいた家屋も一定期限内なら対象となり得る」
問題9
以前住んでいた家屋は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが、居住用財産の特例を判断する基準となる。
正解:○
単純な「退去後3年間」とは表現が異なります。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題10
マイホームから転居した場合、転居した日からちょうど3年を経過した時点で居住用財産の特例対象から直ちに外れる。
正解:×
3年経過日の属する年の12月31日までが基本的な期限です。
誤っている語句
「3年を経過した時点で直ちに」
正しい修正
「3年を経過する日の属する年の12月31日まで」
問題11
父が別生計の子にマイホームを売却した場合、別生計であるため3,000万円特別控除を利用できる。
正解:×
親子という特別関係があるため対象外です。
誤っている語句
「別生計であるため利用できる」
正しい修正
「親子など特別な関係にある者への譲渡には適用できない」
問題12
祖父が別生計の孫に居住用財産を売却した場合、生計が別であることだけを理由に3,000万円特別控除を適用することはできない。
正解:○
孫という直系血族との関係を先に確認します。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題13
3,000万円特別控除は、控除額が3,000万円なので譲渡価格3,000万円以下の居住用財産だけに適用される。
正解:×
3,000万円は売却価格の上限ではなく特別控除額です。
誤っている語句
「譲渡価格3,000万円以下だけ」
正しい修正
「一定要件を満たす居住用財産の譲渡所得から最高3,000万円を控除する」
問題14
10年超軽減税率の10年は、譲渡年の1月1日時点における所有期間についての基準である。
正解:○
3,000万円控除の適用期間とは別の数字です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題15
居住用財産の買換え特例と3,000万円特別控除は、要件を双方満たせば同じ譲渡について必ず併用できる。
正解:×
買換え特例と3,000万円特別控除は選択関係です。
誤っている語句
「必ず併用できる」
正しい修正
「同じ譲渡については選択関係となる」
問題16
平成24年問23では、収用等5,000万円特別控除と居住用財産の軽減税率を併用できるとした第2肢が正しい。
正解:○
指定問題の正解は2です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
一問一答では、数字が正しいかではなく、数字の所属先が正しいかを確認してください。3,000万円は居住用財産の特別控除、5,000万円は収用等の特別控除、10年超は軽減税率、退去後3年は過去居住家屋の譲渡期限に関係します。数字を別制度へ移した肢を見抜くことが中心です。
また、特例の適用要件には所有期間だけでなく相手方や時期があります。所有期間20年でも親子間譲渡なら3,000万円控除を利用できず、所有期間2年でも第三者への通常譲渡なら所有期間だけを理由に排除されません。一つの条件で全部を決めないことが必要です。
本試験では、👉 特例名→数字→対象財産→相手方→時期→重複関係の順番で処理します。問題文が長くても、何の特例についての条件かを分類してから○×を判断すると安定します。
宅建試験ではここが狙われやすい
一問一答型では、正しい数字と正しい条件を別制度から一つずつ持ってきて組み合わせるひっかけに注意します。「10年超」「3,000万円」「3年」「直系血族」という語句はどれも正しい知識ですが、所属先を交換すれば簡単に誤肢になります。数字・主体・時期を制度名へ戻してください。
また、「一切」「必ず」「現に居住している場合に限る」など、制度の対象範囲を狭くする強い表現にも注意します。過去居住の家屋や特例の併用可能性など例外・拡張範囲が存在するため、強い限定語を見たら除外されているケースがないか確認する必要があります。
本試験では、👉 3,000万円は所有期間不問、退去後も期限内なら対象、親子等は不可、5,000万円収用+軽減税率は併用可の四本を軸にしてください。この判断基準があれば、平成24年問23の言い換え問題にも対応できます。
FAQ
譲渡所得の特別控除では、短期所有のマイホーム、退去後の利用、親族への譲渡、収用と通常売買が混在する場合などの境界で迷いやすくなります。FAQでは本文と同じ定義を繰り返さず、条件を一つ変えた場合の判断を扱います。平成24年問23から直接応用できる範囲に絞ります。
Q1.マイホームを買って1年後に売った場合でも、3,000万円特別控除を受けられる可能性がありますか?
あります。3,000万円特別控除は所有期間の長短を問わないため、1年という短い所有期間だけを理由に対象外とはなりません。
Q2.所有期間が10年を超えていれば、親へ売却しても3,000万円特別控除を使えますか?
使えません。所有期間10年超は軽減税率の論点であり、親子など特別な関係にある者への譲渡を3,000万円控除の対象へ戻す条件ではありません。
Q3.転勤でマイホームから退去した後、賃貸住宅として貸していたら3,000万円特別控除は必ず使えなくなりますか?
必ずではありません。国税庁は、以前住んでいた家屋について、住まなくなった後の用途にかかわらず一定期限内なら対象となり得ると案内しています。
Q4.退去から3年を1日でも超えたら、その日に特例対象外となりますか?
そのような単純な3年間ではありません。基本となる期限は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。
Q5.マイホームを取り壊して敷地だけ売った場合も、退去後の期限だけ確認すれば足りますか?
足りません。取り壊し後の敷地については、取り壊しから1年以内に売買契約を締結することや、契約まで敷地を貸付け等に使用していないことなど追加要件があります。
Q6.別居している成人した子なら、第三者と同じ扱いで3,000万円控除を使えますか?
別生計だけでは第三者扱いになりません。親子など特別な関係にある者への譲渡は3,000万円特別控除の対象外です。
Q7.兄弟やその他の親族なら、すべて自動的に対象外ですか?
「親族」という名称だけで全部を一律に判断するのは危険です。国税庁は親子・夫婦のほか、生計を一にする親族や売却後に同居する親族などを特別関係者として挙げているため、具体的な関係を確認します。
Q8.収用等の5,000万円特別控除を受けたら、税率の軽減は絶対に受けられませんか?
絶対ではありません。国税庁の質疑では、収用等5,000万円控除と居住用財産軽減税率には重複適用を排除する規定がないとされています。
Q9.5,000万円特別控除と3,000万円特別控除を足して8,000万円控除できるという意味ですか?
その意味ではありません。平成24年問23で問われているのは、収用等5,000万円特別控除と軽減税率の併用であり、二つの特別控除を単純合算する話ではありません。
Q10.3,000万円特別控除を使って課税譲渡所得がゼロになっても、軽減税率を使う意味がありますか?
制度上は3,000万円特別控除と軽減税率を併用できますが、控除後の課税長期譲渡所得がゼロなら、軽減税率を実際に掛ける所得が残りません。国税庁もこの点を注意事項として示しています。
Q11.収用等5,000万円特別控除は、同じ公共事業で何年にも分けて譲渡すれば毎年5,000万円ずつ使えますか?
国税庁は、同じ公共事業について2年以上にまたがって資産を売る場合、5,000万円特別控除を受けられるのは原則として最初の年だけと案内しています。単に毎年の譲渡所得へ5,000万円ずつ使える制度ではありません。
Q12.平成24年問23を最短で解くなら、どこを確認しますか?
1=3,000万円控除は所有期間不問、2=5,000万円控除と軽減税率は併用可、3=過去居住でも期限内なら可、4=孫への譲渡は不可です。この四点へ各肢を分類すれば正解2へ到達できます。
FAQで共通するポイントは、3,000万円特別控除を単独の一条件で判断しないことです。所有期間を問わなくても、居住用財産であること、譲渡時期、譲渡相手、他特例の利用状況などは別に確認します。期間不問と無条件適用を混同しないでください。
また、5,000万円という数字が出たら収用等の場面へ戻ります。居住用財産の軽減税率との併用が可能だからといって、収用等の特別控除自体の適用要件がなくなるわけではありません。各特例を単独判定した後に重複関係を見るという順番が必要です。
平成24年問23では複雑な税額計算をする必要はありません。所有期間・控除額・居住期限・相手方・併用関係を制度ごとに振り分ければ、文章のどこが変更されたかを短時間で発見できます。計算より条件整理を優先してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
FAQ型の境界問題では、期限の表現と親族関係の細分化が狙われます。「退去後3年以内」と「3年経過日の属する年の12月31日まで」は同じではなく、「親族なら全部不可」「別生計なら全部可」という整理も正確ではありません。問題文の具体的な日付・人物関係を確認してください。
また、取り壊し後の敷地や店舗併用住宅など、通常のマイホーム売却から条件を一つ変える問題もあります。国税庁は店舗併用住宅について、原則として居住用部分を対象とし、居住用部分がおおむね90%以上の場合には全体を居住用として扱える場合があるとしています。こうした境界では「住宅」という名称だけで全体を判断しないことが必要です。
本試験では、👉 マイホームか→現居住・過去居住か→期限→相手方→他特例と進みます。平成24年問23の四肢は、この判断順序の主要部分をほぼ一通り確認できる問題です。
まとめ
譲渡所得の特別控除では、最初に居住用財産の3,000万円特別控除なのか、収用等の5,000万円特別控除なのかを確認します。3,000万円特別控除は所有期間の長短を問わず、5,000万円特別控除は収用等という特定の譲渡場面について適用を判断します。数字だけではなく、対象となる譲渡原因と特例名をセットで確認してください。
平成24年問23では、3,000万円特別控除に所有期間要件を付けた第1肢、現居住だけに限定した第3肢、孫への譲渡で別生計なら適用できるとした第4肢が誤りです。収用等5,000万円特別控除と10年超所有の居住用財産の軽減税率を併用できるとした第2肢が正しいため、正解は2です。現在の国税庁資料でも、収用等5,000万円控除と軽減税率の重複適用を排除する規定がないことが確認できます。
本試験での判断順序は、譲渡場面→特別控除の種類→所有期間→居住時期→譲渡相手→他特例との併用可否です。数字では、3,000万円=居住用財産、5,000万円=収用等、10年超=軽減税率、3年経過年の12月31日=過去居住家屋の譲渡期限と整理します。問題文のどこを見るかを固定することが、数字や特例名を入れ替えたひっかけへの対策になります。
宅建試験ではここが狙われやすい
試験直前は、3,000万円控除は所有期間不問、退去後も期限内なら対象、親子・夫婦等への譲渡は対象外という三点を先に確認してください。さらに、収用等5,000万円特別控除と居住用財産の軽減税率は要件を満たせば併用できるため、「特例同士だから不可」と判断しないことが平成24年問23攻略の決定点です。
平成24年問23は、👉 **1=所有期間を問わないので×、2=5,000万円控除+軽減税率は併用できるので○、3=過去居住でも期限内なら対象なので×、4=孫への譲渡なので×**と処理します。知識を個別暗記するより、どの特例についての条件かを固定して読むことが正解2への最短ルートです。
