宅建業法のクーリング・オフでは、書面で告げられた日から8日、解除書面を発信した時に効力が生じるという二つのポイントを区別します。平成27年問39第1肢では、7日目に解除書面を発送し、売主へ到達したのが9日目という設定が使われています。この場合は7日目の発送時に解除の効力が生じるため、9日目に到達したことを理由に解除できないとは判断しません。
クーリング・オフができなくなる条件も、8日経過だけではありません。資料では、物件の引渡しを受け、かつ、代金全部を支払った場合にもクーリング・オフができなくなると整理されています。「引渡しだけ」「代金全額支払いだけ」へ条件を減らした選択肢に注意が必要です。
平成27年問39では、クーリング・オフのほか、契約不適合責任、業者間取引における損害賠償額の予定も問われています。第3肢では買主も宅建業者なので8種制限の20%上限が適用されず、30%の予定額でも違反しないことが正解の決め手です。この記事ではクーリング・オフを中心に、本問を解くために必要な8種制限だけを整理します。
問題文を読んだら最初に何を見るか
クーリング・オフの問題では、最初に買主が宅建業者ではないかを確認します。平成27年問39第1肢では買主Bは宅建業者ではないため、クーリング・オフによる解除が可能な場面として処理します。この章では、期間や発送日を計算する前に確認する条件を整理します。
次に確認するのは、クーリング・オフについて書面で告げられた日と、解除書面を発送した日です。期間の問題では「到達日」が目立つように書かれていても、資料では解除の効力は書面を発信した時に生じます。したがって、発送日と到達日を必ず分けて読んでください。
さらに、すでに物件の引渡しと代金全部の支払いが済んでいないかを確認します。資料ではこの二つがそろった場合、8日以内であってもクーリング・オフできなくなる条件として整理されています。問題文で「引渡し」「代金全部」という語句が出たら、両方そろっているかを確認します。
問題文で注目する語句を整理します。この表を見る目的は、期間・効力・終了条件を一つに混ぜないことです。特に「8日」「発送」「到達」「かつ」を確認してください。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 買主は宅建業者ではない | 8種制限の適用を確認 |
| 書面で告げられた日 | 8日の起算を確認 |
| 7日目 | 8日経過前か確認 |
| 書面を発送 | クーリング・オフの効力発生を確認 |
| 9日目に到達 | 発送時と混同しない |
| 8日経過 | クーリング・オフできなくなる条件 |
| 物件の引渡し | 代金全部の支払いとセットで確認 |
| 代金全部を支払った | 引渡しとセットで確認 |
| 「かつ」 | 二条件が両方必要 |
| 買主も宅建業者 | 8種制限の適用除外を確認 |
この表で特に重要なのは、8日は期間、発送は効力、引渡し+代金全額支払いは終了条件という役割の違いです。同じクーリング・オフの問題でも、どの段階が問われているのかによって見る語句が異なります。一つの数字だけで全部の肢を処理しないでください。
本試験では次の順番で処理します。期間計算から始めるのではなく、対象者と終了条件を先に確認すると判断が安定します。この順番を平成27年問39第1肢へ当てはめると、7日目発送の意味を正しく処理できます。
・① 買主が宅建業者か確認する
・② クーリング・オフの対象となる取引か確認する
・③ 書面による告知日を確認する
・④ 告知日から8日経過したか確認する
・⑤ 引渡しと代金全額支払いが両方済んでいるか確認する
・⑥ 解除書面をいつ発送したか確認する
・⑦ 到達日ではなく発信時を基準に効力を判断する
この順番では、売主へいつ届いたかを最初に見ないことが重要です。平成27年問39では7日目発送なら、その時点で解除の効力が生じるため9日目到達でも問題ありません。発送日→到達日ではなく、発送時点で効力発生と処理してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
クーリング・オフでは、発送と到達の入れ替えが最も狙われます。「8日以内に相手へ到達しなければならない」と変更されると、民法上の意思表示の一般的な感覚から正しそうに見えますが、資料では発信時に効力が生じます。問題文に発送日と到達日が両方書かれていたら、発送日を優先して確認してください。
さらに、「引渡しを受けたとき」だけ、「代金全部を支払ったとき」だけでクーリング・オフできなくなるように条件を削るひっかけにも注意します。資料では引渡しを受け、かつ、代金全部を支払ったときなので二条件が必要です。👉 対象者→8日→引渡し+全額支払い→発送時の順番で確認すると、時期と条件のすり替えを見抜きやすくなります。
クーリング・オフの8日|書面による告知日から判断する
クーリング・オフでは、資料上、書面による告知日から起算して8日を経過したときに解除できなくなります。平成27年問39第1肢では、告知日から7日目に解除書面を発送しているため、8日経過前の行為として判断します。この章では「8日以内」「7日目」「9日目」の数字を整理します。
問題文では、解除書面が売主へ到達した日を9日目としています。この9日という数字だけを見ると、8日を超えているため解除できないように感じます。しかし、効力発生の基準は後で確認する発送時なので、7日目に発送していれば期間内です。
ここで重要なのは、8日という数字が「売主へ到達するまでの期間」ではないことです。8日はクーリング・オフができなくなる時期を考えるための数字であり、解除の効力がいつ生じるかは別に確認します。期間の数字と効力発生時点を分けることが必要です。
数字を比較します。この表を見る目的は、平成27年問39第1肢の7日・8日・9日の役割を区別することです。数字の大小だけで判断しないでください。
| 数字 | 本問での意味 |
| 7日目 | 解除書面を発送 |
| 8日 | クーリング・オフ期間の基準 |
| 9日目 | 売主へ解除書面が到達 |
| 判断 | 7日目の発送時に効力発生 |
この表では「9>8だから解除不可」という計算をしないことがポイントです。比較すべきなのは8日と到達日ではなく、クーリング・オフの意思表示をいつ発信したかです。本試験では数字の役割を変えられていないかを確認してください。
例題1
クーリング・オフについて書面で告げられた日から7日目に解除書面を発送した場合、期間の点ではクーリング・オフが可能である。
解答・判断ポイント
正解:○
7日目は8日経過前です。発送時点を確認します。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
平成27年問39第1肢の基本判断です。
例題2
クーリング・オフの解除書面は、書面による告知日から8日以内に売主へ到達しなければならない。
解答・判断ポイント
正解:×
資料では解除の効力は書面を発信した時に生じます。
誤肢分析
誤っている語句
「売主へ到達しなければならない」
正しい修正
「期間内に解除書面を発信する」
発送と到達を入れ替えた誤肢です。
例題3
告知日から7日目に発送し、9日目に売主へ到達した場合は、9日目到達なのでクーリング・オフできない。
解答・判断ポイント
正解:×
7日目の発送時に効力が生じます。
誤肢分析
誤っている語句
「9日目到達なので」
正しい修正
「7日目の発送時に効力が生じるため」
平成27年問39第1肢の数字をそのまま使った典型的な誤肢です。
例題4
クーリング・オフでは、8日という数字を見るだけでなく、その数字が発送期限なのか到達期限なのかを確認する。
解答・判断ポイント
正解:○
期間と効力発生時点を区別するための判断方法です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
数字の意味まで確認する問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
8日の問題では、正しい8日という数字を残したまま、到達期限へ意味を変更する誤肢が狙われます。数字自体が正しいため、「8日」と見ただけで○にすると判断を誤ります。本試験では8日の直後に「何をするまでの期間」と書かれているかを確認してください。
また、7日目発送・9日目到達のように8日を挟む数字を意図的に配置する方法も使われます。👉 7日目発送→発送時に効力→9日目到達は問題なしと処理すれば、数字の大小に惑わされません。8日という数字より、解除書面をいつ発信したかを見ることが重要です。
クーリング・オフの効力|書面を発信した時に生じる
資料では、クーリング・オフによる解除の効果は申込者等が書面を発信した時に生じると整理されています。つまり、相手方へ解除書面が到達するまで効力が発生しないわけではありません。この章では、発信主義を使った平成27年問39第1肢の判断を深掘りします。
第1肢では、買主Bが書面で告げられた日から7日目に解除書面を発送しています。そのため、Bがポストへ投函するなどして書面を発信した時点でクーリング・オフの効力が生じます。Aへ届いた日が9日目であることは、この効力発生を妨げません。
本試験では「発送」「到達」「受領」の三つが混ぜられることがあります。発送は買主側の行為、到達は売主側へ届いた時点、受領は売主が受け取った事実なので、同じ時期とは限りません。クーリング・オフでは、資料上発送した時点を確認してください。
比較表で整理します。この表を見る目的は、解除書面についてどの時点が正誤判断に必要なのかを確認することです。似た語句を一つにまとめないでください。
| 表現 | 判断 |
| 書面を発送した | 効力発生を確認 |
| 売主へ到達した | 効力発生の基準ではない |
| 売主が受領した | 効力発生の基準ではない |
| 発信時 | クーリング・オフの効力発生 |
この表では、相手方が書面を実際に読んだかどうかも判断基準にしません。問題文の後半に「売主は知らなかった」「受領は後日だった」などと書かれていても、発信時という基準へ戻ります。効果の発生と相手方の認識を混同しないことが必要です。
例題5
クーリング・オフの解除は、解除書面が宅建業者へ到達した時に初めて効力を生じる。
解答・判断ポイント
正解:×
資料では書面を発信した時に効力が生じます。
誤肢分析
誤っている語句
「到達した時」
正しい修正
「発信した時」
発信と到達を入れ替えた最重要誤肢です。
例題6
買主が期間内に解除書面を発送した後、宅建業者へ到達するまでに8日を経過しても、発送時に効力が生じていれば解除できる。
解答・判断ポイント
正解:○
発送時にクーリング・オフの効力が生じます。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
平成27年問39第1肢を一般化した判断です。
例題7
クーリング・オフでは、宅建業者が解除書面を読んだ時点を基準に効力を判断する。
解答・判断ポイント
正解:×
宅建業者が読んだ時点ではなく、申込者等が発信した時を確認します。
誤肢分析
誤っている語句
「宅建業者が解除書面を読んだ時点」
正しい修正
「申込者等が解除書面を発信した時点」
相手方の認識を効力発生条件へ変えた誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
効力発生では、発信・到達・受領を入れ替えるひっかけが中心です。特に「相手に意思表示が届いて初めて効力がある」という一般的な感覚に引っ張られると、到達を選びやすくなります。クーリング・オフでは発信時と固定してください。
平成27年問39では、9日目到達という不要に見える情報が重要なひっかけとして使われています。👉 何日目に発送したか→発送時に効力→到達日は切り離すという順番で確認してください。問題文に複数の日付がある場合、すべてが正誤判断に同じ重要度を持つわけではありません。
引渡しと代金全部の支払い|「かつ」を確認する
クーリング・オフができなくなるのは、8日経過だけではありません。資料では、物件の引渡しを受け、かつ、代金全部を支払ったときもクーリング・オフできなくなると整理されています。この章では、この二条件を一つずつ削る誤肢への対策を確認します。
重要なのは「かつ」という接続です。物件の引渡しだけが終わっていても、資料に示された終了条件の二つがそろったとはいえません。同様に代金全部を支払っただけでも、引渡しが済んでいなければ二条件完成とはなりません。
試験では、「引渡しを受けたとき」「代金全部を支払ったとき」のどちらか一方だけでクーリング・オフできなくなるとする文章が作れます。さらに「代金の一部を支払ったとき」と金額条件を弱める誤肢にも注意が必要です。引渡し+代金全部を一組として確認してください。
終了条件を比較します。この表を見る目的は、どの組合せなら資料上の条件が完成するかを確認することです。「どちらか」ではなく「両方」を見ます。
| 状況 | 判断 |
| 引渡しのみ | 二条件そろっていない |
| 代金全部支払いのみ | 二条件そろっていない |
| 引渡し+代金一部支払い | 二条件そろっていない |
| 引渡し+代金全部支払い | クーリング・オフできなくなる |
この表では、代金支払いの「全部」という語句も重要です。支払いがあるかないかではなく、全部支払っているかを確認する必要があります。問題文で金額や残代金が示されていたら、全部支払い済みかを判断してください。
例題8
買主が物件の引渡しを受けた時点で、代金をまだ全額支払っていなくてもクーリング・オフできなくなる。
解答・判断ポイント
正解:×
資料では引渡しと代金全部の支払いの両方が必要です。
誤肢分析
誤っている語句
「引渡しを受けた時点で」
正しい修正
「引渡しを受け、かつ、代金全部を支払った時点で」
「かつ」の一条件を削った誤肢です。
例題9
買主が代金を全額支払えば、物件の引渡し前でもクーリング・オフできなくなる。
解答・判断ポイント
正解:×
引渡しも必要です。
誤肢分析
誤っている語句
「物件の引渡し前でも」
正しい修正
「物件の引渡しも受けた場合には」
もう一方の条件を削った誤肢です。
例題10
物件の引渡しを受け、かつ、代金全部を支払った場合は、クーリング・オフできなくなる。
解答・判断ポイント
正解:○
資料に示された終了条件です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
二条件を一組で確認する基本問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
終了条件では、「かつ」を「または」に変えるひっかけが最も典型的です。条文形式の問題では接続詞だけを変更しても文章全体が自然なので、数字より見落としやすくなります。引渡しと代金全部支払いが両方書かれているか確認してください。
また、「代金全部」を「代金の一部」「手付金」と変更する方法にも注意します。👉 引渡し+全部支払いという二語をセットで確認すれば、条件を弱めた選択肢を切りやすくなります。クーリング・オフでは日数だけでなく、終了条件の完成も必ず確認してください。
買主が宅建業者の場合|8種制限は適用されない
平成27年問39第3肢では、買主も宅建業者であるため8種制限が適用されないことがポイントです。資料では損害賠償額の予定に関する規定も業者間取引には適用されず、代金の30%とすることも可能とされています。この章では、クーリング・オフを含む8種制限で対象者を確認する意味を整理します。
一般買主であれば損害賠償額の予定は代金の20%が上限です。しかし買主も宅建業者なら、この8種制限は適用されません。したがって30%という数字だけを見て違反と判断すると、第3肢を誤ります。
クーリング・オフでも同じく、8種制限を適用する前に買主の属性を確認することが必要です。平成27年問39第1肢・第2肢では買主が宅建業者ではないため8種制限を使い、第3肢では買主も宅建業者なので外します。肢ごとに買主の属性を確認することが重要です。
比較表で整理します。この表を見る目的は、8日・20%・2年などの数字を使う前に対象者を確定することです。正しい数字でも業者間なら使わない場合があります。
| 買主 | 8種制限 |
| 宅建業者ではない | 適用を確認 |
| 宅建業者 | 適用されない |
| 一般買主の損害賠償予定 | 20%上限 |
| 業者間取引 | 20%制限なし |
この表では、20%という数字を絶対的な上限として覚えないことが重要です。一般買主との取引で使う数字であり、業者間取引では第3肢のように30%でも可能です。対象者と数字を必ずセットにしてください。
例題11
宅建業者同士の売買では、損害賠償額の予定を代金額の30%とすることは8種制限上許されない。
解答・判断ポイント
正解:×
業者間取引では8種制限の20%上限は適用されません。
誤肢分析
誤っている語句
「許されない」
正しい修正
「業者間取引では8種制限の20%上限は適用されない」
平成27年問39第3肢を逆転した誤肢です。
例題12
買主が宅建業者ではない場合、損害賠償額の予定は代金額の20%が上限となる。
解答・判断ポイント
正解:○
資料に示された一般買主の場合の上限です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
20%を対象者とセットで確認する問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
8種制限では、数字を変えず買主の属性だけを入れ替える誤肢が狙われます。20%という正しい数字が書かれていても、買主が宅建業者ならその規制を適用しません。本試験では数字を見る前に買主が宅建業者かを確認してください。
平成27年問39では、第1・第2・第4肢と第3肢で対象者の扱いが異なります。👉 買主の属性→8種制限の適用→具体的な数字という順番を固定すれば、クーリング・オフ以外の肢にも同じ判断方法を使えます。正しい規制を知るだけでなく、誰に適用する規制なのかまで固定することが必要です。
契約不適合責任|「引渡しから2年以上」を確認
平成27年問39第2肢と第4肢では、契約不適合責任に関する特約が問われています。資料では、宅建業者が自ら売主となり買主が宅建業者ではない場合、民法より買主に不利な特約は原則として認められません。この章では、本問でクーリング・オフと一緒に問われた2年のひっかけを整理します。
例外として資料に示されているのは、買主が不適合について売主へ通知するまでの期間を引渡しから2年以上とする特約です。第2肢の「契約不適合担保責任を負わない」という特約は買主に不利なので無効となります。買主が建物を短期間で取り壊す予定であっても特別扱いされません。
第4肢では、契約締結日から2年間という一見正しい「2年」が使われています。しかし引渡しが契約締結の1か月後なので、引渡しから見ると1年11か月しかありません。そのため、基準となる時期を契約締結日から引渡し日へ戻して判断する必要があります。
数字と起算点を整理します。この表を見る目的は、2年という数字だけで○にしないことです。本試験では起算点を変えるだけで誤肢を作れます。
| 特約 | 判断 |
| 責任を一切負わない | 無効 |
| 引渡しから2年以上 | 認められる |
| 契約締結から2年 | 引渡日との関係を確認 |
| 引渡しから1年11か月 | 2年未満で無効 |
この表では、数字と起算点を一組で確認してください。「2年」という数字が書かれていても、契約締結日からなのか引渡し日からなのかで結論が変わります。期間問題では、数字より前にいつから数えるかを確認します。
例題13
契約不適合について買主が売主へ通知する期間を、引渡しから2年以上とする特約は認められる。
解答・判断ポイント
正解:○
資料に示された例外です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
2年と起算点をセットで確認する問題です。
例題14
通知期間を契約締結日から2年間とすれば、引渡し日がその1か月後でも有効である。
解答・判断ポイント
正解:×
引渡しから見ると1年11か月しかありません。
誤肢分析
誤っている語句
「契約締結日から2年間」
正しい修正
「引渡しから2年以上」
数字を変えず起算点だけ変更した誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
契約不適合責任では、2年という正しい数字を残して起算点だけ変更するひっかけが狙われます。平成27年問39第4肢はまさにこの形で、「契約締結から2年」としているため一見正しく見えます。本試験では期間の数字と同時に、どの日から数えるのかを確認してください。
さらに、第2肢では買主の事情を例外条件に見せています。👉 一般買主→買主に不利な特約か→引渡しから2年以上かの順番で確認してください。取り壊す予定などの個別事情に引っ張られず、資料上の例外条件へ戻ることが重要です。
過去問分析
この過去問では、8日・発信時・20%・引渡しから2年以上という8種制限の頻出ポイントが一問にまとめられています。第1肢ではクーリング・オフ、第2・第4肢では契約不適合責任、第3肢では業者間取引の損害賠償額の予定が問われています。この章では、正誤を分ける語句を中心に平成27年問39を整理します。
本問の正解は3です。第1肢は9日目到達でも7日目発送なので解除可能、第2肢は責任免除特約が無効、第3肢は業者間なので30%の損害賠償予定も可能、第4肢は引渡しから2年未満なので無効となります。数字だけでなく、対象者・効力発生時・起算点を確認することが必要です。
最初に確認する語句
問題文では、買主が宅建業者か、7日目発送、9日目到達、責任を負わない、30%、契約締結日から2年を最初に確認します。
平成27年(2015年)問39
宅地建物取引業者Aが自ら売主となる売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者でない買主Bが、法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフについてAより書面で告げられた日から7日目にクーリング・オフによる契約の解除の書面を発送し、9日目にAに到達した場合は、クーリング・オフによる契約の解除をすることができない。
- 宅地建物取引業者でない買主Cとの間で土地付建物の売買契約を締結するに当たって、Cが建物を短期間使用後取り壊す予定である場合には、その建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を負わない旨の特約を定めることができる。
- 宅地建物取引業者Dとの間で締結した建築工事完了前の建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を代金の額の30%と定めることができる。
- 宅地建物取引業者でない買主Eとの間で締結した宅地の売買契約において、当該宅地の引渡しを当該売買契約締結の日の1月後とし、当該宅地が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合に、当該不適合についてEがAに通知すべき期間について、当該売買契約を締結した日から2年間とする特約を定めることができる。
正解:3
解説
第1肢は発送時、第2・第4肢は契約不適合責任の特約、第3肢は業者間取引を確認します。四肢で同じ数字を使うのではなく、それぞれ対象者・時期・原則例外を分けて判断します。
各肢の正誤理由
◆1(誤り)
買主Bは宅建業者ではないため、クーリング・オフの対象として判断します。告知日から7日目に解除書面を発送しているので、その時点で効力が生じ、9日目に到達しても問題ありません。
◆2(誤り)
買主Cは宅建業者ではないため、買主に不利な契約不適合責任の特約は原則として認められません。「責任を負わない」という特約は無効であり、短期間使用後に取り壊す予定でも結論は変わりません。
◆3(正しい)
買主も宅建業者なので業者間取引です。損害賠償額の予定について8種制限の20%上限は適用されず、代金の30%と定めることもできます。
◆4(誤り)
通知期間を契約締結日から2年としていますが、引渡日は契約締結の1か月後です。引渡しから見ると1年11か月なので、認められる「引渡しから2年以上」を満たしません。
問題作成者のひっかけポイント
第1肢では、8日という数字を知っている受験生に9日目到達を見せて×と判断させます。しかし正誤を分けるのは到達日ではなく7日目の発送です。正しい数字の比較対象を変更することがひっかけになっています。
第2肢では、「短期間使用後に取り壊す予定」という個別事情を追加しています。建物を長く使用しないなら責任を免除しても問題なさそうに見えますが、資料上その事情は特別扱いされません。買主の事情を法定例外へ置き換える誤肢です。
第3肢では30%という大きな数字を見せています。一般買主なら20%上限なので違反に見えますが、買主も宅建業者という条件によって8種制限が外れます。数字を計算させる前に対象者を確認できるかが問われています。
第4肢では、正しい「2年」という数字を残したまま起算点を変更しています。契約締結から2年ではなく、資料上の例外は引渡しから2年以上です。数字そのものを暗記している受験生を狙った典型的な時期の入れ替えです。
受験生が迷う理由
本問では、数字が多いことより数字の役割が違うことが混乱の原因です。8日はクーリング・オフ、20%は一般買主との損害賠償額の予定、2年は契約不適合責任の通知期間に関係します。同じ8種制限でも、それぞれの数字を交換して使うことはできません。
さらに、第1肢と第4肢では「いつ」を問う方法が異なります。第1肢は発送と到達、第4肢は契約締結日と引渡し日なので、時期に関する語句を正確に読む必要があります。期間問題では数字の横に起算点や効力発生時を必ず書き足してください。
正しい判断手順
第1肢では買主が一般人であることを確認し、告知日から7日目発送なので期間内と判断します。次に効力は発信時に生じるため、9日目到達を無視して肢を誤りと判断します。8日と到達日を直接比較しません。
第2肢では一般買主との取引なので、買主に不利な特約かを確認します。責任を負わないという全面免責は認められず、買主の使用予定を例外にしません。第3肢では買主も業者なので8種制限を外し、30%でも可能と判断します。
第4肢では最初に「2年」という数字より起算点を確認します。契約締結日から2年では引渡しから1年11か月になるため、例外条件を満たしません。最終的に1×・2×・3○・4×となり、正解は3です。
類似問題で使える知識
クーリング・オフの類似問題では、8日・発送・到達・引渡し・代金全部という語句を分解してください。特に「かつ」を「または」へ変更する誤肢や、発送を到達へ変更する肢に同じ判断方法を使えます。数字の暗記より条件の組合せを見ることが重要です。
契約不適合責任では、2年と引渡しを一組で確認します。損害賠償額の予定では、20%より先に買主が宅建業者かを確認します。数字の前に対象者と起算点を見るという方法は、本問の四肢すべてに共通して使えます。
宅建試験ではここが狙われやすい
平成27年問39では、正しい数字を残したまま時期・対象者・起算点を変更する誤肢が中心です。第1肢は8日を到達と結び付け、第3肢は20%を業者間へ適用させ、第4肢は2年の起算点を契約締結日に変えています。数字だけを覚えている受験生ほど、文章全体の条件変更を見落としやすくなります。
特に第1肢では7日目発送と9日目到達の両方が書かれているため、どちらを見るべきかを判断する必要があります。👉 買主属性→数字の対象→起算点・効力発生時→原則例外の順番で確認してください。どの数字が変更されたかではなく、正しい数字が何と結び付けられているかを見ることが重要です。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
ここではクーリング・オフを中心に、8日・発送・到達・引渡し・代金全部・業者間取引を組み合わせた本試験型の問題を確認します。単純な定義問題だけではなく、平成27年問39で使われた時期や対象者の入れ替えを中心にしています。誤りの場合は、どの語句を修正すれば正しい文章になるかまで確認してください。
問題1
クーリング・オフについて書面で告げられた日から7日目に解除書面を発送した場合、期間内の行為として判断する。
正解:○
8日経過前に発送しています。
問題2
クーリング・オフの解除書面は、8日以内に宅建業者へ到達しなければならない。
正解:×
効力は発信時に生じます。
誤っている語句
「宅建業者へ到達」
正しい修正
「期間内に発信」
問題3
7日目に解除書面を発送し、9日目に売主へ到達した場合は解除できない。
正解:×
7日目の発送時に効力が生じます。
誤っている語句
「9日目に到達した場合は解除できない」
正しい修正
「7日目の発送時に解除の効力が生じる」
問題4
クーリング・オフの効力は、宅建業者が解除書面を受け取った時に生じる。
正解:×
発信時です。
誤っている語句
「受け取った時」
正しい修正
「申込者等が発信した時」
問題5
解除書面が宅建業者へ9日目に到達しても、7日目に発送していれば平成27年問39第1肢では解除できる。
正解:○
発信時に効力が生じるためです。
問題6
物件の引渡しを受ければ、代金を全部支払っていなくてもクーリング・オフできなくなる。
正解:×
引渡しと代金全部の支払いの両方が必要です。
誤っている語句
「代金を全部支払っていなくても」
正しい修正
「かつ、代金全部を支払った場合に」
問題7
代金を全額支払えば、物件の引渡し前でもクーリング・オフできなくなる。
正解:×
引渡しも必要です。
誤っている語句
「物件の引渡し前でも」
正しい修正
「物件の引渡しも受けた場合に」
問題8
物件の引渡しを受け、かつ、代金全部を支払った場合はクーリング・オフできなくなる。
正解:○
資料に示された終了条件です。
問題9
引渡しを受け、代金の一部を支払った場合は、代金支払いがあるためクーリング・オフできなくなる。
正解:×
必要なのは代金全部の支払いです。
誤っている語句
「代金の一部」
正しい修正
「代金全部」
問題10
クーリング・オフでは「引渡し」と「代金全部の支払い」を「かつ」で確認する。
正解:○
どちらか一方だけでは資料上の終了条件を満たしません。
問題11
買主も宅建業者であれば、8種制限の適用関係が変わる。
正解:○
業者間取引では8種制限を適用しません。
問題12
宅建業者間の売買でも、損害賠償額の予定は必ず代金額の20%以下でなければならない。
正解:×
業者間では8種制限の20%上限は適用されません。
誤っている語句
「宅建業者間の売買でも」「必ず」
正しい修正
「買主が宅建業者ではない場合には」
問題13
一般買主との売買では、損害賠償額の予定は代金額の20%が上限となる。
正解:○
資料に示された一般買主の場合の基準です。
問題14
買主が建物を短期間使用した後に取り壊す予定なら、売主が契約不適合責任を一切負わない特約も有効となる。
正解:×
買主の使用予定を特別扱いしません。
誤っている語句
「有効となる」
正しい修正
「買主に不利な全面免責特約は無効となる」
問題15
契約不適合について買主が売主へ通知する期間を、引渡しから2年以上とする特約は認められる。
正解:○
資料に示された例外です。
問題16
通知期間を契約締結日から2年とすれば、引渡しが1か月後でも常に有効である。
正解:×
引渡しからは1年11か月となります。
誤っている語句
「契約締結日から2年」
正しい修正
「引渡しから2年以上」
問題17
8日と2年は、数字だけでなく起算点まで確認する。
正解:○
クーリング・オフと契約不適合責任では見る時期が異なります。
問題18
平成27年問39第3肢では、30%という数字だけを見れば違反と判断できる。
正解:×
買主も宅建業者なので8種制限が適用されません。
誤っている語句
「30%という数字だけを見れば」
正しい修正
「買主が宅建業者かを先に確認する」
問題19
平成27年問39第4肢では、「2年」ではなく「契約締結日から」という起算点がひっかけになる。
正解:○
引渡しから2年以上である必要があります。
問題20
クーリング・オフ問題では、到達日より先に発送日を確認する。
正解:○
発信時に効力が生じるためです。
一問一答で最も注意したいのは、正しい数字を誤った時点へ結び付ける誤肢です。8日を到達期限へ変え、2年を契約締結日からへ変えるだけでも、数字そのものを変更せず誤肢が作れます。数字と起算点・効力発生時を一組にしてください。
宅建試験ではここが狙われやすい
本試験では、「8日」「20%」「2年」という頻出数字そのものより、数字の対象や起算点の入れ替えに注意してください。特に8日以内に「到達」と書かれていないか、2年の前に「契約締結日から」と書かれていないかを確認します。正しい数字がある選択肢ほど、その前後の語句を慎重に読みます。
また、クーリング・オフの終了条件では数字ではなく接続詞が狙われます。👉 8日=告知日から、効力=発信時、終了=引渡し+全額支払いと整理してください。対象者・時期・接続詞の三つを見ると、数字だけでは見抜けない誤肢にも対応できます。
FAQ
クーリング・オフでは、8日以内に何をすればよいのか、引渡しや支払いが一部だけ済んでいる場合はどうなるのかで迷いやすくなります。FAQでは本文の単純な繰り返しではなく、平成27年問39から派生する境界的な判断を確認します。迷った場合は、発送・到達・引渡し・全額支払いを別々に確認してください。
Q1.7日目に発送して10日目に到達した場合も考え方は同じですか?
資料で重要なのは発信時です。期間内に発送しているかを確認し、到達日だけで解除不可とは判断しません。
Q2.8日という数字は「8日以内に届く」という意味ですか?
そのようには整理しません。平成27年問39では、7日目発送・9日目到達でも解除可能とされています。
Q3.宅建業者が解除書面を受け取らなかった場合は、発送しても無意味ですか?
今回の資料では、クーリング・オフの効果は申込者等が書面を発信した時に生じるとされています。相手方の受領時を効力発生条件へ置き換えないでください。
Q4.物件の鍵を受け取ったら直ちにクーリング・オフできなくなりますか?
資料上の終了条件は引渡しだけではなく、代金全部の支払いも必要です。二つがそろっているかを確認してください。
Q5.代金を全額支払ったら、それだけでクーリング・オフできなくなりますか?
資料では引渡しも必要です。「引渡しを受け、かつ、代金全部を支払ったとき」と整理してください。
Q6.代金の99%を支払っていれば「全部」と考えますか?
資料に示されている語句は「代金全部」です。本試験では「全部」を「一部」「大部分」に変更した選択肢に注意してください。
Q7.引渡しと全額支払いが8日以内に完了した場合はどう見ますか?
資料では、引渡しを受け、かつ、代金全部を支払った時点もクーリング・オフできなくなる条件として示されています。8日だけでなく、この終了条件も確認します。
Q8.クーリング・オフの問題で最初に8日を計算すればよいですか?
その前に買主が宅建業者かを確認してください。8種制限が適用される取引かを確定してから期間を確認します。
Q9.買主が宅建業者なら8日のルールをそのまま使いますか?
平成27年問39の資料では、8種制限は業者間取引には適用されません。まず買主の属性を確認する必要があります。
Q10.20%と30%のどちらを覚えればよいですか?
一般買主との取引では20%が上限ですが、業者間ではその8種制限が適用されません。30%は第3肢で業者間だから可能となる設定です。
Q11.契約不適合責任の2年は契約締結日からですか?
資料では引渡しから2年以上です。平成27年問39第4肢は起算点を契約締結日へ変更したため誤りです。
Q12.買主が取り壊す予定なら契約不適合責任を免除できますか?
資料では特別扱いされません。買主の個別事情を法定の例外条件にしないでください。
Q13.クーリング・オフの問題で「到達」という言葉が出たらどうしますか?
発信時との入れ替えを疑ってください。解除書面をいつ発送したかを先に確認します。
Q14.期間問題で最も注意することは何ですか?
数字だけでなく起算点と効力発生時を確認することです。8日・2年とも、その数字が何の日から何を判断する数字なのかを確認してください。
FAQで共通するのは、条件を一つだけ切り取って判断しないことです。8日だけ、引渡しだけ、全額支払いだけ、2年だけを見ても正誤は確定しません。対象者・起算点・組合せまで確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
境界問題では、一部だけ条件を満たしているケースが狙われます。引渡し済みだが残代金あり、全額支払い済みだが未引渡し、7日目発送だが9日目到達というように、二つの条件の一方だけを強調する文章に注意してください。本試験では「何が済んでいて、何がまだなのか」を分けます。
また、期間問題では数字そのものより前後の語句を変更する方が誤肢を作りやすくなります。👉 買主属性→8日の起算→発信時→引渡し+全額支払いの順番で確認してください。クーリング・オフでは、日数だけを暗記するより問題文のどこを見るかを固定する方が得点につながります。
まとめ
この論点では、発送と到達、引渡しだけと「引渡し+代金全部支払い」の入れ替えが最も狙われます。特に「8日以内に到達」「引渡しだけで解除不可」という文章に注意してください。本試験では、まず買主の属性と解除書面の発送日を確認します。
平成27年問39では、7日目に発送しているため9日目到達でもクーリング・オフの効力は生じます。👉 買主属性→8日→発送時→引渡し+全額支払いの順番で確認すれば、似た誤肢にも対応できます。数字を覚え直すのではなく、8日・20%・2年が何と結び付けられているかを確認してください。
