【宅建】宅建業法 印紙税とは? |頻出ポイント・ひっかけ問題・過去問攻略・一問一答

印紙税では、どの文書を作成したか、何通作成したか、記載金額はいくらかを分けて判断することが得点の中心です。令和5年問23では、不動産売買契約書を複数通作成した場合、土地売買と建築請負を一つの契約書に記載した場合、贈与契約書、減額変更契約書が問われました。この記事では印紙税全体を網羅するのではなく、指定過去問を正解するための課税文書・記載金額・変更契約の判断方法を整理します。

印紙税は、取引そのものではなく課税文書を作成したことを基準に課税される税金です。同じ土地売買について契約書を複数通作成すれば、原則として課税文書となる各文書について印紙税を判断し、当事者以外の仲介人が保存する契約書でも課税文書となる場合があります。契約が一つだから印紙税も一通分だけという判断はできません。

2026年現在、不動産譲渡契約書と一定の建設工事請負契約書には期限付きの軽減措置があります。不動産譲渡契約書は記載金額10万円超、建設工事請負契約書は記載金額100万円超の一定文書について、2027年3月31日までに作成されるものが軽減措置の対象です。過去問の記載金額ルールと、現在の具体的な印紙税額を混同しないようにします。

目次

問題文を読んだら最初に何を見るか

印紙税の問題では、最初にどの種類の文書を作成したのかを確認します。土地売買契約書、建物建築請負契約書、変更契約書、贈与契約書では、記載金額の判定方法が異なるからです。この章では、問題文のどこへ線を引けば正誤判断を始められるかを整理します。

次に、契約書が何通作成されたかを確認します。同一内容の文書を複数通作成した場合は、契約成立などを証明する目的で作成された各文書が原則として課税文書となるため、「原本だけ課税、控えは常に非課税」とは判断できません。仲介人が保管する文書だから自動的に非課税になるわけでもありません。

最後に、記載金額の算定方法を確認します。複数の契約が一つの文書に記載されている場合、贈与契約の場合、契約金額を増額・減額する場合では、それぞれ違うルールを使います。課税文書か→何通か→記載金額はいくらかという順序を固定してください。

問題文で注目する語句を整理します。この表を見る目的は、令和5年問23で正誤を分けた言葉を最初に発見することです。数字を見る前に、文書の種類と契約内容を確認します。

問題文の語句判断ポイント
土地売買契約書不動産譲渡の課税文書か
2通・3通作成各文書が課税文書か
仲介人が保存自動的に非課税になるか
土地譲渡+建築請負記載金額を単純合計するか
高い方の金額異なる契約種類の併記か
複数の譲渡契約金額を合計する場面か
贈与契約契約金額の記載がある扱いか
2,000万円相当時価を記載金額にするか
変更契約書増額か減額か
減額1,000万円1,000万円を記載金額にするか
記載金額なし直ちに非課税か
契約金額税額を決める基準か

この表では、「金額が書かれている」ことと「その金額が印紙税上の記載金額になる」ことを区別します。贈与財産の価額が2,000万円と書かれていても、それが譲渡対価ではないなら、売買契約金額2,000万円と同じ処理にはなりません。契約の性質を先に確認してください。

本試験では次の順番で処理します。文書の名称だけでなく実際に何を証明する文書なのかを確認し、その後で記載金額へ進みます。令和5年問23のような四肢択一では、一肢ごとにこの順番を繰り返してください。

・印紙税についての問題か確認する
・作成した文書の種類を確認する
・課税文書に該当するか確認する
・同じ内容の文書を何通作成したか確認する
・契約内容が一つか複数か確認する
・記載された金額が何の金額か確認する
・贈与・増額・減額などの特殊な契約か確認する
・最後に記載金額に応じた税額を確認する

この順番なら、「1億1,000万円という合計額が書けそうだから合計する」といった感覚的な判断を避けられます。先に土地譲渡契約と建築請負契約という異なる契約類型を確認し、その上で記載金額のルールを適用します。数字は判断手順の最後に置いてください。

宅建試験ではここが狙われやすい

印紙税では、現実に書かれている金額と印紙税上の記載金額を同じものと思わせるひっかけが多く使われます。贈与財産2,000万円、減額1,000万円、土地5,000万円と工事6,000万円など、問題文に数字を目立たせ、その数字をそのまま税額判定へ使わせる構造です。まずその金額が何を意味するのかを確認してください。

また、「契約は一件だから課税文書も一通だけ」という誤解も狙われます。同一内容でも契約成立を証明する目的で複数文書を作成すれば、原則として各文書が課税文書になり得ます。契約数と文書数を別々に数えることが必要です。

令和5年問23では、👉 文書の種類→作成通数→契約種類→記載金額の順で確認すると安定します。数字の計算から始めず、何について課税している税金なのかを最初に固定してください。

印紙税の基本判断|取引ではなく課税文書を見る

印紙税は、契約をした事実そのものではなく、印紙税法上の課税文書を作成した場合に問題となります。不動産売買契約書は第1号文書、請負契約書は第2号文書として扱われ、記載された契約金額によって税額が変わります。この章では、宅建試験で必要な課税文書の基本構造を整理します。

土地を口頭で売買したという事実だけから印紙税額を計算するものではありません。土地売買契約書などの課税文書を作成したときに、その文書へ何が記載されているかを見て課税関係を判断します。取引→税金ではなく、印紙税では文書→記載内容→税額という順番です。

宅建試験では、不動産譲渡契約書と建設工事請負契約書が中心になります。現在は一定の不動産譲渡契約書と建設工事請負契約書について2027年3月31日まで軽減税率が適用されるため、具体的税額が問われる場合は作成日も確認します。恒久的な記載金額ルールと期限付き軽減税率を分けてください。

基本関係を比較します。この表を見る目的は、契約書の種類と課税文書の分類を最初に固定することです。細かな税額表より先に、何号文書かを判断します。

文書印紙税上の基本分類判断ポイント
不動産売買契約書第1号文書不動産の譲渡
不動産交換契約書第1号文書譲渡契約として確認
建設工事請負契約書第2号文書請負契約
贈与契約書不動産譲渡契約として検討記載金額の扱いに注意
変更契約書原契約との関係を確認増額・減額で扱いが違う

この表では、文書のタイトルだけでなく内容を見ることが必要です。「覚書」「変更合意書」など別の名前で作られていても、課税事項を証明する内容なら印紙税の判断が必要になる場合があります。名称だけで非課税と決めないでください。

印紙税額は記載金額に応じて段階的に変わります。たとえば不動産譲渡契約書は、通常の税額表とは別に、一定額を超えるものについて期限付き軽減措置があるため、税額まで問われた場合は現在の適用期限を確認します。2026年8月現在、この軽減措置は2027年3月31日までです。

例題1

土地売買契約を口頭で成立させただけで、課税文書を作成していない場合でも、土地の売買代金を基準に印紙税が課される。

解答・判断ポイント

正解:×

印紙税では課税文書の作成が判断の入口です。

誤肢分析

誤っている語句

「口頭で成立させただけで」「印紙税が課される」

正しい修正

「印紙税法上の課税文書を作成した場合に課税関係を判断する」

取引そのものへの課税と文書への課税を混同した誤肢です。

例題2

土地売買契約書は、不動産の譲渡に関する契約書として印紙税の課税文書となる。

解答・判断ポイント

正解:○

不動産売買契約書は第1号文書として扱います。

誤肢分析

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

契約書を作成したことを入口に判断します。

宅建試験ではここが狙われやすい

印紙税の基本問題では、税金の対象を取引から文書へ入れ替えるひっかけに注意します。不動産取得税なら不動産取得、登録免許税なら登記という場面が中心ですが、印紙税は契約書などの課税文書を作成したことが判断の入口です。似た税目の課税場面を持ち込まないでください。

また、契約書のタイトルだけを変更する問題も考えられます。「覚書だから非課税」「控えだから非課税」と名称だけで結論を出すのは危険であり、その文書が契約成立や変更などの課税事項を証明する目的で作成されたかを確認します。実質的な記載内容を見てください。

本試験では、👉 何を取引したか→何の文書を作成したか→その文書が何を証明するか→記載金額という流れを使います。印紙税を他の不動産税と混同しないことが最初の得点ポイントです。

同じ契約書を複数通作成した場合|原本だけとは限らない

同一内容の契約書を2通以上作成した場合は、契約成立などを証明する目的で作成された各文書が原則として課税文書となります。売主用・買主用という当事者の保存分だけでなく、仲介人が保管する文書でも課税文書となる場合があります。この章では令和5年問23第1肢を中心に整理します。

国税庁の基本通達でも、同一内容の文書を2通以上作成し、それぞれが課税事項を証明する目的で作成された場合は、それぞれ課税文書に該当するとされています。写し・副本などの表示があっても、一定の署名押印や証明があれば課税文書となる場合があります。したがって「コピー」「控え」という表題だけでは判断できません。

仲介人が保管する不動産売買契約書の控えについても、売買当事者の署名押印があり、契約を証明する目的で作成されていれば原則として課税文書となる取扱いが示されています。一方、契約当事者以外へ提出する一定の文書で、提出先が明確に記載されている場合などには別の取扱いがあります。仲介人だから課税、第三者だから非課税という単純な対象者基準ではありません。

文書数と課税を比較します。この表を見る目的は、契約件数と作成文書数を分けることです。同じ契約内容でも文書ごとに判断します。

作成した文書基本判断
売主保管の契約書課税文書になり得る
買主保管の契約書課税文書になり得る
仲介人保管の契約書内容により課税文書になり得る
単なるコピー契約証明目的等を確認

この表では、「同一契約=印紙1枚」という考え方を捨てることが重要です。印紙税は作成した課税文書ごとに判断するため、同じ売買契約について複数の課税文書を作れば、それぞれについて課税関係が発生します。令和5年問23第1肢はこの基本を正しく述べた肢です。

一方で、すべてのコピーが無条件で課税文書になるわけではありません。契約当事者の署名押印、正本との証明、使用目的などから、契約成立などを証する文書かを判断します。複数通=全部課税という覚え方も広げすぎなので注意してください。

例題3

土地売買契約書を売主用と買主用の2通作成し、双方が契約成立を証明する文書として保管する場合、原則として2通とも課税文書となる。

解答・判断ポイント

正解:○

課税文書は文書ごとに判断します。

誤肢分析

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

契約件数と文書数を分ける問題です。

例題4

仲介人が保管する契約書は契約当事者の所有物ではないので、どのような内容でも印紙税の課税文書にはならない。

解答・判断ポイント

正解:×

仲介人保管でも契約成立を証明する文書なら課税文書となる場合があります。

誤肢分析

誤っている語句

「どのような内容でも」「課税文書にはならない」

正しい修正

「契約成立等を証する目的で作成された文書かを確認する」

保管者の属性だけで課税関係を決めた誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

複数通の問題では、原本・控え・写しという名称がひっかけになります。「原本だけ印紙が必要で、控えは必ず不要」と考えやすい一方、印紙税ではその文書が契約成立などを証明する目的で作成されたかが重要です。名称だけで○×を決めないでください。

令和5年問23第1肢では、売主・買主・仲介人という保存者を並べることで、仲介人分だけ非課税のように見せています。しかし資料では、仲介人が保存する契約書も含めて課税文書と扱うため、第1肢が正しいと判断されます。

本試験では、👉 何通作成したか→各文書が何を証明するか→署名押印等があるか→誰が保管するかの順で確認します。保存者を最初の判断基準にしないことがポイントです。

一つの契約書に複数の契約を記載した場合|単純合計しない

一つの契約書に複数の契約内容が記載されている場合は、どの種類の契約が併記されているのかを確認します。土地譲渡契約と建築請負契約のように契約種類が異なる場合と、複数の不動産譲渡契約を記載する場合では、記載金額の考え方が異なるからです。この章では令和5年問23第2肢を中心に整理します。

指定過去問では、一つの契約書に土地譲渡5,000万円と建物建築請負6,000万円が記載されているケースが扱われています。この場合、資料では高い方の6,000万円を文書の記載金額として扱い、5,000万円と6,000万円を単純に合計した1億1,000万円とはしません。第2肢は合計額を使わせる点が誤りです。

一方、同じ不動産譲渡という種類の複数契約を一つの契約書へ記載する場合には、資料では記載金額を合計する扱いが示されています。つまり「複数の金額が書いてあれば必ず高い方」「必ず全部合計」という固定ルールではありません。契約種類の組合せを先に見ることが必要です。

比較します。この表を見る目的は、「複数の金額」という共通点だけで同じ処理をしないことです。何の契約金額なのかを確認してください。

一つの文書の内容記載金額の基本判断
土地譲渡+建築請負指定過去問では高い方
複数の不動産譲渡指定資料では合計額
売買1件売買金額
交換記載内容に応じ高い方等

不動産譲渡契約の売買では、国税庁も売買金額を記載金額として扱うとしています。交換契約では双方の金額が記載されていれば高い方、交換差金のみが記載されている場合はその差金という別ルールがあるため、単純合計が万能ではありません。

印紙税の問題では計算より分類が先です。1億1,000万円という足し算自体が数学的に正しくても、印紙税上の記載金額の求め方として正しいとは限りません。計算できるかではなく、計算してよいかを確認してください。

例題5

一つの契約書に土地譲渡5,000万円と建築請負6,000万円が記載されている場合、指定過去問の判断では1億1,000万円を記載金額とする。

解答・判断ポイント

正解:×

令和5年問23では高い方の6,000万円を記載金額とします。

誤肢分析

誤っている語句

「1億1,000万円」

正しい修正

「6,000万円」

異なる契約金額を単純合計させるひっかけです。

例題6

一つの契約書に複数の不動産譲渡契約について記載されている場合は、指定資料では記載された譲渡金額の合計額を記載金額とする。

解答・判断ポイント

正解:○

土地譲渡と建築請負を併記する場合との違いを確認します。

誤肢分析

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

複数契約だから常に高い方というわけではありません。

宅建試験ではここが狙われやすい

この論点では、小学校の足し算をそのまま税法判断に使わせるひっかけが中心です。5,000万円と6,000万円が並んでいれば1億1,000万円にしたくなりますが、印紙税では契約種類を確認して記載金額を決めます。数字を見てすぐ合計しないでください。

反対に「複数なら常に高い方」と覚えるのも危険です。指定資料では複数の譲渡契約を一つの契約書へ記載する場合は合計する扱いが示されているため、異なる契約種類か、同種類の契約かという分類が必要です。

本試験では、👉 一つの文書か→契約はいくつか→同じ種類か違う種類か→記載金額という順で処理します。計算式より先に契約類型を確定してください。

贈与契約と記載金額|財産価額を譲渡対価にしない

不動産の贈与契約書は、財産に価値があっても譲渡の対価となる契約金額がない点を確認します。指定資料では、贈与契約書は記載金額のない不動産譲渡契約書として扱われ、印紙税が課税されると整理されています。この章では令和5年問23第3肢を中心に、時価・評価額と契約金額を分けます。

たとえば2,000万円相当の土地を贈与する契約書に「土地の価額2,000万円」と書かれていても、2,000万円を相手から受け取る売買ではありません。印紙税の記載金額を判断するときは、その金額が譲渡対価としての契約金額なのかを確認します。財産価額と売買代金を同じものとして扱わないでください。

国税庁の記載金額ルールでも、不動産売買契約では売買金額が記載金額となります。贈与は売買と異なり譲渡対価が存在しないため、指定過去問では「2,000万円の記載金額がある文書」とはせず、記載金額のない文書として処理しています。

比較します。この表を見る目的は、同じ2,000万円という数字でも契約の性質で意味が変わることを確認することです。金額の名称に注目してください。

契約2,000万円の意味記載金額の考え方
売買売買代金2,000万円となり得る
贈与財産価額・評価額譲渡対価とは別
交換交換金額等専用ルールで判断

この表では、「金額の記載がある=記載金額あり」と短絡しないことが重要です。印紙税上の記載金額は、その文書によって証明される契約金額等として記載された金額を意味するため、何についての金額かを確認します。

さらに、記載金額のない文書だから非課税とは限りません。不動産譲渡に関する契約書では、記載金額のないものにも所定の印紙税が課される区分があります。記載金額なし=印紙税なしという結論も誤りです。

例題7

2,000万円相当の土地を無償で贈与する契約書は、土地の価額が2,000万円なので、記載金額2,000万円の売買契約書と同じ扱いになる。

解答・判断ポイント

正解:×

贈与には譲渡対価となる契約金額がありません。

誤肢分析

誤っている語句

「記載金額2,000万円」

正しい修正

「記載金額のない不動産譲渡契約書として扱う」

財産価額と契約金額を交換した誤肢です。

例題8

不動産贈与契約書は契約金額の記載がないため、印紙税も必ず非課税となる。

解答・判断ポイント

正解:×

記載金額のない不動産譲渡契約書にも印紙税の課税区分があります。

誤肢分析

誤っている語句

「必ず非課税」

正しい修正

「記載金額のない課税文書として税額を確認する」

記載金額なしと非課税を混同した誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

贈与では、財産の価格が存在することと、契約金額が存在することを混同させるのが典型です。不動産には当然価値があるため、2,000万円や3,000万円という評価額が書かれると、その数字を印紙税の記載金額へ使いたくなります。しかし贈与では譲渡対価かどうかを確認してください。

もう一つは「記載金額なし=非課税」という思い込みです。不動産譲渡契約書には契約金額の記載のない文書についての税額区分が存在するため、金額がないことだけで課税文書から外れるわけではありません。

令和5年問23第3肢では、👉 贈与か→対価なし→2,000万円は譲渡対価ではない→記載金額なしという順で判断します。財産評価額を見る前に契約原因を確定してください。

契約金額の変更|増額と減額で扱いが違う

変更契約書では、契約金額を増額するのか減額するのかを最初に確認します。指定資料では契約金額を減額する契約書について、減額した金額をそのまま記載金額とはせず、記載金額のない文書として課税すると整理されています。この章では令和5年問23第4肢を中心に、変更額の符号を確認します。

たとえば元の契約金額を5,000万円から4,000万円へ変更し、「1,000万円減額する」と書かれていても、その1,000万円を新たな契約対価として受け渡すわけではありません。指定過去問では、この減額変更契約書を「記載金額1,000万円」とするのではなく、記載金額のない文書として処理します。減った金額と記載金額を同一視しないでください。

国税庁の現行案内では、変更前契約を特定できる変更契約書で増加額が記載されている場合は、その増加金額が記載金額となる取扱いが示されています。変更契約書では増額・減額を同じルールで処理しないことが重要です。

増額と減額を比較します。この表を見る目的は、変更額の絶対値だけで記載金額を決めないことです。プラスかマイナスかを確認してください。

変更内容基本判断
契約金額を増額条件により増加額が記載金額
契約金額を減額指定過去問では記載金額なし
原契約を特定できない別の判定が必要
金額以外の変更課税事項の内容を確認

この表では、増額1,000万円と減額1,000万円が同じ「1,000万円」でも結論が違うことを確認します。数字の大きさではなく、契約金額を増やすのか減らすのかを見ます。金額+方向を一組にしてください。

変更契約書では原契約との関係も重要です。国税庁は、変更前契約書の名称・文書番号・契約年月日などによって原契約を特定できるかどうかで取扱いが異なると説明しています。宅建試験では問題文に「原契約を明らかにした上で」などの条件が付いていないかも確認してください。

例題9

契約金額を1,000万円増額する変更契約書について、所定の条件を満たす場合は増加額1,000万円が記載金額となる。

解答・判断ポイント

正解:○

増額変更では増加額が記載金額となる場合があります。

誤肢分析

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

減額変更との違いを確認します。

例題10

契約金額を1,000万円減額する契約書は、減額幅が1,000万円なので記載金額1,000万円の文書として扱う。

解答・判断ポイント

正解:×

指定過去問では記載金額のない文書として扱います。

誤肢分析

誤っている語句

「記載金額1,000万円」

正しい修正

「記載金額のない文書」

令和5年問23第4肢と同じ誤りです。

宅建試験ではここが狙われやすい

変更契約では、増額と減額を対称的に扱わせるひっかけが狙われます。1,000万円増額なら1,000万円を記載金額にする場合があるため、1,000万円減額でも同じだと考えたくなります。しかし減額変更は指定過去問では記載金額なしとして処理します。

問題文に「差額1,000万円」とだけ書かれている場合は、増加か減少かを確認してください。数字の絶対値だけでは記載金額を判断できず、契約金額をどちらの方向へ変更したかが決定点です。増える・減るという動詞に線を引きます。

本試験では、👉 変更契約か→原契約を特定できるか→増額か減額か→記載金額という順番を使います。令和5年問23第4肢では「減額」を見つけた時点で、減額幅をそのまま記載金額にしていないかを疑ってください。

現行の軽減措置|過去問の記載金額ルールと分ける

現在の印紙税では、一定の不動産譲渡契約書と建設工事請負契約書について期限付きの軽減税率が適用されています。これは令和5年問23で中心となった記載金額の求め方を変える制度ではなく、記載金額を確定した後の税額を軽減する制度です。この章では現行本試験で必要な範囲だけ整理します。

2026年8月現在、不動産譲渡契約書は記載金額10万円を超えるもの、建設工事請負契約書は記載金額100万円を超える一定のものが軽減対象です。適用期間は2027年3月31日までに作成される契約書であり、契約日や登記日ではなく文書の作成時期を確認します。

たとえば不動産譲渡契約書で記載金額1,000万円超5,000万円以下の場合、現行の軽減税額は1万円です。5,000万円超1億円以下なら3万円となるなど、記載金額の段階によって税額が変わります。具体的税額まで出る問題では、軽減措置の対象文書と作成日を確認してください。

軽減措置を比較します。この表を見る目的は、文書種類ごとの対象金額と期限を混同しないことです。記載金額を求めてから軽減措置を当てはめます。

文書軽減対象となる主な記載金額現行期限
不動産譲渡契約書10万円超2027年3月31日まで
建設工事請負契約書100万円超2027年3月31日まで

この表では、不動産譲渡と建設工事請負で軽減対象となる金額の入口が違います。「どちらも10万円超」「どちらも100万円超」とする文章は数字の横移動です。税目は同じ印紙税でも文書種類を確認してください。

軽減措置は契約書の記載金額そのものを減らす制度でもありません。6,000万円の記載金額を3,000万円として扱うのではなく、6,000万円という記載金額に対応する印紙税額を通常より軽減します。記載金額の軽減と税額の軽減を混同しないことが必要です。

例題11

2026年に作成される一定の不動産譲渡契約書は、記載金額が10万円を超える場合に軽減措置の対象となり得る。

解答・判断ポイント

正解:○

2027年3月31日までの現行軽減措置です。

誤肢分析

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

文書の作成時期も確認します。

例題12

印紙税の軽減措置は、不動産譲渡契約書に記載された契約金額そのものを2分の1として扱う制度である。

解答・判断ポイント

正解:×

軽減するのは印紙税額です。

誤肢分析

誤っている語句

「契約金額そのものを2分の1」

正しい修正

「一定の契約書について印紙税額を軽減する」

記載金額と税額を交換した誤肢です。

宅建試験ではここが狙われやすい

現行制度では、軽減対象金額と記載金額ルールを混同する問題に注意します。不動産譲渡契約書の「10万円超」は軽減措置の対象になる入口であり、契約書の記載金額を10万円へ変更する数字ではありません。数字の役割を確認してください。

また、2027年3月31日という期限を契約成立日・不動産引渡日・登記日へ入れ替える誤肢も考えられます。現行軽減措置では対象契約書の作成期間が判断の中心なので、問題文が何の日付を示しているのかを確認します。

本試験では、👉 記載金額を確定→文書種類を確認→軽減対象金額を確認→作成日を確認→印紙税額の順番にします。軽減税額表から先に覚えないことが重要です。

過去問分析

令和5年問23では、印紙税について複数通作成・複数契約の併記・贈与契約・減額変更契約という四つの判断構造が一問にまとめられています。正解は第1肢ですが、各肢とも印紙税上の「文書」と「記載金額」の考え方を少しずつ変更して誤肢を作っています。この章では、どの語句へ注目すれば正解1へ到達できるかを整理します。

最初に拾う語句は、仲介人が保存、土地譲渡+建築請負、贈与、減額です。第1肢は課税文書の通数、第2肢は複数契約の記載金額、第3肢は贈与の記載金額、第4肢は減額変更契約の記載金額を問っています。一肢ごとに「何を数える問題か」を切り替えてください。

本問では、すべての誤肢が「数字そのものを間違える」タイプではありません。第3・4肢では2,000万円・1,000万円という現実に存在する金額を、印紙税上の記載金額として扱うかどうかが正誤を分けています。数字の真偽ではなく数字の法的意味を確認する問題です。

最初に確認する語句

問題文では、何通作成、仲介人、土地譲渡と建築請負、贈与、減額を最初に確認します。

令和5年(2023年)問23

問23

印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、以下の契約書はいずれも書面により作成されたものとする。

  1. 売主Aと買主Bが土地の譲渡契約書を3通作成し、A、B及び仲介人Cがそれぞれ1通ずつ保存する場合、当該契約書3通には印紙税が課される。
  2. 一の契約書に土地の譲渡契約(譲渡金額5,000万円)と建物の建築請負契約(請負金額6,000万円)をそれぞれ区分して記載した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は1億1,000万円である。
  3. 「Dの所有する甲土地(時価2,000万円)をEに贈与する」旨を記載した贈与契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は、2,000万円である。
  4. 当初作成の「土地を1億円で譲渡する」旨を記載した土地譲渡契約書の契約金額を変更するために作成する契約書で、「当初の契約書の契約金額を1,000万円減額し、9,000万円とする」旨を記載した変更契約書について、印紙税の課税標準となる当該変更契約書の記載金額は、1,000万円である。

正解:1

解説

第1肢は同一内容の契約書を複数通作成した場合について正しく述べています。第2肢は異なる契約種類の金額を合計し、第3肢は贈与財産価額を契約金額とし、第4肢は減額幅を記載金額とした点が誤りです。正しい肢は1です。

各肢の正誤理由

1 正しい

土地譲渡契約書は印紙税の課税文書です。同一内容の文書を複数通作成し、それぞれが契約成立等を証明する目的で作成された場合には、原則として各文書が課税文書となります。指定問題では、売買当事者A・Bの保存分だけでなく、仲介人Cの保存分も課税文書として扱います。

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

2 誤り

指定問題では、一つの契約書に土地譲渡契約と建物建築請負契約の金額が記載されています。この場合、資料では高い方の建築請負契約金額6,000万円を記載金額とし、土地5,000万円との合計1億1,000万円にはしません。異なる契約種類の金額を単純合計した点が誤りです。

誤っている語句

「1億1,000万円」

正しい修正

「6,000万円」

3 誤り

贈与契約では譲渡の対価となる契約金額がありません。そのため指定資料では、土地の価額が2,000万円と記載されていても、記載金額2,000万円の契約書とはせず、記載金額のない不動産譲渡契約書として扱います。財産価額と譲渡対価を入れ替えた点が誤りです。

誤っている語句

「記載金額2,000万円」

正しい修正

「記載金額のない不動産譲渡契約書」

4 誤り

契約金額を減額する変更契約書は、指定資料では記載金額のない文書として課税します。減額幅が1,000万円と書かれていても、その1,000万円を記載金額として扱うわけではありません。減少額を新たな契約金額のように扱った点が誤りです。

誤っている語句

「減額した1,000万円を記載金額とする」

正しい修正

「記載金額のない文書として扱う」

問題作成者のひっかけポイント

第1肢では、仲介人という契約当事者以外の者を登場させています。「売主と買主の契約だから、仲介人の控えに印紙税はかからない」と思わせる狙いですが、課税文書かどうかは保存者の肩書だけでは決まりません。各文書が契約成立を証明する目的で作成されたかを確認します。

第2肢では、5,000万円+6,000万円という簡単な足し算をさせています。数学的に正しい1億1,000万円を提示することで、税法上も正しいように見せていますが、印紙税では先に契約種類を分類しなければなりません。計算結果は正しいが法的処理が誤りというひっかけです。

第3肢では、不動産価額と契約金額を交換しています。2,000万円相当の土地なら「2,000万円の契約書」と考えたくなりますが、贈与には譲渡対価がありません。売買の知識を贈与へ広げないことが必要です。

第4肢では、変更額を記載金額とする増額変更の感覚を減額変更へ広げています。1,000万円増額なら増加額が記載金額となる場合があるため、1,000万円減額でも同じと考えやすくなります。増額と減額の方向を確認してください。

受験生が迷う理由

印紙税は、実際に契約書へ書かれている数字をそのまま使うと思いやすい税目です。しかし記載金額は単なる「文書上の数字」ではなく、契約内容や文書種類に基づいて税法上判定されます。見えている数字をすぐ税額表へ当てはめると誤ります。

また、一つの売買について契約書を複数通作る実務にも迷いやすさがあります。契約そのものは一件なので印紙税も一件分と思いがちですが、印紙税では作成した課税文書ごとに判断します。契約数・当事者数・文書数を分けてください。

贈与や変更契約では、日常語と税法上の記載金額の意味がずれます。財産価額や減少額も「金額」であることに変わりはありませんが、印紙税上の契約金額かどうかは別問題です。数字の意味を言葉で説明してから計算することが必要です。

正しい判断手順

第1肢では土地売買契約書が課税文書であることを確認し、何通作成されたかを数えます。その後で各文書が契約成立を証明する目的で作成されたものかを見れば、仲介人保管分も含めて判断できます。契約当事者だけを見る必要はありません。

第2肢では一つの契約書に複数契約があることを確認し、その契約種類を分類します。第3肢では贈与と分かった時点で対価がないことを確認し、第4肢では減額変更と分かった時点で増額変更とは違うルールへ切り替えます。各肢の最初の名詞・動詞が決定点です。

本問全体では、👉 1=何通、2=契約種類、3=対価の有無、4=増減方向と整理できます。印紙税額を暗記する前に、記載金額を正しく求められるかを確認してください。

類似問題で使える知識

複数通の問題では、「正本」「副本」「写し」「仲介会社保管用」など名称を変更できます。名称にかかわらず、その文書が契約成立等を証明する目的で作成されたかを確認する方法が使えます。署名押印や正本との証明も判断材料です。

複数契約では、不動産譲渡同士なのか、譲渡と請負なのかを変えることで記載金額の求め方を変えられます。金額が二つあるから常に合計・常に高い方という処理はせず、契約類型を先に決めてください。交換契約などにも同じ「契約種類を先に見る」方法を使えます。

変更契約では増額・減額の入れ替えがそのままひっかけになります。さらに変更前契約を特定できるかという条件を追加することもできるため、変更契約書では原契約とのつながりまで確認してください。

宅建試験ではここが狙われやすい

令和5年問23では、対象者の入れ替え、計算方法の入れ替え、対価と価額の入れ替え、増額と減額の入れ替えが一問に集約されています。完全に架空の知識を使うのではなく、どこかでは正しい判断方法を別の場面へ移すことで誤肢が作られています。知識の所属先を確認してください。

特に第2~4肢は、問題文に示された金額自体は誤りではありません。5,000万円・6,000万円・2,000万円・1,000万円はいずれも実際に記載されている数字ですが、それを印紙税の記載金額として使えるかが問題です。数字の存在と税法上の意味を分けます。

本問では、👉 文書数→契約種類→対価→変更方向という四つのチェックポイントで処理できます。正解1だけを覚えるのではなく、誤肢を一語修正できる状態にすることが類似問題への対応につながります。

一問一答|過去問の肢レベルで確認

一問一答では、印紙税について課税文書・複数通・記載金額・贈与・変更契約・現行軽減措置を組み合わせた本試験型の問題を確認します。単純な税額暗記ではなく、正しい金額を誤った契約へ当てはめる問題を中心にします。問題文では数字より先に文書種類を確認してください。

問題1

土地売買契約書は、不動産の譲渡に関する契約書として印紙税の課税文書となる。

正解:○

土地売買契約書は第1号文書として判断します。

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

問題2

同じ土地売買契約について契約書を3通作成しても、契約が一件なので印紙税の課税文書は1通だけである。

正解:×

契約成立等を証明する目的で作成された各文書を個別に判断します。

誤っている語句

「課税文書は1通だけ」

正しい修正

「各文書が課税文書に該当するか個別に判断する」

問題3

不動産売買契約書を仲介人が保存する場合は、仲介人が契約当事者ではないため必ず非課税文書となる。

正解:×

仲介人保管でも課税文書となる場合があります。

誤っている語句

「必ず非課税文書」

正しい修正

「契約成立等を証する目的で作成された文書か確認する」

問題4

土地譲渡5,000万円と建築請負6,000万円を一つの契約書へ記載した令和5年問23のケースでは、記載金額は1億1,000万円である。

正解:×

指定過去問では高い方の6,000万円です。

誤っている語句

「1億1,000万円」

正しい修正

「6,000万円」

問題5

一つの契約書に複数の不動産譲渡契約の金額が記載されている場合、指定資料ではその金額を合計して記載金額を判断する。

正解:○

譲渡と請負の併記との違いを確認する問題です。

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

問題6

時価2,000万円の土地を贈与する契約書は、時価が記載されていれば記載金額2,000万円の売買契約書と同じ扱いになる。

正解:×

贈与には譲渡対価がありません。

誤っている語句

「記載金額2,000万円」

正しい修正

「記載金額のない不動産譲渡契約書として扱う」

問題7

不動産贈与契約書は契約金額の記載がないため、必ず印紙税が非課税となる。

正解:×

記載金額のない不動産譲渡契約書にも課税区分があります。

誤っている語句

「必ず印紙税が非課税」

正しい修正

「記載金額のない課税文書として判断する」

問題8

契約金額を1,000万円増額する変更契約書では、一定の場合にその増加額が記載金額となる。

正解:○

増額変更に関する基本判断です。

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

問題9

契約金額を1,000万円減額する契約書では、減少額1,000万円を記載金額とする。

正解:×

指定過去問では記載金額のない文書として扱います。

誤っている語句

「減少額1,000万円を記載金額」

正しい修正

「記載金額のない文書」

問題10

変更契約書の記載金額は、増額でも減額でも常に変更幅の絶対額とする。

正解:×

増額と減額では取扱いが異なります。

誤っている語句

「常に変更幅の絶対額」

正しい修正

「増額・減額と原契約との関係を確認して判断する」

問題11

不動産売買契約書に記載された金額が時価より低くても、売買金額として記載されていれば、その売買金額を記載金額として判断する。

正解:○

印紙税では契約書の売買金額を確認します。

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

問題12

不動産交換契約書で双方の交換金額が記載されている場合は、必ず双方の金額を合計する。

正解:×

国税庁の取扱いでは高い方の金額を記載金額とする場合があります。

誤っている語句

「必ず双方の金額を合計」

正しい修正

「交換契約の記載内容に応じて高い方等を基準に判断する」

問題13

課税文書に消費税額等が明確に区分記載されている一定の場合には、消費税額等を記載金額へ含めない取扱いがある。

正解:○

不動産譲渡契約書や請負契約書など一定文書で認められる取扱いです。

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

問題14

税込5,500万円、うち消費税等500万円と明確に記載された一定の請負契約書では、必ず5,500万円を記載金額とする。

正解:×

所定の条件を満たせば消費税額等を除いた金額で判断できます。

誤っている語句

「必ず5,500万円」

正しい修正

「消費税額等が明確なら税抜金額を記載金額として扱える場合がある」

問題15

2026年に作成される一定の不動産譲渡契約書は、記載金額10万円超なら印紙税の軽減措置の対象となり得る。

正解:○

現行軽減措置は2027年3月31日までです。

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

問題16

2026年に作成される一定の建設工事請負契約書についても、軽減措置の対象金額は不動産譲渡契約書と同じ10万円超である。

正解:×

建設工事請負契約書は記載金額100万円超が現行軽減措置の入口です。

誤っている語句

「10万円超」

正しい修正

「100万円超」

問題17

印紙税の軽減措置は、契約書の記載金額を半分にしてから税額を計算する制度である。

正解:×

軽減するのは印紙税額です。

誤っている語句

「記載金額を半分」

正しい修正

「所定の課税文書の印紙税額を軽減する」

問題18

印紙税では、問題文に複数の金額があれば最初に合計してから契約種類を確認する。

正解:×

契約種類を確認した後に記載金額を決めます。

誤っている語句

「最初に合計」

正しい修正

「文書・契約種類を確認してから記載金額を判断する」

問題19

印紙税では、契約当事者・仲介人という人物関係より先に、その文書が何を証明する目的で作成されたかを確認する。

正解:○

複数通問題で使える判断方法です。

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

問題20

令和5年問23では、第1肢が正しい。

正解:○

第2・3・4肢が誤りで、正解は1です。

誤っている語句

なし

正しい修正

なし

一問一答では、数字が存在することと、その数字を記載金額へ使えることを分ける必要があります。2,000万円の財産価額、1,000万円の減額幅、5,000万円と6,000万円の契約額はいずれも実在する数字ですが、印紙税上の扱いは契約内容によって変わります。数字の意味を確認してください。

同一内容の契約書では文書数を数えますが、複数契約が一文書へ書かれている場合は契約種類を数えます。同じ「複数」という言葉でも、文書が複数なのか契約内容が複数なのかで判断軸が違います。何が複数なのかを明確にしてください。

現行軽減措置が問われる場合は作成日まで確認します。2027年3月31日という期限や10万円超・100万円超という数字も、何の文書についての条件かまで一組にしてください。

宅建試験ではここが狙われやすい

一問一答型では、正しい数字を別の契約類型へ移す問題が作りやすくなります。不動産譲渡の軽減対象10万円超を建設請負へ移す、増額変更の増加額ルールを減額変更へ移す、交換契約の高い方というルールを複数譲渡へ移すなどの交換に注意してください。

また、「常に」「必ず」「一律に」という表現も警戒します。控えが常に非課税、複数金額は必ず合計、記載金額がなければ必ず非課税という文章は、印紙税の条件分岐を消している可能性があります。絶対表現の直前にある条件を確認してください。

本試験では、👉 文書→通数→契約類型→金額の意味→変更方向→作成時期という順序を使います。印紙税額表を暗記する前に、税額表へ入れる記載金額を正しく確定することが得点につながります。

FAQ

印紙税では、コピー・電子契約・贈与・消費税・契約変更など、基本問題から一条件だけ変えたケースで迷いやすくなります。FAQでは本文の単純な言い換えではなく、課税文書か記載金額かを迷う境界事例を扱います。最初に何の文書を作成したかへ戻って判断してください。

Q1.売主と買主が同じ契約書を1通だけ作り、買主だけが原本を保存した場合、売主の単なるコピーにも必ず印紙が必要ですか?

必ずとはいえません。コピーが契約成立を証明する目的で作成された課税文書か、単なる複写物かを確認します。

Q2.契約書に「写し」と書けば印紙税はかかりませんか?

名称だけでは決まりません。署名押印や正本と相違ない旨の証明などがあり、契約成立等を証する文書なら課税文書となる場合があります。

Q3.仲介会社が保管する売買契約書の控えには、絶対に印紙が必要ですか?

内容によって判断します。契約成立を証する目的で作成された文書なら原則課税文書となり得ますが、第三者提出文書には一定の取扱いもあるため、保存者だけで結論を出しません。

Q4.土地5,000万円と建築工事6,000万円を同じ契約書に書けば、常に1億1,000万円が記載金額ですか?

指定過去問では違います。土地譲渡と建築請負という異なる契約種類を併記したケースでは、高い方の6,000万円として判断しています。

Q5.土地A2,000万円と土地B3,000万円の売買を一つの契約書へまとめたら、高い方の3,000万円だけを使いますか?

指定資料では、複数の譲渡契約について一つの契約書に記載した場合は金額を合計する扱いです。異なる契約種類を併記した場合と分けてください。

Q6.贈与する土地の固定資産評価額が3,000万円なら記載金額3,000万円ですか?

指定過去問の判断では、その評価額は譲渡対価ではありません。贈与は契約金額のないものとして扱います。

Q7.記載金額のない契約書なら印紙税は0円ですか?

必ず0円ではありません。不動産譲渡契約書には記載金額のない文書についての課税区分があります。

Q8.契約金額を500万円増額する場合と500万円減額する場合は同じ印紙税の扱いですか?

同じではありません。変更契約では増額か減額か、さらに原契約を特定できるかを確認します。

Q9.変更後の総額が6,000万円なら、変更契約書も必ず記載金額6,000万円ですか?

必ずではありません。変更契約書における記載金額は、変更前契約との関係や増減額の記載方法によって判断します。

Q10.契約書の消費税額が明確に分けて書かれている場合、税込額を必ず記載金額にしますか?

一定の第1号・第2号文書などでは、消費税額等が明確に区分されていれば、その消費税額等を記載金額に含めない取扱いがあります。

Q11.土地には消費税がかからないので、土地建物売買契約の印紙税も土地部分だけ見ればよいですか?

そのようには判断しません。印紙税は消費税とは別の税目なので、課税文書の契約内容と記載金額を印紙税のルールで確認します。

Q12.電子契約なら紙に印紙を貼らないので、紙契約書と同じ判断問題は出ませんか?

宅建試験で紙の課税文書作成を前提にした問題が出た場合は、その条件どおりに判断します。問題文に電子契約など特別な条件がない限り、指定された文書の作成形態を勝手に変更しないでください。

Q13.契約金額が書かれていなくても、別の見積書を引用していれば記載金額ありになりますか?

一定の場合には、文書に見積書などを特定する記載があり、当事者間で契約金額を明らかにできるときに記載金額がある扱いになることがあります。単に別文書に金額があるだけで自動的に取り込むわけではありません。

Q14.不動産譲渡契約書の軽減措置は2026年現在も使えますか?

はい。2026年8月現在、一定の不動産譲渡契約書と建設工事請負契約書について2027年3月31日までの軽減措置が確認されています。

Q15.印紙税の問題で最初に見る数字は契約金額ですか?

数字より先に文書の種類を確認します。その後で何通作成したか、何の契約金額が記載されているかを確認し、最後に記載金額を確定してください。

FAQで共通するポイントは、紙に数字が書かれているかだけでは印紙税上の結論が出ないことです。贈与財産価額、変更額、消費税額、引用文書の金額など、それぞれ印紙税上の記載金額へ含める条件が違います。金額の意味を確認します。

さらに、印紙税では文書の実質が重要です。タイトルが控え・覚書・写しでも課税事項を証明する内容なら課税文書となる場合があり、逆に契約当事者以外へ提出する一定の文書には別の取扱いがあります。名称や保管者だけで判断しないでください。

現行制度の数字を使う場合は期限もセットです。軽減措置は恒久的な記載金額ルールとは違うため、2027年3月31日という作成期限を外して「今後も常に同じ税額」と覚えないことが必要です。

宅建試験ではここが狙われやすい

境界問題では、コピーか契約書か、価額か対価か、増額か減額かという一語の違いが結論を分けます。文書名や数字がほぼ同じでも、その文書が何を証明するのか、金額が何を意味するのかを確認すれば判断できます。表面的な名称へ引っ張られないでください。

消費税額や別文書の引用など、一見テーマから外れそうな数字も記載金額へ影響する場合があります。しかし本試験では、問題文にその条件が明記された場合だけ検討し、勝手に消費税区分や別文書の存在を補わないことが必要です。与えられた条件だけで処理してください。

最終的には、👉 課税文書→文書数→契約種類→金額の意味→増減→期限という流れへ戻ります。どの例外問題でも、この基本順序から外れた部分だけを追加確認する方法が安定します。

まとめ

印紙税では、最初に何の課税文書を作成したかを確認します。同じ契約書を複数通作成した場合は各文書を個別に判断し、一つの文書に複数契約がある場合は契約種類を確認してから記載金額を決めます。数字を最初に合計しないことがポイントです。

令和5年問23では、第1肢の複数通の契約書に関する記述が正しく、正解は1です。第2肢は土地譲渡5,000万円と建築請負6,000万円を単純合計し、第3肢は贈与財産価額を契約金額とし、第4肢は減額幅を記載金額とした点が誤りです。

ひっかけ問題では、契約数と文書数、財産価額と契約金額、増額と減額、記載金額と税額が入れ替えられます。現行制度では不動産譲渡契約書・建設工事請負契約書の期限付き軽減措置もあるため、具体的税額を問われた場合は文書の作成時期まで確認します。

宅建試験ではここが狙われやすい

試験直前は、税額表を最初に暗記するより、何を記載金額として扱うかを確認してください。印紙税では税額表へ当てはめる前の判定で誤る問題が多く、令和5年問23も複数通・複数契約・贈与・減額という四つの判断構造が中心です。数字の計算より分類を優先します。

本試験での判断順序は、文書の種類→課税文書か→何通作成したか→契約種類→記載金額→変更の有無→軽減措置の期限です。問題文のどこを見るかを固定すれば、正しい数字を別の制度へ移したひっかけにも対応できます。

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