宅建試験 この2つをやれば必ず点数上がります。
- 宅建業法と法令上の制限は、満点を目指す。初見の論点以外は落とせない。
- 権利関係は、法改正部分を中心に基本を抑える。
宅建試験合格の2つの条件の根拠
宅建試験に合格するためには、宅建業法と法令上の制限の知識を完璧にしておくことが条件となります。具体的には、過去問で出題された論点について、同様の問題で絶対に間違えないことが求められるという意味です。
初見の問題は多くの受験生が誤答しやすいため、そこでの失点は全体の点数に大きな影響を与えません。しかし、過去問と同じ論点で引っ掛け問題が出題されると、非常に大きなダメージとなります。この2分野で失点すると、合否に直結する恐れがあります。
もしこの2分野で点数を落とすと、難解な権利関係の問題で失点を取り返さなければなりませんが、権利関係の問題は基本問題以外は極めて難解であり、本番での挽回は非常に困難です。法律系の大学に通っている方でなければ、なおさら厳しい状況です。
したがって、合格を目指すには、宅建業法と法令上の制限でほぼ満点を狙い、権利関係では少なくとも半分以上の得点を確保するのが最も効果的な戦略です。満点というとプレッシャーを感じるかもしれませんが、実際にはほとんどの問題が過去問に基づいているため、過去問題をしっかりと復習しておけば確実に得点できる内容ばかりです。
2020年の宅建試験が38点だった理由がわかる
2020年の宅建試験の印象
例年と比べて「すごく簡単だった」という印象はありません。受験生全体の正解率が上がっているものの、過去問と同様の問題を間違える人はほとんどいない状況です。
ここで疑問になるのは、「初学者でない人は今、権利関係の知識を固めるべきか」という点です。結論から言えば、現時点では権利関係の学習は見送ったほうがよいと考えます。既に宅建業法や法令上の制限についてしっかり理解しており、さらに権利関係に時間を割ける人は良いのですが、そうした余裕があるのは時期的に少ないと感じています。
そのため、まずは宅建業法と法令上の制限を確実に固めることをおすすめします。これは昨年受験された方にも当てはまります。たとえば、2020年の宅建試験は「最高の試験」とも言われ、合格者の平均点は38点でした。この数字が示す意味をしっかり考えてほしいのです。非常に重要なポイントです。
また、試験問題が単に「簡単だった」という理由だけで評価を下してはいけません。私自身も2020年10月の試験問題をすべて解いてみましたが、正直なところ、例年と比べて「非常に簡単だった」とは感じませんでした。多少楽に感じる部分はあったものの、合格点が大幅に上がるような問題ではなかったと思います。
2020年の宅建試験の分析
【宅建業法】
例年通り、宅建業法では基本的な問題が多数出題され、比較的容易に解答できる問題が多く見受けられました。正解の選択肢が一見わからなくても、消去法を用いることで正しい解答にたどり着ける問題が多かった印象です。実際、全問正解している受験生も一定数存在するのではないかと私自身は考えています。38点満点の中で、満点を取る人や、1点程度のミスでほぼ満点に近い得点を得る人が多いのではないかという見解です。
【法令上の制限】
法令上の制限に関しては、これまであまり出題されたことのなかった論点に基づく難解な問題が2問程度存在しました。そのため、これらの問題で多くの受験生が共通して誤答している可能性が高いと感じました。結果として、8点満点中6点程度に留まる受験生が比較的多かった印象です。なお、難解な問題を除けば、残りの問題は比較的容易でした。
【権利関係】
権利関係の応用問題は非常に難解で、多くの受験生が失点していると考えられます。一方、YouTubeなどの無料学習コンテンツや、不動産大学のツールといった利用しやすい学習支援ツールの普及により、過去に出題された論点が中心となる宅建業法や法令上の制限の分野では、全体の正解率が向上している状況です。つまり、受験生全体の学力(戦闘力)は向上しているものの、過去問と同様の問題での失点はほとんどなく、失点が生じやすいのは初出の論点に基づく問題のみとなっていると言えます。
また、権利関係では現場での応用力や試験当日の臨機応変な対応力が問われるため、今後の法改正に関する論点が加わると、さらに難易度が上がると予想されます。昨年、民法改正の論点が全て網羅されたとは言えないことから、今年も法改正に関する論点が必ず出題され、結果として受験生の得点が安定しにくい状況が続くと考えられます。
権利関係は、一朝一夕で固められる分野ではなく、合格点が38点の場合、概ね12点程度の失点があるとすれば、その多くが権利関係に集中している可能性が高いと私は見ています。
以上のように、各分野での出題傾向や難易度の違いを踏まえた学習対策が必要と考えられます。