【担保物権】はここが出る|物上代位・抵当権・準用・抵当権の処分・ひっかけ

目次

「試験で覚えるポイント」重要ポイント一覧

重要ポイント試験で覚えるポイント
重要ポイント①|民法304条・物上代位目的物が売却・賃貸・滅失・損傷によって別の金銭等に変わった場合、その金銭等にも先取特権を及ぼせる
重要ポイント②|民法304条第1項・物上代位の差押え物上代位するには、金銭等が払渡し・引渡しされる前に差押えが必要
重要ポイント③|民法369条第1項・抵当権の内容不動産を占有を移転せずに担保に入れ、抵当権者が他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける
重要ポイント④|民法372条・留置権等の規定の準用296条=留置権の不可分性、304条=物上代位、351条=物上保証人の求償権。これらを抵当権について準用する
重要ポイント⑤|民法376条第1項・抵当権の処分抵当権者は、抵当権を他の債権の担保としたり、同一の債務者に対する他の債権者のために抵当権・順位を譲渡・放棄したりできる

重要ポイント①|民法304条・物上代位

条文

民法304条
先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
2 債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。

説明

物上代位とは、担保の対象だった物がなくなったり、別のものに変わったりしたときに、その「代わりに出てきたもの」を担保の対象にする仕組みです。例えば、先取特権の対象になっている商品が売却され、その代金を債務者が受け取ることになった場合、商品そのものはもうありませんが、先取特権者は一定の要件のもとでその売却代金を対象にできます。つまり、「商品そのもの」から「商品を売った代金」へ、担保の対象を追いかけていくのが物上代位です。

試験で覚えるポイント

・目的物が「売却・賃貸・滅失・損傷」したことによって、別の金銭その他の物が生じる。
・その金銭その他の物に対しても先取特権を行使できる。
・2項では、目的物について設定した物権の「対価」についても1項と同様に扱う。
・物上代位は、元の目的物そのものではなく、目的物から生じた代替物に担保の効力を及ぼす制度として理解する。

本試験でのひっかけ・問われ方

問題文では、まず「担保の対象だった元の物」と「その物から新しく生じた金銭等」を区別します。次に、その金銭等が条文にある売却・賃貸・滅失・損傷によって生じたものなのかを確認します。最後に、物上代位の対象になるものとならないものを区別して正誤を判断します。

この論点を狙う固有の出題パターン

問題文では、元の目的物が売却された後に売却代金が発生するという形に変更してきます。また、目的物から生じた金銭等ではないものを物上代位の対象として設定することがあります。さらに、2項の「物権の対価」を1項の対象と混同させる変更もあります。

出題パターン①|物上代位の対象を変更する

本来のルール
目的物の売却・賃貸・滅失・損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物が対象となる。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
目的物とは関係なく債務者が持っている金銭まで対象に変更する。

具体的な変更内容
「目的物の売却によって債務者が受けるべき売却代金」を「債務者が別途保有している預金」に変更する。

出題パターン②|物上代位の原因を変更する

本来のルール
売却・賃貸・滅失・損傷によって金銭その他の物が生じる。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
条文にない原因によって生じた金銭を対象に変更する。

具体的な変更内容
「売却、賃貸、滅失又は損傷」を「贈与」に変更する。

出題パターン③|元の目的物そのものを対象にする内容へ変更する

本来のルール
物上代位では、目的物から生じた金銭その他の物を対象とする。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
代替物ではなく元の目的物を対象とする内容に変更する。

具体的な変更内容
「売却によって生じた売却代金に対して行使できる」を「売却後も元の商品に対して行使する」に変更する。

出題パターン④|2項の「対価」を変更する

本来のルール
目的物について債務者が設定した物権の対価についても、1項と同様に扱う。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
「物権の対価」を別の金銭へ変更する。

具体的な変更内容
「物権の対価」を「債務者が得たすべての利益」に変更する。

宅建試験ではここが狙われやすい

304条は「元の物がなくなったら、その代わりに出てきた金銭等を対象にできる」という流れで理解します。特に「元の目的物」と「代わりに生じた金銭等」を混同しないことが重要です。2項の「物権の対価」も条文番号と一緒に覚えます。

一問一答

問題1
先取特権の目的物が売却され、その売却代金を債務者が受ける場合、その売却代金についても先取特権を行使することができる。
正解:○
【解説】
【正解となる理由】304条は、目的物の売却によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても先取特権を行使できると定めている。

問題2
物上代位とは、担保の対象となっていた物が売却された場合でも、常に元の物そのものに対して担保権を行使する制度である。
正解:×
【解説】
【誤りとなる理由】物上代位は、元の物ではなく、その売却などによって生じた金銭その他の物を対象とする制度である。

問題3
民法304条第2項では、債務者が先取特権の目的物について設定した物権の対価についても、1項と同様に扱う。
正解:○
【解説】
【正解となる理由】304条第2項が、目的物について設定した物権の対価についても1項と同様と定めている。

問題4
物上代位の対象となる金銭は、目的物とは関係なく債務者が保有している金銭であればすべて含まれる。
正解:×
【解説】
【誤りとなる理由】304条は、目的物の売却・賃貸・滅失・損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物を対象としている。

重要ポイント②|民法304条第1項・物上代位の差押え

条文

民法304条第1項
先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。

説明

ここでは、物上代位の対象になる金銭を、実際に債務者へ渡される前に確保しておく必要があると考えると分かりやすくなります。例えば、先取特権の対象だった商品が売られて、債務者がその売却代金を受け取る場面を考えます。先取特権者がその代金について物上代位したいなら、代金が債務者に払われたり引き渡されたりする前に差押えをしなければならない、というのが304条第1項です。

試験で覚えるポイント

・差押えをするのは「先取特権者」。
・差押えの対象となるのは物上代位の対象となる金銭その他の物。
・差押えの時期は「払渡し又は引渡しの前」。
・「前」と「後」を絶対に逆にしない。

本試験でのひっかけ・問われ方

問題文に「売却代金が発生した」と書かれていても、それだけで差押えの要件を満たしたことにはなりません。次に、先取特権者が差押えをした時期が、代金の払渡し・引渡しより前なのか後なのかを確認します。「差押えをした」という事実だけでなく、「いつ差押えをしたのか」まで読んで正誤を判断します。

この論点を狙う固有の出題パターン

最も狙われやすいのは「払渡し又は引渡しの前」を「後」に変更するパターンです。また、差押えをする主体を先取特権者から債務者などへ変更することがあります。さらに、差押えそのものを不要とする内容へ変更することもあります。

出題パターン①|差押えの時期を変更する

本来のルール
払渡し又は引渡しの前に差押えをする。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
「前」を「後」に変更する。

具体的な変更内容
「払渡し又は引渡しの前に差押え」を「払渡し又は引渡しの後に差押え」に変更する。

出題パターン②|差押えをする者を変更する

本来のルール
先取特権者が差押えをしなければならない。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
差押えをする者を別の者に変更する。

具体的な変更内容
「先取特権者は差押えをしなければならない」を「債務者は差押えをしなければならない」に変更する。

出題パターン③|差押えの必要性を変更する

本来のルール
払渡し又は引渡しの前に差押えが必要である。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
差押えをしなくても物上代位できる内容に変更する。

具体的な変更内容
「差押えをしなければならない」を「差押えをする必要はない」に変更する。

出題パターン④|払渡し・引渡しの対象を変更する

本来のルール
差押えは、物上代位の対象となる金銭その他の物が払渡し・引渡しされる前に行う。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
差押えの基準となる時点を別の時点に変更する。

具体的な変更内容
「払渡し又は引渡しの前」を「売却又は賃貸の前」に変更する。

宅建試験ではここが狙われやすい

304条第1項は、「物上代位できる」ことと「差押えが必要」なことをセットで覚えます。特に「払渡し又は引渡しの前」という時期を正確に覚えます。問題文では差押えの有無だけでなく、その前後関係を確認します。

一問一答

問題1
先取特権者が物上代位をする場合、物上代位の対象となる金銭の払渡し前に差押えをしなければならない。
正解:○
【解説】
【正解となる理由】304条第1項は、払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならないと定めている。

問題2
先取特権者は、物上代位の対象となる金銭が債務者に支払われた後に差押えをすればよい。
正解:×
【解説】
【誤りとなる理由】差押えは「払渡し又は引渡しの前」に必要である。

問題3
民法304条第1項で差押えをしなければならないのは、先取特権者である。
正解:○
【解説】
【正解となる理由】条文は「先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない」と定めている。

問題4
物上代位をする場合、払渡し又は引渡しの前に差押えをする必要はない。
正解:×
【解説】
【誤りとなる理由】304条第1項は、払渡し又は引渡しの前の差押えを必要としている。

重要ポイント③|民法369条第1項・抵当権の内容

条文

民法369条第1項
抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

説明

抵当権は、不動産を担保に入れても、その不動産を債権者に渡さず、債務者側がそのまま使える担保権です。例えば、土地を借金の担保に入れても、土地の占有を抵当権者へ移す必要はなく、所有者側がその土地を使い続けられます。その一方で、返済されない場合には、抵当権者はその不動産から他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受けることができます。

試験で覚えるポイント

・不動産を担保に供する者は「債務者又は第三者」。
・「占有を移転しないで」担保に供する。
・抵当権者は「他の債権者に先立って」弁済を受ける。
・弁済を受けるのは「自己の債権」。

本試験でのひっかけ・問われ方

問題文では、まず不動産を担保に入れたのが債務者本人なのか第三者なのかを確認します。次に、その不動産の占有が抵当権者へ移っているという記載がないかを確認します。最後に、抵当権者が優先して弁済を受けるのは「自己の債権」であることを確認します。

この論点を狙う固有の出題パターン

「債務者又は第三者」を「債務者のみ」に変更する出題があります。また、「占有を移転しないで」を「占有を移転して」に変更することがあります。さらに、「自己の債権」を「第三者の債権」に変更して正誤を問うことがあります。

出題パターン①|担保提供者を変更する

本来のルール
不動産を担保に供する者は「債務者又は第三者」である。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
第三者による担保提供を認めない内容に変更する。

具体的な変更内容
「債務者又は第三者」を「債務者」に変更する。

出題パターン②|占有の状態を変更する

本来のルール
不動産は「占有を移転しないで」担保に供する。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
占有を移転する担保に変更する。

具体的な変更内容
「占有を移転しないで」を「占有を移転して」に変更する。

出題パターン③|優先関係を変更する

本来のルール
抵当権者は他の債権者に先立って弁済を受ける。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
優先して弁済を受ける関係を逆にする。

具体的な変更内容
「他の債権者に先立って」を「他の債権者に劣後して」に変更する。

出題パターン④|弁済の対象を変更する

本来のルール
抵当権者は自己の債権の弁済を受ける。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
弁済を受ける債権を別人の債権に変更する。

具体的な変更内容
「自己の債権」を「第三者の債権」に変更する。

宅建試験ではここが狙われやすい

369条第1項は、**「占有を移転しない不動産担保」**という抵当権の基本を押さえます。「債務者又は第三者」と「他の債権者に先立って自己の債権」もセットで覚えます。問題文では、この3つのどこが変更されているかを確認します。

一問一答

問題1
抵当権の目的となる不動産を担保に供する者は、債務者に限られない。
正解:○
【解説】
【正解となる理由】369条第1項は、「債務者又は第三者」が不動産を担保に供する場合を定めている。

問題2
抵当権は、不動産の占有を抵当権者へ移転することによって成立する担保権である。
正解:×
【解説】
【誤りとなる理由】369条第1項は、「占有を移転しないで」不動産を担保に供することを前提としている。

問題3
抵当権者は、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
正解:○
【解説】
【正解となる理由】369条第1項が、抵当権者についてこの優先弁済を受ける権利を定めている。

問題4
抵当権者は、他の債権者に先立って、債務者の第三者に対する債権の弁済を受ける権利を有する。
正解:×
【解説】
【誤りとなる理由】369条第1項で弁済を受ける対象は「自己の債権」である。

重要ポイント④|民法372条・留置権等の規定の準用

条文

民法372条
第二百九十六条、第三百四条及び第三百五十一条の規定は、抵当権について準用する。

説明

372条は、抵当権について、別の担保物権にある3つのルールを使うことを定めた条文です。296条は「債権の全部を払ってもらうまでは留置物全部について権利を行使できる」という留置権の不可分性、304条は「目的物が売却などで金銭等に変わったとき、その金銭等にも権利を及ぼせる」という物上代位、351条は「他人の債務の担保として質権を設定した者が、弁済等をした場合に債務者へ求償できる」という物上保証人の求償権を定めています。つまり、372条は単に「296・304・351」と暗記するのではなく、296条=不可分性、304条=物上代位、351条=物上保証人の求償権という中身まで覚える条文です。

試験で覚えるポイント

・296条=留置権の不可分性。債権全部の弁済を受けるまでは、留置物全部について権利を行使できる。
・304条=物上代位。目的物の売却・賃貸・滅失・損傷によって生じた金銭その他の物に対しても権利を行使できる。
・351条=物上保証人の求償権。他人の債務を担保するため質権を設定した者が、弁済等をした場合に債務者へ求償できる。
・372条は、この296条・304条・351条を「抵当権について」準用する。

本試験でのひっかけ・問われ方

372条が出たら、まず「296条・304条・351条」という3つの番号が正しいかを確認します。次に、296条・304条・351条がそれぞれ何について定めている条文なのかを確認します。最後に、その3つの規定を準用する対象が「抵当権」であることを確認します。

この論点を狙う固有の出題パターン

372条では、条文番号とその内容を入れ替えて出題することがあります。特に「304条=物上代位」「351条=物上保証人の求償権」の組合せを変更してくる問題に注意します。また、準用先を抵当権以外の担保物権に変更する問題にも注意します。

出題パターン①|296条の内容を変更する

本来のルール
296条は留置権の不可分性に関する規定である。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
296条の内容を304条の内容と入れ替える。

具体的な変更内容
「296条=留置権の不可分性」を「296条=物上代位」に変更する。

出題パターン②|304条の内容を変更する

本来のルール
304条は物上代位に関する規定である。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
304条の内容を296条や351条の内容に変更する。

具体的な変更内容
「304条=物上代位」を「304条=物上保証人の求償権」に変更する。

出題パターン③|351条の内容を変更する

本来のルール
351条は物上保証人の求償権に関する規定である。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
351条を物上代位など別の制度の規定に変更する。

具体的な変更内容
「351条=物上保証人の求償権」を「351条=物上代位」に変更する。

出題パターン④|準用先を変更する

本来のルール
296条・304条・351条は、抵当権について準用される。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
「抵当権」を別の担保物権に変更する。

具体的な変更内容
「296条、304条及び351条の規定は、抵当権について準用する」を「先取特権について準用する」に変更する。

宅建試験ではここが狙われやすい

372条は、条文番号と内容をセットで覚えます。296条=留置権の不可分性、304条=物上代位、351条=物上保証人の求償権です。そして、この3つを抵当権について準用するのが372条です。

一問一答

問題1
民法372条は、296条、304条及び351条の規定を抵当権について準用すると定めている。
正解:○
【解説】
【正解となる理由】372条は、296条・304条・351条の3つの規定を抵当権について準用すると明記している。

問題2
民法304条は、留置権の不可分性に関する規定である。
正解:×
【解説】
【誤りとなる理由】304条は物上代位に関する規定であり、留置権の不可分性は296条である。

問題3
民法351条は、物上保証人の求償権に関する規定である。
正解:○
【解説】
【正解となる理由】351条は、他人の債務を担保するため質権を設定した者について、一定の場合に債務者への求償権を認めている。

問題4
民法372条は、296条、304条及び351条の規定を先取特権について準用すると定めている。
正解:×
【解説】
【誤りとなる理由】372条の準用先は「先取特権」ではなく「抵当権」である。

重要ポイント⑤|民法376条第1項・抵当権の処分

条文

民法376条第1項
抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。

説明

376条第1項は、抵当権者が自分の持っている抵当権を、別の債権のために使ったり、別の債権者に有利になるように処分したりできるというルールです。例えば、Aが持っている抵当権を、Bから借りた別の借金の担保にすることができます。また、同じ債務者に対して債権を持つ別の債権者のために、自分の抵当権やその順位を譲渡・放棄することもできます。

試験で覚えるポイント

・主体は「抵当権者」。
・抵当権を「他の債権の担保」にできる。
・同一の債務者に対する他の債権者の利益のために処分できる。
・処分できるのは「その抵当権」または「その順位」。
・処分方法は「譲渡」または「放棄」。

本試験でのひっかけ・問われ方

問題文では、まず抵当権を処分する者が抵当権者なのかを確認します。次に、他の債権の担保にする場合と、同一の債務者に対する他の債権者の利益のために処分する場合を区別します。最後に、「抵当権」だけでなく「その順位」も譲渡・放棄できることを確認して正誤を判断します。

この論点を狙う固有の出題パターン

問題文では、「同一の債務者に対する他の債権者」という限定を別の債権者へ変更してきます。また、「抵当権若しくはその順位」の一方を削除する変更があります。さらに、抵当権者を債務者に変更したり、譲渡・放棄を別の行為に変更したりします。

出題パターン①|利益を受ける債権者を変更する

本来のルール
同一の債務者に対する他の債権者の利益のために処分できる。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
「同一の債務者」という限定を外す。

具体的な変更内容
「同一の債務者に対する他の債権者」を「すべての債権者」に変更する。

出題パターン②|処分できる対象を変更する

本来のルール
「その抵当権若しくはその順位」を譲渡・放棄できる。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
「その順位」を処分対象から外す。

具体的な変更内容
「その抵当権若しくはその順位」を「その抵当権のみ」に変更する。

出題パターン③|処分方法を変更する

本来のルール
抵当権またはその順位を「譲渡し、若しくは放棄する」ことができる。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
譲渡・放棄以外の行為に変更する。

具体的な変更内容
「譲渡し、若しくは放棄する」を「消滅させる」に変更する。

出題パターン④|処分する主体を変更する

本来のルール
抵当権を処分できるのは抵当権者である。

【試験では、どこをどのように変更してくるか】
主体を債務者などに変更する。

具体的な変更内容
「抵当権者は」を「債務者は」に変更する。

宅建試験ではここが狙われやすい

376条第1項は、まず「抵当権者が処分する」という主体を覚えます。次に、「その抵当権」だけでなく「その順位」も譲渡・放棄できることを覚えます。さらに、「同一の債務者に対する他の債権者の利益」という限定を落とさないことが重要です。

一問一答

問題1
抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とすることができる。
正解:○
【解説】
【正解となる理由】376条第1項は、抵当権者がその抵当権を他の債権の担保とすることができると定めている。

問題2
抵当権者は、同一の債務者に対する他の債権者の利益のために、その抵当権を譲渡することができない。
正解:×
【解説】
【誤りとなる理由】376条第1項は、そのような利益のために抵当権を譲渡し、または放棄することを認めている。

問題3
抵当権者は、同一の債務者に対する他の債権者の利益のために、その抵当権の順位を譲渡し、又は放棄することができる。
正解:○
【解説】
【正解となる理由】376条第1項は、抵当権だけでなく「その順位」についても譲渡・放棄できると定めている。

問題4
民法376条第1項では、債務者が抵当権またはその順位を譲渡し、又は放棄することができる。
正解:×
【解説】
【誤りとなる理由】抵当権またはその順位を譲渡・放棄できる主体は「抵当権者」である。

まとめ

民法304条・369条・372条・376条は、条文番号だけでなく、具体的な場面とルールを結び付けて覚えることが重要です。特に372条は、296条=留置権の不可分性、304条=物上代位、351条=物上保証人の求償権までセットで覚えます。


 

 ここが出る突破ポイント  権利関係  宅建業法  法令上の制限  税・その他
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次