印紙税の非課税では、課税文書に当たるか、非課税文書に当たるか、記載金額がないだけなのかを分けて判断することが中心です。平成9年問28では、仲介業者が保存する土地売買契約書、国等との共同作成文書、手付金の領収書、減額変更契約書が問われています。指定資料では第2肢だけが正しく、正解は2と整理されています。
印紙税では、金額が書かれているかどうかだけで課税・非課税を決めません。国・地方公共団体などが作成した一定の文書は非課税となる一方、契約金額の記載がない契約書でも200円が課される場合があります。非課税・記載金額なし・課税文書という三つの概念を別々に整理することが必要です。
2026年現在も、国等が作成した一定の文書について非課税とする取扱いは維持されています。国等と国等以外の者が共同作成した文書では、誰が保存する文書なのかによって、どちらが作成したものとみなされるかが変わります。現行の国税庁通達でも、この共同作成文書の扱いが具体例付きで示されています。
問題文を読んだら最初に何を見るか
印紙税の非課税問題では、最初に何の文書を誰が作成したのかを確認します。非課税になる理由は、国等が作成した文書、一定金額未満の受取書、営業に関しない受取書などで異なるためです。この章では、平成9年問28を解くために問題文のどこへ注目するかを整理します。
次に、その文書が通常なら課税文書に当たるのかを確認します。土地売買契約書や売上代金の受取書は課税文書となり得るため、そこから国等の非課税規定や受取金額の非課税基準へ進みます。最初から「非課税らしい言葉」を探すのではなく、通常の課税関係→非課税要件という順番で処理してください。
さらに、「記載金額がない」と「非課税」を混同しないことが必要です。平成9年問28第4肢では、契約金額を減額する変更契約書が記載金額のない契約書となる一方、印紙税そのものは課されます。金額分類と課税・非課税の結論は別の判断です。
問題文で注目する語句を整理します。この表を見る目的は、正誤判断を左右する語句へ先に線を引くことです。平成9年問28と直接関係する語句だけに絞ります。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 土地売買契約書 | 原則として課税文書か |
| 仲介業者が保存 | 当事者でないだけで非課税か |
| 国・地方公共団体 | 国等が作成する文書の非課税か |
| 共同で作成 | 誰が保存する文書か |
| 手付金の領収書 | 第17号文書として課税されるか |
| 建物賃貸借契約書 | 領収書と課税関係を混同していないか |
| 5万円未満 | 現行の受取書の非課税基準か |
| 営業に関しない | 受取書の非課税要件か |
| 契約金額を減額 | 変更契約書の記載金額をどう扱うか |
| 記載金額なし | 非課税とは限らないか |
| 200円 | 記載金額のない一定契約書の税額か |
この表では、「国等」「5万円未満」「記載金額なし」がすべて非課税を意味するわけではありません。国等が作成する一定文書や5万円未満の一定受取書は非課税となり得ますが、記載金額のない第1号文書などは200円となる場合があります。数字や語句の法的な役割を確認してください。
本試験では次の順番で判断します。非課税という結論を先に探すのではなく、課税文書の分類を確定してから例外を確認します。国等や受取書が出た場合だけ、その文書固有の非課税要件へ進みます。
・印紙税の問題か確認する
・何の文書を作成したか確認する
・通常は課税文書に該当するか確認する
・誰が作成し、誰が保存するか確認する
・国等が関係する文書か確認する
・受取書なら受取金額と営業性を確認する
・変更契約書なら増額か減額か確認する
・記載金額の有無と課税・非課税を分ける
・最後に税額を確認する
この判断順序を使えば、「仲介業者だから非課税」「記載金額がないから非課税」という飛躍を防げます。特に平成9年問28では、第1肢と第4肢がこのような早すぎる結論を狙っています。文書→原則→非課税要件→税額の順番を固定してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
非課税問題では、本当に非課税となる理由を別の文書へ移すひっかけが多く使われます。建物賃貸借契約書が非課税であることを手付金領収書へ広げたり、国等が作成する文書の非課税を民間が作成する文書へ広げたりすると、もっともらしい誤肢になります。何についての非課税なのかを必ず確認してください。
また、「記載金額なし」という言葉が強いひっかけになります。金額がないなら税額計算ができず、非課税になるように感じますが、第1号文書や第2号文書には契約金額の記載のないものについて200円という区分があります。現行の国税庁案内でも、この200円区分が確認できます。
本試験では、非課税かどうかを数字だけで判断しないことが重要です。👉 課税文書→非課税要件→記載金額→税額という順番を守れば、0円と200円を入れ替えた問題にも対応できます。特に「非課税」「課税されない」「記載金額なし」という似た言葉を同じ意味で処理しないでください。
非課税(印紙税)の基本判断
印紙税の非課税とは、本来課税文書の種類に関係する文書であっても、法令上の非課税要件を満たすため印紙税を課さない扱いをいいます。非課税となる理由は文書によって異なり、作成主体、受取金額、営業性などが判断条件になります。この章では、平成9年問28に必要な非課税の基本構造を整理します。
国・地方公共団体などが作成した文書は、印紙税法上の非課税文書として扱われます。現行の国税庁基本通達でも、国、地方公共団体などが作成した一定の文書について非課税となることが示されています。平成9年問28第2肢は、この国等の特則を利用した問題です。
一方、民間の土地売買契約書は、通常は不動産譲渡に関する第1号文書として課税対象になります。仲介業者が保存するからという理由だけで非課税になるわけではなく、指定資料でも仲介業者は契約参加者として扱われています。民間文書の原則と国等の例外を分けることが必要です。
基本関係を比較します。この表を見る目的は、非課税の理由と単なる「記載金額なし」を区別することです。何を根拠として税額が0円になるのかを確認してください。
| 文書・状態 | 課税関係 | 判断理由 |
|---|---|---|
| 民間の土地売買契約書 | 原則課税 | 第1号文書 |
| 国等が作成する一定文書 | 非課税 | 作成主体による特則 |
| 5万円未満の一定受取書 | 非課税 | 金額による非課税 |
| 営業に関しない受取書 | 非課税 | 受取書の性質による特則 |
| 記載金額のない第1号文書 | 課税 | 原則200円 |
この表では、非課税には根拠となる条件が必要であることを確認します。「印紙税額が小さそう」「契約金額がない」というだけでは非課税にはなりません。問題文でどの非課税要件を使っているのかを特定してください。
現行制度では、第17号文書の受取書について記載された受取金額が5万円未満なら非課税となります。また、営業に関しない受取書についても非課税となるため、受取書問題では金額だけでなく営業性も確認します。これは平成9年問28第3肢の類似問題で使える判断基準です。
例題1
国が単独で作成する印紙税法上の一定の文書は、非課税文書として扱われる。
解答・判断ポイント
正解:○
国等が作成した一定の文書には非課税規定があります。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
作成主体を確認する問題です。
例題2
契約金額の記載がない土地売買契約書は、金額がないため当然に非課税となる。
解答・判断ポイント
正解:×
記載金額のない第1号文書には200円の税額区分があります。
誤肢分析
誤っている語句
「当然に非課税となる」
正しい修正
「記載金額のない課税文書として200円となる場合がある」
記載金額なしと非課税を混同した誤肢です。
例題3
売上代金の受取書は、受取金額に関係なく必ず課税文書となる。
解答・判断ポイント
正解:×
現行制度では記載された受取金額が5万円未満の一定文書は非課税です。
誤肢分析
誤っている語句
「受取金額に関係なく必ず」
正しい修正
「受取金額や非課税要件を確認する」
金額による非課税を無視した誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
非課税の基本では、非課税と課税対象外を曖昧にする誤肢に注意します。国等が作成した文書や5万円未満の一定受取書は、法令上の非課税要件によって印紙税が課されない文書です。「そもそも印紙税と無関係な書類だから」と理由まで変えてはいけません。
また、5万円という数字を契約書へ横移動する問題にも注意します。5万円未満という基準は第17号文書の受取書の非課税判定で使われる数字であり、不動産売買契約書の一般的な非課税基準として使う数字ではありません。数字+文書種類を一組にします。
本試験では、👉 非課税という結論を見たら「なぜ非課税なのか」を必ず説明できるか確認することが有効です。国等なのか、受取金額なのか、営業性なのかを説明できなければ、その知識を別制度から移している可能性があります。理由までセットで確認してください。
国等が作成する文書|共同作成では保存者を確認
国・地方公共団体などが作成する一定の文書は、印紙税の非課税文書となります。国等と民間が共同で文書を作成する場合は、単に国等が契約当事者に含まれるだけでは足りず、誰が保存する文書かまで確認します。この章では平成9年問28第2肢の判断構造を整理します。
現行の国税庁案内では、国等と国等以外の者が共同作成した課税文書について、国等が保存するものは国等以外の者が作成したものとみなし、国等以外の者が保存するものは国等が作成したものとみなす取扱いが示されています。このため、民間側が保存する文書が国等作成文書とみなされ、非課税となる場合があります。平成9年問28の正解肢も、この考え方を利用しています。
このルールは直感と逆に見えやすい点が特徴です。国等が持っている契約書だから非課税、民間が持っているから課税と考えると逆になります。保存者と作成者のみなし関係を正確に確認してください。
共同作成文書を比較します。この表を見る目的は、保存者と課税関係の対応を固定することです。単純な「国等が関係していれば全部非課税」という理解を避けてください。
| 保存する者 | 作成したものとみなされる者 | 基本判断 |
|---|---|---|
| 国等 | 国等以外の者 | 課税され得る |
| 国等以外の者 | 国等 | 非課税となる |
| 国等のみで作成 | 国等 | 非課税 |
| 民間のみで作成 | 民間 | 通常ルール |
この表では、文書を保存する者と文書を作成したものとみなされる者が逆になる点が最重要です。共同作成文書では、保管者そのものへ通常の課税ルールを直接当てはめません。問題文の主語を最後まで確認します。
指定資料では、D社が保存する文書は国等が作成した文書とみなされ、非課税になると整理されています。したがって平成9年問28第2肢は正しく、これが本問の正解となります。正解番号だけでなく、共同作成→保存者→みなし作成者→非課税という順番を押さえてください。
例題4
国と民間会社が共同で契約書を作成し、民間会社が保存する文書は、国等が作成した文書とみなされる場合がある。
解答・判断ポイント
正解:○
国等と民間の共同作成文書には特別なみなし規定があります。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
保存者とみなし作成者の関係を確認します。
例題5
国と民間会社が共同作成した契約書は、国が契約当事者に含まれる以上、双方が保存する文書がすべて非課税となる。
解答・判断ポイント
正解:×
保存者によって作成したものとみなされる者が異なります。
誤肢分析
誤っている語句
「双方が保存する文書がすべて非課税」
正しい修正
「誰が保存する文書かに応じて課税関係を判断する」
国等の関与を過度に一般化した誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
国等の問題では、国が関与する文書は全部非課税という単純化が最も危険です。共同作成文書では保存者によってみなし作成者が変わるため、契約当事者欄に国や地方公共団体があるだけでは判断できません。誰が保存する文書なのかを確認してください。
また、保存者と課税関係を直感どおりにしてしまう誤肢も作れます。民間会社が持つ契約書だから民間作成と考えやすい一方、現行ルールでは国等と共同作成した一定文書について逆のみなしが働きます。保管している者=作成者とは限りません。
平成9年問28第2肢は、👉 国等が関与→共同作成→D社が保存→国等作成とみなす→非課税という順で解きます。この順番を固定すれば、国等と民間のどちらが保存するかを入れ替えた類似問題にも対応できます。人物関係を表にして処理すると安定します。
仲介業者が保存する土地売買契約書|非課税にはならない
土地売買契約書は、不動産の譲渡に関する課税文書です。売買契約の仲介業者が保存する契約書についても、指定資料では仲介業者が契約参加者に該当するため課税文書とされています。この章では、「契約当事者ではない」という理由だけで非課税とする誤りを整理します。
仲介業者は売主でも買主でもないため、契約当事者ではありません。しかし印紙税上、契約参加者として契約成立を証明する文書を保存する場合には、その文書について課税関係が生じます。契約当事者かどうかと課税文書かどうかは同じ判断ではありません。
この論点は、国等の共同作成文書との比較で理解すると整理しやすくなります。民間の仲介業者保存分には国等の非課税特則がない一方、国等と民間の共同作成文書では法令上のみなし規定が働きます。人物が特殊だから非課税になるのではなく、法定の非課税根拠があるかを確認してください。
比較します。この表を見る目的は、「当事者ではない」という一点から非課税を推測しないことです。人物の立場と文書の課税関係を分けます。
| 文書の保存者 | 契約との関係 | 基本判断 |
|---|---|---|
| 売主 | 契約当事者 | 課税文書となり得る |
| 買主 | 契約当事者 | 課税文書となり得る |
| 仲介業者 | 契約参加者 | 課税文書となり得る |
| 国等と共同作成する民間 | 特則あり | 非課税となる場合あり |
この表では、仲介業者と国等を同じ「契約当事者以外」のグループに入れないでください。国等には明文の非課税特則がありますが、一般の仲介業者に同じ特則があるわけではありません。人物名ではなく根拠規定の有無を見ます。
平成9年問28第1肢では、土地売買契約書が第1号課税文書に当たり、仲介業者保存分も課税文書になるという説明が指定資料にあります。したがって「仲介業者が保存するので非課税」という記述は誤りです。
例題6
土地売買契約の仲介業者は売買契約の当事者ではないため、その仲介業者が保存する契約書は必ず非課税となる。
解答・判断ポイント
正解:×
指定資料では仲介業者は契約参加者に該当します。
誤肢分析
誤っている語句
「必ず非課税となる」
正しい修正
「仲介業者が保存する契約書も課税文書となる」
人物の立場から課税関係を飛躍させた誤肢です。
例題7
土地売買契約書が課税文書かを判断するときは、保存者が契約当事者であるかだけでなく、文書の作成目的や契約への関与も確認する。
解答・判断ポイント
正解:○
保存者の肩書だけでは課税関係を決めません。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
平成9年問28第1肢に対応する判断方法です。
宅建試験ではここが狙われやすい
この論点では、正しい事実と誤った結論を組み合わせるひっかけが使われます。「仲介業者は売買契約の当事者ではない」という前半は正しくても、「だから保存契約書は非課税」という後半は誤りです。選択肢を前半と後半に分けて確認してください。
また、「第三者」という言葉にも注意が必要です。仲介業者を完全な無関係者と同じように扱うと判断を誤るため、契約参加者なのか、契約と無関係な提出先なのかを区別します。肩書の分類だけでなく文書の目的を確認してください。
本試験では、👉 土地売買契約書→課税文書→仲介業者は契約参加者→保存分も課税と処理します。非課税になるのは法令上の根拠がある場合だと考えれば、国等の特則との違いも整理できます。「当事者ではない=非課税」を禁止してください。
手付金の領収書|元の契約書が非課税でも別判断
手付金の領収書は、指定資料では売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書として課税文書になります。建物賃貸借契約書自体が非課税文書であることとは別に、領収書について独立して課税関係を判断しなければなりません。この章では平成9年問28第3肢のひっかけを整理します。
印紙税は一つの取引全体へ課税・非課税のラベルを付ける制度ではありません。同じ不動産取引から契約書、領収書、変更契約書など複数文書が作成されれば、それぞれについて課税文書かを確認します。元契約の課税関係を関連文書へ自動的に引き継がないことが重要です。
現行制度では、第17号文書の売上代金に係る受取書について、記載された受取金額が5万円未満なら非課税となります。また、営業に関しない受取書についても非課税規定があるため、領収書問題では「受取書だから課税」で終わらず、金額と営業性まで確認します。
受取書を比較します。この表を見る目的は、平成9年問28の出題当時の判断構造と現行の非課税基準を分けて整理することです。具体的金額が問題文にある場合は、現在の5万円基準も確認してください。
| 受取書 | 現行の基本判断 |
|---|---|
| 売上代金・5万円未満 | 非課税 |
| 売上代金・5万円以上 | 原則課税 |
| 営業に関しない受取書 | 非課税 |
| 受取金額の記載なし | 課税区分あり |
この表では、手付金も売上代金に含まれることが重要です。国税庁の現行一覧でも、第17号文書の売上代金には手付けを含むと明記されています。したがって「まだ本代金ではないから売上代金の受取書ではない」という誤肢にも注意してください。
平成9年問28の指定資料は、手付金の領収書を課税文書と整理しています。ただし現在の具体的な問題で受取金額が5万円未満と示された場合は、現行の非課税基準も確認する必要があります。古い過去問の結論を金額条件を無視して現在へ機械的に広げないでください。
例題8
建物賃貸借契約書が非課税文書であれば、その契約に関して作成した手付金の領収書も当然に非課税となる。
解答・判断ポイント
正解:×
契約書と領収書は別の文書として判断します。
誤肢分析
誤っている語句
「当然に非課税となる」
正しい修正
「手付金領収書について独立して課税関係を判断する」
元契約の非課税を関連文書へ移した誤肢です。
例題9
現行制度では、売上代金に係る受取書で記載された受取金額が5万円未満なら、非課税となる場合がある。
解答・判断ポイント
正解:○
第17号文書には5万円未満の非課税基準があります。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
文書種類と金額をセットで判断します。
宅建試験ではここが狙われやすい
受取書では、元の契約書の課税・非課税をそのまま領収書へ移すひっかけに注意します。建物賃貸借契約書が非課税でも、賃料や手付金などの受取書は別の第17号文書として判断されます。一つの取引で複数の文書が存在するという視点を持ってください。
現行問題では5万円という数字も狙われます。「5万円以下」ではなく5万円未満が非課税基準であり、5万円ちょうどは「未満」に含まれません。以上・以下・未満の置き換えは税金分野の典型的な誤肢です。
本試験では、👉 領収書か→売上代金か→手付金を含むか→受取金額→営業性という順番で確認します。平成9年問28では金額条件より「手付金領収書は別の課税文書」という点が中心ですが、現行問題では5万円基準まで確認してください。
記載金額なしと非課税の違い
契約書の記載金額がないことと、その文書が非課税であることは別問題です。平成9年問28第4肢では、契約金額を減額する変更契約書が記載金額のない契約書として扱われても、印紙税は課されるとされています。この章では、記事テーマで最も混同しやすい二つの概念を比較します。
現行の国税庁の質疑事例でも、原契約を特定したうえで契約金額を減額する変更契約書は、記載金額なし・税額200円とする例が示されています。たとえば原契約の契約金額を2,000万円減額すると記載しても、条件を満たすケースではその2,000万円を記載金額とはしません。平成9年問28の判断構造は現在の取扱いとも整合します。
ここで重要なのは、文書に数字が書いてあるかどうかではありません。「1,000万円減額する」という数字が書いてあっても、印紙税法上の記載金額はないものとして扱われる場合があります。目に見える数字=記載金額という理解を捨ててください。
両者を比較します。この表を見る目的は、税額0円と200円の理由を明確に分けることです。本試験では表の「課税関係」の列を入れ替えた誤肢が作られます。
| 比較項目 | 非課税文書 | 記載金額のない課税文書 |
|---|---|---|
| 文書の課税関係 | 課税しない | 課税する |
| 記載金額 | 判断不要の場合あり | なし |
| 税額 | 0円 | 200円の場合あり |
| 代表例 | 国等作成文書等 | 第1号・第2号の一定文書 |
| 重要語句 | 非課税 | 記載金額なし |
この表では、「0円」と「200円」だけを暗記しないことが重要です。0円は非課税という法的結論から生じ、200円は記載金額のない課税文書について設定された税額区分から生じます。結論が違う理由を説明できるようにしてください。
平成9年問28第4肢では、指定資料が「減額変更契約書は記載金額なし」としたうえで、200円の印紙税が課されると説明しています。したがって「記載金額がないため印紙税は課されない」という部分が誤りです。
例題10
原契約を明らかにしたうえで契約金額を減額する変更契約書は、記載金額がないと扱われれば印紙税も0円となる。
解答・判断ポイント
正解:×
記載金額のない一定の契約書には200円が課されます。
誤肢分析
誤っている語句
「印紙税も0円」
正しい修正
「記載金額のない課税文書として200円となる場合がある」
記載金額なしと非課税を同一化した誤肢です。
例題11
変更契約書に「1,000万円減額する」と数字が書かれていれば、その1,000万円が必ず印紙税上の記載金額となる。
解答・判断ポイント
正解:×
減額変更では記載金額なしと扱われる場合があります。
誤肢分析
誤っている語句
「必ず」
正しい修正
「原契約との関係と変更内容から記載金額を判断する」
文書上の数字をそのまま記載金額へ移す誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
この論点では、非課税・不課税・記載金額なしを同じ意味で使わせるひっかけに注意します。特に記載金額なしは、課税文書の税額区分を決めるための分類であり、文書そのものが非課税という意味ではありません。用語を厳密に分けてください。
また、減額変更だから税負担も減るという日常感覚も狙われます。印紙税は契約金額の経済的な増減だけでなく、作成された変更契約書の内容によって課税関係を判断します。金額が減ったから印紙税がなくなるという関係ではありません。
平成9年問28第4肢は、👉 変更契約書→減額→記載金額なし→課税文書→200円の順で処理します。この一連の順番を覚えておけば、「減額額を記載金額とする」「非課税とする」という二種類の誤肢へ対応できます。
過去問分析
平成9年問28では、印紙税について仲介業者保存分・国等の非課税・手付金領収書・減額変更契約書という四つの判断構造が一問にまとめられています。正解は第2肢であり、第1・3・4肢はそれぞれ課税文書の範囲や非課税との区別を誤らせています。この章では、どの語句へ注目すれば正解2へ到達できるかを整理します。
最初に拾う語句は、仲介業者、国・地方公共団体、手付金の領収書、契約金額を減額する変更契約書です。第1肢は課税文書の保存者、第2肢は国等の非課税、第3肢は受取書、第4肢は記載金額なしと課税の区別を問っています。一肢ごとに判断軸を完全に切り替えてください。
本問で特に重要なのは、「非課税」という結論が正しい場面と誤っている場面を見分けることです。第2肢では国等の特則によって本当に非課税になりますが、第4肢では記載金額がないだけで課税文書のままです。同じ0円に見える場面でも根拠を確認する必要があります。
最初に確認する語句
問題文では、仲介業者、国等、手付金の領収書、減額変更契約書を最初に確認します。
平成9年(1997年)問28
印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、以下の契約書又は領収書はいずれも書面により作成されたものとする。
- 建物の売買契約書(記載金額2,000万円)を3通作成し、売主A、買主B及び仲介業者C社が各1通を保存する場合、契約当事者以外のC社が保存するものには、印紙税は課税されない。
- 国とD社とが共同で土地の売買契約書(記載金額5,000万円)を2通作成し、双方で各1通保存する場合、D社が保存するものには、印紙税は課税されない。
- マンションの賃貸借契約に係る手付金10万円を受領した旨を記載した領収書には、印紙税は課税されない。
- 印紙をはり付けた不動産売買契約書(記載金額1億円)を取り交わした後、売買代金の変更があったために再度取り交わすこととした不動産売買契約書(記載金額9,000万円)には、印紙税は課税されない。
正解:2
解説
第1肢は仲介業者が保存する土地売買契約書も課税文書となるため誤りです。第2肢は国等と民間が共同作成した文書の非課税取扱いを正しく説明しており、第3肢は手付金領収書が課税文書となるため誤ります。第4肢は減額変更契約書が記載金額のない文書でも印紙税が課されるため誤りで、正しい肢は2です。
各肢の正誤理由
1 誤り
土地の売買契約書は、不動産譲渡に関する課税文書です。仲介業者は売主・買主ではありませんが、指定資料では契約参加者に該当するため、仲介業者が保存する契約書も課税文書になります。「契約当事者ではない」ことと「非課税」は結び付きません。
誤っている語句
「仲介業者が保存する契約書は課税文書にならない」とする部分
正しい修正
「仲介業者が保存する契約書も課税文書となる」
第1肢では、正しい人物関係から誤った課税結論へ飛躍させています。仲介業者が契約当事者ではないという前半だけを見て○にしないでください。文書が契約を証明する目的で作成されているかまで確認します。
2 正しい
国・地方公共団体などが作成する一定の文書は非課税です。国等とそれ以外の者が共同で作成した文書では、誰が保存するかによるみなし規定があり、指定資料ではD社が保存する文書が国等作成文書とみなされています。したがって、その文書は非課税となり、第2肢が正しい選択肢です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
第2肢では、国等が関係していることだけで終わらず、共同作成文書と保存者まで確認します。現在の国税庁案内でも、民間側が保存する文書を国等作成とみなす取扱いが示されています。
3 誤り
手付金の領収書は、指定資料では売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書に該当するため課税文書です。建物賃貸借契約書そのものが非課税文書であることを理由に、関連する領収書まで非課税とすることはできません。契約書と受取書を別文書として判断します。
誤っている語句
「手付金の領収書は非課税である」とする部分
正しい修正
「手付金の領収書は別の受取書として課税関係を判断する」
第3肢では、元契約の非課税を関連文書へ横移動しています。現行制度では受取金額5万円未満などの別の非課税要件があるため、現在の問題では具体的金額まで確認してください。
4 誤り
契約金額を減額する旨を記載した変更契約書は、指定資料では記載金額のない契約書として扱います。しかし、記載金額がないから非課税になるのではなく、指定資料では200円の印紙税が課されます。したがって「印紙税が課税されない」という結論が誤りです。
誤っている語句
「印紙税が課税されない」
正しい修正
「記載金額のない契約書として200円の印紙税が課される」
第4肢では、記載金額なしという正しい知識の後に、非課税という誤った結論を付けています。現在の国税庁質疑でも、原契約を明示した減額変更契約書について記載金額なし・200円とする例が確認できます。
問題作成者のひっかけポイント
第1肢では、「仲介業者は契約当事者ではない」という正しい知識を利用しています。そこから「だから保存する契約書は非課税」と結論を飛躍させることで、前半だけを読んだ受験生を狙っています。正しい前提+誤った結論の型です。
第3肢では、建物賃貸借契約書が非課税という別の正しい知識を使っています。しかし問題となっているのは手付金の領収書なので、契約書の課税関係を領収書へそのまま移すことはできません。似た取引の別文書への入れ替えがひっかけです。
第4肢では、「記載金額なし」という専門用語を利用します。受験生は金額がないなら税額もないと考えやすいですが、印紙税には記載金額なしの課税文書という区分があります。記載金額なし→非課税という誤った矢印を作らせる問題です。
受験生が迷う理由
印紙税では、非課税になる文書が複数種類あります。国等が作成する文書、一定額未満の受取書、営業に関しない受取書など、非課税という結論は同じでも理由が違います。そのため「非課税」という言葉だけを暗記すると適用場面を間違えます。
また、文書単位で判断するという原則が見落とされやすい点も迷う原因です。一つの賃貸借取引から契約書と領収書が作成されれば、両方を同じ扱いにするのではなく、それぞれ独立して分類します。取引単位ではなく文書単位で考えてください。
第4肢では、日常語としての「金額がない」と税法上の「記載金額なし」が違って見える点も難所です。実際には減額する金額が書かれていても、一定の変更契約書は記載金額なしとして扱われます。数字を目で探すだけでは正解できません。
正しい判断手順
第1肢では土地売買契約書という文書種類を確認し、次に仲介業者の契約への関与を確認します。第2肢では国等が関係していることを確認し、共同作成・保存者・みなし作成者の順に進みます。人物関係を一つずつ確定してください。
第3肢では「手付金の領収書」という文書名を確認し、元の賃貸借契約書とは別の第17号文書として判断します。第4肢では「減額変更」という動詞を確認し、記載金額なしと課税の有無を別々に判断します。非課税という結論を最初に置かないことが重要です。
本問全体では、👉 1=仲介業者、2=国等の特則、3=領収書、4=減額変更と分類します。この四分類ができれば、長い選択肢でも必要な箇所だけを確認できます。正解2という番号より、どの理由で各肢を切ったかを残してください。
類似問題で使える知識
国等の共同作成文書では、国側が保存する場合と民間側が保存する場合を入れ替えた問題に対応できます。保存者とみなし作成者が逆になるルールを表で思い出してください。国が契約当事者にいるだけで全部非課税とは判断しません。
受取書では、5万円未満・5万円以上の境界問題へ応用できます。現行制度では5万円未満が非課税なので、5万円ちょうどを非課税とする肢は誤りです。さらに営業に関しない受取書という別の非課税要件も確認します。
変更契約書では、増額と減額の入れ替えが狙われます。少なくとも指定過去問の減額変更では記載金額なし・200円という判断を固定し、増額変更のルールをそのまま移さないでください。変更方向→記載金額→税額の順番を使います。
宅建試験ではここが狙われやすい
平成9年問28では、本当に非課税となる第2肢と、非課税に見せかけた第1・3・4肢を並べています。第1肢は当事者でないこと、第3肢は元契約が非課税であること、第4肢は記載金額がないことを理由に非課税とさせようとしています。しかし、いずれも非課税の法的根拠にはなりません。
問題作成者は、非課税という同じ結論へ異なる理由を付けることで受験生を迷わせます。したがって「この文書は非課税だった」と結果だけを暗記せず、誰が作成したから・いくら未満だから・営業に関しないからという根拠までセットにすることが必要です。理由を説明できなければ、類似問題で知識が横滑りします。
本試験では、👉 非課税と書かれていたら、その直前の理由を検証するという読み方が有効です。国等の特則なら○、仲介人だからという理由なら×、記載金額なしだからという理由なら×というように、非課税の根拠を一つずつ確認してください。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
一問一答では、印紙税の非課税について国等・受取書・仲介業者・記載金額なしを中心に確認します。単純な定義問題ではなく、非課税となる理由を別文書へ移した本試験型の誤肢を使います。問題文の「なぜ非課税なのか」を必ず確認してください。
問題1
国・地方公共団体などが作成する一定の文書は、印紙税の非課税文書となる。
正解:○
国等が作成する文書には非課税規定があります。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題2
国と民間会社が共同作成した契約書は、国が当事者である以上、双方が保存する文書がすべて非課税となる。
正解:×
共同作成文書では保存者とみなし作成者を確認します。
誤っている語句
「すべて非課税となる」
正しい修正
「誰が保存する文書かに応じて課税関係を判断する」
問題3
国等と民間が共同作成した文書について、民間側が保存する文書が国等作成とみなされて非課税となる場合がある。
正解:○
現行の国税庁案内でも確認できる取扱いです。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題4
土地売買契約の仲介業者は契約当事者ではないため、仲介業者が保存する土地売買契約書は必ず非課税となる。
正解:×
指定資料では仲介業者保存分も課税文書です。
誤っている語句
「必ず非課税となる」
正しい修正
「仲介業者が保存する契約書も課税文書となる」
問題5
建物賃貸借契約書が非課税であれば、その契約に関して作成する手付金領収書も当然に非課税となる。
正解:×
契約書と領収書は別の文書として判断します。
誤っている語句
「当然に非課税となる」
正しい修正
「手付金領収書について独立して課税関係を判断する」
問題6
手付金は、売上代金に係る受取書の判定上、売上代金に含まれる。
正解:○
現行の国税庁一覧でも手付けを売上代金に含めています。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題7
現行制度では、売上代金に係る受取書の受取金額が5万円未満なら非課税となる。
正解:○
第17号文書の非課税基準です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題8
現行制度では、売上代金に係る受取書の受取金額が5万円以下なら非課税となる。
正解:×
基準は5万円未満です。
誤っている語句
「5万円以下」
正しい修正
「5万円未満」
問題9
営業に関しない金銭の受取書は、現行制度上、非課税となる場合がある。
正解:○
第17号文書には営業性による非課税もあります。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題10
記載金額のない土地売買契約書は、金額の記載がない以上、必ず非課税となる。
正解:×
記載金額のない第1号文書には200円の区分があります。
誤っている語句
「必ず非課税となる」
正しい修正
「記載金額のない課税文書として200円となる場合がある」
問題11
契約金額を減額する変更契約書は、一定の場合に記載金額のない契約書として扱われる。
正解:○
平成9年問28第4肢の基本判断です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題12
契約金額を減額する変更契約書が記載金額なしとされる場合、その契約書は非課税となる。
正解:×
指定過去問では200円が課されます。
誤っている語句
「非課税となる」
正しい修正
「記載金額のない課税文書として200円となる」
問題13
「1,000万円減額する」と書かれた変更契約書では、1,000万円という数字が必ず印紙税上の記載金額となる。
正解:×
減額変更では記載金額なしと扱われる場合があります。
誤っている語句
「必ず」
正しい修正
「原契約との関係と変更内容により記載金額を判断する」
問題14
非課税文書と記載金額のない課税文書は、印紙税が0円になるという点で同じ意味である。
正解:×
記載金額のない課税文書には200円となるものがあります。
誤っている語句
「同じ意味」
正しい修正
「非課税と記載金額なしは別概念である」
問題15
印紙税では、同じ取引に関係する文書なら契約書・領収書・変更契約書の課税関係はすべて同じである。
正解:×
文書ごとに課税関係を判断します。
誤っている語句
「すべて同じ」
正しい修正
「各文書について独立して課税関係を判断する」
問題16
土地売買契約書が課税文書である場合でも、国等が作成した文書とみなされれば非課税となる場合がある。
正解:○
通常の課税文書と非課税特則を順番に判断します。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題17
国等が共同作成者に含まれているかどうかは、共同作成契約書の印紙税を判断する際の重要な語句である。
正解:○
さらに誰が保存する文書かまで確認します。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題18
受取書が5万円未満かどうかを判断する際は、どのような受取書でも売上代金部分だけを見ればよい。
正解:×
第17号文書では非課税判定に合計額を見る場合があります。
誤っている語句
「どのような受取書でも」「売上代金部分だけ」
正しい修正
「受取書の記載内容に応じて非課税判定の対象額を確認する」
問題19
印紙税の非課税問題では、最初に非課税という結論を探すより、課税文書の種類と非課税根拠を確認する方が安全である。
正解:○
非課税の理由を別文書へ移した誤肢を防げます。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
問題20
平成9年問28では、国等に関する第2肢が正しい。
正解:○
指定過去問の正解は2です。
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
一問一答では、「非課税」という結論だけを暗記しないことが最優先です。国等作成、5万円未満、営業に関しないという三つはそれぞれ異なる非課税理由であり、記載金額なしは非課税理由ではありません。理由を一言で説明できるか確認してください。
数字問題では5万円と200円が混在します。5万円未満は一定の第17号受取書についての非課税基準であり、200円は記載金額のない一定の第1号・第2号文書などの税額です。数字+対象文書+意味を一組にしてください。
人物問題では、仲介業者と国等を混同しないことが必要です。仲介業者には一般的な非課税特則はなく、国等には法定の非課税規定があります。誰が文書を持っているかだけでなく、法令上どの立場にある者かを確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
一問一答型では、本当に存在する非課税ルールを別文書へ移すだけで完成度の高い誤肢になります。5万円未満を土地売買契約書へ移す、建物賃貸借契約書の非課税を領収書へ移す、国等の非課税を仲介業者へ広げるといった形です。正しい知識だからこそ所属先を確認してください。
また、「以下」と「未満」の境界も狙われます。第17号文書の現行非課税基準は5万円未満なので、5万円ちょうどはこの非課税基準に含まれません。数字問題では金額と比較語を一体で読みます。
本試験では、👉 文書種類→通常課税か→非課税根拠→金額・主体→税額という判断順序を固定します。非課税と書かれている肢では、その理由が法令上存在するかを逆算して確認してください。これだけで多くのひっかけを切れます。
FAQ
FAQでは、印紙税の非課税について国等との共同作成・受取書の5万円・記載金額なしなど、本文の基本ルールだけでは迷いやすい境界事例を扱います。同じ非課税という結論でも適用理由が異なるため、何の条件を満たしているかを確認してください。この章では、本試験で条件を一つ変えられた場合の判断方法を整理します。
Q1.国と民間会社が共同作成した契約書なら、民間会社が持つ分も国が持つ分も非課税ですか?
同じ扱いではありません。共同作成文書では保存者によってみなし作成者が変わるため、誰が保存する文書かを確認します。
Q2.地方公共団体が契約書に署名していれば、それだけで全部非課税になりますか?
なりません。共同作成文書では国等の関与に加え、誰が保存する文書かまで確認する必要があります。
Q3.仲介業者が保管する土地売買契約書は、仲介業者が売主・買主ではないため非課税ですか?
指定資料では非課税になりません。仲介業者は契約参加者として扱われ、保存する契約書も課税文書です。
Q4.建物賃貸借契約書が非課税なら、賃料の領収書も非課税ですか?
自動的には非課税になりません。領収書は第17号文書として別に判定し、受取金額や営業性を確認します。
Q5.現行制度で4万9,999円の売上代金領収書は非課税ですか?
第17号文書の非課税基準では、記載された受取金額5万円未満の一定文書は非課税です。4万9,999円は5万円未満に当たります。
Q6.現行制度で5万円ちょうどの売上代金領収書は5万円以下なので非課税ですか?
5万円未満ではないため、この金額基準による非課税には該当しません。「以下」と「未満」を区別してください。
Q7.受取書の金額が5万円以上なら絶対に課税ですか?
絶対とはいえません。営業に関しない受取書など、金額以外の非課税要件も存在します。
Q8.契約金額が書かれていない契約書は非課税ですか?
必ずではありません。第1号文書や第2号文書には契約金額の記載のないものについて200円の税額区分があります。
Q9.「1,000万円減額する」と書かれているなら、記載金額は1,000万円ではないのですか?
一定の減額変更契約書では記載金額なしとして扱われます。原契約との関係や変更内容を確認してください。
Q10.記載金額なしで200円なら、非課税文書も200円ですか?
違います。非課税文書は印紙税を課さない文書であり、記載金額のない課税文書の200円区分とは別です。
Q11.手付金は本代金ではないので、第17号文書の売上代金には入りませんか?
現行の国税庁一覧では、売上代金に手付けを含むとされています。手付金だから自動的に対象外とは判断しません。
Q12.平成9年問28の手付金領収書は現在も必ず課税と覚えればよいですか?
その覚え方は避けてください。指定過去問では課税文書とされていますが、現在の具体的問題では受取金額5万円未満などの現行非課税要件も確認します。
Q13.国等が作成する文書の非課税と、5万円未満の領収書の非課税は同じ制度ですか?
どちらも結果として非課税ですが、根拠となる要件が異なります。国等は作成主体、領収書は文書種類と金額を中心に判断します。
Q14.非課税問題では最初に0円か200円かを覚えればよいですか?
数字より先に文書種類と非課税理由を確認してください。0円と200円だけを暗記すると、非課税文書と記載金額なしを混同しやすくなります。
Q15.平成9年問28で最初に見るべき語句は何ですか?
仲介業者、国等、手付金領収書、減額変更契約書の四つです。各肢を人物・非課税特則・受取書・記載金額へ分類してから判断します。
FAQで共通するのは、同じ「非課税」という言葉でも判断理由が違うことです。国等なら作成主体、受取書なら金額と営業性、変更契約書ならそもそも非課税ではなく記載金額分類を確認します。結論より根拠を先に固定してください。
古い過去問と現行制度の違いにも注意します。平成9年問28の正解は指定資料どおり2ですが、現在の受取書問題では5万円未満という現行基準を使う必要があります。過去問の結論を条件なしで現在へ広げないでください。
また、共同作成文書では保存者が重要です。国等が参加しているという一点だけで全部非課税とせず、誰が所持する文書を誰が作成したものとみなすのかまで確認します。主体→共同作成→保存者→みなし作成者の順番を使ってください。
宅建試験ではここが狙われやすい
FAQ型の境界問題では、4万9,999円と5万円、国側保存と民間側保存、記載金額なしと非課税のように、一条件だけを変える問題が作られます。基本ルールを単語だけで覚えると条件変更に対応できません。数字・主体・文書種類を一組にしてください。
特に印紙税では、文書のタイトルより課税上の分類が重要です。「領収書」「変更契約書」と書いてあるだけで課税・非課税は確定せず、受取金額や変更内容を確認します。何が書かれているかではなく、法令上どの文書として扱うかを確認してください。
本試験では、👉 非課税と書かれていたら理由を探す→理由が国等・金額・営業性などの法定要件に当たるか確認する→当たらなければ通常課税へ戻るという処理が有効です。非課税を例外として最後に確認することで、ひっかけを減らせます。
まとめ
印紙税の非課税では、最初に何の課税文書を誰が作成したのかを確認します。通常の課税文書と分かった後で、国等が作成する文書、受取金額5万円未満の一定受取書、営業に関しない受取書などの非課税要件を確認します。非課税という結論だけを先に暗記しないことがポイントです。
平成9年問28では、仲介業者が保存する土地売買契約書は課税文書となり、手付金の領収書も別の課税文書として判断します。国等と民間が共同作成した文書についての第2肢だけが非課税の取扱いを正しく説明しているため、正解は2です。減額変更契約書は記載金額なしでも200円が課されるため、非課税とはなりません。
ひっかけでは、仲介業者だから非課税、元契約が非課税だから領収書も非課税、記載金額なしだから非課税という誤った飛躍が使われます。現行制度では第17号文書の5万円未満という金額基準もあるため、文書種類・金額・主体をセットで確認してください。
本試験での判断順序は、課税場面→課税文書→作成者・保存者→通常の課税関係→非課税要件→記載金額→税額です。特に、非課税・記載金額なし・課税対象外を同じ意味にしないことが印紙税攻略の中心になります。問題文のどこを見るかを固定し、非課税と書かれた理由が本当にその文書へ適用できるかを確認してください。
