宅建業法の報酬計算では、税込価格ではなく本体価格を基準にすることが最初のポイントです。宅地は非課税ですが、建物は消費税の課税対象なので、税込建物価格が示された場合は税抜きへ戻します。この章では平成2年問48を正解するために、本体価格・即算式・課税業者・免税業者の順番を整理します。
消費税の問題で失点しやすいのは、税率を知らないことより同じ1.1を掛ける場面と割る場面を混同することです。建物税込価格から本体価格を求めるときは1.1で割り、課税業者の報酬額を求めるときは税抜報酬額へ1.1を掛けます。同じ数字でも何を計算しているのかを確認しなければ、途中式が逆になります。
平成2年問48では、宅地価格と建物税込価格を分け、建物2,200万円を2,000万円へ戻してから宅地価格と合算します。その後、400万円超なので「3%+6万円」で税抜報酬額を求め、免税業者Aなら1.04、課税業者Bなら1.1を掛けます。問題文では、物件価格の税処理と報酬額の税処理を別々に行うことが重要です。
問題文を読んだら最初に何を見るか
報酬額と消費税の問題では、最初に宅地と建物のどちらの価格かを確認します。宅地と建物では消費税の扱いが異なるため、表示された数字を同じ方法で処理してはいけません。この章では、問題文から税込・本体価格・課税業者・免税業者を拾う方法を整理します。
次に、建物価格が税込表示か税抜表示かを確認します。税込建物価格なら本体価格へ戻す必要がありますが、最初から本体価格が示されていれば同じ割戻しは不要です。問題文の金額を電卓へ入れる前に、「税込」という一語が付いていないか確認してください。
最後に、媒介を行った宅建業者が課税業者か免税業者かを確認します。資料では課税業者は税抜報酬額へ10%を加算でき、免税業者は4%を加算できると整理されています。業者区分は本体価格を求める段階ではなく、税抜報酬額を求めた後に使用します。
問題文で注目する語句を整理します。この表を見る目的は、同じ数字でもどの段階で使う数字かを分けることです。特に「税込」「免税」「課税」という語句へ印を付けてください。
| 問題文の語句 | 判断ポイント |
|---|---|
| 宅地の価額 | そのまま本体価格として扱う |
| 建物の税込価格 | 1.1で割って本体価格を求める |
| 本体価格 | 報酬計算の基準 |
| 400万円超 | 3%+6万円を使う |
| 課税業者 | 税抜報酬額に10%を加算 |
| 免税業者 | 税抜報酬額に4%を加算 |
| 2,200万円税込 | 2,000万円へ戻す |
| 1.1 | 割る場面と掛ける場面を区別 |
| 1.04 | 免税業者の報酬額で使用 |
| 報酬限度額 | 最終加算後の額を確認 |
この表では、「1.1」という数字だけを覚えないことが重要です。建物価格では割り算、課税業者の報酬では掛け算に使うため、対象を入れ替えるだけで誤肢になります。本試験では数字を見るたびに「何についての1.1か」を確認してください。
問題文は次の順番で処理します。計算途中で課税・免税を切り替えるのではなく、税抜報酬額までは共通処理にするとミスを減らせます。その後に業者区分だけを分岐させます。
・① 宅地と建物の価格を分ける
・② 建物価格が税込か確認する
・③ 税込なら1.1で割って本体価格を出す
・④ 宅地と建物の本体価格を合算する
・⑤ 400万円超なら3%+6万円を使う
・⑥ 課税業者か免税業者か確認する
・⑦ 課税は1.1、免税は1.04を掛ける
この順番では、建物価格の税処理と報酬額の税処理を別工程として扱います。最初の税処理は「物件価格を本体価格へ戻す作業」であり、最後の税処理は「宅建業者の報酬額を確定する作業」です。両者を一つの消費税計算としてまとめないことが重要です。
宅建試験ではここが狙われやすい
この論点では、税込価格を本体価格として使うひっかけが最も狙われます。建物2,200万円と書かれていると、その数字をそのまま即算式へ入れたくなりますが、税込表示なら2,000万円へ戻す必要があります。問題文では金額より先に「税込」という語句を確認してください。
さらに、宅地まで1.1で割る誤肢や、課税業者と免税業者の加算率を交換する誤肢にも注意します。👉 宅地・建物→税込・税抜→即算式→課税・免税の順番を固定すると、正しい数字を別の対象へ移したひっかけを切りやすくなります。数字そのものより、数字が使われる段階を確認してください。
報酬計算の基準|税込価格ではなく本体価格
報酬額の計算では、消費税を含まない本体価格を基準とします。問題文に建物の税込価格が示されている場合は、その税込額を直接報酬計算へ使用しません。この章では、平成2年問48で最初に必要となる本体価格の求め方を整理します。
宅地については、資料では売買が消費税の課税対象外とされています。そのため、宅地1,100万円や1,000万円と示されている場合、その金額をそのまま報酬計算の基準へ使用します。宅地価格を消費税相当分として1.1で割る必要はありません。
建物については、売買が消費税の課税対象とされています。建物税込価格2,200万円なら、2,200万円÷1.1=2,000万円として本体価格を求めます。宅地と建物が一緒に売買されても、建物部分だけ税抜きへ戻してから合算します。
本体価格の処理を比較します。この表を見る目的は、宅地と建物を同じ方法で計算しないことです。平成2年問48では、この違いだけで基準価格が変わります。
| 対象 | 問題文の金額 | 報酬計算で使用 |
| 宅地 | 1,100万円 | 1,100万円 |
| 建物 | 税込2,200万円 | 2,000万円 |
| 合計 | 表示額3,300万円 | 本体価格3,100万円 |
この表から分かるように、見た目の合計額3,300万円は報酬計算の基準にはなりません。建物の消費税部分200万円を除き、宅地1,100万円と建物本体2,000万円を合計します。本試験では、合計前に税処理を行うことが重要です。
例題1
宅地1,100万円、建物税込2,200万円の場合、報酬計算の基準額は3,300万円である。
解答・判断ポイント
正解:×
建物税込2,200万円は本体価格2,000万円へ戻します。宅地1,100万円と合計して3,100万円です。
誤肢分析
誤っている語句
「3,300万円」
正しい修正
「3,100万円」
税込建物価格をそのまま合算させる誤肢です。
例題2
建物税込価格2,200万円の本体価格は2,000万円である。
解答・判断ポイント
正解:○
2,200万円÷1.1=2,000万円です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
税込価格から本体価格を求める基本形です。
例題3
宅地1,100万円は消費税込みの価格なので、1.1で割って1,000万円として報酬計算する。
解答・判断ポイント
正解:×
資料では宅地の売買は非課税なので、1,100万円をそのまま使います。
誤肢分析
誤っている語句
「1.1で割って1,000万円」
正しい修正
「1,100万円をそのまま使用する」
建物の消費税処理を宅地へ移した誤肢です。
例題4
宅地と建物が一括して売買される場合、表示価格を合計してから全体を1.1で割る。
解答・判断ポイント
正解:×
宅地と建物では消費税の扱いが違います。建物部分だけ1.1で割ります。
誤肢分析
誤っている語句
「全体を1.1で割る」
正しい修正
「建物の税込価格だけ1.1で割る」
計算対象を広げた誤肢です。
例題5
建物価格が最初から税抜2,000万円と表示されている場合、さらに1.1で割る必要はない。
解答・判断ポイント
正解:○
すでに本体価格が示されているため、同じ税抜処理を繰り返しません。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
税込表示か本体価格表示かを確認する問題です。
宅建試験ではここが狙われやすい
本体価格では、1.1で割るという正しい操作を誤った対象へ使うひっかけが中心です。宅地まで割る、宅地と建物を合計してから割る、税抜建物価格をさらに割るなど、操作そのものは正しくても対象が違えば誤りです。本試験では「1.1で割ったか」ではなく「何を1.1で割ったか」を確認してください。
また、税込表示の金額は本体価格より大きいため、誤った計算でも報酬額がもっともらしい数字になります。👉 宅地はそのまま、建物税込だけ÷1.1と対比して覚えると、計算式へ進む前のミスを減らせます。最終報酬額より最初の基準価格を正しく出すことが重要です。
400万円超の報酬計算|3%+6万円
報酬計算の基準となる価格が400万円を超える場合、資料では**「3%+6万円」**の即算式を使います。平成2年問48では、本体価格3,100万円または3,000万円なので、いずれもこの即算式を使用します。この章では、本体価格から税抜報酬額を求める段階を整理します。
本体価格3,100万円なら、3,100万円×3%=93万円です。そこへ6万円を加えるため、税抜報酬額は99万円となります。この99万円はまだ最終額ではなく、宅建業者の税区分による加算前の数字です。
本体価格3,000万円なら、3,000万円×3%=90万円です。そこへ6万円を加えて96万円となり、こちらも税抜報酬額として扱います。問題文に課税業者・免税業者と書かれていれば、この後にもう一段階計算があります。
二つのケースを比較します。この表を見る目的は、本体価格が100万円違うと税抜報酬額が3万円変わることを確認することです。最終額を比較する前に、この中間値を確定してください。
| 本体価格 | 計算 | 税抜報酬額 |
| 3,100万円 | 3,100万円×3%+6万円 | 99万円 |
| 3,000万円 | 3,000万円×3%+6万円 | 96万円 |
この表では、99万円や96万円で計算を終えないことがポイントです。税抜報酬額は課税業者・免税業者どちらにも共通する中間値なので、その後に業者区分を確認します。共通部分を先に計算し、最後だけ分岐するとミスを減らせます。
例題6
本体価格3,100万円の売買では、税抜報酬額は99万円である。
解答・判断ポイント
正解:○
3,100万円×3%+6万円=99万円です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
平成2年問48の肢1・肢3で使う数字です。
例題7
本体価格3,000万円なら、3%の90万円がそのまま税抜報酬額となる。
解答・判断ポイント
正解:×
400万円超なので6万円を加えます。税抜報酬額は96万円です。
誤肢分析
誤っている語句
「90万円」
正しい修正
「96万円」
即算式の+6万円を削った誤肢です。
例題8
3%+6万円の即算式には、建物税込価格を含む表示価格の合計額を入れる。
解答・判断ポイント
正解:×
即算式へ入れるのは消費税を除いた本体価格です。
誤肢分析
誤っている語句
「表示価格の合計額」
正しい修正
「本体価格の合計額」
正しい式へ誤った基準額を入れるひっかけです。
宅建試験ではここが狙われやすい
即算式では、3%+6万円という式より入力する価格のすり替えに注意してください。税込建物価格を含めた合計額へ正しい式を使えば、計算過程は自然でも結論は誤ります。式を思い出した時点で安心せず、基準価格が本体価格かを確認してください。
さらに、税抜報酬額をそのまま最終限度額として選ばせる誤肢も作られます。👉 本体価格→3%+6万円→税抜報酬額→業者区分の順番を維持してください。課税・免税という語句が問題文にあるなら、即算式で計算終了ではありません。
課税業者|税抜報酬額に10%を加算する
消費税の課税業者である宅建業者は、資料では税抜報酬額へ消費税10%を加算できます。平成2年問48ではBが課税業者であり、税抜報酬額99万円または96万円へ1.1を掛けます。この章では、建物価格を税抜きへ戻す1.1との違いを整理します。
肢1・肢3のケースでは、税抜報酬額は99万円です。Bは課税業者なので99万円×1.1=108万9,000円となります。資料では肢3に示された報酬額がこの限度額と一致しないため、肢3は誤りです。
肢2・肢4のケースでは、税抜報酬額は96万円です。96万円×1.1=105万6,000円となり、これが課税業者Bの限度額です。平成2年問48では、課税業者の二つのケースを正しく分ける必要があります。
課税業者の処理を整理します。この表では、同じ1.1を割る場面と掛ける場面を比較します。試験ではこの逆転がそのまま誤肢になります。
| 場面 | 計算 |
| 建物税込価格→本体価格 | ÷1.1 |
| 税抜報酬額→課税業者の報酬 | ×1.1 |
| 99万円 | 108万9,000円 |
| 96万円 | 105万6,000円 |
この表では、「消費税だから1.1」という覚え方をしないことが重要です。本体価格へ戻すなら割り、報酬へ税を加えるなら掛けます。計算前に「今求めたいのは本体価格か報酬限度額か」を確認してください。
例題9
課税業者の税抜報酬額が99万円なら、限度額は108万9,000円である。
解答・判断ポイント
正解:○
99万円×1.1=108万9,000円です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
課税業者の基本計算です。
例題10
課税業者の報酬額を求める場合、税抜報酬額を1.1で割る。
解答・判断ポイント
正解:×
課税業者の報酬へ10%を加算するので1.1を掛けます。
誤肢分析
誤っている語句
「1.1で割る」
正しい修正
「1.1を掛ける」
建物価格の割戻しと入れ替えた誤肢です。
例題11
課税業者の税抜報酬額が96万円なら、限度額は105万6,000円である。
解答・判断ポイント
正解:○
96万円×1.1=105万6,000円です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
平成2年問48肢4側の正しい計算です。
宅建試験ではここが狙われやすい
課税業者では、÷1.1と×1.1の逆転が最も分かりやすいひっかけです。同じ10%に関する数字なので、途中計算を急ぐと建物価格の処理と報酬額の処理を取り違えます。本試験では「税を除くのか、税を加えるのか」を言葉で確認してください。
さらに、99万円や96万円を限度額として計算を止める選択肢にも注意します。👉 建物税込は÷1.1、課税業者報酬は×1.1と対比して覚えると、同じ数字の役割を区別できます。正しい税率だけでなく、掛ける対象を確認してください。
免税業者|税抜報酬額に4%を加算する
資料では、免税業者は課税業者のように消費税10%をそのまま加算することはできません。ただし、仕入れ等で負担する消費税を転嫁するため、みなし仕入率として4%を税抜報酬額へ加算できると整理されています。この章では、免税業者の1.04と課税業者の1.1を比較します。
肢1・肢3側の税抜報酬額は99万円です。Aは免税業者なので99万円×1.04=102万9,600円となります。資料では肢1の金額がこれと一致するため、肢1が正しいとされています。
肢2・肢4側では税抜報酬額96万円を使用します。Aは免税業者なので96万円×1.04=99万8,400円となります。資料では肢2の提示額がこれと一致しないため、肢2は誤りです。
課税業者と免税業者を比較します。この表を見る目的は、税抜報酬額までは同じ計算で、最後の倍率だけが異なることを確認することです。最初からAとBを別々に計算しない方が整理しやすくなります。
| 宅建業者 | 税抜報酬額への加算 | 99万円の場合 |
| 課税業者 | ×1.1 | 108万9,000円 |
| 免税業者 | ×1.04 | 102万9,600円 |
この表では、免税業者だから加算ゼロと考えないことが重要です。資料では4%を加算できるため、99万円や96万円をそのまま最終額とする文章も誤りになります。**課税10%・免税4%**と対象をセットにしてください。
例題12
免税業者の税抜報酬額が99万円なら、資料上の限度額は102万9,600円である。
解答・判断ポイント
正解:○
99万円×1.04で計算します。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
平成2年問48肢1の判断です。
例題13
免税業者は消費税を納付しないため、税抜報酬額へ何も加算できない。
解答・判断ポイント
正解:×
資料では免税業者でも4%を加算できるとされています。
誤肢分析
誤っている語句
「何も加算できない」
正しい修正
「4%を加算できる」
「免税」という語句から加算ゼロに見せる誤肢です。
例題14
免税業者も課税業者と同じく、税抜報酬額へ10%を加算できる。
解答・判断ポイント
正解:×
資料では免税業者は4%です。
誤肢分析
誤っている語句
「10%」
正しい修正
「4%」
課税業者と免税業者の加算率を同一化した誤肢です。
例題15
免税業者の税抜報酬額が96万円なら、限度額は99万8,400円である。
解答・判断ポイント
正解:○
96万円×1.04=99万8,400円です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
平成2年問48肢2側の正しい限度額です。
宅建試験ではここが狙われやすい
免税業者では、4%を0%または10%へ変更するひっかけが中心です。「免税だからゼロ」という感覚も、「消費税率は10%だから10%」という感覚も、資料の計算とは一致しません。本試験では免税業者という語句を見たら1.04へ直接結び付けてください。
課税業者と免税業者は、税抜報酬額まで同じ計算です。👉 共通計算→Aは1.04・Bは1.1と最後だけ分ければ、四肢を別々に最初から計算する必要がありません。対象者の入れ替えと倍率の入れ替えを同時に確認してください。
消費税の計算順序|除いてから加える
報酬額と消費税では、最初に建物価格から消費税を除き、最後に宅建業者の報酬へ加算するという二段階の税処理があります。この二つを一つの計算としてまとめると、税込価格をそのまま使ったり、報酬額を誤って割り戻したりします。この章では、平成2年問48の計算順序を一本の流れとして整理します。
肢1・肢3では、建物税込2,200万円を2,000万円へ戻し、宅地1,100万円を加えて3,100万円とします。3,100万円×3%+6万円=99万円を求めた後、Aなら1.04、Bなら1.1を掛けます。途中の99万円まではA・Bに共通する数字です。
肢2・肢4では、建物本体2,000万円と宅地1,000万円を合計して3,000万円とします。3,000万円×3%+6万円=96万円を求め、Aなら1.04、Bなら1.1を掛けます。どちらのケースでも、物件価格の税処理→税抜報酬額→業者区分という順番は同じです。
計算全体を比較します。この表を見る目的は、四肢すべてを個別計算せず、共通部分と分岐部分へ分けることです。本試験では途中式を二行程度書くだけでも誤答を防ぎやすくなります。
| ケース | 本体価格合計 | 税抜報酬額 | A免税 | B課税 |
| 肢1・3 | 3,100万円 | 99万円 | 102万9,600円 | 108万9,000円 |
| 肢2・4 | 3,000万円 | 96万円 | 99万8,400円 | 105万6,000円 |
この表では、最終額を丸暗記する必要はありません。建物本体2,000万円という共通値を最初に出し、宅地価格だけで3,100万円・3,000万円へ分岐させれば計算量を減らせます。最後にA・Bで倍率を変えるだけです。
例題16
平成2年問48では、まず建物税込2,200万円を本体2,000万円へ戻す。
解答・判断ポイント
正解:○
四肢すべてに共通する最初の処理です。
誤肢分析
誤っている語句
なし
正しい修正
なし
共通部分を最初に処理する問題です。
例題17
Aが免税業者かBが課税業者かによって、建物税込2,200万円の本体価格も変わる。
解答・判断ポイント
正解:×
本体価格2,000万円は業者区分にかかわらず共通です。
誤肢分析
誤っている語句
「本体価格も変わる」
正しい修正
「本体価格は共通で、最後の報酬加算率が変わる」
業者区分を物件価格の税処理へ持ち込む誤肢です。
宅建試験ではここが狙われやすい
計算順序では、課税・免税という業者区分を早い段階へ持ち込む誤肢に注意します。Aが免税だから建物価格を割らない、Bが課税だから建物税込価格をそのまま使うという判断は、二つの税処理を混同しています。本体価格を求める段階ではA・Bの区分は関係ありません。
また、最後の倍率だけ正しくても、その前の基準価格が誤っていれば最終額も誤ります。👉 建物を税抜き→宅地と合算→3%+6万円→税区分の順番を固定してください。正しい倍率より先に、正しい基準価格を作ることが重要です。
過去問分析
この過去問では、税込価格と本体価格、宅地と建物、課税業者と免税業者を一つの計算問題へ組み合わせています。四肢の計算構造はほぼ共通なので、各肢を一から計算するより共通部分を先に処理する方が効率的です。この章では平成2年問48について、正誤を分ける数字と計算段階を簡潔に整理します。
最初の共通処理は建物税込2,200万円÷1.1=2,000万円です。宅地1,100万円なら本体価格合計3,100万円、宅地1,000万円なら3,000万円となり、税抜報酬額はそれぞれ99万円・96万円です。その後、A免税業者は1.04、B課税業者は1.1を掛けます。
最初に確認する語句
問題文では、宅地の価額、建物の税込価格、免税業者A、課税業者Bを最初に確認します。
平成2年(1990年)問48
消費税の免税事業者である宅地建物取引業者Aは、消費税の課税事業者である法人甲から媒介の依頼を受け、また、消費税の課税事業者である宅地建物取引業者Bは、消費税の免税事業者である乙から媒介の依頼を受けて、AB共同して、甲乙間に、甲の所有する事業用の宅地及び建物の売買契約を成立させた。この場合、宅地建物取引業者が受領することのできる報酬の上限額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 消費税込みの物件価額が宅地1,100万円、建物2,200万円の場合、Aの受領することのできる報酬の上限額は、102万9,600円である。
- 消費税込みの物件価額が宅地1,000万円、建物2,200万円の場合、Aの受領することのできる報酬の上限額は、96万円である。
- 消費税込みの物件価額が宅地1,100万円、建物2,200万円の場合、Bの受領することのできる報酬の上限額は、102万9,600円である。
- 消費税込みの物件価額が宅地1,000万円、建物2,200万円の場合、Bの受領することのできる報酬の上限額は、96万円である。
正解:1
解説
建物税込2,200万円は2,000万円へ戻します。宅地価格と合算して3%+6万円で税抜報酬額を出し、Aは1.04、Bは1.1を掛けます。
各肢の正誤理由
◆1(正しい)
宅地1,100万円+建物本体2,000万円=3,100万円です。99万円×1.04=102万9,600円となり、免税業者Aの限度額と一致します。
◆2(誤り)
宅地1,000万円+建物本体2,000万円=3,000万円です。96万円×1.04=99万8,400円がAの限度額です。
◆3(誤り)
本体価格合計3,100万円から税抜報酬額99万円を求めます。課税業者Bは99万円×1.1=108万9,000円です。
◆4(誤り)
本体価格合計3,000万円から税抜報酬額96万円を求めます。課税業者Bは96万円×1.1=105万6,000円です。
問題作成者のひっかけポイント
第1のひっかけは、建物税込価格をそのまま報酬計算へ使用させることです。宅地価格はそのまま使えるため、宅地と建物を同じ処理にすると誤りになります。宅地は非課税、建物税込は税抜きという非対称な処理が判断の入口です。
第2のひっかけは、同じ1.1を逆方向へ使わせることです。建物価格では1.1で割りますが、課税業者の報酬では1.1を掛けます。数字だけを覚えている受験生に、計算対象と方向を取り違えさせる構成です。
第3のひっかけは、課税業者と免税業者の加算率を入れ替えることです。税抜報酬額までは同じでも、Aは1.04、Bは1.1なので最終額が変わります。対象者と倍率を一組で確認してください。
受験生が迷う理由
最も迷いやすいのは、消費税を一度除いた後に再び税相当額を加える点です。最初は物件価格の消費税を除き、最後は宅建業者の報酬額へ加算するため、同じ税処理に見えて役割が違います。二つの処理を「物件価格」と「報酬額」で分ける必要があります。
また、1.1・1.04・3%+6万円という複数の数字が短い問題文へ集中しています。すべて正しい数字なので、どれかを忘れるより使用対象を取り違える方が危険です。数字を見たら必ず「何に使う数字か」を確認してください。
正しい判断手順
最初に四肢共通の建物税込2,200万円を2,000万円へ戻します。次に宅地価格によって3,100万円と3,000万円へ分け、3%+6万円で99万円と96万円を求めます。この段階までA・Bの区分は使いません。
最後にAなら1.04、Bなら1.1を掛けます。A・3,100万円なら102万9,600円、A・3,000万円なら99万8,400円、B・3,100万円なら108万9,000円、B・3,000万円なら105万6,000円です。この結果を各肢と照合すれば、肢1だけが正しいと判断できます。
類似問題で使える知識
類似問題でも、建物税込価格が出たら先に本体価格へ戻します。宅地と建物を一括して売買していても、宅地部分まで1.1で割らないことが重要です。税込価格という表示を見つけた時点で、計算対象を切り分けてください。
また、課税・免税の違いは最後に処理する方法が使えます。税抜報酬額までは共通計算と考え、最後だけ1.1と1.04へ分岐させれば、対象者の入れ替えにも対応しやすくなります。共通処理→分岐処理という考え方は、計算問題全般で有効です。
宅建試験ではここが狙われやすい
平成2年問48では、数字の変更より計算対象と計算順序の変更が中心です。税込建物価格をそのまま使う、宅地を1.1で割る、+6万円を落とす、1.04と1.1を交換するだけで、もっともらしい誤肢を作れます。数字が正しいかだけでなく、その数字をどの段階で使っているかを確認してください。
特に「1.1」は二つの正反対の操作に使われます。👉 建物税込→÷1.1→本体価格→3%+6万円→A×1.04・B×1.1の順番で確認すれば、途中式のどこが変更されたかを見抜きやすくなります。最終額を暗記するより、計算順序を固定してください。
一問一答|過去問の肢レベルで確認
ここでは報酬額と消費税について、本体価格、宅地・建物、1.1、1.04、課税・免税を組み合わせた本試験型の問題を確認します。単純な計算問題だけでなく、正しい数字を誤った対象へ移した選択肢も含めます。誤りの場合は、どこを修正すれば正しい文章になるかまで確認してください。
問題1
建物税込価格2,200万円の本体価格は2,000万円である。
正解:○
2,200万円÷1.1=2,000万円です。
問題2
宅地1,100万円は、消費税を除くため1.1で割って1,000万円として扱う。
正解:×
宅地は資料上非課税です。
誤っている語句
「1.1で割って1,000万円」
正しい修正
「1,100万円をそのまま使用する」
問題3
宅地1,100万円と建物税込2,200万円なら、本体価格合計は3,100万円である。
正解:○
宅地1,100万円+建物本体2,000万円です。
問題4
宅地1,100万円と建物税込2,200万円なら、表示価格合計3,300万円へ3%+6万円を適用する。
正解:×
即算式へ入れるのは本体価格合計です。
誤っている語句
「3,300万円」
正しい修正
「3,100万円」
問題5
本体価格3,100万円の税抜報酬額は99万円である。
正解:○
3,100万円×3%+6万円=99万円です。
問題6
本体価格3,000万円なら、3%の90万円だけが税抜報酬額である。
正解:×
6万円を加えます。
誤っている語句
「90万円」
正しい修正
「96万円」
問題7
課税業者の税抜報酬額99万円に10%を加算すると108万9,000円となる。
正解:○
99万円×1.1です。
問題8
課税業者の報酬限度額を求めるときは、税抜報酬額を1.1で割る。
正解:×
1.1を掛けます。
誤っている語句
「1.1で割る」
正しい修正
「1.1を掛ける」
問題9
免税業者の税抜報酬額99万円には、資料上4%を加算できる。
正解:○
99万円×1.04=102万9,600円です。
問題10
免税業者は免税なので、税抜報酬額へ何も加算できない。
正解:×
資料では4%を加算できます。
誤っている語句
「何も加算できない」
正しい修正
「4%を加算できる」
問題11
免税業者も課税業者と同じく、税抜報酬額へ10%を加算する。
正解:×
免税業者は資料上4%です。
誤っている語句
「10%」
正しい修正
「4%」
問題12
建物税込価格を本体価格へ戻すときは1.1で割り、課税業者の報酬では1.1を掛ける。
正解:○
同じ1.1でも使う段階が異なります。
問題13
宅地1,000万円と建物税込2,200万円なら、本体価格合計は3,000万円である。
正解:○
1,000万円+2,000万円です。
問題14
本体価格3,000万円を媒介した免税業者の限度額は99万8,400円である。
正解:○
96万円×1.04で計算します。
問題15
本体価格3,000万円を媒介した課税業者の限度額は105万6,000円である。
正解:○
96万円×1.1で計算します。
問題16
宅建業者が免税業者なら、建物税込価格を本体価格へ戻す必要はない。
正解:×
業者区分は物件価格の税処理に影響しません。
誤っている語句
「本体価格へ戻す必要はない」
正しい修正
「税込建物価格は本体価格へ戻す」
問題17
宅建業者が課税業者なら、建物税込価格をそのまま報酬計算へ使える。
正解:×
課税業者かどうかにかかわらず、税込建物価格は本体価格へ戻します。
誤っている語句
「そのまま報酬計算へ使える」
正しい修正
「本体価格へ戻して使用する」
問題18
課税業者か免税業者かは、税抜報酬額を求めた後に確認する。
正解:○
税抜報酬額までは共通計算です。
問題19
消費税の問題では、最終報酬額より先に報酬計算の基準となる本体価格を確認する。
正解:○
最初の基準価格を誤ると、その後の計算もすべてずれます。
問題20
平成2年問48では、Aに1.1、Bに1.04を掛ける。
正解:×
Aは免税業者、Bは課税業者です。
誤っている語句
「Aに1.1、Bに1.04」
正しい修正
「Aに1.04、Bに1.1」
一問一答で最も注意したいのは、数字ではなく使用対象のすり替えです。1.1・1.04・3%+6万円はいずれも正しい数字や式ですが、使う対象が違えば選択肢は誤りになります。数字を見たら「価格か報酬か、課税か免税か」を確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
本試験では、1.1という正しい数字を残したまま割る・掛けるを逆転させる方法が使えます。同様に、1.04を課税業者へ移し、1.1を免税業者へ移すだけでも誤肢になります。正しい数字を見つけた時点で○にせず、その数字の対象者まで確認してください。
また、税込価格をそのまま即算式へ入れる文章は、式だけを見ると正しく見えます。👉 税込・税抜→即算式→課税・免税の三段階を確認すると、途中のどこを変更されたかを特定できます。計算問題では、最終数字より最初の一行を慎重に確認してください。
FAQ
報酬額と消費税では、物件価格の税処理と宅建業者の報酬への税処理が同じ問題へ入るため、境界的な条件で迷いやすくなります。FAQでは本文の数字を繰り返すのではなく、表示方法や業者区分が少し変わった場合の判断を整理します。迷った場合は、今計算しているのが物件価格か報酬額かを確認してください。
Q1.建物価格が最初から税抜表示なら1.1で割りますか?
割りません。すでに本体価格が示されているなら、その価格を報酬計算へ使用します。
Q2.宅地価格に「税込」と書かれていたら1.1で割りますか?
今回の資料では宅地の売買は非課税として整理されています。問題文の設定を確認し、建物と同じ処理を機械的に当てはめないでください。
Q3.宅地と建物の合計額だけが示された場合はどうしますか?
今回の指定資料では、宅地価格と建物税込価格が分けて示されています。内訳がないケースの具体的処理は資料からは確認できないため、本記事では平成2年問48の出題形式を基準に扱います。
Q4.免税業者なら建物価格の消費税処理も変わりますか?
変わりません。宅建業者の税区分は最終報酬額の加算で使う条件です。
Q5.課税業者なら建物税込価格をそのまま使ってよいですか?
使いません。税込建物価格は本体価格へ戻してから報酬計算します。
Q6.1.1を割るのか掛けるのか迷ったらどうしますか?
税を除いて本体価格へ戻すなら割ります。課税業者の税抜報酬額へ税を加えるなら掛けます。
Q7.免税業者はなぜ1.04なのですか?
資料では、免税業者でも仕入れ等で負担する消費税を転嫁するため、みなし仕入率として4%を加算できると整理されています。本記事ではその資料の計算方法を基準にします。
Q8.AとBはどの段階まで同じ計算ですか?
建物本体価格、本体価格合計、3%+6万円による税抜報酬額までは共通です。その後にAは1.04、Bは1.1へ分岐します。
Q9.3%+6万円の後に1.04や1.1を掛ける理由は何ですか?
3%+6万円で求めた数字が税抜報酬額だからです。資料では、そこから業者区分に応じた加算を行います。
Q10.3%+6万円へ税込価格を入れて、最後に調整すれば同じになりますか?
本記事ではそのように処理しません。資料どおり、最初に本体価格を確定してから即算式を使います。
Q11.免税業者は1.04、課税業者は1.1だけ覚えれば十分ですか?
十分ではありません。その前に本体価格と税抜報酬額を正しく求める必要があります。
Q12.選択肢の金額が少しだけ違うときはどこを疑いますか?
+6万円の有無、1.04と1.1の取り違え、税込価格の使用を確認してください。途中式を書けば、どの段階を変更した誤肢か分かりやすくなります。
Q13.平成2年問48で最初に計算する数字は何ですか?
建物税込2,200万円÷1.1です。ここで建物本体2,000万円を確定すると、その後の四肢を共通処理できます。
Q14.最終金額を四つ暗記した方が早いですか?
数字を変更された類似問題には対応しにくくなります。本体価格→3%+6万円→税区分という順番を固定する方が実戦的です。
FAQで共通するポイントは、同じ消費税でも処理対象を分けることです。建物価格から消費税を除く場面と、宅建業者の報酬額へ税相当額を加える場面では計算方向が異なります。問題文に税に関する語句が出たら、何についての税なのかを確認してください。
宅建試験ではここが狙われやすい
境界問題では、宅建業者の税区分を物件価格の処理へ持ち込むひっかけが狙われます。免税業者だから建物価格を税抜きにしない、課税業者だから税込価格をそのまま使えるという文章に注意してください。業者区分を使うのは税抜報酬額を出した後です。
さらに、最終額が近い数字で並んでいる場合は、途中の一工程だけ変更されている可能性があります。👉 建物税込価格→本体価格→税抜報酬額→業者区分の順番で途中式を確認してください。選択肢の最終金額を直接比較するより、どこで数字がずれたかを見ることが重要です。
まとめ
この論点では、税込価格と本体価格、÷1.1と×1.1、課税10%と免税4%の入れ替えが最も狙われます。特に宅地まで1.1で割る文章や、建物税込価格をそのまま3%+6万円へ入れる選択肢に注意してください。本試験では、まず宅地か建物か、税込か本体価格かを確認します。
平成2年問48では、建物2,200万円を2,000万円へ戻すことが判断の入口です。👉 建物税込→÷1.1→宅地と合算→3%+6万円→Aは1.04・Bは1.1の順番で確認すれば、数字を変更された類似問題にも対応できます。最終額を覚えるより、どの数字・対象・計算方向を入れ替えられると誤りになるかを確認してください。
